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……古井由吉 3……

1 :古井スレ存続委員会会員:03/08/25 21:23
削除人の仕打ちに抗議したい。早々と消しすぎだ。大西スレもそういう目
に合っているし……。

前スレのURLを失念しました。
>>2-10 までの間に、保存していらっしゃる方はURL書き込みの方、
ご協力お願いします。
では、仕切りなおしと行きましょう。

2 :吾輩は名無しである:03/08/25 21:23
2ゲット

3 :吾輩は名無しである:03/08/25 21:44
事情はわからないが、
清水博子を女にしてくれてありがとう。

4 :吾輩は名無しである:03/08/25 21:48
このスレは存在すべきだと思う的カキコ。

5 :吾輩は名無しである:03/08/25 21:52
…… 古井由吉 2 ……
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1033039716/

6 :古井スレ存続委員会会員:03/08/25 21:54
>>5
ありがとうございます。
今後失念せぬよう、今から保存しておきます。

7 :古井スレ存続委員会会員:03/08/25 21:55
……と思ったらだまされてしまいました。
どなたか、よろしくお願いします。

8 :吾輩は名無しである:03/08/25 22:21
モバイルだけどいいんじゃない?
http://hkwr.com/

9 :吾輩は名無しである:03/08/25 22:40
[文学板] …… 古井由吉 2 ……
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1060697769/

10 :吾輩は名無しである:03/08/26 10:18
散々な流れですが、ログに関してはHTML化されるまで用意してもらったミラーをどうぞ。
http://ruku.qp.tc/dat2ch/0308/26/1060697769.html

みなさんには、氏の作品中で《これは・・・!》と目を瞠った一節にどんなものがありますか。
私には「老い」を取り込んだドロドロの作品中で、より、はっとさせられることが多い気がします。
うねうねと酔わせてもらうが早いか、一行でぐさりとやられたり、なんだか照れ臭くなりますね。

11 :吾輩は名無しである:03/08/26 12:27
>目を瞠った一節にどんなものがありますか。

それも興味あるところではございますが
わたくし、古井の作品に出会い衝撃を受けて以来、
他の作家の本(というより文章が)
もの足りなくて読めなくなってしまいました。
かといっていつまでも古井を再読しているのも
辛うございます。
古井好きならこれはハマるぞ、という作家なり作品なりが
ございましたら、あわせて紹介していただけないものでしょうか。
ああ、わたくし、古井以外、たいして(というかたいした)本は
読んでおりませんので、遠慮なくどんどん挙げていただければ
幸いでございます。
長くなりましたが、古井好きの皆さまの力をお借りしたく
よろしくお願い申しあげます。早々

12 :11:03/08/26 12:35
ああ、ちょっとニュアンスが違ってしまいました。
古井好きならこれはハマるぞ、というより
古井なみに衝撃や影響を受けた本といいましょうか、
要は古井好きの方の、他の愛読書を
教えていただきとうございます。
よろしくどうぞ。

13 :吾輩は名無しである:03/08/26 20:34
>>12
とりあえずムージルとブロッホじゃない?
私には読めなかったけど。

14 :11:03/08/26 22:32
>>10
目を瞠った一節、ではありませんが、
古井の作品のなかで、主人公が長年、奥方に喰わせてもらっていた、
と錯覚するくだりを幾度か目にしまして、なぜそのイメージが
くり返し語られるのか興味深く思いました。

>>13
ムジールはわたくしも読めませんでした。
訳とはいえ、敬愛する古井の文章を完読できず慚愧に耐えませぬ。
それでブロッホを試みる自信を喪失していまいました。

ちなみにわたくし的に晒してみますと、ジャンル違いかと存じますが
高村薫の『照柿』に説明不能ですが古井的匂いを嗅いでしまったのです。
こんなわたくしですが、今後ともよろしくお願い申しあげます。早々

15 :古井スレ存続委員会会員:03/08/27 17:10
>>11
やっぱり徳田秋聲を読む事が、古井文体について考える際に必須ではないのかと
思われます。
複文の作り方なんか本当に似てますよね。ジュンク堂のイベントでも触れていた
事ですし。『////古井由吉////』のレス599も参考になるのではないでしょうか。


16 :古井由吉的AA:03/08/28 07:49
「表現ということ」

現実に身のまわりにあるもの、目に見た覚えのはっきり残るものを、
微に入って立体的に描いていくのは、技倆さえたしかに我が物にしていれば、
すいぶん楽しいものにちがいない。
しかし作家はいずれどこかで、白紙に向うようにして、
描写の要請に立ち向うところに来る。
むろん誰が要請するわけでもなく、ほかならぬ自分の
書きすすめてきた小説が要請するのだ。
その時、描写というのはかなりいかがわしい性格を帯びる。
つまり、対象をいきいきと思い浮べようとすることと、
それを綿密に描こうとすることとが、相前後してではなく、
同時に、相携えて行なわれる。
描きながら、描く対象を生み出していく、というところがあるのだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     __     _ 
    / __`ll  / __`ll
    |/,,゚Д゚)  |/,,゚Д゚)
     |つ,=o┷ .|つ,=o┷
    \|田∃ \|田∃
     ∪∪   ∪∪

17 :古井由吉的AA:03/08/28 07:50
「私の文学的立場」

ほとんど一文章ごとに、
私は自分にとって書くのがつらい事と、
それほどでもない事とを、書痙(物を書こうとすると
ケイレンを起こす病気)ぎみの右手でもって感じ分けている。
そして感じ分けてどうするかと言えば、
書きづらいことのほうへ重い舵を取っていくことにしている。
そうすると、私にとって物を書くいとなみはいよいよ怪しげになり、
現実と非現実の間からウサン臭い気が立ちのぼってきて、
私の手はいよいよ書痙に傾いていくが、
しかしその分だけ、私は右手で物を考えているようだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                Λ_Λ
                ( ・∀・)
             _φ___⊂)__
           /旦/三/ /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        |愛媛みかん|/

18 :吾輩は名無しである:03/08/29 11:38
誰か宇多田に仮往生すすめて。


19 :吾輩は名無しである:03/08/29 23:14
マーゴール・ミッサービーブ! デエーッド!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                Λ_Λ
                ( ・∀・)
             _φ___⊂)__
           /旦/三/ /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        |愛媛みかん|/

20 :吾輩は名無しである:03/08/30 00:49
今日「妻隠」読んで思ったんだが、
由吉って大谷崎に似ていないかな?
話の内容や文体っていうより由吉自体が谷崎に。
資質自体が。なんとなく。

21 :吾輩は名無しである:03/08/30 00:59
奥泉はどうよ?古井をリスペクトしてるで。
あとは宇タ田ヒカルかな。

22 :吾輩は名無しである:03/08/30 05:06
>>20
う〜ん、それはどうかな?
質が全然違っていやしないか

23 :吾輩は名無しである:03/08/30 12:38
伝説の美香語録
「私は宮本輝の生まれ変わりだ」
「私に文学を感じない奴は二度と文学の本質に触れられない」
「小説は全部ノンフィクションですよ。私はそういうウソとかつけないんです。
 作り事の小説を書いても人の心を揺さぶらないでしょう」
「工藤はカスの作家。工藤に負けるやつは人生終わりだ」
「オイディプスの両目潰しはいつか真似してみたい」
「本当の文学は平野啓一郎でもなく村上春樹でもなく美香にある」
「中上健次に島尾敏雄・・私の選ぶ文学は最高にcoolだ」
「300人で図書館借り切って読書会したことあります」
「2ちゃんの書き込みだけじゃなく、全てにおいてノンフィクション」
「美香の文学はタイム・カプセル。30世紀の人間を驚かせますよ。逆に、今の
 奴らには少し高級すぎたかなって反省もある(笑)」

24 :どうでもいいが:03/08/30 18:44
>「私は宮本輝の生まれ変わりだ」

まだ死んでねーよ

25 :吾輩は名無しである:03/08/31 01:40
仮往生伝試文の復刊まだ〜?

26 :吾輩は名無しである:03/08/31 03:44
古井ってすごく日本文学的な存在だと思う。前にフランス人の女性翻訳者が
古井を読むと、日本文学の古典を読みたくなる、とインタビューで言ってた
けど、この人、日本文学が本当に好きなんだな、と思った。きれいな人だよ。
嬉しかった。

27 :吾輩は名無しである:03/08/31 10:33
あの〜、この人の研究本を和田勉が書いてるじゃないですか。
あれってお笑いマンガ道場の和田さんなんですかね??


28 :吾輩は名無しである:03/08/31 10:36
>>27
全くの別人でちゃんとした研究者。
たしか九州大の先生だったはず。

29 :27:03/08/31 10:46
なんかほっとしたw
サンクス。

30 :吾輩は名無しである:03/08/31 11:59
和田勉をバカにするな!
がはははは

31 :吾輩は名無しである:03/08/31 15:20
早稲田じゃなかった?

32 :古井由吉的AA:03/08/31 20:22
「翻訳から創作へ」

外国文学者の文体とは、日本語の微妙な勘をすくなくとも
一度は失いかけたことのある人間の文体であるように私には思える。
それはほかでもなく、外国語の文章を一語一語たどって読みこむ
という作業が長く続いたせいであり、そしてそれよりも厄介なことには、
外国作家の文体にまがりなりにも魅惑された結果である。
だいたい、かりそめにも外国語の文章の魅力に触れて、
そして母国語の微妙な勘をまったく損なわれずに済むなどということは、
ヨーロッパの言葉と日本語というようなおよそ異なった言語の間では、
あり得ないことなのだ。
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ∧_∧
  ∧∧´∀` )
  (゚Д゚)⊃  )
   Uヾ | |
  (/U__)_)

33 :古井由吉的AA:03/08/31 20:23
「翻訳から創作へ」

そのころ、私はいちいち苦労させられる翻訳者の恨みもあって、
西洋的な表現の構築にたいして拒絶的な気持に傾きがちだった。
長いセンテンスをぎごちなく訳しながら、文章の論理の節を取り払って
日本の古文の語りの調子に流してしまいたいという誘惑に
しきりに駆られた。というよりも、
いくつもの従属節をひとつの表現の構築にまとめかねていると、
日ごろは縁遠くしている古文の調子が私の中でふとよみがえりかけるのだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   -=∧∧  ∫ .    ≡∧ ∧
 -=⊂(,,゚Д゚) ⌒ ⊃ ≡Σ(゚Д゚; )
   --==∪ /      ⊂⊂丿
     -=∪     ≡ ⊂⊂ノ〜

34 :吾輩は名無しである:03/09/01 21:45


35 :吾輩は名無しである:03/09/01 22:00
仮往生伝試文持ってます。大好き。古井さんはこういうものをもうひとつ
書いてからでなくては死んではいけないと思う。まさに、源氏物語以来
の日本の古典が織り込まれてる。読むと体の芯から熱くなってわけわかんなく
なるよ。

36 :吾輩は名無しである:03/09/01 22:24
>>35
いくらで購入よ??

37 :吾輩は名無しである:03/09/01 22:43
高校生くらいの時に正価で八重洲ブックセンターで買った。たぶん、
出版まもないころだったのだろうと思う。難解で知的には完全に咀嚼
できなかったけど、大興奮してよみました。ある意味で疲れもする
から、滅多に読み直さないけど、仮往生を読んだときの気分は本当
に独特だから、読んでないときもその気分を思い出して興奮してます。

38 :吾輩は名無しである:03/09/01 22:47
本当は福田和也が絶賛しててから慌てて古本屋に走ったくせに(ボソ

39 :吾輩は名無しである:03/09/01 23:01
その頃、柄谷を読み始めて、古井を知ったの。それで、初期の古井を
読んで、好きになった。だから、柄谷のせいで、買ったとはいえるか
も。でも、今は、柄谷は柄谷、古井は古井で大好きです。真の日本
文学とは仮往生伝試文のこと。読まない人は日本人に生まれた特権
を放棄している。




40 :吾輩は名無しである:03/09/02 23:12
復刊すべきだよな。絶対に。

41 :吾輩は名無しである:03/09/03 23:38
江藤淳はこの人フォニーだっていって嫌ってたけど、
どこがフォニーなんだろ?
いまいちピンとこないなあ

42 :古井由吉的AA:03/09/07 03:39
「やや鬱の頃」

(「水」を)書きながらまたこんなことを考えた。
自分の性向はどうやら短いほうの作品にあるようだが、
さりとて短篇というものに固執する了見もない。
短篇の手際といわれる、物を決める目は、
実際の人間関係の中に置いて想像すると、好きなものではない。
物の実相を見ているようでも、実際には我意の強さを人に困惑され、
いたわられ、そのことに当人はいよいよ気がつかない、
とたいていはそのようなものだ。
そうしておのずと煮つまる我意は、作品の内ではそれがきわまって
無私の風が吹くがごとくに見せかけることはできても、
本人の中では一段とまた荒れまさって、
身近の人間にろくな力を及ぼさない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ∧ ∧
          (,,゚Д゚)        ∧ ∧__
          (   )      /(゚ー゚;*) /\
        〜|   |       /| ̄∪∪ ̄|\/
          U~~U        |____|/
 ̄ ̄ ̄゛゛'' ̄ ̄ ̄゛゛ ̄゛ ̄ ̄゛ ̄ ̄゛゛ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄゛゛ ̄゛゛

43 :眉雨:03/09/08 02:35
 この夜、凶なきか。日の暮れに鳥の叫ぶ、数声殷きあり。深更に魘さるるか。
あやふきことあるか。
 独り言がほのかにも韻文がかった日には、それこそ用心したほうがよい。降
り降った世でも、あれは呪や縛やの方面を含むものらしい。相手は尋常の者と
限らぬとか。そんな者にあずかる了見もない徒だろうと、仮にも呪文めいたも
のを口に唱えれば、応答はなくても、身が身から離れる。人は言葉から漸次、
狂うおそれはある。


44 :眉雨:03/09/09 03:53
 そう戒めるのも大袈裟な話で、私は夕刻から家を出て、蛇がくねるのに似た、往年
の流れの跡と聞く道路を、最寄の電鉄の駅へ向かっていた。この夜というほどの一夜
ではない。日没が夜の重さに続くような暮らしでもない。鳥は町でもけっこう鳴いて
いる。近くには林がまだわずかばかりあり、椋鳥だか、塒に帰った群れがやすむ前に
躁いでいる。耳を遣れば暗さのまさる中で何事か異変のありげな乱れ方だが、それで
も車の往来の音に紛れ、際立って呼ぶ声もない。どのみち、あらかたの事柄にたいし
て、聞いていても聾唖に近い声だ。

45 :眉雨:03/09/10 00:59
 車はたそがれると、赤系のものからみえにくくなるという。どの程度、目からうせ
るものか。
 空には雲が垂れて東からさらに押し出し、雨も近い風の中で、人の胸から頭の高さ
に薄明かりが漂っていた。顔ばかりが浮いて、足もとも暗いような。何人かが寄れば
顔が一様の白さを付けて、いちいち事ありげな物腰がまつわり、声は抑えぎみに、眉
は思わしげに遠くを伺う、そんな刻限だ。何事もない。

46 :眉雨:03/09/10 01:50
ただ、雲が刻々地へ傾きかかり、熱っぽい色が天にふくらんで、頭がかすかに痛む。
奥歯が、腹が疼きかける。たがいに、悪い噂を引き寄せあう。毒々しい言葉を尽くし
たあげくに、どの話も禍々しさが足らず、もどかしい息の下で声も詰まり、何事もな
いとつぶやいて目は殺気立ち、あらぬ方を睨み据える。結局はだらけた声を掛けあっ
て散り、雨もまもなく軒を叩き、宵の残りを家の者たちと過して、為ることもなくな
り寝床に入るわけだが。

47 :眉雨:03/09/11 00:36
 夜中に、天井へ目をひらく。雨は止んでいる。とうに止んでいた。風の走る音もな
い。しかし空気が肌に粘り、奥歯から後頭部へのほうへまた、降り出し前の雲の動き
を思わせる、疼きがある。わずかに赤みが差す。

48 :眉雨:03/09/12 02:19
 雲の中には目がある。目が、見おろしている。小児の頃に、雨雲の寄せる暮れ方、
膝に疼きを溜めて庭から仰いだ。夢の中のことだったかもしれない。何者か、雲のう
ねりに、うつ伏せに乗っている。身は雲につつまれて幾塊りにもわたり、雲へと沸き
返り地へ傾き傾きかかり、目は流れない。いや、むしろ眉だ。目はひたすら内へ澄ん
で、眉にほのかな、表情がある。何事か、忌まわしい表情を持っている。憎みながら
促している。女人の眉だ。そのさらにおもむろな翳りのすすみつれて、太い雲が苦し
んで、壁の奥から熱いものを滲ませる。

49 :ちょっと邪魔しますよ:03/09/12 03:19
   /⌒ヽ
  / ´_ゝ`) ――虹が出ているような、静かさですね。
  |    /
  と__)__) 

50 :眉雨:03/09/12 04:10
そのうちに天頂は紫に飽和して、風に吹かれる草の穂先も、見上げる者の手の甲も夕
闇の中で照り、顔は白く、また沈黙があり、地の遠く、薄明のまだ差すあたりから、
長く叫びがあがり、眉がそむけぎみに、ひそめられ、目が雲中に失せて、雨が落ちは
じめる。

51 :吾輩は名無しである:03/09/15 18:10
おい、講談社の社員諸氏よ、たのむから「ファウスト」なんて
出してるヒマと余裕があるなら、『櫛の火』とか『仮往生伝試文』を
文芸文庫に入れてくれよ。あと『水』が品切れになっているのは怠慢じゃないか。
あれに収録されてる「狐」とか「衣」とか、大好きなんだよ、俺は。
ついでに川端康成の『再婚者』とか『たんぽぽ』とかもさっさと重刷してくれ。
こういう傑作が容易に読めないのは、それこそ十代、二十代の若い
読者にとっても不幸だぜ。俺は二十代だが『櫛の火』の主人公は二十五歳だし、
全然共感して読めるよ。マルクス・アウレーリウスも言ってるだろ?
大衆に媚びず、卑俗に堕さず、新奇をてらわず、だ。頼むぜマジで……。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           ∧_∧
          ( ´∀` )
         /,  /  
        (ぃ9  |   __i
         /    /、  l__l
        /   ∧_二,/_/
        /   /
       /    \


52 :吾輩は名無しである:03/09/15 18:43
>>51
超ノヽゲ堂

53 :我輩は名無しである:03/09/15 19:28
>>51
おっしゃるとおり

54 :吾輩は名無しである:03/09/19 17:20
『槿』読了。くぉぉぉぉぉぉ。こんな……。こんなスゴイの初めて!
……あ、いや……その何ていうか……。こうなると、もうバッチリです。
もうスゴ過ぎですよ古井由吉様……。ふ〜、これって恋……?
いや、最初は結構だらだら読んでましたけどね……なんだか逸脱が多いなあ、と。
読み終わった今も(もう一度読めば印象変わるかもしれないけれど)あの女将という
登場人物は要らなかったんじゃないか、とか。もう少し引き締めて四分の三ぐらいには
なったんじゃないだろうか、とか。は、思いますけれども。けれどもね。
伊子と國子が実は知合いだったと判明する16章以降は、それまでに出てきた伏線が
すべて効果的に絡んで、密度も高くて、一気に読んじまいましたよ。
なんと一番最初の章に出てきた、伊子の不意の訪ねかけも、ちゃんと伏線だったのね。
國子とは現実には交接しないけれども、彼女の克明な妄想の中では身を合わせている、
という趣向も厚みを持って書かれてますね……下手すると安易な幻想風味にしかならない
ところを、ひりひりするあの最佳境の対話場面に至るまで、重い緊張を損なわないで、
ねばりづよく書いてらっしゃいますこと……いや凄過ぎですマジで。
石山がかつて杉尾をよそおって國子に電話をかけていたことが判明する
最後の章も、これ以外はありえないですね……19章で杉尾に対するいわれない
噂の存在が明らかになり、20章でそれに関わりある國子の妄想が伊子を介して語られ、
22章で、その妄想の前後に石山が関わっていたらしいことが分かり……という流れも完璧。
松浦寿輝の解説もいい。「いつ」の問題のはぐらかしは、むしろ作為があざといと思って、
そこを好意に評価しているのは一点同意できなかったけれど、小道具の緊密な用いられ方とか、
周到な作劇術とか、よく読んでるなあ、っつう感じでございます。
再読を促される良い解説でした。
んで、この密度で1700円ですからね。似たような値段でノベルズとか手に取りたがる
同世代のやつらの気持が理解できませぬ。などとつまらないことを言ってみる。
これ(文芸文庫版)も早々と品切れになるのかな。許されざることですわね。

55 :吾輩は名無しである:03/09/28 16:55
9月27日の朝日新聞に「頸椎後縦靱帯骨化症」の記事。
首の骨の内側の靱帯が硬くなり、脊髄を圧迫する病気。
手術方法は、首の前方から骨と靱帯を削り取り、人工骨か
腰の腸骨の一部を取って入れる。
これ古井氏が、10数年前にやったやつかな。
正確な病名どっかに書いていたっけ。

まあ、今新作を心待ちしている作家は、古井氏ぐらい。
病気とうまくつきあいながら、もっと書いてくれることを期待するのみ。

56 :吾輩は名無しである:03/10/03 17:42
ageとsageの堺にほのかに見えるスレッドが匂ってきた

57 :吾輩は名無しである:03/10/03 18:03
>>55
そうだ、以前にも手術やったやつじゃないか・・
心配だなあ、頚椎とか微妙な部分だけに。

>まあ、今新作を心待ちしている作家は、古井氏ぐらい。

禿同意。>>54氏の『槿』読後興奮も覚えがあるよ、ほんとに読ませてくれる
作家。快復を祈りたい。


58 :吾輩は名無しである:03/10/03 18:48
俺は新潮文庫版『槿』を100円でゲットしてから読んでないけど、
積ん読しているのを片づけたら、やっつけてみたい。

59 :吾輩は名無しである:03/10/03 21:32
真っ先にやっつけんかい!

60 :眉雨:03/10/04 01:09
 ──虹、空に掛かる、あれを朝方に見たことはないか。
 ──さて、朝焼けのひどいのなら。人を起こそうかと思ったほどでしたけど、この
世の終りではあるまいし。
 ──眠っていなかったんだな。
 ──眠っていたんでしょうね。話しかけられて答えては、時間がひとまとまりずつ
飛んで、人の顔も変っていきましたから。自分も起されるまで眠ってしまおうかと、
窓辺に出たんです。膝が固くなっていた。目の隅に掛った髪を、ひとすじつまんだら、
白いんですよ。その白髪までが、赤く染まって。
 ──雨が降り出した、まもなく。

61 :58:03/10/04 02:08
>>59
今「蹴りたい背中」読んでます。
その次にリルケ「マルテの手記」読んで、
その次に貫井徳朗「慟哭」読んで、
その次に大西「神聖喜劇」読んで、
その次に「東欧SF短編集」読んで、
その次にシモン「三枚つづりの絵」読んで、
その次に「猛スピードで母は」読んで、
その次にクッツェー「恥辱」読んで、
その次にグイン「空飛び猫」読んで、
その次に「『論理哲学論考』を読む」を読んで、
そうこうしているうちに阿倍の「シンセミア」が発売されるので読んで、
その次に読もうかと思っています。
約4500ページ読んでから、ということになります。

62 :58:03/10/04 02:11
あ! あとスティーブン・ミルハウザー「イン・ザ・ペニー・アーケード」も読まなきゃ!

63 :吾輩は名無しである:03/10/04 09:03
「en-taxi」第三号の表紙に大きく古井由吉の名が!……と思ったら遺影かよ。

64 :吾輩は名無しである:03/10/04 23:27
いま『楽天記』を読んでいて、本棚には
『哀原』『槿』『白髪の唄』『聖耳』『忿翁』『木犀の日』があるのですが、
やっぱり流れとしては次は『白髪の唄』を読むべきでしょうか?

65 :吾輩は名無しである:03/10/06 19:11
>>64
読後感のまま好きに読めばいいと思うけど。
もしその本棚にないものを挙げるなら『山躁賦』が良いと思う。

>『白髪の唄』
作中人物の藤里が日々ドイツパンをかじる話が書かれているでしょう。
近在のパン屋にないもので、とっさにそれまで食ったことがあるかどうか覚束ず、
ちょうど休日だったので吉祥寺まで買いに行ったんですね。
それで井の頭公園で彼のことを思い浮かべながらかじってみたらどうだろう、
思わず、ああ成る程、なんてつぶやいている。いやあ、参った。皆さんもお試しあれ。

66 :吾輩は名無しである:03/10/09 18:12
>>64
木犀の日読んで気に入った短篇が書かれた時期の作品をあらいざらい読むってのもアリかと。

それはともかく、みなさん小コレクターですね。

67 :吾輩は名無しである:03/10/10 01:01
古井に関しては小コレクターにならざるを得ませんね。
ところで僕は>>64なのですが、『山躁賦』、手に入りませんねえ。
図書館にもなかったです。

68 :吾輩は名無しである:03/10/10 02:28
>>67
短篇連作のくくり受けるのかな、あれは。
くたびれることや趣味に合うかは別問題にしても、一読の価値はある!(断言)
気が向いたら図書館に取り寄せてもらうと良いかもしれない。

古井が出版した本をためしに書き出してみた。全部でないので注意。
罰当りなほどへらした仕事の量、とかどこかで書いていたが、
どこをどう間違っても寡作とは言えないねえ。
再版に作品を絞るのも難しいんじゃないかと思う。

60年代 ブロッホ、ムージル翻訳
刊行本 (『誘惑者』『愛の完成』『静かなヴェロニカの誘惑』)

70年代 杳子;妻隠 行隠れ 雪の下の蟹;男たちの円居 水 
刊行本  円陣を組む女たち 櫛の火 聖 女たちの家 哀原 
      夜の香り 栖 椋鳥

80年代 親 山躁賦 槿 東京物語考 招魂のささやき 
刊行本  裸々虫記 眉雨 夜はいま 日や月や ムージル観念のエロス 
      長い町の眠り 仮往生伝試文
      (82年作品集全七巻 87年『愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑』改訳)

90年代 招魂としての表現 楽天記 魂の日 半日寂寞 陽気な夜まわり
刊行本  神秘の人びと 白髪の唄 木犀の日 夜明けの家

2000年以降ではご存知の通り『聖耳』と『忿翁』が既刊

69 :吾輩は名無しである:03/10/10 04:06
そういや石川近代文学全集に書き下ろした作品(長い町の眠り)を
むこうで勝手に《最新書き下しエッセイ》と銘打たれて苦笑したとか言っていた。

古井って同じことを書くにしても、年を経て全く異なる書き方してくれるものだから
それこそ一節一節のコレクターになっちまう。楽しいんだよ。

70 :吾輩は名無しである:03/10/11 12:41
『槿』読了。
>>54の言うとおり、確かに凄かった。良かった。
まあ、途中で中だるみしてる部分も見受けられたが。
しかし総体的に見て、傑作であることには変わらない。

71 :吾輩は名無しである:03/10/11 23:53
谷崎賞の作品って、面白いのが多いよね。

72 :吾輩は名無しである:03/10/12 02:25
禿導

73 :吾輩は名無しである:03/10/22 01:31

http://www.fukkan.com/vote.php3?no=115

すいません。『仮往生伝試文』復刊にご協力を。

74 :吾輩は名無しである:03/10/22 01:41
清水博子ファンクラブ会長

75 :吾輩は名無しである:03/10/22 02:01
>>69
>一節一節のコレクターになっちまう。楽しいんだよ

古井読みの心理を衝いている表現だなぁ…w その通りだよw

76 :吾輩は名無しである:03/10/23 11:57
忿翁
http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/syohyou/20020512ii03.htm
http://www.books-showado.com/pages/page0205s.htm
http://www.junku.fr/ContJP/Cont_Jp07_02_04.htm

古井由吉特集ギャラリー 
http://www.k-pj.com/~warashibe/bdata/select.pl?mode=wother&word=03-09-

藤沢周
http://book.asahi.com/authors/index.php?ppno=3&key=16
片山恭一
http://www.webdokusho.com/rensai/sakka/michi20.html

77 :吾輩は名無しである:03/10/23 13:37
気になるんで書き込んでみるけど
おまえらの持ってる仮往生の状態はどうなのよ?
函付き?帯付き?状態は美?初版?
で結果いくらで買ったのよ??

もれ
函付き 帯なし 状態並の薄ヤケ 初版
2500円也

78 :吾輩は名無しである:03/10/23 20:35
>>77
ハトロン紙にくるまれた函付き、
本自体にもハトロン紙のカバー付き
帯あり、美品、初版
神保町小宮山書店のシール付き、
エンピツ書きによれば2500円也
って、なんでそんなことが気になるか。

そりゃ、見つけたときはうれしかったさ。

79 :吾輩は名無しである:03/10/23 22:41
>>78
>小宮山書店のシール付き

って剥がすと、本が破けるから付けたままにしてるの?

80 :吾輩は名無しである:03/10/24 00:37
>>77
>>78

あのさオレの仮往生
本体の表紙に黒い斑点がまばらにあるんだけど
お二人の仮往生の白布の表紙にも付いてる?
カビかなぁなどと思っていてちと心配。

81 :吾輩は名無しである:03/10/24 09:03
いいなあ俺も欲しいなあ

82 :吾輩は名無しである:03/10/27 04:16
>>80
俺のは第四版だが表紙の装幀にあるね、そういう斑点が。
黴ではないと思うよ。

83 :古井由吉的AA:03/10/27 04:16
古井由吉「力の世界にあること」

書くことがあるうちはまだ駄目なのだと以前から考えている。
書くことが思い当たるうちは、表現はまだほんとうに真剣ではない。
発想が底をついて、しかも表現意欲だけが動いているという
状態があるはずだ。その時、私は自分の有りようから、
世間の中に有る、血縁の中に有る、あるいはただ椅子の上に坐って有る、
その有りようから僅かな言葉を掴み出すかもしれない。
その時がやって来るまでに、私はすくなくとも、日常の取りとめもない
意識の断続の中で、自分が端的に有るその有り方への感覚を
いくらかでも磨き澄ましておかなくてはならない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ..:.:.:::.:.:.::.:.::.:.:.::..::.:.:.:.::.::..::.::.:.::.:.:.:.:.:.....
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84 :吾輩は名無しである:03/10/27 16:05
>>82
レスさんくす
安心したよ、ありがと
しっかし仮往生、四版まで刷られていたとはすこし驚きだなぁ

85 :吾輩は名無しである:03/10/27 23:46
某アンソロジーに収録されていた『先導獣の話』という短編を読んだ。

鳥肌がたった。

86 :吾輩は名無しである:03/10/28 01:10
>>83
なんという・・・あああああ、もう、
その断章に出遭っただけで、2chに踏み迷ったかいがあるというもの。
UPしてくれた83さん、ありがとう!! 

>>82 >>84
四版じゃないだろう、まさか。初版第四刷のことだろう?
古井さんだもの四刷くらいはいかなくてどうするっ(怒


87 :吾輩は名無しである:03/10/28 01:37
そう。>>82 は四刷の意味です。発行日は九〇年二月十三日。

88 :吾輩は名無しである:03/10/28 21:27
『槿』の函つき単行本が新装開店のデパートの古本コーナーで百円で売ってた
何かすごく悲しかった。買ったけど

89 :吾輩は名無しである:03/10/29 23:21
吉井さんの文体好きです
俺の中では梶井に匹敵するくらい双璧を成しています


90 :吾輩は名無しである:03/10/30 10:03
小説にとっての重要なものとして虚構性を第一に考える者ですが、
しかし虚構性を切り詰めるだけ切り詰めたところで、またなにか、
虚構性がむいてあらわれるんじゃないか。みたいなこと言っていた気がする。
書くことがつきたところからが小説家の器が問われる、みたいなことも。
例によって、唸らされた覚えがあるなあ。

>>89
いくらなんでも古井と梶井じゃ共通点ないと思うけどね。

91 :吾輩は名無しである:03/10/30 10:59
双璧という言葉を使っているのだから似ているから好きという訳でもなかろう


92 :吾輩は名無しである:03/10/30 13:39
>>91
誰も同じように好きなんだろなとは思っていないよ。しかしさ、古井と双璧をなすにしても、
梶井はないだろ梶井は。時代も違う、描く対象(描く者もまた対象となり、また対象とされた
描く者もまた対象と・・・略)だって全く異なる。一体、双璧をなせばいいのかと小一時間。アホかと。
「古井の文体」というけれど、上にも挙がっている『山躁賦』以降の作品を読んで、
まだ文体とやらの上にアグラかけるのかとね。訊きたい。

ところで、文芸誌の類に疎くてかたじけないのだけれど、最近古井はなにを書いているのですか。

93 :吾輩は名無しである:03/10/30 13:41
いやは、あげちった。スマソ

94 :吾輩は名無しである:03/10/30 16:06
>>92
群像で『青い眼薬』を連載してますよ

95 :吾輩は名無しである:03/10/30 21:31
「青い眼薬」、最新の群像見たら載ってなかったけど、完結した?
それとも、休載なだけ?

96 :吾輩は名無しである:03/11/01 01:13
>>96
本当だ。まだ完結していないと思っていたのに。

97 :吾輩は名無しである:03/11/01 06:13
古井由吉にたいする評論でお勧めなものを教えて下さい。

98 :吾輩は名無しである:03/11/03 01:20
>>97
蓮實重彦の『文学批判序説』に入っている古井論は非常に懐かしいテマティックで
割りと楽しく読めたような気が……あとエピゴーネンの渡辺直己が『かくも繊細なる
横暴』で古井論を書いているはずです、これは俺も読んでないけどねw
ってか、たまにはあげとくか。

99 :吾輩は名無しである:03/11/04 17:29
>>98
レスさんくす
渡辺のは行きつけの古本やでみかけたことがあるので
手に取ってみます。


100 :吾輩は名無しである :03/11/04 18:19
吉井由香 「仮往生伝試文」
と書いてあってひどくびっくりした。
あれはどこのサイトだったか。

101 :吾輩は名無しである:03/11/05 04:01
!?

http://www.ningen-rekishi.co.jp/details/4-89007-073-7.htm

102 :吾輩は名無しである:03/11/05 12:21
No.841290  仮往生伝試文 函・帯少傷み
古井由吉/河出書房新社/1989発行/ \10,000

  古本光堂

No.843103  仮往生伝試文 初版・函・帯
古井由吉/河出書房新社/1989発行/ \12,000

  古本光堂

http://www.murasakishikibu.co.jp/oldbook/sgenji.html

まだこんな値で取引されてるんだね・・・

103 :吾輩は名無しである:03/11/05 12:41
>>101


104 :吾輩は名無しである:03/11/05 14:14
115 名前:古井由吉(最新コラム) [sage] 投稿日:02/08/09 19:57    New!!
  『驚きながら』 ――「週新」8/8号より――

 変わるという当たり前のことに、人の心がなかなかついて行けないのは、往古
からのことであったらしい。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、と平家物
語は冒頭に歌いあげているが、その悟りの裏には、世の有為転変というものは、
考えても考えても、考え抜けないものだ、という歎きもふくまれているようだ。
 ついこの前の日々が過ぎ去る、永遠に過ぎ去って失せる、これはどうしたこと
か、誰にも考え抜けないことだ、と歌った詩人もある。
 万物の実相は生成変化であり、永続する正体というものはないのだ、という考
えも古代からある。これが悲観かと言うと、かならずしもそうではない。人の活
力を盛んにする見据え方にもなる。

 一方では、変わらぬことへの驚きもある。私などは老境に踏み入りつつある今
でもしばしば、二十歳前の頃とまるで変わらぬ心で歩いている自分に気がつくこ
とがある。心ばかりか、歩き方まで変わらない。少年の私の背つきが今になって
まざまざと見える。
 これはどうしたことか、とここでも叫びたくなる。これまで歳月に沿って、歳
月にはなかなかの忠実を尽して生きて来たというのに、その歳月には触わられな
かったような自分が、ここにいるではないか。
 とある角を折れる。すると、これまでに幾度も同じ角を同じ心と同じ体で曲が
った自分を、これからも繰り返し同じ角を曲がる自分を、見る気がする。かなら
ずしも、反復に苦しむばかりでない。少々寒いが、自足の念も生じる。

 変わる変わらぬは所詮、人には考えきれぬ不思議だ、と私はにらむ。しかし、
変わったと驚く時、変わらぬと驚く時、それはどちらも、生きる心の改まる、更
新の契機となるのではないか。人間は驚きながら生きる動物である。

105 :吾輩は名無しである:03/11/05 21:23
>>98
『かくも繊細なる横暴』売り切れてた・・・・残念です

106 :吾輩は名無しである:03/11/09 01:59
古井由吉論
和田 勉 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4273030551/qid=1068310704/sr=1-1/ref=sr_1_0_1/250-1210981-1241014

コレ読んだ人
感想ください

107 :吾輩は名無しである:03/11/10 19:01
>>106
値段のわりにはいまいち。
作品読解には役に立つかな。ただ、秋声やムージルと絡めたりとかすりゃ面白いのにしてないからちょい浅く感じる。
あと、年譜がわりと詳しくていい。
まあ、買うなら古本屋で買ったほうがいいだろう。

108 :吾輩は名無しである:03/11/10 20:19
>>107
レスありがとう。
古井関連の評論で上に挙げられている本以外では
あと内向の世代論ぐらいしか知らないのですが
他にも評論集があるのでしょうか?
また良かった評論があれば教えてもらえないですか?

109 :吾輩は名無しである:03/11/10 20:39
>>105
渡部直己だったら『読者生成論』で「山躁賦」論も書いてるよ。
『かくも繊細なる横暴』のほうは何となく、後藤を褒めるために
古井をけなす、ってかんじだった。
そのくせ後藤論は枚数も内容的にも薄い、、、


110 :107:03/11/10 20:51
俺も探してんだけど、なくてねえ
論じにくいのかもね、深すぎて(笑
まあ、和田勉も悪くはないよ
ただ、値段が値段だけに期待を強くしすぎると拍子抜けする部分もあるってとこ。
他の評論か。
この和田勉の本の中で、これまでの古井作品の批評を取り上げたりして、一覧にもしてたな確か
ちょい手元にないんでおぼつかないが
お役に立てずスマソ

111 :107:03/11/10 20:54
>>109
あ、やっぱ渡部直巳の、そう思った?(w

112 :吾輩は名無しである:03/11/10 21:15
>>111
スゲーどうでもいいことだけど、
渡部直巳、でなくて直己です。そこんとこヨロシク。

113 :吾輩は名無しである:03/11/10 21:38
渡部直己のはおれも読んだけど、論それ自体としては、古井由吉論の方が面白いし、
濃い気がしたな。後藤に関しては、今までにない視点もいくつかあって面白かった
けど、やっぱり薄い。後藤に関しても古井論並みの濃さで論じてほしかったが。

114 :吾輩は名無しである:03/11/10 22:14
まあ、あれは金井美恵子を持ち上げるために書いた本だしな。

115 :吾輩は名無しである:03/11/13 02:31
>>15
おお、このスレの主ともいえる古井(略)会員さまに
レスを頂いていたとも知らず、お詫びの言葉もありませぬ。
徳田秋聲の『新世帯/黴』(福武書店文芸選書・解説古井由吉)を
幸い古本屋で見つけ、条件反射的に購入しておりましたので
それを読んでみることにいたします(古い人が書いた小説は
どうも気が進まないのでほっといておったのですが)。

ああ、それからどうでもいいことでしょうが、
嫌いな作家スレに古井(略)会員さまが
古井由吉の名を挙げていたのを見て
快哉を叫んだわたくしであることを付け加えておきます。早々。

116 :吾輩は名無しである:03/11/14 12:29
http://www.lib.juen.ac.jp/staff/suzuki/shoshi.html
に消えるまでは
古井の全著書がリストアップされていたのですが
どなたか保存されている方いませんか?

117 :吾輩は名無しである:03/11/14 13:21
● 芥川賞選考委員・古井由吉がセクハラした清水博子を芥川賞に推薦との噂
http://216.239.57.104/search?q=cache:F5DBFsNNKK8J:www.uwashin.com/2001/ngindex/ng0110.html+%E5%8F%A4%E4%BA%95%E7%94%B1%E5%90%89&hl=ja&lr=lang_ja&ie=UTF-8

118 :吾輩は名無しである:03/11/14 15:43
>>115
日本語と日本語化以前との襞を分け入るような古井の筆致に慣れていると
その二作は平成にまで至る口語体の確立だとか抜きにして面白いと思いますが。
新所帯に「妻隠」、黴に「山躁賦」を感じてもおかしくないと。どうでしょう。
>>116
web.archive.org/collections/web.html
Googleのキャッシュは消えましたか。ここの利用をすすめます。
他の人には内緒ですよ。

119 :吾輩は名無しである:03/11/14 17:00
>>118
うほっ ありがとう
googleしか知らんかったよ
めちぇ凄いやんか!!
早速ローカルに保存しときました

120 :吾輩は名無しである:03/11/19 00:21
>>118
web.archive.orgの使い方が解らないのですが、教えていただけませんか?
恥ずかしながら英語が全く読めません。

121 :仮往生伝試文:03/11/19 23:22
厠の静まり

 ──されば、まことに最後に思ひ出でむこと、かならず遂ぐべきなり。
 今日は入滅という日に、寝床の中から弟子に命じて、碁【木平】を取り出させ、
助け起き直らせてそれに向かうと、碁を一【木平】打たん、と細い声で甥に当たる
聖人を呼んで、呆れる弟子たちの見まもる中、念仏も唱えずに石を並べはじめる。
たがいに十目ばかり置いたところで、よしよし打たじ、と石を押しやぶり、また
横になる。


122 :吾輩は名無しである:03/11/20 23:12
>>120
118ではないが、web.archive.orgの検索窓に
>>116にあるアドレス www.lib.juen.ac.jp/staff/suzuki/shoshi.html
をコピペしてボタンをクリック。んで、出てきた日付のいちばん新しいのを
クリックすると、あら不思議。
どういう仕掛けだか知らねど、復活しただや。
おらあも、びっくりこいただよ、>>118san
って、教えちゃまずかっただか?





123 :吾輩は名無しである:03/11/20 23:30
a

124 :吾輩は名無しである:03/11/20 23:40
この秋から冬へ移る季節には山躁賦が良いかなぁと思う

125 :吾輩は名無しである:03/11/20 23:54
あんまり話題になってないけど
男たちの円居、読んだ。話の季節はちょうど今。
もちろん古井的なんだけど、非古井的にエンタティンメント
しているところもあって、迫力ある山岳小説になっていた。

126 :120:03/11/21 22:23
>>122様、ありがとうございます!
かなり使えるサイトですねえ。

127 :吾輩は名無しである:03/11/22 22:05
>>110
107はちなみに古井由吉論購入しているの?
むちゃ高いやんか、この本。7000円って・・・

128 :107:03/11/23 05:28
>>127
もちろん購入してるよ。だからつい評価が辛くなりがちになってしまう^^;

>>112
そうだったな。スマソ。

129 :118:03/11/26 08:01
>>122
>>126

マーゴール・ミッサービーブ

130 :吾輩は名無しである:03/11/26 13:48
1987年刊行『フェテイッシュな時代』古井由吉×田中康夫対談(トレヴィル刊)

古本屋で見かけて買った。田中康夫がSMプレイの相手とのツーショットを
「フライデー」に激写された事件の直後の対談らしい。
どうやら、
元河出書房の編集者である本田某氏が、講談社に物言いたくて憤懣やるかたない
田中に持ちかけて、時宜を逃さず作った本…という趣き。SMプレイの相手が
フライデーに喋ってしまった後なので、田中は当然のごとく事実をより詳しく暴露
する手法に出て、事細かに己れのセクースライフをくっちゃべる手法・・話題騒然
の時期だったろうから
相当数売れた企画本と思われる。
対談相手に古井氏をもってきたところが、たくまざる仕掛け。古井氏は、企画者の
意図にはノセられず、終始「作家古井由吉」のスタンスを崩さず、さりげなく
書き手としての凄いようなセリフを吐いたりしている。
結果、
田中康夫の浅薄で躁的な饒舌がやたら目立ち、田中の本質は作家でも文学者でもなく、
要するに「”田中康夫”という商品を如何に高く売るか」が関心と目的の全ての
パフォーマーにすぎないということが、如実に見える。石原慎太郎と同質なわけだ。
少しでも高く売れそうなジャンルがあれば、
そっちへ向かってホイホイ動いていき、その為には政界だろうと大震災だろうと
知事の椅子だろうと脱ダムだろうと、なんだろうと利用してはばからない。
今はそれぞれ保守と民主とに擦り寄っている石原と田中康夫だが、
もし、時流が共産主義であればそれに、もし自分がより売れそうなのがネオナチ
であればナチズムにでも、歓んで身を呈するはず・・どれほど奇麗事を
並べてみせようと、その根源の動機はしたたかなナル&エゴにすぎず、文学家とは
もって非なる質である。
そのことをハッキリと炙り出してみせている本として、貴重。





131 :120:03/11/26 23:52
>>129
こ、こわー(ガクブル

132 :吾輩は名無しである:03/11/29 00:44
さっき仮往生伝試文をネット注文したですよ。1500円。
在庫確認後、請求メールってことなので、期待せずに待ってみます。

133 :吾輩は名無しである:03/11/30 11:59
注文を受けました仮往生伝試文につきましては在庫を確認しております。
メールが132さんに届くことを祈りつつ。
そして、いちゃもんとも対話ともつかない書き込みがびっしりとなった本が届くことを期待しつつ。
やっぱり、一筋縄でいかない作品とはいえ、手放されるにしても、
読みの試みがなされてからであって欲しい。手前勝手な心持ではありますが。

今、「魂の日」一日一篇ずつ読んでいます。
そそくさと読むならつややかな言葉の群れが、つーっと流れていってしまうので、
私にはこれくらいのペースがちょうど良いようです。

134 :132:03/12/02 00:05
在庫確認メールキター(AA略 !!!
送料入れて2015円ですってよ!

僕としてはきれいな本の方がいいです……

135 :吾輩は名無しである:03/12/02 01:02
過去ログでは図書館の「おさがり」を狙うべし
とかあったような気がしますけれど、
まあ本は値段じゃないから。
とか憎まれ口の一つでも叩いてやりたいところですね。
おめ!

読んだら感想書きにまた来てくださいな。

136 :吾輩は名無しである:03/12/02 09:36
>>134
状態はどういう記載だったの?
初版 帯有り 並上 とか??

137 :132:03/12/02 18:56
初版・函・帯 だけで、状態の記載はありませんでした。
まあボロボロでもいいですよ。ゆっくり読めるんだし。
今朝、郵便局で入金してきました。
領収書をファクスして急かしてしまいました(急ぎの方はそうしろと書いてあったので)。

近所の図書館には以前、あったのですが、
いわゆる「借りパク」をした馬鹿者がこの板にいました。
本当かどうかわかりませんが。

138 :吾輩は名無しである:03/12/02 21:48
それにしても良心的な値段ですね。
そんな書店がたくさんあって、ひいては広く読まれてほしい。
借りパクした人には、夜間返却口に放り込んでほしい。
勿論、それは試文だけに限った話じゃなく。

>ゆっくり読めるんだし
同意すること首ガクガク状態。誰かコルセット頼みます。
それで仰臥を強いられて「硝子戸の中」など読み返したいんですよ。
不謹慎ですが。

139 :132:03/12/02 23:44
>仰臥を強いられて「硝子戸の中」など読み返したいんですよ

同意失禁。不可抗力の読書の機会が欲しい。
本はなかなかどうして読めないものですね。

良心的な値段ですよね。
ある古本屋サイトに寄ってみたところ、帯ありと帯無し(こっちは1000円でした)の
二冊だけあって、即座に予約ですよ。
次の日行ってみたら、帯無しも無くなっていたので、物凄くラッキーだったみたいです。

ところで今、『槿』を読んでいるのですが、凄いですね。
上手く言えませんが、いつの間にか、自分が文章そのものにぴったりとくっついて、
息を詰めて進行していく、といったような緊張感が、心地好いです。

140 :吾輩は名無しである:03/12/03 02:27
古井の言葉を借りれば「追っつけ」るが辛うじて近いのかしら。
体感(体感としか言いようが、ない)の是非はともかく、この作家の本を手にしていると、
夜が長くなりますね(笑)

芸とでも呼ぶしかない、記憶を手繰り寄せていく筆致がありますけれど、
堂に入っているというか、筆運びに有無を言わせない力のように働いているものがあって、
その運ばれ方に、なんでそうまでして書くんだよ! と内心では「訝り」つつ、
気が付くと頁はめくられている……。
作品にもよりますが、大体いつもそんな感じです。いやはや、まったく。

今更ですが、『槿』の再販には惜しみなく祝杯あげますよ。
恥じずに言葉を(物語を)紡ぐことと向き合える傑作が、新しい読者を得続けることに
まさか異論はありますまい。
そのような時が来るかは知りませんが、いつか後輩に薦めてみたいものです。

141 :132:03/12/03 18:38
試文が到着しました。
きれいです。汚損はほとんどありません。
本にパラフィン紙がかかっています。

古井作品に関してはついついコレクター化してしまい、
本読みとして善いことなのだろうかと考えることもままありますが、
とりあえず今は、現物を眺めて喜びをかみしめたいと思います。

142 :吾輩は名無しである:03/12/03 19:31
早いですね、届くの。しばらくは積読になるのかな。余計なお節介か。
試文は、美装本の部類に入るかと思います。
ところがあまり、自分の趣味でなかったりします。
しかし本棚にあるのは、タバコの脂が難点で、ちょっと他人様には差し出せない。
なんたる読者。情趣に欠ける。皆さん、すみません。

>いつか後輩に薦めてみたいものです
つまり、講談社さん品切にしてくれるなよ、と切に願うわけです。
誰からもツッコミなさそうだから、自己レス。

143 :吾輩は名無しである:03/12/03 22:22
>>141
>古井作品に関してはついついコレクター化

仮往生以外だとなにがコレクター的な書籍になるんだろう?
グリム童話の絵本とかか??

144 :吾輩は名無しである:03/12/03 22:46
筑摩のムージルと岩波のムージルを照らし合わせて
翻訳の変化にニヤリと笑う人は
立派なコレクターだと思います。

145 :吾輩は名無しである:03/12/08 00:35
おまいら、古井由吉ってたまにヘタなホラー小説よりガクブルな描写とかあると思いませんか? 漏れ、「栖」がやたら怖かった。。。

146 :吾輩は名無しである:03/12/08 00:44
だって本当はホラー作家だもの。純ホラー。
人間を根底から考えてみるくらい怖い話はないよ。
人がわけのわからんものに殺されるとか追いかけられるなんてのは全然
怖い話じゃないし。

147 :吾輩は名無しである:03/12/09 14:26
群像連載の『青い眼薬』が完結age。

148 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

149 :吾輩は名無しである:03/12/12 20:15
http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f13046367
高騰中

150 :吾輩は名無しである:03/12/13 01:05
書評付というのがいいな。それは付加価値があるだろう。

151 :吾輩は名無しである:03/12/13 23:24
しかしどうして1985年なんて間違うかね。

152 :吾輩は名無しである:03/12/21 15:20
「神秘の人々」
「山躁賦」
「眉雨」などが近くの古書店に在ったんですけど買いですかね?
全て千円前後だったんすけど。 

153 :吾輩は名無しである:03/12/21 17:46
ある時に買っておかないといつのまにかなくなるのが古本というものだ。
しかも古井だ。ブックオフでも容易には見つからない。たまにあると「杳
子・妻隠」で既に買ってあったりする。神保町まで行くのが苦痛じゃなけ
れば別にいいのだが。

154 :152:03/12/22 18:16
>>153
有難きお言葉に感謝。
腹をくくり、男らしく三冊まとめて買っちまいます。
ただ「神秘の人々」はパラ読みした感じだとかなり難しそうな内容だったな〜
読める自信がねえ・・

155 :吾輩は名無しである:03/12/23 13:16
仮往生落としたぜ〜

156 :吾輩は名無しである:03/12/27 00:31
  ――咳の中に仏がいる。
  そんなことを思った。喉仏、だろうか。埒もない連想である。
  暑い夏だった。その盛りに風邪をひいた。夏風邪というのはけったいなものだ。
 暑さがよけいにこたえる。のべつ脂汗ようのものの滲む肌に、寒気がかすかに走る。
 外気の重苦しさと肉体の重苦しさとの境目に、薄氷のように張る。

                             『咳花』

157 :吾輩は名無しである:03/12/29 00:56
河出の作品集全7巻、
ブックオフで2100円で入手。
ほとんど読んだ感じのない美本。
ぎゃっはっは、バッカじゃねーのブックオフ!

158 :吾輩は名無しである:03/12/29 00:57
>>157
いい買い物だわあ

159 :吾輩は名無しである:03/12/29 01:00
つーか、ブックオフに叩き売った奴がバカだな。

160 :吾輩は名無しである:03/12/29 06:33
>>102
そこは特別。光堂は異常に高いことで有名な古本屋。

161 :吾輩は名無しである:04/01/05 02:51
帯とか文庫本の後ろとかに
あらすじや煽りの文章が書いてありますけど、
古井さんの本の場合、編集者(かな?)が苦労して書いているのが
手にとるようにわかって、読んでいて笑ってしまいます。
私にとっては、それを読むのも古井本を手にする楽しみの一つ。
お、無難にまとめたな、とか、〜の金字塔であるといった感じで
手放しに称揚してみたり。
3日付朝日に載ったエッセイのプロフィールにもクスり。
いまだかつて感服したコピー(?)には出会ってません。
あらためて手持ちの本のそれを見てみると笑えるのでは。
古井スレ的初笑いということで……。

162 :吾輩は名無しである:04/01/05 19:28
シモンがドイツ語で書いていたら古井に訳して欲しい。


163 :吾輩は名無しである:04/01/07 02:25
古井文体のシモン……
ちょっと興味あるな

164 :吾輩は名無しである:04/01/09 20:58
もう疲れた。古井が死んだ後の全集買おう。
まだ俺は若いからな。

165 :吾輩は名無しである:04/01/10 00:38
>>164
死んだ後でも長い事出ないかも知れない。日経平均2万円台、1ドルが110
円台にまで復活すればわからないけど。
おそらく一万部も売れないからペイしないし、それ以下の部数で出すと大変な
価格になってしまうし。もし出たらそれはオンデマンドかも知れない。やはり
高価格になると思う。
いずれにしても、古井を取り巻く環境は厳しいと思われます。

166 :吾輩は名無しである:04/01/11 19:40
仮往生伝試文、文庫化age

167 :吾輩は名無しである:04/01/11 19:48
>>166
決まったの?
いやったーうひゃー

168 :吾輩は名無しである:04/01/11 20:12
>166
ソースお願いします。
リーク?


169 :吾輩は名無しである:04/01/12 15:08
最近オークションで落としたのに…_| ̄|○
俺の六千円…

170 :吾輩は名無しである:04/01/12 15:24
俺年末にEASYSEEKで600円で買ったYO!

171 :169:04/01/12 15:32
(?゚Д゚)

172 :吾輩は名無しである:04/01/12 18:35
>>166
so-suha??

173 :吾輩は名無しである:04/01/12 19:37
>>169
これ↓
http://www.easyseek.net/item/18128391/

easyseekって文学板じゃマイナーなのかな。
掘り出し物だらけだよ。
日本の古本屋とか源氏とかOLD BOOKMARKに比べれば安いし。

174 :169:04/01/12 20:13
なるほど。
ところで吉井由吉って誰やねん。

175 :吾輩は名無しである:04/01/12 20:32
「古井」でオートシーク登録している人にはメールが来ないわけですね。

176 :173:04/01/12 20:39
なるほど
だから気づかなかったのか〜
俺は仮往生伝試文限定だったからラッキ〜

177 :吾輩は名無しである:04/01/13 00:21
古井由吉『ムージル 観念のエロス』岩波書店を手に入れた。
おもしろそう。

178 :吾輩は名無しである:04/01/13 00:40
EASYSEEKはいいね。俺も使ってる。
オートシークは便利だ。

179 :吾輩は名無しである:04/01/13 02:28
ずっとオートシークで「古井由吉」で登録してたんだけど「吉井由吉」とは・・。
まさか「仮往生伝試文」が600円あったとは・・。(´д⊂



180 :吾輩は名無しである:04/01/13 02:52
>>174

柄谷行人が『畏怖する人間』で、
吉井由吉という人が書いた『男たちの円居』について書いている。
目次見てみれ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/-/books/4061960997/contents/249-2517502-5088361

181 :吾輩は名無しである:04/01/13 02:54
榧 古書店に至っては
吉井由吉『楽天気』

http://www.d3.dion.ne.jp/~kayabook/literature/domestic.htm


もしかしたら吉井由吉でマメに検索するといいかもしれない。

182 :吾輩は名無しである:04/01/13 04:58
「優駿」(1982.5)には
古井由古名義で書いていたりするんだな。

http://homepage2.nifty.com/minomushiya/HR/yushun.html

183 :吾輩は名無しである:04/01/13 15:42
ブクオフ等でも、「ふ」の欄を探しても全く見当たらないと思ったら、
「よ」の欄にひょっこりあったりするな。


184 :吾輩は名無しである:04/01/13 19:14
で、『彼住生伝試父』の文庫化情報まぁだ?

185 :吾輩は名無しである:04/01/14 17:31
仮往生、とてもきれいな状態のものが3500円でありました。
とりあえず古書店の親父さんにはとりおきをお願いしておきました。
買いでしょうか。
それとも吉井の600円版が出るまで待ちでしょうか。
ちなみに、まだ2年ほどは文庫化はないと思っています。

186 :185:04/01/14 18:11
迷いましたが、
探し続けるのもめんどうだし早く読みたいので、
これからまた買いに行くです。


187 :185:04/01/14 18:26
ちなみに俺は「吉井由吉」でもあらゆるところを調べました。
EasySeekはもちろんのこと日本の古本屋などにも、
吉井由吉作品がたくさんありました。
仮往生はありませんでしたが、
いろいろと探してる人は見てみてはいかがでしょう。

連続失礼しました。

188 :吾輩は名無しである:04/01/15 23:27




芥 川 賞 選 考 委 員 古 井 由 吉 


逆 賊 吊 る し 上 げ

娘 に 甘 い セ ク ハ ラ お や じ







189 :吾輩は名無しである:04/01/15 23:33
ま吉井由吉『山躁賊』には座蒲団。まだあるかな。
春には単行本でるのかな。予定組まれているといいな。

190 :吾輩は名無しである:04/01/16 00:02
最近新潮文庫見ないけどみんな絶版になっちゃったのかなあ
あるうちに買っとけばよかった

191 :吾輩は名無しである:04/01/16 16:51
美香は創価学会員なのかなあ

192 :吾輩は名無しである:04/01/16 23:09
そうだ青い眼薬はまだか

193 :我輩は名無しである:04/01/18 18:04
仮往生伝、あるところにはあるよ。小まめに探してたら、そのうち出会うよ。

194 :吾輩は名無しである:04/01/18 23:43
私という白道を古本屋でみかけたんだけど
どういう内容ですか?論評もとむ

195 :吾輩は名無しである:04/01/19 02:01



>>194・・・漱石好きなら・・・買ってもいい・・・小説ではない・・・)




196 :吾輩は名無しである:04/01/20 05:57
>>188
それはどうも違うようだぞ。少なくとも金原の受賞には反対したという事だ。
もしこれを見ていたら世田谷の用賀方面に向かって「ごめんなさい。お詫びに青い
眼薬が出たら真っ先に買いますのでどうか許してください」と言いつつ頭を下げて
おくように。

197 :吾輩は名無しである:04/01/20 21:59

最初に受賞が決まったのは選考委員の半数の五人が〇で推した金原の「蛇にピアス」。
△が四人で古井由吉選考委員だけが反対、七点を獲得した。

ttp://www.sankei.co.jp/news/040119/0119boo025.htm



198 :吾輩は名無しである:04/01/20 22:00
古井だってりさタンでハァハァしてるよ

199 :吾輩は名無しである:04/01/22 01:15
ハァハァと文学的評価はきちんと分けて考えているのだ。
ただしパーティでお互いが会ったらどうなるかは知らないが。

200 :吾輩は名無しである:04/01/22 01:35
綿矢を推していたら笑える

201 :吾輩は名無しである:04/01/22 19:03
そろそろixion再来キボンage

202 :37歳無職童貞自殺志願者:04/01/23 19:47
俺はジプレキサにいい思い出しか無い
初めてこれ処方された時、急に仕事ができるようになって、
全くできなかった仕事が普通にやれるようになった


203 :吾輩は名無しである:04/01/29 20:38
後生だから、古井スレを荒らすのだけはやめてくれ。

204 :吾輩は名無しである:04/01/30 01:04
ぶっちゃけ芥川賞を誰が取ろうと知ったことじゃないし、
むしろ話題になるのは文学のためにはいいことに
違いないとは思わないでもないけれど、古井さんが反対
してくれたのは、嬉しかったな。

205 :吾輩は名無しである:04/01/30 10:45
>>166
やっぱ文芸文庫?


206 :吾輩は名無しである:04/02/04 00:54
落ちるなよぉ〜
青い眼薬の情報ないですかね?

207 :吾輩は名無しである:04/02/04 18:37
「椋鳥」という短編集を、
ブックマーケットというマイナーな新古書店で100円ゲット。
埴谷のような装丁ですね、これ。
文体も普通というか、仮往生以降のものしか読んだことなかったので、
ちょっと不思議な感じがします。

208 :age:04/02/07 22:28
age

209 :古井スレ存続委員会会員:04/02/10 16:21
なんと綿矢支持だったとは!
正直言って驚愕しました。

210 :吾輩は名無しである:04/02/10 16:28
まだいたんだ。
ここ半年で俺だいぶ古井読んだよ。

セクハラ爺全開でいいじゃない。

211 :古井スレ存続委員会会員:04/02/10 17:07
>>210
古井スレがなくなるか、それとも私が先に死んでしまうか。
はたまた2ちゃんそのものがなくなってしまうのか。
といったところです。

212 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

213 :吾輩は名無しである:04/02/11 01:36
支持してるってことになるんですか。あのコメントは。


214 :吾輩は名無しである:04/02/11 01:43
かなり穿った読み方をしても、あれは支持の表明と言えると思います。
蛇のほうには一言も触れず。
チンコマンコいう文章に厳しいのは輝よりも古井氏なのかと。
輝が蛇を支持してた。驚き。

215 :吾輩は名無しである:04/02/11 01:49
「蛇にピアス」よりも「蹴りたい背中」のほうが良い作品だとは思いますが。
がらんどうの背中という意味は?


216 :吾輩は名無しである:04/02/11 02:19
>「蛇にピアス」よりも「蹴りたい背中」のほうが良い作品だとは思いますが。

あ、俺だけじゃないんだ。良かった。

がらんどうの背中は、心ここにあらずの背中、では浅すぎ?
文中のがらんどうの瞳と対応してるんだろうけど……。

217 :吾輩は名無しである:04/02/11 09:23
古井先生、もう綿矢のマンコと仲良くなってたりして。

218 :おさむ軍曹 ◆UvGJoaFDw6 :04/02/11 09:51
>>216
もれも。

219 :吾輩は名無しである:04/02/13 14:30
こんな糞板でもちゃんと吉井スレがあるんだな。

蛇にピアスは冒頭二行で読むのをやめた。
芥川賞受賞作なら全体としては一定のレベルにあるのだろうが、
わたしはこれじゃあ読んでやらないよ、って処。



220 :吾輩は名無しである:04/02/13 14:31
誤記スマン。Zaurusなんで。

221 :吾輩は名無しである:04/02/13 15:14
糞板に吉井スレ!わたしはこれじゃあ読んでやらないよ!糞板に吉井スレ!
糞板に吉井スレ!わたしはこれじゃあ読んでやらないよ!糞板に吉井スレ!
糞板に吉井スレ!わたしはこれじゃあ読んでやらないよ!糞板に吉井スレ!

迷惑でしょうから3行でやめます。
古井はインターネットに無縁ですかね。眼の酷使は禁忌でしょうが。

青い眼薬という言葉の初出は『神秘の人びと』でしたか。楽しみですね。

222 :吾輩は名無しである:04/02/14 07:09
糞レスするから糞スレになる。
糞スレ増えると糞板になる。

223 :眉雨:04/02/18 18:17
 ──午後まで土砂降りだった。晴れ続きだったのに。肌着まで染みは通る、足もと
はもう滲めなこと。どうしても、雨にかからないわけにはいきませんから。それに、
あの降りの中で、なにかの拍子に、傘をさし忘れているのね。おそろしそうな顔して
見てる人がいた。でもこれぐらい降ればいっそ、何も区別もないようで。一度だけ気
色ばみましたけど。ついてないな、と天を仰いで手放しに滅入られたので。悪うござ
いました、と笑ってしまって。

224 :眉雨:04/02/18 18:19
 ──ぼやくんだな。困ったところで。
 ──心得がないんですよ、近頃。雨でも降ればなにかと、手間取りますし。早く放
免されたい一心で。
 ──流れが滞ると、子供っぽくなる。
 ──ああ、そう言えば虹、出てましたよ。あの帰りに。皆、陽気な顔をして、がや
がや指差してました。あたしも、いっとき気が抜けて、感心して見上げてましたっけ。
あの降りにしてはずいぶん、あどけない色合いだなと思って。煙突のむこうから立っ
て、高台の上へ、淡いのでしたけど。

225 :眉雨:04/02/18 18:20
 ──あどけない、なるほど。
 ──あの朝ならもっと、凄いのが立ったでしょうね。黒い虹とか。
 ──紫一色とか。
 ──同じことですよ。空があれだけ焼けては。西の方まで赤かった。日の暮れまで
ひとりで寝過したのかと思ったほどでした。朝の空気を吸おうとして、二階の雨戸を
細くあけたそのとたんに……。
 ──二階の雨戸……。

226 :眉雨:04/02/18 18:21
 ──部屋にいろいろ小物が押し込まれてました。衣裳部屋にもなっていて、物と物
の間を分けて、女たちが三人、小さく丸まって眠ってました。空が赤すぎるので自分
でも気が引けて、雨戸を閉めて振り向いたら、目をくらまされた真暗闇の中に、戸の
隙間から光が洩れていたんでしょうね、三方から皺々の顔が、こちらへ首をもたげて、
赤く染まっていた。大きな目をひらいているの。昨夜まで自分ももじきに死ぬような
ことを言っていたのが、あたしを気味悪そうに見て、雨になるのかね、そうたずねる
の。
 ──あなたの顔も、赤く焼けていた。

227 :眉雨:04/02/18 18:22
 ──雨戸を閉めた上に、空のほうへ、背を向けていたんですよ。
 ──輪郭が、赤く縁取られていた。
 ──女達の目がおずおずと、こちらに集まってました。つい眠ってしまったのを、
咎められた気がしたのかしら。あたしの意向を、うかがうみたいな声でした。やっぱ
り雨になるのかね、と。知りませんよ。




228 :眉雨:04/02/18 18:23
 晴れた日に街を歩くうちに、視野が左右から狭まり、正面からも輝きが拭い取られ
た。連夜の不眠のせいらしい。陽が翳ったわけでもなく、伏せた瞼のすぐ上から、白
光が渦巻いた。周囲の騒音が、内へ傾きかかり、その乱入を支えていると、時もあろ
うに、腹の底から疼きがあげていた。頭はその苦痛に関わりなげに、どこからそんな
像が来たものか、引かれていく者たちの、従順な鬼気を浮べていた。

229 :眉雨 :04/02/23 00:02
そのまま姿勢は崩さず、街をまた歩いて、通りがかりのホテルに回転扉から入り、ひ
ろいロビーを横切ってエレヴェーターに乗り、箱の唸りを遠い風と聞いてラウンジま
で昇り、人の少ない化粧室に入った。ゆっくりと用を足すにはこういう場所に限る。
とそれだけのことだが。

230 :眉雨:04/02/23 00:03
 清浄な厠の内の、青いタイルを張った側面の壁に、腰掛けた便器の上から、うなだ
れた首をよじ向けると、細かい葉と、そして枝が浮んで次第に密に繋り、眼球の内の
刺激から来る虚像には違いないが、黒々と林立する幹の影も伸び、壁にそって見あげ
るにつれ、一斉に生い育って鬱蒼とした森林となり、厠はおろか建物全体を覆いこみ、
その外までひろがった。樹冠の間にのぞく空はほの白く、日没過ぎか、それとも払暁
か、雨が落ちはじめた。太鼓の音が聞えていた。もう久しく打ち鳴らしている。

231 :眉雨:04/02/23 00:04
同じ森林の続きの、こちら側の綾を越して、ひときわ鬱蒼とした窪地を渡り、またゆ
るやかに盛りあがる陵の向こう、敵方の麓からわずかずつ進んで来て、もうさほどの
隔りもない。物に憑かれて打ちまくってきたのが、いまではともすればとろとろと、
まどろむような緩慢さになりかけては、はっと鞭打たれてまた狂おしく打ち続ける。
それでも、まもなく力尽きて頽れそうな疲れの色はあらわで、遠方を威嚇する音の裏
に、我身の、命を訴える声が混った。女らしい。まわりに大勢の男が集まって見守り、
狂い抜くよう、凶器を地に衝いて責めている。

232 :眉雨:04/02/23 00:05
 何事か、陰惨なことが為されつつある。人を震わすことが起りつつある。
 あるいは、為された、すでに起った。
 過去が未来へ押し出そうとする。そして何事もない、何事のあった覚えもない。た
だ現在が逼迫する。
 逆もあるだろう。現在をいやが上にも逼迫させることによって、過去を引き寄せる。
なかった過去まで寄せて、濃い覚えに煮つめる。そして未来へ繋げる。未来を繋ぐ。
一寸先も知れぬ未来を、過去の熟知に融合させる。吉にしても凶にしても、覚えがな
くてはならない。熟知の熱狂が未来をつつみこむまで、太鼓を打ちつづけさせる。雨
の降りだしたのは、もうすぐ手前の兆しだ。

233 :眉雨:04/02/23 00:07
敵の出陣前の太鼓の音を、窪地ひとつの未来を隔てて、我身の熟知の内から聞く。繁
みの底に隠れうずくまり、役として、ひたむきに耳を傾ける。半日、一日、そして打
ち手の精が細り、命を尽しはじめ、ここに極みを打ちこみ叩きつのる音が、ひとつな
がりに響きながらえ、窪地に満ちて、みずから轟き渡る頃になると、こちらも地に跪
いて頽れるばかりに頭を垂れ、結んでいた口をゆるくひらいて、もはや音の出所に向
かってではなく、窪地のひろがりに添って、あまねく耳を澄ます。

234 :吾輩は名無しである:04/02/26 23:19
頑張ってるね!折角なのでageとくね!

235 :吾輩は名無しである:04/02/27 11:47
ちょっとお邪魔です。探し物があってこの板に来ました。
初期の短編などと、『槿』あたり読んでました。
「優駿」では、最初に「こんな日もある」を読みます。いいですね。

236 :吾輩は名無しである:04/03/02 15:14
今日、町田の古本屋で仮往生伝試文みたよ。
2000円、状態◎。

俺は持ってるから買わなかったけど、
他の古井の著作、聖耳、神秘の人びと、眉雨をかった。
合わせて4000円なり。

237 :吾輩は名無しである:04/03/02 23:15
仮往生伝試文の文庫って本当に出るのですか?



238 :吾輩は名無しである:04/03/02 23:17
この作家、難解な言い回ししてるだけで中身からっぽだよね。

239 :吾輩は名無しである :04/03/02 23:57
>>238
もうちょっと面白く煽れない?2点。

240 :吾輩は名無しである:04/03/03 11:36
からっぽってかわいいね。かーらかーら由吉さんの笑い声蝋燭ゆれる錦絵屏風

241 :吾輩は名無しである:04/03/03 12:13
からっぽではないと思うが、きわめて抽象的だよね。一言二言に還元できない。
読み終わったあとは、奇妙な読後感が残る

242 :吾輩は名無しである:04/03/03 13:28
「眉雨」はそうですね。一行一行が「詩」のように思える。ですからつながりとかは
気にならないのですが。

243 :吾輩は名無しである:04/03/03 16:03
ドスケベ作家・金原ひとみをマングリ返したい
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1052321837

新しく立てましたので、書き込んでやってください。


244 :吾輩は名無しである:04/03/03 19:47
「髭の子」という短編も好きです。病人と髭の話ですが読み終わった後に
切ないような余韻が残りました。

245 :吾輩は名無しである :04/03/03 22:50
文藝文庫の短篇集で「陽気な夜まわり」を読んでるんだけど、
日常のちょっとした狂いがどこから生じたのか、一時間前か、三日前か、
それとも一週間も溯らなければならないか(正確じゃないですけど)、というのはやっぱり怖いですよ。
死にそう。
「楽天記」にも出てきましたね、この話。年寄りの雪山遭難。

246 :吾輩は名無しである:04/03/03 23:38
爺々の日記 詰らない

247 :吾輩は名無しである:04/03/05 09:38
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h7601790

248 :吾輩は名無しである:04/03/06 23:49
古井さんの本は絶版が多くて残念です。

249 :吾輩は名無しである:04/03/06 23:54
あたりまえじゃん。だれがこんなやつの本買うんだよ。

250 :吾輩は名無しである:04/03/07 00:01
え、あなたがさっきお買いになっていたではありませんか。

251 :吾輩は名無しである:04/03/07 00:09
>>247
一万二千円か・・・
足もと見やがって!!こんな状況を見ると心底「仮往生〜」の文庫化を願うな。
どこの出版社でもいいから出せ!そこそこは売れるはず!

ここまで話題になっても文庫化されないとこ見ると由吉が文庫化を拒否してるんだろうか?
それとも・・・

252 :吾輩は名無しである:04/03/07 01:20
文芸文庫が「槿」出したけど、ということは古井はまだ出す気があるってことかな。

というか、「青い眼薬」はいつ出るんだ。

253 :吾輩は名無しである:04/03/07 20:05
作者がOKしないと出せないんですか。

254 :吾輩は名無しである:04/03/10 19:43
>>252
『夜明けの家』:群像2月号完結→4月発行
『聖耳』:群像7月号完結→9月発行
『忿翁』:新潮1月号完結→3月発行

なので1月号完結の『青い眼薬』は今月中に出てもよいかなと。

255 :吾輩は名無しである:04/03/16 00:09
女たちの家(単行本)、800円。
楽天記(単行本)を1500円で見つけたんだけど、
これって買いですか?

256 :吾輩は名無しである:04/03/16 00:20
>>255
とにかく古井の本は見つけたら買え
絶版ラビリンスだから
今買わないと高ーい全集を10年後につかまされるぞ!!

257 :吾輩は名無しである:04/03/16 00:40
>>256
ありがとです。
参考になりました。

258 :吾輩は名無しである:04/03/21 19:10
「女人」を読んで、SF設定でまったくSFしないという古井由吉を発見した。

259 :吾輩は名無しである:04/03/22 03:43
ふだん映画や音楽漬けであまり小説は読まないのだけど、
おととい変な夢を見て、ちょっと気になったので、書棚で眠っていた「妻隠」を読んでみた。
あまりに夢の内容や感触と酷似しているのでビックリした。

小説を読んでこんなに興奮したのは久しぶりです。

260 :吾輩は名無しである:04/03/22 03:45
>>259
以前その本を読んだ事を忘れていたのでは?

261 :吾輩は名無しである:04/03/22 12:41
>259
由吉さまご本人ではございませんか?

262 :吾輩は名無しである:04/03/22 14:08
>>259
由吉さま、「仮往生伝試文」の文庫を御願いします!

263 :吾輩は名無しである:04/03/22 17:12
>>259
古井っち。『仮往生伝試文』もそうだけど、『楽天記』どうにかならん?

264 :259:04/03/22 20:24
>>260
いえ、間違いなくはじめてです。
古井自体はじめて読んだので。

>>261-263
笑ってしまった。もちろん違いますって。
「絶版ラビリンス」な人ってことすら
ここを読んではじめて知ったくらいだし。
でも、これほどすんなり、水を飲むように入ってくる文体というのも
(小説嫌いの)自分にとっては珍しいので、相性はいいのかもしれません。

これからしばらくは古本屋に足繁く通うことになりそう。
このスレもいろいろ有用そうなので、ROMらせてもらいます。

265 :259:04/03/22 21:02
それから「妻隠」を読んで、羽仁進という人が60年代に撮った
「彼女と彼」という映画をなんとなく思いだした。
10年ほど前にいちど見ただけの映画なのでストーリーはウロ覚えだけど、こんな感じ。
ttp://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD21231/comment.html

どうも自分は夫婦倦怠期モノに弱いみたいです。

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