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ファンタジー小説「nightmare」

1 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 01:18
それでははじまりはじまり〜

2 :miki:02/04/16 01:23
ザクッ・・・ ザクッ・・・
 相変わらず足場は悪い。しかし魔女アイリスの屋敷はもうすぐだ。
友人は薬剤師だった。ちょうど2年前だったろうか。不老不死の薬を作ったなんていう夢みたいな話を聞いたのは。
 いまでもあの時のうかれた表情は忘れるもんか・・・ でもあいつはその薬と、調合方法が書かれた文書をどこかに隠してしまった。
なぜなら、どこから噂が漏れたのか、世界中から薬を手に入れようとする者達が後を絶たなかったからだ。
アイリスはあらゆる方法を使ってあいつをおどした。しかし、あいつは、薬の地図を俺に渡し、自ら逝った。俺は薬なんかに興味はない。
しかし、あの魔女とケリをつけねばならない・・・


3 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 01:24
俺の名はガイ。一応、雇われ兵を稼業にしてきた。武器は槍を使っている。通り名は「真夜中の旋風」
さて、アイリスの屋敷の正門には魔法で動く金属兵がいる。
 俺は木の影で様子をうかがう・・・ 敵は5体。不気味なほどの静寂が心地よい。俺は、ありったけの声で叫ぶ「おれはここだぜ」
兵士の目線がこちらに向く。すかさずおれは爆弾を投げこむ。ゴオオオオーーー
2匹仕留めたと 思ったのもつかの間、やつらの剣が俺を狙う。俺は腕をひねり、槍を回転させた。
俺は土を蹴る・・・ 相手の突きが視界に入った瞬間、体をひねり、そいつの顔に回転槍をぶちこむ。
「ギャアアアーーー」そいつが倒れた瞬間、前後から剣をふる兵士が目に入る。
俺は横によけ、ありったけの力で上に跳んだ。「へっ、たいしたことねえな」
槍の先端に爆弾を突き刺し、地面に向かって飛ばした。ドオオオン・・・


4 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 01:25
オレは持参した薬を体に塗った。これで少しは傷もいえるであろう。部屋を出て階段を上る・・・
すると扉がある。頑丈な扉だ・・・ 俺は爆弾を置く。うねりを上げた爆風でも扉はびくともしない
扉から、数歩下がる。俺は目を閉じて集中した・・・ 「光速の槍!」
ビュンと風を通りぬけた槍は扉のかぎをこなごなに破壊した。「ふう、体力使っちまったぜ」
俺は扉をあけ、中に入った。
「よくきたね、ククク」 「アイリス!、覚悟しやがれ」
即座に槍を回転される。ヒュンヒュンヒュン・・・ 俺は槍を投げる。
旋風槍が奴の喉元にさしかかったとき、急に槍の勢いが止まる・・・
「無駄だよ、私は周囲の物理法則を自由に操れるのだ」
「ちtくしょオオオ」オレは槍を再び手に取り、ひたすら突く。「千本槍!」
超高速であらゆる角度から槍の嵐が襲いかかる・・・ ビュンビュンビュン
「おかしい、槍は奴の体に触れているのに・・・」 槍は相手を傷つける事が出来ない、その光景は目では見えているのにオレには納得いかない。
「体の摩擦係数を0にしたのだ。何をやっても無駄さ。こちらのハ番といこうか」
急に俺の体が重くなった・・・ ひざが崩れ地面にひれ伏す。
「さあ、地図をだしな、そうすれば助けてやろう」 アイリスが不適に微笑む。
「そうはいくか!」オレは地面を這う。「それもよい。重力5倍でへばっていられてもつまらんからな。10倍でどうだ」
グググ・・・ 体が重い。。。 手元にやりはあるものの、それを持ち上げることすら不可能である。


5 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 01:26
「もうこれしかねえか」オレは袋に火をつけた・・・ その袋を腹に抱える。
「自ら燃え尽きる気か?」アイリスはあきれた顔でこちらを見る」
おれはもはや術なし、というふりを装う。時が凍ったように感じる。そろそろだ「袋の中身は全て爆弾だ!」
その刹那、爆風と煙が部屋を覆う。俺は爆風を利用して奴の上空に跳びあがる。俺は渾身の力をこめて、奴の額にこぶしを繰り出した。
ズン! こぶしがアイリスを捕らえる。。。 アイリスの意識は飛んだようだ。
皮肉な事に俺の体も相当傷ついている。しかも煙で酸素がない。「二人ともここで心中か。仕方ねえ」
双方身動きが取れない状態が数秒続いたかと思われたとき、床がぐらついた。
ミシミシ・・・ 先ほどの重力と爆風で床が崩れ出したのだ。俺とアイリスは床を突きぬけ、物理法則に見をゆだねた。

数メートル下に地面がある。そう思った瞬間、俺達の体が、空に止まった。
「むむむ・・・」無意識的に重力をとめたのだろう。「ギャアアアア」魔女が獣のようなさけびを上げる。空が止まったのはの魔力暴走の前兆だったのだ。
俺達の周囲を、黒い霧が包む。俺はどうなるのだろう。俺達はどこに行くのだろう。
ふとそんな事が頭をよぎった。しかしもうどうでもいい。擬似的ブラックホームに包まれた俺は、ある種の心地よささえ感じていた。

------------ 第一部 完 ------------- 


6 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 01:26
第二部

ここはどこだ? ここはどこ? なぜそんなことが気になるのだろうか?
なぜ・・・ 思考している? 俺は生きてるのか・・・
まぶたに光が入ったと同時に、自分がただっぴろいこぎれいな部屋にいることに気付いた。
しかし、なぜだか気分が悪い。そんなことを気にしていられるのも、傷が癒えた証拠か。
「お、起きたな」ひげ面で体格の良い男がドアを開けた。「まだ動いちゃダメだぜ。3日前は死にかかってたんだからな」
この男には陽気さに加えてたくましさ、余裕が感じられる。「まあきけや」
俺は無愛想な面持ちで、男の話に聞き入った
「俺の名はカイト。いちおう、この船の船員やってる」男の歯が光る。
「ここは船なのか?」 「そう、お宝を探したり、でかい魚を捕まえて、売ってるんだ」
この男は口が止まらないらしい。「3日前、海に漂ってたお前を救出したのはいいが、ひどいけがで、もうすこし遅かったらやばかった」
「まあ、あと数日で歩けるようにはなるだろう。それまでゆっくりしてな」
カイトはドアを開け外へ出ていった。それにしてもアイリスはどうなったのだろう。
どうやら違う所を漂流しているのか、そもそも別の場所にワープしたのか、カイトの話では俺と一緒だったわけではなさそうだ。


7 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 01:27
推敲しようね。

8 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 01:31
なんにしろ、今は休みたい・・・ そう思わせるほど、ここの心地は悪くなかった。
とりあえず聞きたいことはたくさんある。あれやこれや考え事をを胸に秘め、全てを無に帰すかのごとく、俺は眠りについた
・・・・・目が覚める、ごくありふれた感覚が懐かしく思える。
あれから数日たったのか、傷もだいぶ治っている。俺は体を起こしてみた。
「うん、動けるな」立ち上がると、少々だるい感覚は残る。しかし、歩くのに支障はない。
ドアを開けようとした時、向こう側から開けるものがいた。そこには、カイトとは違い、細身で華奢な男がいた。
「お、もう歩いたか。頑丈だな。だったら食事も取れるな。食堂につれてってやろう」俺は、男の背を追った
食堂と呼ばれる部屋には、数人の男達が、食事にくらいついていた。
「まあ、すわんな」俺はこじゃれた椅子に座る。男はは俺の食事の分も持ってきてくれた。
そう、不味くはない、と最初思ったのに加え、今まであまり魚介類を食した事のないガイは、むしろ新鮮なその食事をむさぼるように食べていた。
「俺はフランクというんだ。」「俺はガイだ」「そうか。ガイ、ここはとりあえず数人の船員と、食事係のアンナ、それから船長しかいない。
本来船には、もっと人が必要なんだがな」男は、なれた手つきで食事をを口に運ぶ。「この船の原力はなんだ?」
「まあ、とりあえず、船長に挨拶して来い。そうすればわかる。お前をしばらくここにおいてくれたのも船長の意向だ。もちろんあとで働いてもらうが」
男は早々に食べるものを食べ、食器を片付けた
「甲板に出てみな。船長がいるはずだ。俺は仕事があるから行くぜ」
男はつまよう枝を歯に当てて、だるそうな顔をしながら、食堂をあとにした。
「んじゃ、いってみるか」腹が満幅にふくれた俺は、食器をかたずけ、外に出た。
相変わらず、波はうねりをあげる。周りに大陸は見当たらない。別に不安なわけじゃない。
そう自分に言い聞かせつつ、甲板に向かう

9 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 01:32
甲板の中央には、なぜか舵がない。船のへりに座って、釣りをしている男がいるだけだ。
「おい、ちょっといいか」俺は声をかける。「どうした? ん? あんた新入りだね」
「そういうわけじゃ・・・ あんたが船長なのか?」男に貫禄はなく、まだ比較的若い船員のようだから船長ではないと俺は推測した。
「俺は船長じゃねえ。そこの床に、取っ手があるだろ。そこを開ければ、動力室があって、その隣に小部屋がある。そこに船長がいる。でもあまり邪魔なよ。」
男の指差した部分にはたしかに取っ手がある。「地下につながってるってわけか」
俺ははしごを降りつつ考えた。舵がなくて、風で動いてるわけじゃなさそうだ。
動力室があるってことは、安物の船じゃなさそうだ。はしごを降りるとたしかに動力室と掲げた看板があった
動力室には鍵がかかっていて入れない。不思議な事にそこからは全く音がしないのだ。
おれは隣の操縦室らしき扉を開ける。中央にはテーブルとイス、奥には人が何かやっている。ここからでは後姿しか見えない。
テーブルには花が飾ってあったし、少々他とは似つかないきれいな部屋だ。



10 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 01:32
奥にいるのは一人の少女。何かカチャカチャやっている。清楚な感じで、スカートにシャツ、整えた髪が他の船員のイメージから一線を画している。
「おい、嬢ちゃん、船長はどこにいるんだ?」おれはイスにすわり、不機嫌そうにたずねた。
「あら、もう歩けるの? かなり体力あるみたいね。船長は私よ。シャンテって呼んで。」
少女は何をやっているかわからないが真剣である。「おいおい、珍しいな。しかもまだ若いんじゃねえのか。それよりここはどうやって動いているんだ?」
「これは魔力船よ。動力室に魔力石があって、それを私がコントロールしてるわけ」
シャンテの腕にリストバンドのようなものがはめてある。これでコントロールしているようだ。
「この特殊な世界地図に向かって私が念をこめると、船をコントロールできるってわけなの。結構難しいんだけどね。自動化も出来るんだけど、細かい設定が出来ないから・・・」
シャンテが俺のほうに微笑みかけた。「ふーん。で、この船はどこに向かっているんだ?」
「ミスティック・アイランドよ。そこに夢幻の森というのがあるらしいの。そこの木の実は高く売れるって話だわ」
シャンテは目を輝かせる。好奇心旺盛さは幼児以上のようだ。
「ふーん、大変だな。じゃあ俺は近くの港で降りるから、降ろしてくれ」
シャンテの表情がこわばる。「はあ? 手伝ってもらうに決まってんでしょ。用心棒としてね。助けてあげたんだからそれぐらいはしてよね」
「やれやれ、こんなことだろうと思ったぜ」俺はため息を漏らした。


11 :miki:02/04/16 01:44
「明日には到着よ。もうちょっと立ったら作戦会議始めるから、会議室で待ってて」
俺はしかめ面でしぶしぶ了承した。
 部屋に戻って少し考える。俺は今何をしたいんだろう。アイリスを探すなんて無茶だ。稼業を続けるのもいいが、今はあの少女に着いていくのが面白そうだな。
俺は会議室に向かった。
部屋には、カイトがいる。それともう一人、静かに本を読む男。その男は俺を見ると
「あんたも島に行くのか?」とたずねた。「ああ、そうらしい」その男はふんといってまた本に目を移した。
しばたくすると、シャンテが部屋に入る。あいかわらず、目は輝いていて、うらやましいくらいだ。
「じゃ、始めるわよ。えーと、まず、島に直接向かうのは、私、カイト、そして、ガイね。ウイリアムとその他3人は後方支援。」
俺はシャンテにたずねた。「なんだ、後方支援というのは。最初から一緒に行けばいいじゃないか」
シャンテはあきれたような顔で説明する。「ちがうの。ミスティックアイランドは構造が絶えず、変形しているからいつ迷ってしまうかわからないの。
しかし、構成パターンは決まっていて、ウイリアムはそれを解析した。つまり、2つのグループで連絡を取り合えば、迷わず進めるというわけ。夢幻の森までね。」
ウイリアムと言うのは、本を眺めている男らしい。「ただし、私たちと、50km以上離れると、連絡機が通じないからそれも計算しながら行かないとね。」
そういった難しい事は俺にはわからないが、自分の仕事は少女をサポートするだけだ。
少女はいつのまにか真面目な表情で、説明をまとめた。「夢幻の森に実際にはいるのは私たちのグループだけ。ウイリアムのグループは他の場所で待機、連絡を欠かさないように。
他の人は船で仕事ね」 シャンテは、説明を終えるとぐっと疲れたようで、額に汗を流した。
椅子に座っていたカイトは、あくびをしながら、話を聞いていたようだ。あまり難しい話はこの男にもわからないらしい。
それぞれが部屋に戻ったが、会議室は図書倉庫と兼用のようで、俺はそれらを物色していた。「読みたかったら貸してあげるわよ」
「ふうん、じゃあ、2、3冊もらってくわ」おれは適当に本を手に取る。
シャンテは目の色を変えて、「貸すだけだってば。一応、希少な本ばかりで、高い値で売れるんだから」
俺はやれやれといった表情で「わかったよ」と言い残し、会議室を出た。
もう、とっくに日が暮れている。波のざわめきが闇に隠れ、音だけは単調に耳を刺激する。
俺は自分の部屋の扉を開け、中に入った


12 :miki:02/04/16 01:45
俺は目を開けた・・・
いつのまにか眠っていたようだ。とびらを開け外に出るともう早朝である。
「さっさと仕事かたずけてやるか!」 俺が叫ぶと、「おいおい、元気だな。頼もしいぜ」
隣から歩いてきた男はカイトだった。「船長はちょっと不思議な力を持ってるが、俺たちがサポートしなきゃどうなるかわからない」
俺は槍の手入れを怠っていた事を思い出した。「なあ、槍を削りたいんだがいいか?」俺は少々すまなそうな顔で訊いた。
「勝手にしろ」

槍の先端をやすりで磨く。血のにおいを削り落とすと言う意味でもある。
俺のやりは特注で、とても軽い金属で出来ているため、片手で扱える。それゆえ扱う技も独特である。
「さあ、時間だ。いくぞ」カイトが叫ぶ。いつのまにか目的地に到着したようだ

船員達の振る手が見える。ウイリアム達はもう少しあとの出発らしい。
シャンテは愉快そうに地図を見つめる。「この地図は私たちとウイリアムの位置を計算して目的地が見えるようになってる。」



13 :miki:02/04/16 01:58
ここまで感想は?

14 :miki:02/04/16 02:33
今のとこ面白いのは1部だけか

15 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 02:34
涙が出るくらい、イイ!

16 :miki:02/04/16 02:58
>>15 ありがとうございます\(^o^)/
でもキャラで引っ張って妥協する気はありませんので。
ストーリーが面白いというのがスタンス

17 :miki:02/04/16 15:04
age

18 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 15:23
>>1
ストーリーはすごく良く、大変に面白い。
しかし、もうちょっと肉付けをしたり、推敲をしたりした方がいいと思う。
これからのご活躍、期待しております。

19 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 15:49
やっぱり、擬音を多用するもんなのね。

20 :miki:02/04/16 16:44
話が重いつかない・・・
スランプだ藁

21 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 19:15
偉そうなこと言うな!

22 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 19:44
\|/
/⌒ヽ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ゜Θ゜)< そうでもないよ。
| ∵ つ \___________
| ∵ |
\_/



23 :miki:02/04/16 19:53
荒らしはやめておくんなませ〜

24 :名無し物書き@推敲中?:02/04/16 20:17
ところでNeoタン、ルナバはもう書かないんですか?

25 :miki:02/04/16 20:57
??? 違う人だと思いますよ。

26 :miki:02/04/17 01:33
あげとこ

27 :名無し物書き@推敲中?:02/04/17 14:37
素人だとこれぐらいのが普通なの?

28 :miki:02/04/17 19:57
さあ?

29 :名無し物書き@推敲中?:02/04/17 20:26
mikiは「千姫」のソープ嬢でたくさん。

30 :miki:02/04/17 20:28
ま、ほっといて

31 :名無し物書き@推敲中?:02/04/17 21:03
続きはよ書けや

32 :miki:02/04/17 21:37
スランプです。もうちっと待ってておくれ

33 :やどりぎ:02/04/17 22:30
書かないなら沈めといてよ。
忘れられた頃に引き取るからさ。

34 :miki:02/04/17 22:33
どーも。

35 :名無し物書き@推敲中?:02/04/17 23:45
展開が急すぎるのに、それを主人公が違和感無く受け入れているため
読んでいる方がついていけないです
あと、文を区切りすぎなのでは?
簡潔に書こうとしてるのかもしれませんが
逆にくどく感じます
キャラに厚みないのも難点
表情の動きや雰囲気の描写をもっと取り入れれば
感情に動きが出てくると思います
がんばって

36 :miki:02/04/17 23:49
それは感じていました。1部はこの倍あったんですが、間違ってアップしてしまってので、短くなってしまったのです。
以後は気をつけます

37 :miki:02/04/20 00:22
「これは電子地図なの。ウイリアムにも同じ地図を持たせて、地図が周囲の状態を察知、その情報を電波で双方に送る。
すると、2つの場所の構造情報から、パターンを地図が分析してくれて、進むべき方向が表示されるのよ。」
シャンテが得意げに話す。
「おいおい、ずいぶん手の凝った地図だなそれは。ウイリアムって奴が技術屋なのはわかったが、そこまでして行く価値があるのか?
その島は」俺は少しあきれた顔で少女を見つめた。
「ま、木の実だけが目的じゃないからね。というか、それはおまけ。詳しいことは今は秘密よ。」
カイトが叫んだ。「おい、さっさと行こうぜ。」この男はじっとしていられないらしい。
俺もシャンテもカイトの後を追った。

38 :miki:02/04/20 00:50
3人とも島に足を降ろし、前方を見つめる。見渡す限り、平原しかない。
「なんかつまんねえとこだな。この先に何があるっていうんだ?」俺はしかめっ面で口を開いた。
「ちょっと行けばわかるわよ。」相変わらず少女は先を見通しているようだ。
俺たちは、ただ、ひたすら、歩いた。太陽がやけにまぶしい。もう、かなり歩いただろうかというそのとき
少女の目が光った。「さ、見えてきた。霧よ。」
白くもやもやとした霧の向こうには、何があるのかまったくわからない。
「とりあえず、ここを抜けるの。じゃ行きましょ。」シャンテは胸を躍らせた様子で、先に走っていってしまった。
「ま、船長はいつもあんな感じだからな。」カイトが無愛想に言う。
しかし、こんな乾気で暑いところに、まるで前面を仕切るかのように、漂う霧はやけに不気味だった。

39 :miki:02/04/20 01:14
霧を抜けると、そこはさっきの平原とは似ても似つかぬ、岩場だった。足場がごつごつしていて、やけに心地が悪い。
シャンテが急に表情をこわばらせた。
「ちょっとこの島の構造を説明しておくから、よくきいて。この島は岩場、平原、湖、森、洞窟、塔の6つのパーツで
成り立ってるの。塔を中心にして、他のパーツがそれを囲んでいるんだけど、それぞれが霧で仕切られていて、
しかもパーツが入れ替わったりするの。塔が中心にあるっていうのは同じなんだけね。」
俺は面倒くさそうに言った。「だから、俺たちはどうしろって言うんだ? どうすりゃいいんだよ。」

40 :miki:02/04/20 01:45
カイトはふてぶてしそうに黙り込んでいる。普段は口の軽い男らしいが、複雑な話になると
たいそう機嫌が悪い。「船長。説明ならさっさとしてくれ。つまんねー。」
シャンテは真面目な表情で話を続けた。「だから、この島は変化パターンが決まっていて、しかも一定時間ごとに変化するの。
で、ウイリアム達が進んだ場所と私たちが進んだ場所を計算しつつ、次にどう変化するか見分けるわけ。
で、霧の先に何があるかというのも、時間ごとに変わるんだけど、それは、今説明したとおり、2つの位置から、電子地図かはじき出してくれるってこと。」
「それじゃ、俺たちの目的地は森だから、霧の先が森になるまでまっていればいいわけだな。」
ここでシャンテは少し困った表情を見せた。
「実は本当の目的地は、星の塔なのよ。夢幻の森はついで。で、塔に行くためには特定のルートをたどらなくてはいけないの。
そのルートというのが、岩場→湖→平原→洞窟→森→塔 というわけ。今私たちは、ちょうど岩場にいるから、次は湖ね。ま、大変で悪いけど、勘弁してね。」
俺は、しぶしぶした顔で少女の面持ちを見つめた「ったく、こんなことだろうと思ったぜ。お嬢さんの冒険に付き合わされるほど暇ってわけじゃねえんだけどな。ま、しょうがねえか」
かいとも耳をほじくりながら、うつろげにそらをみつめていた。「ま、とにかく難しい話は終わりにしてくれ。あんたも船長にしたがってればいいだけなんだからよ。」

41 :miki:02/04/20 02:03
少女は地図を見つめて口を開く、「今、ウイリアム達は洞窟にいるみたい。地図による位置計算
によると、岩場の先には、森がある。私たちの次の目的地は、湖だから、岩場の先がパターン変化で湖になるまで待たなきゃいけない。
その時間も計算できるんだけど、大体3時間といったところ。」
「3時間じゃ、なげえな。ま、とりあえず霧の前まで行こうぜ。ここごつごつしてて歩きにくいけどよ。」
カイトはとっくに俺たちを置いて先まで歩いていってしまっていた。
「言い忘れてたけど、この岩場には、恐獣プテノサタンっていうモンスターがいるから。
3時間でたりるかな。」憮然とした表情で言うところが、この少女の怖いところだ。
先には何も見えないが、とくかく、この歩きにくい岩場を少しずつ歩き始めた。

42 :miki:02/04/20 02:16
「お、おい。なんだこりゃ。」カイトが馬鹿でかい声で叫ぶ。
そこにいたのは、角と羽の生えた獣人といったところだろうか、ただし
体長は人間の3倍はありそうだ。全身がうろこで覆われた獣人は不気味な眼でこちらを見つめる。
「ケケケケケ」
俺もカイトも体を構えた。「おいおい、あいつか。強そうって言うよりは気味が悪いな。」
少女は俺たちの後ろに隠れて言う。「じゃ、お願いね。」
カイトは先ほどまでの退屈な表情を一転させて、口元を引き締まらせ、目を輝かせた。
「面白そうなのが出てきたじゃねえか。俺にまかせとけ。」

43 :miki:02/04/20 02:42
カイトが指に金属製のナックルをはめた。
それと同時に獣人に殴りかかる。こぶしが頭に触れようとした瞬間、獣人は身をかがめ
その鋭いつめでカイトの腹を裂いた。「くっ・・・・」
さらにその爪がカイトの首を狙う。しかし、爪は首に届くことなく空で止まる。俺が横から槍でその爪を止めるのは容易だった。
「おいおい、案外腕力ないんだな。俺片手なんだがな。」獣人は顔を引きつらせた。
さらにその瞬間獣人の下腹をカイトのこぶしが突いた。
「グゲエ・・・・・・」獣人は体をのけぞらせ、汗をしたたらせた。カイトが調子よく口を開く。「お返しだよ。
どうだい、ギガナックルの味は。おいしいだろ。」
俺は槍の先端を獣に向け、高速で突いた。ビュン・・・
獣人は必死で体をくねらせ、槍をかわし、羽をうならせて空に飛んだ。バサッバサッ
「飛んじゃったよ。どうするの?」シャンテが不安そうにつぶやく。

44 :miki:02/04/20 03:09
「グヒヒヒヒヒグギャアアアアアア」
獣人が口から粘液を飛ばした。ビチャッ・・・
俺たちの足にまとわりつく・・・
体をうねらせる。しかし、足はびくともしない。
「ちょっと、足が動かないわよ。なんなのよ。これ!」
少女が獣人と俺達を交互にをにらむ。
俺は槍を振りかざす。
「手だけで十分だよ」
槍は俊速で放たれる。しかし、槍は獣人には当たらず、上空に消えた。
「おいおい、はずすなよ! なにやってんだ!」
カイトがそういったのもつかの間、獣人は俺に向かって角を向け空から突進してくる。
「ゲエエエエエエエエエエエエエッ」
怪奇の表情で獣人の顔面が迫る。
ザシュゥゥゥゥ・・・・・・・・・・
角はそれ以上俺に近づくことなく、空から落ちてきた槍が獣人を背中から刺した。
「ブーメランスピア。一応計算していた。だが、あまり気分がいいもんじゃないぜ」
俺は、ゆっくりと獣人から槍を抜き取り、獣人は血を流しながら地に倒れた。
「おいおい、やるじゃねえか、でも一時はどうなることかと思ったぜ。」
しかし、カイトも俺も、顔中汗だらけだったのは隠せなかった。
「これくらい当然でしょ。あいつが死んだら粘液も溶けてなくなったみたいだから、さっさと行きましょ。
あと5分もないわよ。」少女は何事もなかったかのようにつぶやく。
「ったくあまり振り回さないでくれよ。じゃ急ぐか。」
俺たちは颯爽と走り、目の前に霧が見えてきた。

45 :miki:02/04/20 04:11
何とか間に合ったようだ。霧の先は湖。霧からは橋が出ていて、ずっと先まで続いている。
この橋を歩いていくだけでいいのだろう。
「んで、またさっきみたいなのはいないよな?もう嫌だぜ」
俺はシャンテに尋ねる。
「湖にはタイタニックピラニアがいるけど、別に湖に落ちなければ何ともない。ご心配なく」
「じゃ、さっさと行こうか」
歩くたびに橋は、ギシギシと音を立てる。ユラユラと揺れる。
「で、船長。あと何時間なの?」カイトが、腕を振るいながらつぶやいた。
シャンテは地図を見つめ、「計算によると、もう20分ないわ。」
「ったく忙しいな。」、俺は苦々しい表情で走り始め、2人も後に続いた。
橋が大きく揺れる。ギギギギ・・・・
俺は息を切らせながら口火を切る。「大丈夫なのか? この橋。」
「大丈夫でしょ。ほら見えてきたわよ。霧が。」少女は前方を指差した。
その刹那、一番後ろを走っていたカイトが体をかがませた。
カイトのいた部分から丸太が崩れだし、その部分の先端は弧を描き、橋は霧から伸びるはしごとなった。
「ぐぐぐ。」カイトは腕一本で丸太につかまっている。
カイトは精一杯の声で叫ぶ。「俺は大丈夫だ。先に登ってろ。」
俺はカイトの下で巨大な影を見つける。
「おいおい、あれ! どうすんだよ! カイトのところまで跳ねてくるんじゃねえのか?」
腕一本で丸太に捉まる男は、体を湖のすぐ上にさらけ出していた。
黒い影は徐々に大きくなり、今にも跳ねてきそうだ。
「早く登って来い!」
カイトはもう一本の腕を丸太に伸ばし、一段一段登っていく。
しかし、間に合いそうもない。ピラニアが跳ぶ。
しかし、ピラニアの大きな口はカイトではなく、わずか下方の丸太を砕いただけだった。
シャンテが何かやっていたようだった。
「おい・・・あんた・・・」おれは顔を引きつらせて少女を見た。
「カイト、もう一回跳ねてこないうちに早く登ってきなさい!」
「助かったぜ、船長・・・」
その剛力でここまでくれば大丈夫だろうというところまで男が登ってきても、俺たちも腕がしびれて、
安心しているどころではなかった。カイトは体中から汗がにじみ出させていた。俺たちは力を振り絞り、霧に向かって
登り始めた。

46 :miki:02/04/20 04:40
霧の先は、先ほどの平原だ。順番でここを通る必要があるということか。
腕が痛い。俺はカイトの方を見る。歩きながら何も話さない。腕を相当痛めたようだ。
シャンテが心配そうにカイトを見つめて言った。「少し休もうか。地図の情報ではまだ数時間あるし。
私もちょっと疲れた。」少女も少しぐったりしている。腕の痛みだけでなさそうだ。
俺たちは平原に腰を下ろす。おれはシャンテの方を向き、ゆっくり口を開く。
「ところで、さっきのは・・・ 魔法か?」
少女は少し困ったような表情をする。
「そう・・・ 私の魔法は幻視。さっきのは丸太をカイトに見せかけて、カイトを丸太に見せかけたのよ。」
「魔女か。世界に数人しかいない人間に出会えるとはな。じゃ、あんたは孤児だったわけだ。」
「詳しいわね。古代王国の伝説まで知っているなんて。でもこの話はとりあえずおしまい。」
俺は申し訳なさそうに呟く。
「あんたも色々大変だったんだろう。突っ込んで悪かったな。ところでウイリアム達は大丈夫なのか?さっきの橋は崩れたし、モンスターもいるし。」
俺は必死で話題を変えた。しかし、少女は以前ほどの明るさはない。
「ここの構造は変化するたびに自動修復されるらしいし、ウイリアムには強い兵器持たせてるから、大丈夫でしょ。何かあったら連絡くるしね。」
「おいおい! 2人ともしょげてねえでさっさと行こうぜ! 腕ももう痛みは引いたよ。
こんなつまんねえとこでじっとしてられねえぜ!」カイトはまたも一人で先に行ってしまった。
「そうね。もう時間だし。じゃ、行きましょうか。」シャンテは微笑む。
俺たちも腰を上げ目の前に見える霧に向かって歩いた。

47 :miki:02/04/20 04:44
うえーん、脳がパンクしそうだよ〜

48 :miki:02/04/20 05:56
洞窟に着くと、そこはまさに薄暗い迷宮で、無機質の石壁がやけに気味が悪かった。
「おいおい、こりゃまためんどくさそうだな。」カイトがきょろきょろと周囲を見渡す。
「あと何時間だ?」しかし、シャンテは地図をみつめ呆然としている「表示されない・・・
ウイリアム達の位置がわからないと、構造パターンもわからないから、先に何があるのかもわからない。
何かあったのかも。」
シャンテはバッグから、連絡機を取り出す。真剣な面持ちで会話を続ける少女を俺たちは見ていることしかできなかった。
「で、どうだって?」
「ウイリアム達は今平原にいるんだけど、向こうのね、地図がね、壊れちゃったんだって。
最初着たときは平原で、船に戻れるから、そこで直してくるってさ。でもどれくらい時間がかかるかわからないって。」
少女は少し困った声で答えた。その声はやけにかわいげがあった。
「おいおい、船長! しょげくれてねえでとりあえず霧の前まで行くとしようじゃないか。こんな迷路さっさと切り抜けたいんだよ」
この少女は気持ちの切り替えはそううまくないようで、やはり、困惑の表情は残る。
「そうね。とりあえずは先に進まないと。この島に関する古文書には、洞窟について記されている記述は少ないんだけど、わながあるから気をつけないとね」
カイトは一人さっさと歩きながら、一人呟く。「こんなもん壁につたっていきゃいいんだよ。」
俺たちはカイトを追いかけ、周囲を見渡す。相変わらず薄気味悪い。石壁の周囲に何か彫ってある。
古代文字かと思われるものや、動物と思われるもの、それらを見渡しながら、しばらく歩きつづけた。
もう数時間歩いただろうか、一本の道にたどり着いた。「ふう、やっとたどりついたわね。この先は行き止まりになっているんだけど、その行き止まりの壁は
レンガでできていて・・・」シャンテはくどくどと話し始めたが、カイトは聞かずに先に言ってしまう。
そのレンガは金色に光っていて、薄暗い洞窟とは対照的に威圧感を示していた。
「ふうん、こりゃ金になるんじゃねえのか?」
カイトはぺたぺたとレンガを触っている。「あ、ダメだってば!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・
周囲の壁が少しずつ狭まっているように感じる。おれはシャンテをにらむ。
「おい、わなってのはこれのことか!」
「そうよ。上から5番目、左から16番目のレンガを壊せば壁は消えるけど、他のに触れると押しつぶされちゃうのよ!
カイトは人の話聞かないから・・・ バカ!」
「おいおい、そういうことは最初からいっておいてくれよ。まいったぜ。」カイトは少しずつ押し迫ってくる壁を見渡す。
俺はシャンテの言ったレンガに向かって槍を放つ「光速の槍!」
シュウウウ・・・・・・・・・・・・・・
レンガの壁は姿を消したが、押し迫る壁は動きを止めない。
俺はあせった様子で、目の前に見えている霧を見つめて言った。
「もう行くしか、ねえんじゃねえのか? 今の状況じゃ、あと何時間で、どれが変化して、どこにくるなんて言ってられないぜ。」
カイトはもう霧の前で立っている「早く来いよ!氏にてえのか!あと、俺のせいにするなよ!」
少女はあきれた顔で走り始める。「しょうがないね・・・ この先が夢幻の森でありますように」
壁が俺たちを押しつぶそうとする寸前で、霧に身を投げた。


49 :miki:02/04/20 06:12
「ふう、運がよかったわね。やり直しにならなくてよかった。」
シャンテが息を漏らす。
眼前には、鬱蒼とした木々が何か言いたげに葉を鳴らしている。
真っ赤な木の実をいくつもつけている。高く売れるというのはこれのことだろう
「木の実を取るのはウイリアム達の役目、私たちは先に進むだけ。決められたルートをたどってきたから
もう構造変化に関係なく、この先は星の塔よ。誰かさんのせいで危うくのところだったけど。この森には用はないの」
「あのさ、怒るなよ」カイトもやや居心地が悪そうだ。
「別に怒ってないけど? さっさと行きましょう」
しかし、機嫌の悪さを隠しきれないところが、この少女らしいといえばらしい。
俺は下手に話に触れることもせず、先を目指した。

50 :miki:02/04/20 06:37
「で、一つだけ注意。ここには邪樹という木が何本か立っていて、ヒトの女を見つけると
襲いかかるらしいの。だから、安全なルートをたどっていくわよ。私についてくること。いいわね?」
カイトはもう先を行ってしまっていた。人の話を聞かないという点ではこの男に勝るものはないようだ。
「ちょっと、そっちじゃないわよ!」聞こえていないらしい。しかも歩くのが速く、追いかけるだけで骨が折れる。
「おい、カイト、そっちじゃねえってよ!」俺はできるだけ大きい声で叫びをあげる。
カイトは足をとめた「え? 違う? 先に言えよ」
シャンテがカイトの頬を叩く。響きのよい音が鳴る。
「もう、いいかげんにしてよ・・・ 遊びじゃないのよ。気を抜いたらいつ死ぬかわからないんだから!」
少女の頬が少し涙を落とす。
「おいおい、わかってるよ。でも船長の話って長いからさ・・・」 
カイトは本当に困ったような様子で、目をきょろきょろさせていた。
「ま、喧嘩はよそうぜ。さっきの道に戻ればいいだけだろ。」
俺は仲介ともいえないような発言でその場を取り繕った。

51 :miki:02/04/20 07:13
その瞬間、目の前にあった大樹の葉がこうもりへと変化しシャンテの肩をつかみ、空へ舞い上がった。
「あれか・・・ こんなことになるだろうと思ったぜ。」俺は槍を大樹に向ける。
カイトは動かない。大樹は枝の先端を尖らせて上空にあるシャンテに向けた。
こうもりはゆっくりと高度を下げていく。
俺は槍の中央を持ち回転させる。ビュンビュンビュン
旋風槍で大樹を切りつけた。ギギギギギギ・・・・
しかし、かすり傷だけで倒れはしない。
こうもりが高度をさらに下げる。枝に近づいていく・・・
俺はカイトの方を見る「おい、あんた何やってんだ!」
カイトは眼を済ませて、大樹を見つめていた。
「ガイ、ちょっとどいてろ。」
カイトは俺を払いのけ、大樹の前に立った。こぶしが熱をあげて吠えているように見えた。
「さっきので腕いためているっていうのによ。手間がかかるぜ。」
カイトは跳び上がり木と地面のちょうど境目に45度の角度からこぶしを放つ。
根から破壊された木は、体勢を維持できず、倒れてきた。
俺たちは瞬間的に避け、こうもりは木の葉にもどり、落ちてくるシャンテを受け止めた。
「大丈夫か?」俺は心配そうにシャンテを立たせた。
「大丈夫よ。一応カイトさんには礼を言っておくわ。」少女はほんの少しだけ嬉しそうだった。
「素直じゃねえ人だな。今のオメガナックルでこぶしはボロボロだ。ま、汚名返上ってことにしてくれや」
カイトが自慢げに漏らす。
「しょうがないわね・・・ じゃ、霧はもう見えてるでしょ。あそこよ」
シャンテ指差した方向を、カイトはすでに歩き始めてしまっていた。
少女はため息をついた。

52 :miki:02/04/20 07:39
そこは塔というには、あまりにシンプルで、内部がなく、外側の螺旋の階段から屋上まで
そのまま登れるようになっていたさっきまで輝いていた太陽は急に姿を消し、夜空に星が輝いていた。
「なんだよ、えらい単純だな。この階段登っていけばいいだけか。」
「そう。屋上から見た星はきれいそうね。じゃ、もうすぐ目的は達成ね。」
さっきまで落ち込んでいた素振りも見せず、急に目を輝かせる。
階段を上りながら、俺は口を開く。
「で、ここに何があるんだ? ここまでかなり骨が折れたぜ。」
「スタージュエル。伝説の宝石。古文書にあるだけで、誰もみたことのない幻の石。」
螺旋階段を上り終えると、その屋上は円状で、中心には石碑がある。
少女は走っていって、その石碑に飛びつく。
「これよ! 古文書にあるとおり。石碑を解読すると、「星の心を射よ」なんだけど
ここからがよくわからないのよ。」
だが、ここに来れたことがよほどうれしいらしい。
「おいおい、じゃあどうするんだよ。わからねえんだろ?」
俺は呆然とすると同時に、少女は急に困ったような顔を見せる。
「さあねえ? あはははは」
「こればかりは俺のせいにすんなよ。」
カイトが憮然とした態度で呟いた

53 :miki:02/04/20 07:39
うえーん

54 :miki:02/04/20 07:54
「星の心ね・・・」
俺は燦燦と輝く夜空を見つめながら、こういう情景も悪くない、そう思った。
「じゃ、お弁当でも食べましょう。とりあえず疲れちゃったし」
シャンテはバッグからサンドイッチを取り出す。
「あ、俺も食う」
カイトとシャンテはがつがつと、食事をとっていた。
俺は星の配列を一つずつ眺めていた。
「五芒星・・・ あれか?」
五つの星が、ちょうど正五角形になるように配列を取っている。
「なにかわかったのか?」 カイトは手をとめず、顔も向けず、言葉だけを発した。
俺はその星達の中心めがけて、渾身の力で槍を投げ、槍は闇の中に消えた。
「何やってんのよ。バカ? 槍投げてどうすんの?」
「まあ、みてろ。」
俺は星々を見つめ、ただただ、その情景に見とれていた。

55 :miki:02/04/20 08:08
空から宝石と槍が、降ってきた、という光景に少女は驚きを隠せなかった。
「何これ? ・・・ よくわかんないけど、すごい!」
俺は床に刺さった槍を抜き取り、シャンテは宝石を手に取った。
「ふうん。本当に星の形をしてるのね。きれい・・・」
その宝石は常にわずかな光を放っていた。
「じゃ、帰るか!俺早く寝てえんだ!疲れたよ!」カイトはもう用が済んだとわかると、急に態度を変えた。
俺は石に見とれている少女の顔も見ずに、空を眺めた。
「ま、これであんたらの目的は達成されたわけだ。俺もずいぶん疲れたぜ。
カイトのいうとおり、さっさと帰るとしようぜ。」
「わかってるわよ!デリカシーないんだから。ウイリアムと連絡取るから待っててよ」
カイトはもう階段を下りていってしまっている。よほど帰りたいらしい。
「もう数分で霧が、平原につながるって。じゃ、帰りましょうか。そこそこたのしかったわ。」
少女は俺よりも石のことで頭がいっぱいなのはやはり隠せないようだ。
本当に疲れたが、いい刺激にもなった、そんな心持ちで、俺たちは岐路についた。

56 :miki:02/04/20 08:24
男が扉を開いた音で、俺は目を覚ました。日がまぶしい。ずいぶん時間が経ったようだ。
まだ寝ていたい、というには俺は寝すぎていたというのか。
「ようやくお目覚めか。ガイ。昨日はご苦労だったな。俺も久しぶりに疲れたぜ。
腕がうごかねえよ。疲れてる体で悪いが船長が話があるそうだから会議室に来いってよ。
じゃ、待ってるからな。」
相変わらず頑強そうな体つきで、男はそういい放つと、ドアを出た。

57 :miki:02/04/20 08:46
会議室の扉を開けると、シャンテが待ちくたびれたかのように椅子に座っていたが、
おれを見つけると急に目を輝かせ、浮かれた態度で俺を迎えた。
「昨日はご苦労様。本当に助かったわ。ありがとう。感謝してもしきれないくらい。」
どうやら嘘ではないらしいという事は、素振りでわかる。少女は昨日のしこりもなく、相変わらず元気そうだ。
「感謝してもらってありがたいが、俺にもすることがあってな。近くの大陸まで連れて行ってくれないか。」
「今、ボートをつなげであるわ。メルアーナ大陸が見えるところまで来ているから、漕いでいけばすぐよ。
とりあえず、甲板にいって見て来なさいな」
「そっか。悪いな。んじゃボートはもらっていくぜ。」
俺は会議室をでて、甲板に向かう。
俺はそこで、船員全員かと思われる人数に取り囲まれた。
「おいおい、豪勢な歓迎だな。ここまでしてくれなくてもいいんだぜ。」
俺は少し申し訳なさそうに話す。海はやけに静かで太陽は輝いていた。風も心地よい。
しかし、船員たちは沈黙したままだ。俺を囲んでただひたすら、沈黙していた。

58 :miki:02/04/20 09:05
「おい、カイト、なんでお前まで黙ってるんだよ。どうした?」
カイトは俺を悲しそうな目でにらむ。本好きのウイリアムという男は、無表情で俺を見つめている。
しばらく時が止まる。海のさざなみと、カゴメの泣き声だけがこだまする。
「ごめんなさいね。」
甲板に出てきた少女は俺に銃を向けた。
「これは決まりなの。私たちは全員孤児で、父に拾われた。父はいい人で船員も何百人も居て、とても慕われていた。
でも、ある場所で父達が財宝を発見したとき、それを独り占めするために、父を含め一緒に探検に出かけた船員を皆殺にして、逃げた。
といっても、一人だけ生きていた船員が居て、それを私たちに報告し、その人もそれから逝った。私たちはしばらく食事ものどが通らず、何もできなかった。
しばらくして、この船であるルールができた。「他人は信用できない。来るものは利用して、殺せ」
悪いけど、あなたも例外というわけにはいかないのよ。ごめんなさい。槍も預からせてもらった。」
少女は銃をこちらに向けて近づいてくる。少女は、泣いていた

59 :miki:02/04/20 09:05
うえーん。話が広がりすぎて収拾がつかなくなってきたよお

60 :miki:02/04/20 09:29
「・・・ 撃たねえのか?」
少女は銃口をこちらに向けたまま、動かない。銃弾は放たれることなく、銃は地に落ちた。
「おいおい、船長。あんた、甘すぎるんだよ。情にもろいっていうかさ。
あんたがやらねえなら俺がやるよ。」
ウイリアムという男が、銃を向けた。
男は銃をしまう。「ま、あんたにゃ悪いが運命ってことであきらめろ。このまま沈めてやる。
それが本望だろ。俺もこんなことはしたくなかったんだが。決まりだからな。」
やはりウイリアムという男にも情はあるようで、やけに悲しそうだ。
「??? どういうことだ!?」俺は叫ぶ。
「あなた以外の全員に、「あなたが銃に撃たれて倒れた」という幻視を見せているわ。
ウイリアムは銃を撃っていないけれど、「撃った」という幻触感を与えた。この会話も聞こえない。」
「いいのか? 俺を殺したいんじゃないのか?」
俺はシャンテをこわばった表情でにらむ。
「何も言わせないで。ボートは船につないであるわ。早くして。幻視は長くは持たないのよ!私の気持ちがわからないの!?」
俺は何も言わず、ボートに乗り込んだ。少女を振り返ることはしたくなかった。ボートが海を漂う中、俺は昨日の冒険を思い出していた。そうすることしか、できなかった。

---------------------------第二部 完-------------------------------

61 :miki:02/04/20 09:31
終わったよ〜 \(^o^)/
第三部なんて何も思いつかねえ。誰か引き継いで(ワラ

62 :miki:02/04/20 12:46
乾燥とか要望あったらかいてくだせえ

63 :ズビグニュー:02/04/20 12:56
感想ですが、台詞が多すぎます。

64 :miki:02/04/20 13:06
ええ、わかってます。
ボキャが貧なので。どうしましょう

65 :ズビグニュー:02/04/20 13:18
もっといろいろな本を読んでみましょう。
ファンタジーに限らずになんでも。
独創的な世界観をおもわせるような
雰囲気を作り出してください。第三部楽しみにしています。

66 :miki:02/04/20 23:03
誰も呼んでねえのか・・・

67 :名無し物書き@推敲中?:02/04/20 23:08
とりあえず完結させるのは偉いね。
語彙を増やすのはすぐには無理なので
しっくりくる表現を模索しながら書くしかない。類語辞典とか使う。

68 :ken:02/04/20 23:10
源氏物語(愛の秘め事挿入編)83話 須磨3UPです
アダルトショップがリニューアルしました。
新製品も続々入荷してますよあそびにきてね〜
アトピーの人、必見覗いてみてくださいね〜
http://www3.ocn.ne.jp/~genji/
∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝

69 :名無し物書き@推敲中?:02/04/21 00:51
age

70 :名無し物書き@推敲中?:02/04/21 01:08
悪くは無いんだが、台詞が多すぎる

71 :名無し物書き@推敲中?:02/04/21 01:12
台詞、それと擬音に頼るのはやめてみなさい。
とりあえず、書いたものから更に要らない文章、単語を引いていく作業をするように。

72 :名無し物書き@推敲中?:02/04/21 01:17
ストーリーは?

73 :miki:02/04/21 02:08
ぼきゃ増やす訓練してるうちに数年立ってしまいそうなんで、第三部に取り掛かるとしますか。

74 :miki:02/04/21 02:36
ストーリー展開の要望もキボン。こういうキャラ出せ、とか

75 :名無し物書き@推敲中?:02/04/21 07:34
ストーリーと戦闘シーンだけいい

76 :名無し物書き@推敲中?:02/04/21 07:39
もうキャラを増やすな

77 :名無し物書き@推敲中?:02/04/21 12:35
話はすごく面白いけどね

78 :( ゚д゚):02/04/21 18:40
小説というにはちと会話が多すぎかも。
着眼点は良いと思います。
もう少し起承転結を分かり易くすると
もっと面白い物になると思います。

79 :名無し物書き@推敲中?:02/04/22 06:47
age

80 :名無し物書き@推敲中?:02/04/22 07:15
ファンタジーとして見ると話は面白いほう。
もう少し行間で雰囲気を出してみると良くなると思うよ。
描写をもう少し増やしてみるのはどう?
あと76に同意。これ以上キャラを増やすと本当に収拾つかなくなるんじゃない。
ただでさえ叫んでるんだし。
大風呂敷を広げ過ぎるとあとで大変。

あ、ひとつ言っていい?
「」(かぎかっこ)の中にまた「」がある場合は、中にある「」を『』に
変えて欲しい。読みにくくってしょうがない。

81 :miki:02/04/22 07:31
皆様感想ありがとうございます。
キャラは増やしますが。というか、基本的に三部は違う話にするんで、二部のキャラクター
はもう出さないため、(後で出てくるかもわからんが、全員ではない)キャラ出さないとどうしようもないです。


82 :miki:02/04/23 02:24
あとかおさん見てくれてどーもです

83 :名無し物書き@推敲中?:02/04/23 02:58
ネオ君にも言えるんだけど、ライトノベルチックな小説を書く人のクセってあるのかな?
上の方で記されてるとおり色んな本を読むといいと思いますよ。
楽しみながら普段触手の動かない本にも手をだしてみなさい。

それから文章はなるべく「要らない個所」を減らすように。

84 :名無し物書き@推敲中?:02/04/24 15:13
>こういうキャラ出せ
とりあえず魅力的な敵役を出してくれ。

85 :名無し物書き@推敲中?:02/04/25 00:42
age

86 :名無し物書き@推敲中?:02/05/04 21:54
あげ

87 :名無し物書き@推敲中?:02/05/05 23:23
age

88 :名無し物書き@推敲中?:02/05/16 03:03
age

89 :miki:02/05/23 16:55
--------第三部--------

俺は小袋からぼろぼろの地図を取り出し、広げた。
メルアーナ大陸・・・ 世界は大陸と、東にあるアロ大陸を中心に、周囲を小さな陸や列島で囲まれてできている。
ボートを降り、俺が今向かっているのは、大都市サンビア。
ここ貿易の中心地であり、豪華な家や店が建ち並ぶ、文字通り大都会なわけだが、すこしはずれにいけば、貧乏人や荒くれものの集う廃墟と化した村々も見られる。
表と裏の顔を持つ地とはいっても、そんなものはお決まりだ。危険と隣り合わせにいたほうが、緊張感があっていい。
 そんなことを考えながら、とぼとぼと歩いていた。俺のボートが着いた海岸から少し周囲を見渡せば港を船が行き来している。にぎやか過ぎるのはどうも好きではない。
視界の先にはいかにも華やかという雰囲気が漂い、子供や女の声が飛び交う。しばらく、歩いてみるか・・・
そう思いつつ、路地に入り、屋敷や店を眺めながら足を先に進めた。
「おい、にーちゃん」、子供が後ろから声をかけた。
その子はいかにもみすぼらしい風貌で、痩せている。このあたりに住んでいる者ではないだろう。
「何か用か?」
俺は振り返り、ぶっきらぼうに答えた。
先を急いでいるわけではないが、ガキの相手をしているのも時間を食う。俺はさらに足を進める。
「あんた、よそ者だろ。ここら辺じゃみねえ顔だ。キョロキョロしてるってことは良く知らないんだろ?
どこか行きたいんなら俺が案内してやるよ。広くてわかんねえだろ?」
いかにも、その子供は客を捕まえたかのような浮ついた目をしている。
街案内でもして、小金を稼ごうってことだろう。
「言っておくが、俺はそんなに金は持ってねえぞ。ま、酒場かどっかで噂や情報なんか聞けるといいんだが、そういうところはないのか?」
その子供は俺のほうへ走り出す。
「OK、俺はフィリップ。じゃ着いてきて。」
「俺はガイだ。」
俺の話も聞かずにその子供はいかにも急いでいる様子で先に走り出す。
俺は走りながら追いかけた。
豪華な街中を抜け、街のはずれの、ひっそりとした地味な家々が立ち並ぶ路地で子供は足をゆるめた。
「おいおい、こんな寂れたところに酒場なんてあんのか?」
子供は話も聞かずにぼろい家の屋敷で立ち止まる。
「で、いくらだ?」 俺は小銭を取り出そうとした。
「金は要らないよ。ついてきて」
子供は屋敷のもんを開け、中へとはしっていった。
俺はまた何か厄介なことに巻き込まれはしないかと、不安な心持ちでゆっくりと門をくぐった。


90 :miki:02/05/23 17:43
屋敷は広いが、ずいぶん古い。階段の音がきしむ。
フィリップは応接間と思われる部屋に俺を案内した。
この部屋の中はそこそこ整理されているようで、高そうな本や、肖像画や、鎧が、誇らしげに飾ってあった
「お。連れてきてくれたか。」
声を発したのは、ひげ面で髪の薄い中年の男性。
「すみませんなあ。わざわざお越しいただいて。」
俺は不機嫌な顔をしてフィリップを見る。
「なんか話と違うじゃねーか。情報が飛び交う場所なのか? ここは?」
フィリップはそ知らぬ顔で愛嬌良く口を開く。
「ここは俺の家、この人は俺のオヤジ。へへへ」
その男性はその場を取り繕うとして俺に向けて話をし始めた。
いかにも何か話を用意していたような様子だ。
「実はお頼みしたいことがございまして。うちは代々名門貴族の家柄でして、それももうすっかりさびれてしまいました。
それはそれで仕方がない。残された先代からのわずかな遺品を管理するのがせめてもの私の務めでしょう。
で、先日のことなんですが、その約半分が、ある事情である人物に持ってかれたのですよ。
で、取り返すにも知り合いには強そうな人はいないし、雇うお金もない。そこで子供に強そうな助っ人を探してもらっていたわけです。」
俺は眉間にしわを寄せ、面倒くさそうにオヤジに説明を求める。
「そんなことするを義理がどこにあるんだよ。俺はガキに連れられてきただけなんだよ。
ここは酒場でもなし、あんたの本や絵画なんて俺はもらっても嬉しくないぜ?」
そのオヤジはきゅうに足をひざまづかせて、頭を地に着ける。
懇願するような目で、子供も俺を見ている。
「どうか、お願いします。ここであなたに帰られたら、もうどうすればよいのか・・・
お頼みします。どうか・・・」
俺もそうそう急いでいるわけでもない。アイリスだってそう簡単には見つかるまい。
暇つぶしにはちょうどいいかも知れない。俺は本来薄情だが、それをここで押し通すのもまた疲れる。
「いいよ。取り返してやる。ただし・・・」
俺は鎧の横に飾ってある高級そうな槍に目を向ける。柄に青い宝石が埋め込まれているから随分な代物だろう。
「あれを報酬としてもらってくぜ。ちょうど武器がなかったんでな。手ぶらで行くのは厄介な相手なんだろ?」
親父はしぶしぶした表情でうなづいた。残念そうな勘はぬぐえないようだ。
「それはルーンスピアと申しまして・・・ 代々伝わる伝説のですね・・・」
俺は槍を取り外し、握って感触を確かめた。ほこりをかぶっているがさびてはいない。
何とか使えるだろう。
「ちょっと、勝手に・・・ ま、いいでしょう。この家を出て左に2軒先のところです。
お願いしますよ・・・」
親父も子供も少し心配そうに、俺を眺めた。
さっさと片付けて来るのが得策だろう。また面倒なことを頼まれたら困る。
「すぐ近くじゃねーか。じゃ、坊主、すぐ戻ってくるぜ」
俺は少年の肩を叩いた。
 見た目にしては随分軽い槍を抱えて、俺は屋敷を出る。
親父の言っていたのはここか・・・
俺はいかにも妖気の漂う紫色の館の前に立った。
木造の丸いドアに手をかける。


91 :miki:02/05/23 18:26
「なんだい、客か。めずらしい」
声をかけてきたのは、やはり紫色ローブを纏い、紫色の三角帽をかぶった老人だった。
「なんだよ、バーさんか。」
屋敷は狭く壁も紫色に塗りたくられていた。カウンター越しに怪しい格好をした老人がカードを並べながら何かやっている。
俺は予想を裏切られて、急に気が抜けた。俺は事務的に口を開く。
「2軒隣のオッサンから盗んだものを返して欲しいんだが・・・
手荒なことはしたくないんでな。何であんたそんなこと・・・」
急にその老人はこわばった表情をさらに強めて杖で俺の頭をコンと叩いた。
「なんで、私が盗みなんぞせにゃいかんのじゃ。あいつ、ギルマンなら賭けに負けただけだよ。
タロットカードでな。あいつがツケをいつまでたっても返さないから預かったんだよ。やや強引にではあったが。金持ってくれば返してやるぞ。」
俺はあまりにも予想外の話に呆然としていた。
俺はあのオヤジ、ギルマンとやらが、どこか凶悪な盗賊にでもやられたかのような想像をしていたからだ。
そうでないにしてもこの老女も少し特異な雰囲気をかもし出してはいる。
俺はふてくされている老女にな視線を投げかける。
「あんた何者だよ。それに俺はどうすればいいんだ? 賭けに負けたんならあの親父が悪いってことだろ。
どうしようもないぜ?嘘ついてるんじゃないよな?」
老女が重たそうに口を開く。
「私はベルという名の占い師だが、副業でカードのギャンブルもやってんのさ。いっておくがイカサマは一切ない。
金がないからと、賭けをして負けて、未練たらしく文句つけられてもこっちが困るわ。
それともその槍で私を突き刺すか?」
俺は頭を掻いた。どうすればいいのだろうか。手ぶらで帰るのはあまりにも情けないが、
老人を殺して遺品を奪い返したら俺のほうが強盗だ。あいにくそういう趣味もない。
それにしてもこの館は妖気というか、奇異な雰囲気が漂う。
紫色の壁は目がチカチカする。まるで古代絵図のような装飾にもを目を奪われた。
だが、カードをいじる老女は相変わらずこわばった表情をしていた。
「ま、あんたが払うか、命でもかけてカード勝負するってんなら考えてもいいが・・・」
老人はカードを切り始めた。
「おい婆さん。俺は金なんてそんな持ってねえし、命をかけてカードなんてやりたくもねえよ。」
俺はカウンターの椅子に腰を下ろして、息を漏らした。
老女が俺をにらみ、杖で俺の頭を叩く。
「だったらとっとと帰れ。邪魔なんだよ。・・・いや、あんたもしかして結構腕が立つんじゃないのか?
ちょっと面倒なことを抱えててね・・・ 一仕事手伝うって言うなら考えてやろう。」
悪い意味で予想を裏切られ、かつ面倒な仕事の押し付けだ。俺は今日はついていないのだろう。
「ま、どうせ暇だし、話だけ聞いてやるよ。」
老女はまた俺の頭を杖で叩く。
「まったく、口の利き方を知らんのか。私がせっかく・・・」
「わかったよ! わかったからさっさとしてくれ。」
ベルという占い師はしぶしぶとした表情だけは変えずに話を始めた。



92 :miki:02/05/23 19:04
「魔女については知っているな?」
ベルは真剣そうな表情でこちらを見つめる。
俺は得意げな表情で口を開いた。
「ああ知ってるとも。何しろ俺が追っている奴の一人が魔女だからな。
色々と調べた。世界にたった6人しかいない不思議な魔法を操る女たち。
普通、魔法というのは、単純な自然現象をごく簡単に操ったりする類のものだが、
魔女の操る魔法は明らかにその次元を越えている。宇宙レベルの魔術。
彼女らの魔法に関しては何の文献にも記されていない。ま、俺は2人知ってるが。
物理と幻を操る魔女で、一人は俺の敵なんだよ。」
老女は眉をひそめて、カードをいじくりながら話す。
「そこまで知っているなら話は早い。では魔女狩りについても知っているな。
魔女には血統のようなものがあるのではなく、適当な妊婦の腹にある胎児に魂が宿る、とされる。
右肩に赤い涙の模様を持つという特徴があり、なぜか6人同時に生まれ、同時に死ぬ。
そして転生を繰り返す。どこの誰が産むのかはわからない。それは魔女の魂が決めること。
だから、そこら辺の男女の子供が魔女だったということもありうる。可能性は非常に低いが。
重要なのはここからだ。」



93 :miki:02/05/23 19:32
「魔女はかつて世界を滅ぼした邪なる存在とされ、昔からの伝統で世界各地のどこでも、魔女を生んだ両親は殺し、魔女の子
は海に流すという決まりがある。そのとき魔女を殺さないのは、殺せばその者が呪われる、という伝説があるからだ。」
老女の顔は深刻そうだ。
俺もなんといっていいかわからず、ただじっと、話に耳を傾けていた。
ベルは、いかにも辛そうで虚ろな目をしていた
「幸か不幸か、私の孫は魔女であった。当然娘夫婦は殺され、孫も海に流されることとなった。
海に流すのは私の役目だったが・・・ 魔女とて普通の人間だろう。
やはり情は沸いてくる。私は、孫とともにその地を離れ、密かにここに住み着いたのだ。
孫は素直に育った。魔力でよからぬことをするような子には育たなかった。
だから、そのまま普通の人間として、私の店を継いで、生を全うしてくれればいい、と思って今までひっそりと暮らしてきた。
あの子には自分が魔女であることは一切言わなかった。しかし、あの子は、一介の占い師で、微々たる魔法しか操れぬ私の教えをすぐに吸収し、自分で文献を読みあさり、
自分の魔法にも目覚めていった。そして、最近あの子の特異な能力を嗅ぎつけ、魔女と知った者たちに、さらわれた。」

94 :miki:02/05/23 19:56
俺は、申し訳なさそうに長い話を続ける老女の話を断ち切った。
「だったら、そのお孫さんが自分で逃げ出してくればいいんじゃねえの?
魔女の能力があれば簡単だろ?」
老女はさらに口元を引き締め真剣そうに、俺を見つめた。
「だから、素直で繊細な子だと言ったろう。自分が魔女と知ったあの子、リンネは
罪悪感にかられ、自分が処刑されるのを受け入れようとしているのだ。
さらったのは、アズガルト聖団という新興の教会。あいつらは自分が悪と認めたものは、
問答無用で殺そうとする、まさに悪魔だ。私はあんな連中は正義とは認めない。
あいつらは魔女の呪いなんぞ、信じてはいないだろう。処刑もいとわないだろう・・・
そこで救出をあんたに手伝ってもらうわけだ。
トップに立つ教皇、大幹部の司教、そしてその下に司祭がいて、さらに大量の信者がいる。
正直厄介だとは思うが、ま、何とか手伝ってくれ。じゃ、早速行こうかね。」
ベルは毅然とした態度を変えず、早速カードをしまいこみ、支度を整え始めた。
俺は悪い意味で予想が当たったことに対して、面倒な気分になった。
その仕事はオヤジの賭けの代償としては随分厄介だ。
「しょうがねえな」俺はあのオヤジと少年の顔を思い出しながら、呟いた。

95 :miki:02/05/23 20:11
ここから思いつかないんですが、意見ありますか?
というか、読んでる人いますか?

96 :名無し物書き@推敲中?:02/05/23 22:26
あまり思い詰めないで感性で書き進め…

97 :miki:02/05/24 07:51
俺たちは今、サンビアからさらに北を進み、
アズガルト聖堂を中心に、その周囲で信者が暮らす集落にやって来ていた。
この村はサンビアとは対照的で、人々の声も聞こえない。異様で気味が悪いほど静かな雰囲気が漂っていた。
「おいおい、なんか気味が悪いな。この村は」
俺とベルは、村の入り口を通り、村の中へ入る。
建物はすべて、白いレンガでできていて、壁に模様が彫ってある。
地面には草木や土もなく、これもレンガで敷き詰められ、いかにも宗教地といった感じがする。
人々は白い聖服を着て、徘徊していた。みんな目が虚ろだ。小さな声でぶつぶつ何か言っているのが、数人いる。
「ここが宗教地アズガルトか。中心に聖堂があるはずだ。」
ベルは呟いて、杖をつきながら先に歩いていく。
「で、婆さん。どうするんだ? このまま強行突破か?」
俺は周囲を見渡しながら、ベルに尋ねる。
ここはまともな場所ではない。雰囲気がそう物語っている。
なるで信者には自我がないようだ。
すると信者の一人が俺たちに近寄ってきた。白いヴェールをかぶった女性。
「アナタタチハココノシンジャデハナイ。ニュウシンスルカ、イマスグタタイサッテクダサイ。
サモナイト、アズガルトヲケガスモノトシテ、ショバツガクダリマス。」
いかにも何かに操られているかのごとく、その女は言う。
「悪いがお断りだ。邪魔だよ。」
ベルはま面倒くさそうに何かを唱えながら、杖を女の目の前で振る。
女は急に目を閉じ、その場で倒れた。
「おいおい、ちょっと手荒じゃないのか? これは?」
「いいんだよ」
ベルがさっさと行ってしまうので、俺は後ろを振り返りながら、黙ってついていった。
俺たちは、中心にそびえる聖堂の前に立った。何階建てかは知らないが、相当大きく白い建物で、やはり同じ模様が扉の上に彫られている。
「若造、この扉壊せるか?」
ベルは俺の方を向いて、頑丈そうな鉄の扉を指で指す。
俺はうなづいて、槍を扉に向ける。
「竜巻槍!」
槍を突き出した瞬間、腕を高速でひねらせ、先端を渦がまく。
槍の先端が扉に触れると同時に、扉に竜巻状の大きな穴があいた。
 

98 :miki:02/05/24 08:12
扉をくぐると、初老の男性の前に大勢の信者がひざまづき、一斉に大声で何かを叫んでいた。
何かの儀式なのだろう。俺たちに気づくと、そこにいた大量の信者はこちらをにらみ、立ち上がり、にじり寄ってきた。
さらに、女性が倒れているのを知った外にいる数人の信者も後ろから寄ってきていた。
「どうする?」
俺は汗を顔ににじませて、ベルの方へ顔を向ける。
信者の手が俺たちに伸びようとした瞬間、
「よしなさい」
その初老の男性が静かに口を開いた。
信者は動きをぴたりと止めた。
その男は、急ににやついた表情をして、ベルの方を向いて、話し始めた。
「私はアムス。この聖団の司祭です。魔女のご祖母ですな? フフフ
ここに来るのはわかっていた。ついて来なさい。」
男は奥の扉に消えた。信者たちを押しのけ、俺たちは扉を開ける。
白いレンガでできた部屋で、四方に大きなロウソクがあり、火がともされている。
薄暗くて気味が悪い。聖壇の前に立ち男がこちらに近づいてくる。
「ベルさん。魔女の処刑はもう数時間後だ。一緒にご見物いかがでしょう?
といいたいところだが・・・ 牙をむく異者は殺すというのが決まりなんでね。
死んでもらいましょう・・・ ククク。白い髭と薄い頭の男は、大きく目を見開いた。



99 :miki:02/05/24 09:02
「まずは、隣のあなたからだ。」
男の指の先から巨大な炎の玉が放たれる。俺はとっさに左へ跳んで直撃を避ける。
火の玉は地に直撃し、レンガを溶かした。
ベルが杖を男に向ける。
「やはりあんたは、グル(魔導師)のようだな。教皇からしてだろう。こんな宗教
作って、正義ぶって人々を操っていたわけか。汚いじゃないか。何が目的だ」
男はにやついた表情をやめずに、炎を老女に放つ。
炎が眼前に迫ろうとする刹那、老女は杖で地面を突いた。
土がレンガを突き破り、壁を作る。炎は壁に直撃し、土の壁は蒸発した。
男は十本の指から、炎を浮かび上がらせた。
「まあ、貴方ではせいぜいその程度だろう。一介の占い師の使う魔法などたかが知れている。
魔術のエリートであるグルには到底かなうまい。わざわざ死にに来てご苦労。
苦しめずに溶かしてやろうじゃないか。」
男の指から連続で10の火の玉が放たれた。
俺はとっさにベルの前に立ちはだかり、炎の列を睨む。
「一緒に死にたいわけか。どうぞご自由に。」
男はそういい放って、目を閉じた。
直撃の瞬間、俺は、槍を上に振りかざし、高速で振り下ろす。
「波動の槍!」
真空が飛び、炎の列をを真っ二つに裂いた。
炎はすべて左右に別れ、レンガを順々に直撃していった。
司祭は風刃をとっさにかわし、指先を振るわせる。
だが、炎は灯ることなく、俺の手から放たれた槍が、男の手のひらに突き刺さった。
男をもう片方の手で、傷ついた手を抑えた。
「ふん、そこそこやるじゃないか。いいだろう。もっとさ悲惨な死に方をしたいのなら、
勝手に行け。」
男はふてくされて、槍を俺のほうへ投げ返す。
「リンネ・・・」
老女は顔に汗を滴らせて、奥の階段を登り始めた。
俺は睨みつける司祭の顔を一度だけ振り返り、先に進んだ。

100 :miki:02/05/24 09:14
2階は円周状になっており、手すりから1階が見渡せる。
司祭は気を失っているようだ。
老人は孫のことがよほど心配らしく、階段から左のほうを杖をつきながら歩いている。
俺は不安な気持ちでその光景を眺めながら、後をついていった。
ちょうど階段の反対側にドアがあるのを見つけると、ベルはドアを開け、さっさと中へ入ってしまった。

101 :miki:02/05/24 09:49
その部屋は先ほどとは対照的に明るい部屋だった。ランプが轟々と光り、ややまぶしい。
部屋の中心から太い鉄棒が高くそびえ、高い位置でその鉄棒に紫の服を纏った女性がロープでくくられている。
だがその中心の太い鉄棒には、囲むようにして細い鉄棒が何本もが刺さっており、こちら側は見ることしかできない。
ベルが細い鉄棒をつかみ、上を見つめる。急にゆがんだ表情で、顔に汗をにじませている。
「リンネ! 助けに来たよ! 待ってろ!」
少女がこちらに気づくと、俺の予想に反して、彼女は悲しそうにこちらを見つめた。
「おばあさま。どうして・・・ 私はここで死ぬのよ。助けなんて呼んでいないのに・・・
どうして・・・ 余計なことなのよ・・・ もういいの。帰って。放っておいてください。」
少女も老女も目に涙をにじませてお互いを見つめている。
俺の入る余地はどこにもない。
その時、奥から2人の男女が姿をあらわす。
「ま、せっかくですから、2人ともここで死んでみてはどうでしょう?
よろしいですね? 教皇。」
声を発したのは若い男性。この男が司教か。
金髪のロングヘアーで奇妙な服を着ている。
もう一人は女性。この女が教皇か・・・ 
ヴェールをかぶり、赤いドレスを着ている。
首から、聖堂にあったのと同じ模様のペンダントをしている。


102 :miki:02/05/24 10:07
細い円状の鉄柵をはさんで向かい側に、男女が立っている。
ベルがものすごい形相で女を睨みつける。
「お前の目的は何だ? 魔導師が正義も何もないだろう。
リンネをさらったのは何故だ?」
その女は終始穏やかな目でこちらを見ていた。
「魔女の血は、美容にいい、なんてね。でも魔女の血を飲めば
絶対的な力が手に入る、とも言われている。そういうことに、ちょっと興味があっただけですのよ。」
男が待ちくたびれたかのように声を発する。
「もういいでしょう教皇。僕、血に飢えているんですよ。」
教皇は少し困ったような表情をして、司教に笑いかける。
「しょうがないですね。ただし魔女は後ですよ。ロープを切る楽しみは私にください。」
確かに、あの位置からロープを切られたら、間違いなく地面に叩きつけられて、死ぬだろう。
俺は槍を構える。顔を老女の方へ向ける。
「どうする? 人質を取られているようなもんだぜ?」
ベルは杖を地面につつきながら、教皇を睨んでいた。
リンネはただただ、悲しそうな表情をして、こちらを見つめているだけだった。

103 :miki:02/05/24 10:33
「心配するな。魔女の処刑は私がお前たちを殺してからだ。
それまで教皇は手は出さない。保証しよう。ハハハ」
司教は腰から剣を抜き出す。教皇は相変わらずにっこりとしているが、手を出そうとする様子はない。
狙いは俺のようだ。走ってきて剣で切りつけて来た。
俺は槍で受け止め、はじき返す。剣のさばきが相当にすばやい。
何とか受け止めてながすのが精一杯だ。
何かぶつぶつ言いながら、ベルが杖の先に電流を発生させた。
その杖で地面を突くと、電流が地を這い、司教を捉えようとする。
だが司教はその電流を剣ではじき、俺の体に電気が走る。俺は身をかがめた。
「魔導士に下手な魔法はかけないほうがいいですよ。逆効果ですから。ククク」
老女は呆然としているしかなかった。
俺の体はしびれたままだ。このまま斬りつけられる。
「じゃ、とどめといきましょう。」
司教は剣から炎を噴出させ、俺に切りかかる。

104 :miki:02/05/24 10:45
その瞬間、俺の頭にイメージがよぎる。
司教が剣で左から切りかかるイメージ。
俺は力を振り絞り、槍で左をガードする、と同時にやはり左から切りかかってきた。
右から、正面から、そういうイメージが次々に頭の中に現れ、その通りガードしていく。
やがて、しびれも消えて、互角に渡り合う。
「どういうことだ? 俺のスピードに対してそんなに瞬間的に対応できるわけは・・・」
司教は顔をゆがませ、剣を振り続けてくる。真左から切りつける、そのイメージが頭によぎった瞬間
俺は槍で左から来た剣を振り払い、司教の胴に向かって槍を向ける。
「光速の槍!」
俺の槍が司教を突き、司教は地に倒れた。
「急所ははずしておいてやったぜ・・・ だが・・・」
俺は槍を取り、不思議な感覚にとらわれていた。
俺はリンネの方へ顔を向ける。あの少女がイメージを送り込んできたに違いない。
「あの子に救われたな。」ベルがほっとしたような表情でぼやいた。

105 :なんだこの作文は:02/05/24 10:55
( ´,_ゝ`) プッ

106 :miki:02/05/24 11:07
「あの子の能力は、タロットカードの記述の具象化、そして予知、これ
はさっきあんたが体験しただろう。普通占い師ができるのはタロットカード
で未来を占う程度で、当たるとも限らず、具体的な出来事までは予測できない。
直接的なイメージを予知して他人にイメージまで送るというのは・・・
やはり魔女の血というべきか・・・ さらなる能力として・・・」
老女がくどくどと、説明を始めた隙に少女が教皇に向かって叫ぶ。
「もうやめて。おばあさまは殺さないで。私は死ぬから・・・
お願い・・・」
少女が懇願する。涙をうっすらと浮かべている。
教皇は急に顔を険しくして、円状の鉄柵の前に立ち、少女を睨む。
「余計なことを・・・ 放っておいたら何をするかわからんな。
もう良い。死んでしまえ。」
教皇が呪文を唱え始めると、ロープが炎を発する。
「じっくりと魔女の死を鑑賞しようではありませんか。フフフ」
胸にあるペンダントを輝かせながら、教皇は気味の悪い笑いを浮かべている。
ベルは鉄格子を蹴って、ガンガンやっている。
この細い円状の鉄柵をはずさなければ少女が地に落ちるのを助けることはできない。
魔法も受け付けないようだ。槍で切ってもつついてもびくともしない。

107 :miki:02/05/24 11:08
>>105 あとちょっと第三部終わります

108 :miki:02/05/24 11:40
「ロープが切れるまであと数分でしょうね。
魔女の血を飲めば力が手に入る。
アズガルトを世界宗教にするのもたやすい。」
痩せた女が気味の悪い目つきでつぶやく。リンネはこのときを待っていたかのように
安らぎの表情を浮かべている。鉄格子一本でも壊せれば、一人分入れるスペースができる。
そのためには・・・
俺は地面を見つめ、思いきり槍を放つ。地に穴があき、鉄格子はスッと下の階に落ちた。
同時に少女のロープが切れ、少女の体は地に向かって吸い込まれた。
俺は身を乗り出し、飛び出して、何とか少女を抱きとめた。
少女はすぐに身を起こし、怒りと悲しみに震えた目で俺を見る。
「ありがとう。 でも助けなくても良かったのに・・・ 私は・・・」
リンネがそういった瞬間、老女の体を炎がまとう。
俺は柵を出て、ベルに近づこうとした。
その瞬間に電流が体を走る。
「私のすることを邪魔ばかりして。本人も余計なことだといっているでしょう。
じゃ、まずこのおばあさんから死んでもらうとしましょう。地獄のフレイムで」
教皇がベルに近づきながら、炎を強める。


109 :miki:02/05/24 11:59
先ほどのようにイメージがよぎる。
老女が服も身も骨さえ溶かされすべて、蒸発していく・・・
死ぬのか・・・? だがしばらくしてイメージがゆがむ・・・
視界にユラユラとしたもやがかかり、イメージが切り替わる。
老女の服から、炎が消えさる。教皇があせりの表情を浮かべている。
数秒後、不思議なことにそのイメージは現実のものとなった。
ベルが口を開く。
「私もリンネに助けられたようだ。予知で知った運命を・・・変えたわけだ。
もちろん、運命なんぞ自在に操れるわけではない。ほんの数秒先まで。
しかも感情が極度に昂ぶっているときにしか・・・」
ベルはぶつぶつぼやいていたが、リンネは柵を出て教皇を睨む。
紫のローブに紫の三角帽。祖母と同じ格好をさせられているのか。
だが、髪も目の瞳も紫色だ。
「おばあさまを殺そうとするなら、私はあなたを止めるわよ?」
ベルは察したかのように、タロットカードの束をリンネに投げる。
それを目で見ずに、受け取ったリンネは、教皇を睨み続けている。
教皇は焦燥感を隠せないようだ。だが、汗をたらしながらこう呟く。
「ふん。魔女だろうが、何だろうが、知ったことではない。
私も伊達に教皇を名乗ってはいない。魔法ならグルの中でさえ負けはしないよ」
俺の体には電流が走り続け、動くこともできない。ただ、その光景を見つめているしかなかった。

110 :miki:02/05/24 12:43
教皇が5本の指先から巨大な炎を発した。指をちょいと動かして、
自分の目の前に5枚の炎の壁を作る。さらに教皇は指を突き出す。
すべて同時に壁がリンネをを襲った。
リンネは束から1枚のカード取り出した。
「ムーン(月)」そう呟くと、月の幻影が現れ、炎をすべて吸収した。
リンネはカードの束を手で広げて、見ている。そして2枚同時に取る。そして呟く。
「サン(太陽)」太陽の幻影が教皇を照らした。教皇はまぶしさで、たじろいだ。
「ソード(剣)」十本のナイフの幻影が教皇の服を刺し、壁に体を打つ。
剣は壁を刺したまま、教皇の動きを止めている。
教皇は蛇のような形相で、必死に口を開き、魔法を唱え始める。
氷のツララを創り、巨大な炎の玉を創り、それをいくつも飛ばす。
さらに電流が数本、地を這った。
リンネはカードから3枚同時に取る。
「ハーミット(隠者)」隠者の幻影が現れ、リンネは姿を消した。リンネのいた場所で
炎と氷と電流が激しくぶつかり合い、霧散した。
リンネが姿をあらわすと、隠者の幻影は消え去った。

111 :miki:02/05/24 12:56
教皇は手を止めない。巨大な炎の玉を十本の指から連続で放つ。
司祭が使っていた魔法と同じだ。
「ラバーズ(恋人)」リンネがそう呟くと向かい合う男女の幻影が現れ、
炎を反転させた。教皇はその瞬間、気流を発生させ、すべての炎をはじいた。
「ハングド・マン(吊された男)」絞首台の上に逆さ吊りにされた男の姿。
その影が教皇に重なる。教皇は必死で呪文を唱えていたが、魔法を封じられたことに気づき、
汗をだらだらにさせて、リンネの方を向いていた。

112 :名無し物書き@読めない?:02/05/24 12:59
リンクの方を向いていた。
http://www.amateursurfers.nu/pics/4377x045.htm

113 :miki:02/05/24 13:06
「これでおしまいです。」
リンネはタロットカードの束をじっと見つめ、最後に1枚だけカードを取り出した。
「ジャッジメント(審判)」そういい終えると、ラッパを持った天使の影が姿をあらわす。
その幻影は、教皇に向かって大きな光を放ち、消えさった。
俺は教皇に目を向けた。白目をむいて、意識を失っている。その姿は、やけに滑稽に見えた。

114 :miki:02/05/24 13:21
リンネもその場で気を失い、体をぐらつかせた。俺は倒れそうになった体を支えた。
目を閉じて気を失っている。腰を地に着けたベルが叫ぶ。
「心臓が止まるかと思う目に遭ったが、一応目的は果たせた。あんたには礼を言っておくよ。
じゃ、帰ろうかの。」
ベルは重い腰をあげて、杖を突き始めた。俺を少女を抱えながら、その姿を追った。

115 :miki:02/05/24 13:29
サンビアに帰還してその後、遺品は無事ギルマンのもとへ戻った。
体を休めるため、数日をギルマン家ですごした。フィリップに話を聞かせてやったり
オヤジにギャンブルのツケで他人を利用するなと念を押しておいてもいた。
別れを告げると、親子で寂しがったが、いつまでもいるわけにはいかない。
そして俺は占い屋へ向かった。

116 :miki:02/05/24 14:02
占い屋に入ると、ベルが暇そうにタロットカードをいじくっている。
相変わらず悪趣味な店で、客などそうそうこないだろう、俺はそう思いながら声をかける。
「あんたか? 何か用か? 賭けでもしにきたのかの?」
老人はぶっきらぼうにそうそう言い放つ。
「他の魔女について知りたいんだが、何か知ってるだろ? 教えてくれ。」
ベルは表情を変えずに、こわばった顔で、カードで何かやっている。
「ここから、西にアレイン国という国がある。それと北東のトゥーイ村。
私が占いで見えるのはこれくらいだな。あとは自分で探せ。
それとな、自分の存在を確かめるため、リンネがお前の旅
についていきたいと言っておったが、お前はもう行ってしまったという事になっている。
しばらくはそばに置いておきたいんでな。今回のようなことはもうごめんだ。
じゃがんばってな。」
老女はやや不安そうな表情を浮かべていた。下手についてこられるのは俺もごめんだ。
「そうか、それじゃどうも。」
店を出ると風が吹いている。やけに心地が良い。

正直、魔女には畏怖の念を抱かざるを得ない。
巻き込まれればどんな目に遭うか見当もつかない。
俺の手には余るのかもしれない。だが、アイリスを見つけるまでだ・・・
期待感と焦燥感にかられながら、俺の髪は、強い風になびいていた。

-----------第三部 完-------------

117 :miki:02/05/24 14:36
意見、感想お願いします

118 :名無し物書き@推敲中?:02/05/24 16:06
感想
                          ((((^))))))))  )
                           |\ /  \ミ|     ホ
     / ̄ ̄ ̄ ̄\              [¬]-[¬]一 6)  
   (  人____)             ( 「、  /  |      モ
    |ミ/  ー◎-◎-)              |(一)  ||| |
   (6     (_ _) )彡川川川三三三ミ   \___/      ス
    |/ ∴ ノ  3 ノ彡彡彡./   \|  /⌒ -- ⌒\  
    \_____ノ 彡彡彡 ◎---◎|/ 人 。   。 八 .\    レ
   /⌒        ⌒\川川  ∪  3  ヽ\ \|  亠 |/ /
  / 人       ノ´) ヽ川  ∴)□(∴)  \⊇  ⊆/      の
  \ \|  l    // /川 ∪  ∪  /)))川川((( )
   \⊇ ノ     ⊆/川川‖    〜 /(三三三三三)|       予
    ( ::::::  :::   二二二⊃____/ノ◎一 u  ミ6)|   
    | _人_,  ;;;)|        (。    u u   \      感
    /   ∧   |  .|(。 人 。) く_  (∴    /⌒
    /   / |    |  .||\____\|      ./        !!
  (⌒)- / (⌒)ー | / |    (     \__/  /
  (  ノ__ノ (  ノ__ノ(__/     \____(____人

119 :名無し物書き@推敲中?:02/05/24 22:47
話はよくなってるんじゃない?

120 :名無し物書き@推敲中?:02/05/25 03:58
age

121 :名無し物書き@推敲中?:02/05/25 15:44
age

122 :miki:02/05/25 18:27
誰も読んでいないので残念ながら終了とさせていただきます。では

123 :名無し物書き@推敲中?:02/05/25 21:37
一段落したところで終了か。
勢いは良かったが、文章が未熟だったな。
自分の言葉になっていない。背伸びせずに書くという方法もあるぞ。
では……

124 :名無し物書き@推敲中?:02/05/26 10:18
あげ

125 :名無し物書き@推敲中?:02/05/27 08:19
age

126 :名無し物書き@推敲中?:02/05/27 17:00
感想つけてる奴いねえからな

127 :miki:02/05/29 20:01
やっぱり再開予定

128 :名無し物書き@推敲中?:02/05/29 22:32
>>127
君のそういうとこ好きです。

129 :名無し物書き@推敲中?:02/05/30 09:01
正直、話はありがちだが次第に良くなっていると思う。
しかしキャラの魅力は無いに等しい。

130 : :02/05/31 13:29
ここまで読んだ。

131 :名無し物書き@推敲中?:02/06/02 18:39
ぽっぽやNeoに負けずに頑張れ。

132 :ぽっぽ:02/06/02 20:24
 ぽっぽは負けてる。変形する島、魔女伝説が良い。

133 :miki:02/06/04 17:21
第四部

トゥーイ村か・・・
俺はさびれた木々。湿った草原。そして、獣のなめし皮で作った革服を着る蛮人の村。
白いテント郡がポツポツと立ち並んでいた。
この村の背景に轟々と高い山がそびえている。このレーン山岳は俺にとって意味深い場所でもある。
「何か用か?」
背が高く、目の細い男。たくましい体がこちらに寄ってくる。
「この村に女はいるか?」俺は臆することなく口を開く。
その男は急に怪訝な表情をする。
手に持っていた石斧をこちらに向ける。
「いるにきまっているだろう。蛮人を冷やかしに来たというのなら、殺す。」

134 :miki:02/06/04 17:23
2行目の「俺は」をとってください。
間違いですので

135 :名無し物書き@推敲中?:02/06/04 17:29
取らない方が面白いと思う。

136 :miki:02/06/04 17:33
男は斧は垂直に振り下ろした。ブンという空を切る音が響く。
俺は槍先でそれを受けとめる。
「不思議な力を持った女がいるだろう? 会わせてくれないか?」
男は怪訝な目つきを変えないまま、俺に背を向ける。
「ついてこい。」
男は早足で中心の大きいテントに向かって歩いていった。

137 :miki:02/06/04 17:33
>>135 なぜ?

138 :135 ◆bMOo3tbI :02/06/04 17:59
4部の主人公が「さびれた木々」だと勘違いし、尚且つ斬新と感じたから。

139 :miki:02/06/04 18:04
村人たちの視線を受けたまま、俺は男に続いてテントの中に入った。
布団にくるまって寝込んでいる老人が一人。目を虚ろにさせて痩せ細っている。
付き添っていた女がこちらに気づく。茶色の肌と短い髪。澄んだ青い目と良いコントラストを成していた。
「よそ者・・・か? ノグ。」
「はいパル様。あなたに用があるみたいですが・・・」ノグと呼ばれた男はこちらに睨みをきかせつつ、を声を発した。
パルと呼ばれた女は少し困惑した様子だ。
「悪いが、よそ者の歓迎をやっているわけにはいかないんだ。私のじい様が病気でな。
怪鳥の牙にやられたんだが、どんな薬も効かない。どうしたらいいかもわからないんだよ・・・」
その老人は苦しそうに口をもごもごさせている。

140 :miki:02/06/04 18:06
>>138 ある意味面白いけど、そういうのはやらない

141 :miki:02/06/04 18:19
「俺はある魔女を探してるんだが・・・ あんたは違うようだしな。
このまま帰ってもいいんだがな。他の魔女についても知らないだろ?」
ノグはその豪腕で斧を振り上げる。
「だったら帰れ。村長が病気でお前にかまっている暇はないんだ。」
とっさにパルがノグの腕をつかむ。
「やめなノグ。それにしても、あんたなんであたしが魔女だと知ってる?
そのことについては、この村でも一部の人間しか知らないはずだ。
魔女を探してどうするんだ? 魔女とはいえおとなしくしてる人間を迫害するつもりか?」
女は急に、獣のような目を俺に向ける。どんな人であってもこの話には敏感になる。
魔女本人であればなおさら無理のないことだ。

142 :miki:02/06/04 18:48
「あくまで個人的な理由だ。あんたには関係ない。邪魔したな。」
俺はわざと突っぱねたような言い方をした。挑発する気はないが、無駄な説明もする気はない。
俺は女も病人も振り返ることなく、テントの出口に手をかける。
「待ちな。魔女について何か教えてやれるかもしれない。ただし・・・」
俺は手を止める。
「そのじいさんを助けられたらって言うんだろ?」
女は鬼のような形相をして、声を荒げた。
「そうだよ! 薬でもなんでもいいからさっさと探して来い!
できないならもう来なくていいよ! じゃあな!」
俺は何も言うことなく、黙ってテントを開け、外に出た。

これは交換条件としても俺のずっと分が悪い。
協力の仰ぎ方からして素直じゃない女だ。
本当ならこのまま帰ってしまいたいところだが・・・
目的のついでとということにしてやろうか。
俺は持っていたぼろぼろの地図を開いた。


143 :miki:02/06/04 18:49
12行の「の」を「が」に変えて読んでください。度々すいませ〜ん

144 :miki:02/06/04 18:56
大陸の北端、レーン山脈。地図にはその中心地に印が付いている。
ここは、あいつの言っていた薬の隠し場所とちょうど一致する。
あいつは言っていた。「この不治の病の薬に魔女の血を一滴垂らせば・・・」
俺は不老不死になど興味はない。
だが、薬を手に入れておけば、アイリスをおびき寄せる餌にはなるだろう。

145 :miki:02/06/04 19:33
「ここだな・・・ 」
岩山のふもとに立ち、つぶやいた。
無骨な岩道が、らせん状に頂上まで続いているようだ。
足を踏み出そうとすると、馬のはしる音と鳴く声がこだまする・・・
2匹の馬は俺のすぐ後ろで止まった。
「手伝ってやるよ。あんた一人じゃ不安だからな。名前は何だ?」
女が大きな声を発し、2人の男女は馬を降りた。
後をつけていたらしい。最初から一緒に来るほど素直ではないということだろう。
こういう人間は少々骨が折れる。
「俺はガイ。別に手伝ってもらわなくてもかまわんぜ?」
今度は男が口を開く。
「私たちもここには用があるのだ。頂上には村長を襲ったデスウイングが数十匹いる。
たまに村を襲ってきて、困っているんだが、どうせお前一人では食われておしまいだ。」
「わかったよ。さっさといこうぜ。」
俺は不気味に聳え立つ岩山に一歩足を踏み出した。

146 :miki:02/06/04 19:55
登り始めて随分経ったが、当然、まだ頂上は見えない。
体が熱を帯びてくるのは、火山帯だからなのか。とにかく熱い。
俺は汗をぬぐう。だが、2人は慣れているようで、平然としたまま、
疲れている様子も見せない。
「ま、さっきは急に怒鳴って悪かったよ。あたしは少々怒りっぽいんでな。
それにしても、なんでこんなところに薬があるんだ? 頂上はマグマが噴出しているし、
その周辺は鳥の棲み家だぜ?」パルは随分と元気そうだ。汗一つ流さず、澄んだ青い目で俺のほうを見る。
それにしてもとにかく熱い。体が溶けそうだ。
元々暑い気候には慣れていないせいか、足を動かしただけで水分が搾り取られるようだ。

147 :名無し物書き@推敲中?:02/06/04 19:58
ここまで文章的に変なのはあまり無かったんだけど
>>145で急にダメになっている。
「無骨な岩道」もう少ししっくり来る表現を探そう。
「足を踏み出そうとすると、馬のはしる音と鳴く声がこだまする…」

「足を踏み出そうとした時、馬のいななきと蹄の音が聞こえてきた」
くらいでどうか。
もちろん「二匹の馬」は「二頭の馬」に。

148 :漏れ的には:02/06/04 20:07
「俺は」
「の」を「が」に

このミス以外は、まあいいかと。

149 :miki:02/06/04 20:13
「俺にも良くわからない。地図にそう書いてあるだけだ。
それにしても随分暑いな。あとどれくらいだ・・・ 
俺はあんたたちと違って、暑いのには慣れていないんだよ。」
すると、目の前に大きな水球が現れる。
「飲みな。あと半分ぐらいだろう。これぐらいでへばられちゃ困るよ。」
俺は水を口に含み、渇きを癒す。その間、急にノグが上を見て叫ぶ。
「パル様、あれは・・・!」
巨大な岩石がもの凄い勢いで、パルめがけてゴロゴロと壁を下ってくる。
「来たな・・・」
パルは拳を石化させた。その拳で頭上の岩を殴りつける。
ボオオオンという轟音が鳴り響き、周囲に石が散らばった。
俺は頭に降ってきた石群を手で振り払う。

150 :miki:02/06/04 20:26
「おいおい、なんなんだよ。何で石が降ってくるんだ?
心臓が止まるかと思ったぜ」
パルの手のひらは肌色に戻り、安堵のため息をつく。
「鳥が登山者めがけて岩を転がして来るんだよ。だから近くの人間は
絶対にこの山には来ない。やっぱ一人だったら死んでたぜ?」
得意そうに女は山を登っていく。ノグは憮然としたままそれについていく。
「たくましいな・・・」
俺は気落ちして呟いた。
「安心している暇はないぞ。まだ・・・」
ノグがそういい終わらない内に、複数、数十個の岩石が、上空を舞い、壁を転がる。

151 :miki:02/06/04 20:53
「またかよ! これだけあるんじゃどうしようも・・・」
「ちょっと黙ってな」
パルはとっさに手を石壁に当てる。すると、石壁が波のようにうなり、
壁が岩々を吸い込み、膨れ上がった。
「まずい、一個はずした!」
壁に接触せず、空中から直接落ちてきた岩石を、睨みつけて女が叫んだ。
俺は槍を斜め上に突き上げ、砕いた。手がジンジンとしびれる。
「ま、それぐらい自分でやってもらわんとな。多少の腕が立たない奴は、
こんなところに来るべきではない。」
ノグは手にもっていた石斧を振り回す。
「ま、一個ぐらいなら何とかなるが、今のはすごい魔法だな・・・」
ノグは小声で呟いた。
「大自然を直に操り、呼び、時に一体化してしまう。魔力を使って簡易な自然現象を作り出す
普通の魔法とはレベルが違う。ただ、こういう話はあまりしないでくれ。
魔女の話題は・・・な。」
それでも、先ほどの岩が岩を喰うという奇妙な光景が、
いまだに俺の目を離れずに、くっきりと焼きついていた。

152 :miki:02/06/04 21:16
「ガイ、そろそろだ・・・ 道の傾斜が緩くなってきた。
もう少し登れば頂上だ。ただし、頂上の周辺には怪鳥がたくさん棲んでて、
中心に進んでもマグマが噴出しているからね。気を引き締めて」
俺たちは相当に長い道のりを歩き終え、ようやく頂上に出た。
マグマに近い場所だけあって、熱気がムンムンと立ち込めるている。
空気も薄く、息が苦しい。中心から煙が舞っているのが見える。
「さあ、鳥さんのお出ましだ。」ノグが斧を握りしめる。

153 :miki:02/06/04 21:26
赤い羽根に白いくちばし、そしてにごったような黒い目で俺たちを睨みつけるその鳥たちは、
体長が人の30倍はあろうかというほどの巨体でうなり声を上げている。
それがさらに20匹ほど。
「これ・・・ 全部やるのか?」
俺はゆっくりとパルのほうに顔を向ける。
パルは歯を軋らせて、鳥を睨み返す。
「当たり前だ。全部殺すよ。じい様はこいつらにやられたんだ。急に村を襲ってきてな。
くちばしに強い毒持ってるから気をつけろ。」

154 :miki:02/06/04 21:40
鳥のうちの一匹が、バサッバサッと羽をはばたかせて、上空に飛び上がろうとする。
その瞬間、石斧が空を舞い、怪鳥のくちばしを捉えた。くちばしを裂かれ、血を吹きださせながら、
鳥は地に落ちる。回旋してきた石斧を受け止め、ノグは鳥がジタバタやっているのを見つめていた。
怪鳥たちは大声を上げ、十数匹上空に飛び上がり、下界を睨みつけ声をあげる。
俺たちが上空に目が行っていた隙に、残りの鳥が低空から、3匹、俺たちに襲い掛かる。


155 :miki:02/06/04 21:56
「波動の槍!」
俺は槍を鳥めがけて直線に振り下ろし、真空が鳥を二つに裂く。
ノグはくちばしが胸を刺そうかとする瞬間、斧を振り上げ、くちばしを切り払う。
パルは石拳でくちばしを砕いた。
上から攻めてくる鳥のの大群を見透かしていたかのように、パルは目を閉じ
自らを雷に変える。上、斜め、下、あらゆる方向から、雷が高速で飛び交い
鳥たちを刺していく。・・・

156 :miki:02/06/04 22:14
巨大な鳥が地に寝転んでいる光景を眺め、俺は呟いた。
「これで全部か・・・ それにしてもすごい光景だな。」
俺は、大地が血で汚れた不気味な光景に、どことなく見とれていた。
後ろから何か気配がする。
「まずい、後ろ!」
ノグが振り返ると同時に、くちばしが、腹を突いた。
「ぐお・・・」ノグがうずくまる。
パルはとっさに飛び込み、拳でくちばしを割った。
怪鳥は目を白くして地に倒れ、ノグは刺さったくちばしの断片を抜き、投げ捨てる。
体中が鮮血で染まる。パルは鬼の形相で水壁を作り、傷口に張る。
「ぐうう、パル様・・・」
ノグが鈍い声を発する。
「後ろにもう一匹いたのか・・・ すまぬノグ。あたしの不注意だ。
傷口は止めたが・・・」
なぜか水と血液は混ざり合うことなく、水壁が血をせき止めている。
ノグが倒れようとした瞬間、俺はその体を受け止め腕を抱える。
ノグは意識を朦朧とさせたまま、口を動かしていた。
「こりゃ毒にやられたな。早く薬を見つけないと・・・」
パルが足を急に速める。
「早くしろ!こりゃじい様のより毒が深い。数時間で死んじまう!」
俺はたくましいからだの男を背負ったまま、先を急ぐ女を追った。

157 :miki:02/06/04 22:24
しばらく行くと、薄いマグマが足元に吸い付いてきそうだ。
もの凄い熱気で俺もノグも気を失いそうだ。
「大丈夫だ。」
マグマは俺たちの足元を避け、そこに広い道ができた。
女は水の玉を作り、走っていってしまう。
「それ飲んで早く来い!」

158 :miki:02/06/04 22:34
パルは火山の中央に立ち、マグマが噴出した場所を見つめている。
煙もどこかに行ってしまい、さわやかな風だけが体にぶつかってくる。
「マグマはずっと地中まで押し込めたけど、本当にここに薬があるのか?
数年前まで死火山だったとはいえ、こんなところに薬が隠せるのか?」
女はこちらを見つめながら、中心に向かって拳を突く。
だが、そこにあったのはただの深い穴。拳で突いた後だけが、顔を見せている。
灰が舞って、俺は咳払いする。
「もっと奥じゃないのか?」
パルが数回底を突いても、ただ穴が深くなるばかりで、何も薬らしきものは見つからない。

159 :某天才小説家(本当です!) ◆yvxEAaZQ :02/06/04 22:39
つまらん。


==================終了==================

オナニーして寝ろ

160 :miki:02/06/04 22:41
「おかしいな・・・」
俺は地図を広げてじっとレーン山脈の位置を見つめる。
山岳の中央。大体の場所としてはここに違いない。
赤い色でバツ印がつけられた点を凝視する。
「少しだけ、東にずれてるかもしれない」
「東ってどっちだ? 早くしないとノグが死んじまう!」
俺は指で方向を指した。
「ここをもう少し進んで、あんたが拳で思いきり突けば、その周囲は吹っ飛ぶだろ?
そこらへんを探していけば、何か見つかるかもな」

161 :某天才小説家(本当です!) ◆yvxEAaZQ :02/06/04 22:42
だからもうやめろって。やりたきゃ自分のHPでやれ!

162 :miki:02/06/04 22:42
え〜別に見たくなきゃ見なくていいですよ

163 :某天才小説家(本当です!) ◆yvxEAaZQ :02/06/04 22:43
ダメだ。お前は天才の俺を怒らせた。

164 :miki:02/06/04 22:44
ははは。怒っちゃったのね

165 :miki:02/06/04 22:53
「このあたりかな・・・」
俺は灰地の一点を指差し、パルがうなずいた。
拳を石に変え、思いきり地を殴りつける。
ブオオオオン・・・・・
灰が飛び上がり、俺はそれを必死に振り払う。
パルは大きく広がった穴の周囲を見渡し、青色の瞳を輝かせる。
「あれだ!」
パルが掘った穴の中に、さらに小さい穴があいている。
そこからは、錆びたはしごが下に続いているようだ。
俺は背負っている男の顔を見る。ノグの顔色が悪い。目を白くさせてうなっている。
女はもうはしごを降り始めている。

166 :miki:02/06/04 23:08
はしごは数十メートルは続いていただろうか。
気の短いパルははしごから足を離し、跳んで下まで行ってしまう。
「おいおい、こっちは病人抱えてるんだから、そんなに急がれても困るぜ。」
俺はゆっくりゆっくりとはしごを降りる。
もう大丈夫かというところで俺も飛び降りた。
鉄床から足に痺れが走る。火山の下に作った施設にしては随分と頑丈だ。
四方に扉が四つ見える。だが取っ手はない。横に証認システムらしきものが見えた。
「あいつは機械技術者でもあったからな。厄介なもん作りやがって・・・」
俺がつぶやくと同時にパルは扉をドンドン蹴っている。

167 :miki:02/06/05 00:00
「やめろ、パル。扉を壊したり、電気に変化してすり抜けようなんてしたら、たぶんこの施設は爆発する。
そうしたら薬もおじゃんだ。正規の手順で進めまないとだめだ。とにかくここでは魔法は使うな。」
魔法を激しく忌み嫌っていたあいつの顔を思い浮かべながら、俺は認証システムの前に立った。
「あのさ、じゃあどうすればいいんだよ。扉四つあるぜ? 早くしないとノグが・・・」
俺はゆっくりと手を動かし、あいつの名を打ち込んだ。


168 :名無し物書き@推敲中?:02/06/05 00:23
システム管理者の名前をパスワードに使うのは禁じ手だと言ってみるテスト。

169 :miki:02/06/05 00:26
(JERE)
そう打ち込むと、ブザーが鳴る。
上空から薄暗い光が差し込んでいる。
時が止まったように感じる。
「違うのか・・・?」
パルはじっと歯がゆい顔をして周りを見渡している。
そうなるともう一つしかない。
(GAI)
打ち込んだ瞬間、扉がすべて開く。
俺の目の前には通路が見え、その先に部屋らしきものが見える。
他の扉からは、人型の知能機械が姿をあらわす。
「シンニュウシャ・・・コロス」
3体の機械は同時に宙を浮く。
「やはり、ここは俺にしか来れないようになっているわけだ。」
俺はノグの体をパルに預ける。
「下がってろ。あんたは手をだすな。通路の先で待ってろ。」

170 :168:02/06/05 00:39
騙されますた。
でも知人の名前もヤパーリ問題だと思ふ。

171 :miki:02/06/05 00:47
正面の機械が頭を傾けて突進してきた。
「一体目は・・・腹。」
機械の頭がぶつかる瞬間、俺は身をかがめ、機械の下腹部分に、一気に槍を放つ。
その機械は俺の前でピタリと動きを止めた。
すると、左の機械が全身を自らばらばらにし、破片となって飛び込んでくる。
「間違った部分を攻撃すると爆発するんだよな・・・」
俺は機械の頭の部分に拳を放ち粉砕した。その瞬間、他の破片が地に落ち、
コーンと音を立てる。
「3体目は・・・」
俺は右の機械に高速で飛び込んでいく。
機械は一目を光らせる。
「千本槍!」
機械が光を放とうとする瞬間、俺は槍を金色の巨体の全身に放ち、粉々に粉砕する。
「やれやれ、あいつが、敵国に対していつも作ってたトラップと全くだぜ・・・」

172 :miki:02/06/05 01:05
奥の部屋に進むと、思ったとおり、机の上に、薬の入った小ビンと一枚の文書
ほこりをかぶった本棚に数冊の本が並ぶ。
「おい、ガイ、この薬じゃないのか? さっさと持って帰ろうぜ。」
パルが地団駄を踏んで大声で叫ぶ。
「まあ、ちょっと待ってろ。」
俺は文書を手に取る。そこにはこう書いてあった。

173 :miki:02/06/05 01:44
「これを読んでいるのは、ガイ、お前ぐらいしかいないだろう。
今、俺たちがアレイン国で一緒に働いていた頃の事を懐かしく想いながらこの文章を書いている。
だが、くだらない思い出話はなしだ。そういうことは自分だけで思い出せばいい。
ここでは伝えたいことだけ、書く。
 実は、薬を要求していたのは、ご存知、機械王国アレインの隣の敵国、
魔法王国リアースのゼト国王だったのだ。不老不死の薬と人々は言うが、最初はそんな目的で作ったわけじゃない。
魔女が死ぬための薬、という目的で作った。それが、普通の生物には不治の病、魔女の血を混ぜれば不老不死の薬として
作用するわけだ。そのことを聞きつけたゼト国王は、側近のアイリスを使い俺に薬を要求してきたということだ。
じゃあ、魔女が死ぬための薬なんて、何故作ったのか。それは俺たちの仕えていたアレインの王女ティーレ様の命令だった。
知っての通り、ティーレ様は魔女。お前は知らないかもしれないし、魔女全員が気づいているかどうかは知らないが、
魔女はその体質、性質上、自分で死ぬことはできない。魔女こそ不死身なのだ。
そんな薬作れるわけがない、と拒んだ俺に、王女は自分で書いた一冊の本を渡した。
それを読んだ後、俺は魔女の血の成分やら何やら色々研究して、薬を完成させた。
だが、その薬はどうしても渡せなかった。できるはずがない。王女の死に加担するなんて。
その後、アイリスが俺をつけまわす頻度が高くなっていった理由は、俺にもわかっていた。
国王のための不老不死の薬ぐらいやってもかまわない。だが、俺が他の地に隠遁したあとも、
あいつは住居を移し、俺に詰め寄った。アイリス自身が魔女だということを考えると、
やはりあいつも・・・ 
俺が死ぬのはアイリスが迫害したから? そんな理由じゃない。
こんな薬を作ってしまったという大罪からは逃られない、それだけだ。
薬をどうするかはお前が決めて欲しい。もちろん本棚にある、その本を読んでからだ。
それじゃ、手間をかけたな。 王女によろしく。」

174 :miki:02/06/05 01:58
俺は手紙を袋にしまいこみ、机にあった空のビンのふたと、薬のビンのふたを開け、
半分に分けた。
「パル、この薬を持って帰れ。俺はちょっとここにいたいんでな。ノグと村長とやらにもよろしく。」
パルは怪訝な表情をして話し始める。
「なんでだよ、一緒に帰ろうぜ? 村で歓迎とかもしなきゃ・・・」
俺は話を止める。
「だめなんだ。今は。頼む・・・」
パルは仕方なさそうに呟く。
「わかったよ。また村に遊びに来いよな。なんか、いつかまたあんたに会うような気がするんだけど。
じゃあな。」
女は薬を手にとり、寂しそうに部屋を出た。
それからすぐに俺は本棚に目を向ける。
「nightmare」
これだろう・・・
俺はその本を手にとり、机に座る。魔女のいる前でこの本はとても読めない。
自分に言い聞かせる。赤い表紙に文字が彫ってあるだけの、無愛想な本。著者は確かに、
俺のよく知っているティーレ王女だ。俺はある種の不安、恐怖、そして罪悪感に駆られながらページを開いた。

--------第四部 完----------


175 :miki:02/06/05 01:59
次から外伝で〜す

176 :名無し物書き@推敲中?:02/06/05 02:10
最初はクソだと思っていたが意外と面白くなってきた。

177 :名無し物書き@推敲中?:02/06/06 00:17
age

178 :    :02/06/06 02:20
遅レスだが、通り名は自分で言わない方が良いと思う。

 それなりに有名なのか、ご大層にいくつか通り名なんてものまで付けれられてる。
 全部忘れちまったが。

なんてどう?

179 :名無し物書き@推敲中?:02/06/06 19:33
展開が早いぶんルナバより面白いや。
がんがれmikiタン。
ついでに点点点の記号を「…」っていうのにするとかっこいいよ……

180 :名無し物書き@推敲中?:02/06/06 23:19
nightmare 外伝

少女は机に頭を伏せて、静かに寝息を立てながら、目を閉じ横を向いていた。
黒板の前に立ち、目を尖らせながら、ぼそぼそと話を続ける老人。
窓から心地よい光が差し込み、窓の外からは、子供が騒ぎ、婦人達が話を弾ませる
声が響き渡る。ただっ広い教室で、居眠りを続ける少女に、老人は淡々とチョークを動かす。
「よいですか、ミリア姫。ある世界では、精霊と人、そして魔族が互いに争っておりました。
一番残虐だったのは、人です。精霊も魔族も、もともとは自分たちで、ひっそりと生活を営んでいたのですが、
不思議な力を使う、という理由で人に恐れられ、臆病だった人は、彼らの村を攻め立て、焼き払い、
多くの命を奪いました。」
老人は黒板をコンコンとチョークで叩きつける。
「精霊は穏やかな種族で、なされるがままに涙を流していましたが、魔族は違いました。
彼らは普段はおとなしい性格です。だが、仲間が血を流せば、自我をなくし、怒りに身を任せ暴走する、
そういう性質を持った種族なのです。彼らはその強大な魔力を使い、人々を恐怖に陥れた。つまり、今度は逆に人が危機に瀕した、ということですな。」
「そこでどうなったか、このままでは星全体が危ない、と判断した精霊と魔族の代表者が話し合い
人を魔法でどこかの世界へ封じ込めてしまいました。というお話です。」

181 :miki:02/06/06 23:41
「それでは、姫、先週の宿題を・・・」
老人はそのとがった目でギロリと少女の顔を見る。
「姫・・・」
老人がぼそりとその言葉を発した後、回転して空を飛んできたチョークが
少女の後頭部に命中する。
少女は、はっとして目を見開き、頭を抑える。
「痛いわねオーベル・・・ 何すんのよハゲ!」
さらに黒板消しが二つ飛んでくる。それを頭に受け、少女は咳を立てながら、
粉を振り払う。
「あなたが人の話を聞かないでグウスカ眠りこけているからいかんのです。
あなたがこんな不真面目では、王女様になんといったらいいか・・・」
老人の声は急にすずめのように高くなり、涙がかった表情をする。
顔を真っ赤にして、哀れみの視線を少女に投げかける。」
ロングヘアーにウェーブのかかった金髪を手でポンポン叩き、少女は声を荒げた。
「いつもいつも、つまらないおとぎ話ばかりさせられたら、眠くもなるでしょ
しかもその話はもう135回目よ! 作り事じゃなくて、この世界の事を教えてよ。」
老人は眉をひそめ、黒板の文字を手でスーッとなぞる。
「そういわれましてもなあ・・・ この世界に関することはまだよくわカットらんのですよ。
確かにつまらない作り話ですが、私の作ったカリキュラムに文句はいうなと王女様に言われているはず・・・」
少女はドンと手で机を叩き、席を立ち上がる。
「今日はもうお終い。つまんないから。バイバイ」
少女はドアを開け、颯爽と風のように消えた。よだれのこびりついた分厚い本がそのまま残る。
「いつも途中で抜け出すくせに・・・ 」
老人は床に落ちた黒板消しとチョークを拾い集め、ぶつぶつとぼやいた。

182 :miki:02/06/06 23:52
少女は部屋に戻り、胸を躍らせながら、ベッドに潜る。
こざっぱりとした部屋には、ウサギや熊のぬいぐるみやかわいらしい人形が
いくつかならんでいたが、それとはまた対照的に、冒険家の使うロープやナイフが
無造作に床に散らばっていた。
「いよいよ今晩ね・・・今のうちに眠っておかなくちゃ」
少女はよっくりと目を閉じた。

183 :miki:02/06/07 00:22
光が顔を隠し、人々が寝静まる。巨大な城の鉄製で頑丈な扉がギギギと音を立てた。
城は静寂の闇に包まれていた。庭先には一人の青いベストを着た小柄な少年と、赤いショートへアーをして
フック付きのローブを来た少女が立っていた。ミリアは白いドレスを地になびかせながら、走ってくる。
「ごめんね。待たせちゃって、クレイン、エル」
ミリアがにこりと笑う。これから何か面白いことが始まるのだ、という予感が少女の心臓をを躍らせていた。
少年がふてくされて庭の草を一本ずつ抜き取りながらミリアのほうに顔を向ける。
「あのさ、ミリア。本当にいくの? こんな夜中に城の地下を探検なんて。
ばれたら王女様とオーベル様がおかんむりだよ。」
困ったような表情でエルがため息をつく。
「私もやめておいたほうがいいと思う。あまり危ないことは、だって・・・」
ミリアは顔をしかめ、青い瞳をエルに向ける
「何いってんのよ。ここまで来て帰るなんて承知しないわよ。
こんな楽しい冒険に気が乗らないなんてどうかしてるんじゃない?
地下には虹色に光る指輪があるんだから。さ、いくわよ」
ミリアは薄暗い庭の中央に立ち、草を手で振り払う。
手にコンと物がぶつかる。金属の取ってを握り、ミリアは思い切り腕を上げる。
ギイイイイイイイイ・・・・・
庭から正方形の闇が顔を出した。
「ほらあった! 地下への階段よ!」
ミリアは目を光らせて闇の中へ消えた。
残された少年と少女は一抹の不安を隠せないまま、姫の後ろを歩いていった。

184 :miki:02/06/07 00:49
階段を下りると、一本の通路が目に入る。
ミリア背負っていたは袋をがさがさと漁り、ライト3本を取り出した。
「いい? 2人ともライトは絶対になくさないでね。なくすと帰れなくなっちゃうよ」
ミリアは小さめのライトを二人にぽんと投げた。3つのまばゆい光が暗闇を照らす。
トントンと足音を立てながら、一本道の通路を3人は進んでいった。
クレインはきょろきょろ目を動かしながら、はっとして手を震わせながら前方を指差す。
「み、みてよ。あれ。」
通路の左右を剣を持った甲冑が挟んでいる。通路を挟んで見つめ合い対をなす鎧
達が怪しげに列を作っていた。兜の奥から、不気味な視線をこちらに投げかけているようにも見える
「飾りかしら? それにしてもたくさんいるわ。通っても平気かな?」
エルが不安そうに目をうろつかせながら足の動きを遅める。
ライトに照らされ、甲冑が通路の左右で、鎧と剣を光らせていた。

185 :miki:02/06/07 01:04
「大丈夫よこんなの・・・」
ミリアは憮然と足を甲冑の間に踏み入れる。それと同時に急に目をこわばらせ
左右を見渡し、とっさに後ろを振り向く。
「2人とも、走って! 全速力で!」
ミリアは急に足を踏ん張らせて前方の闇を追いかけ、二人もそれに続いた。
「うわっ、なんだよこれ。ひいいいい・・・」
手前から、ブンと甲冑がドミノ倒しのごとく剣を振り下ろしていく。
汗が3人の顔中を覆い、心臓が張り裂けそうに高鳴る。
足を踏み入れる度に、鎧が剣をうならせ、間一髪で前方に出る。これが
延々と繰り返されたかと思うと、ミリアが叫んだ。
「ほら、あと少し!」
数対の甲冑を前にして、そこから先は石の壁が見えていた。


186 :miki:02/06/07 01:26
ミリアとクレインが剣の雨を通り抜けかと思うと、
一番後方を走っていたエルが足のバランスを崩し、身を地面に乗り出した。
最後の甲冑左右からが剣を光らせる。ミリアは袋からナイフを2本取り出し、鎧たちを睨む。
「きゃあああああ!」
エルが叫ぶと同時に剣が少女の身に吸い込まれる。
だが、前方から放たれたナイフが左右の剣の根元を突き、根から離れた剣先は
弧を描いてエルの両側の地面に突き刺さった。
少年はその光景を口を開けて、呆然と見つめていた。
ミリアがの前に走りこみ、手を差し出す。
「大丈夫? ごめんね、怖かった?」
エルは身を起こし、涙声で足をよろつかせた
「ありがと、死ぬかと思ったけど、まさかナイフで剣を割っちゃうなんて・・・」
獣を見るようなおびえた眼でエルがミリアに顔を向ける。
3人はゆっくりと歩行を開始した。


187 :miki:02/06/07 01:37
「どこで覚えたんだよ。投げナイフなんて。」
少年は先ほどの神懸った光景を思い起こしながら、小さくぼやいた。
ミリアは得意げに袋からナイフを取り出す。
「ちょっと練習すればあれぐらいできるようになるよ。」
2人にも渡しておくね。
ミリアはにこりと笑い、ナイフを2人に手渡す。
「使わなくてすめばいいけどな。まさかこんな危険なところだなんて。
だからやめようっていったのに・・・」
ミリアは指を少年の額にぐっと押す。
「冒険に危険は付き物でしょ? これぐらい気にしない」
ミリアは何事もなかったかのように歩き出す。
エルは自分が今、死の淵にいた、という光景を懸命に忘れようとしていた。
それでも、涙が目から滴り落ちるのは、止まることはなかった。

188 :miki:02/06/07 02:11
「ところでさ、これ見てくれる?」
ミリアは通路で立ち止まり、袋の中に手を入れる。
取り出したのは霧で包まれた球体。
「なあにそれ? 中に何が入ってるの?」
エルが不思議そうに呟く。
「この中にはね、宇宙があって、太陽があって、惑星って言うのがたくさんあって
生き物がいるの。といっても、模型の作り物だから、もちろん何も動いていないけどね。
本で読んだとおりに作ってみたんだけど、霧のスプレーで固めてあるからぼんやりとしか
見えないね。」
クレインはミリアの手に乗ったその球体をじっと凝視している。
「この中が動いていたら面白そうだけど、模型じゃなあ。俺は工作には興味ないし。」
ミリアはクレインを睨みつつ、球体を袋にしまう。
「なら、いいわよ。デリカシーないんだから。もう」
エルが仲裁に入ろうと、後ろから声をかける。
「2人とも喧嘩しないで。ほら、階段があるわ。」
3人のすぐ前方には、横に広く、石でできた階段がその姿を覗かせていた。

189 :miki:02/06/07 02:31
階段を上り終えて見えた光景、それは、床に白いタイルが敷き詰められ、部屋の四隅に
巨大な鉄檻が腰をすえているというものだった。檻の中の猛獣が狂喜の叫びをあげる。
「ね、ねえ虎に熊にライオンにコンドルじゃない?
どうしてこんなところに・・・怖い。」
エルは身をすくめ、声を震わせる。
「さあ? 先に進むドアも何もないし。真っ白い壁と、鉄の檻かあ。
お城にこんなのがあったなんて知らなかったな。」
ミリアは目を猛獣の方にやりながら、壁を触ったり、床を足で蹴ったりしている。
クレインは部屋の中心のタイルを指差す。
「あそこだけ、青い三角形のマークがついてるよ。あれを踏めばいいんじゃないかな。」
ミリアとエルもその青いタイルに気づき、3人は中央へと歩いていった。
猛獣達は鉄檻から鬼のような形相を突き出している。
ミリアは何の躊躇もなく、そのタイルに足を踏み出した。

190 :miki:02/06/07 02:53
その瞬間、猛獣を囲っていた檻が地に倒れ、猛獣が待っていたかのようにゆっくりと身を乗り出す。
「げ・・・ やっぱり。ミリア・・・ どうするの?」
クレインは四方の猛獣のそれぞれを見渡しながら、中央に後ずさりする。
「こんなのばっかり・・・ もう嫌。」
エルはその場でストンと腰を地に着け、泣き崩れた。
手を顔で覆い、前を見ようともしない。
ミリアは取り出したナイフを指の間に挟む。
ビュン! ナイフが空を切り裂き、熊の眉間めがけて直進する。
熊は蚤を払うかのごとく爪でナイフを叩き落した。
「だめだ・・・ 虎が睨んでるよ。食われるんだ俺たち。
どうするんだよミリア・・・」
クレインは金髪の少女と猛獣を交互に睨む。
エルの手からは涙がにじみ出ている。
エルは、口も開けないほどの恐怖に、身が凍りそうな感覚にとらわれていた。
「く、来るわよ。」
ミリアは思わず指に挟んでいたナイフを離す。白い床が無機質にカーンという声をあげる。
猛獣が一斉に獲物欲しさに部屋の中心に飛び込んでくる。
研ぎ澄まされた猛獣の牙や爪が、猛烈な勢いで四方から3人を狙った。

191 :miki:02/06/07 03:03
猛獣たちが透明な壁を引っかきまわし、体を思い切りぶつけている。
それでも3人の体に爪や牙が届くことはなかった。
「何これ? この壁、もしかしてミリアが?」
少年が透明な壁を足でつっついたり、指で触れてみたりする。
ミリアは困惑しながら、拳を握り、体中から汗を落とす。
「わからない。なんていうか、急に頭の中が白くなって・・・ よく覚えてない」
少女がそう呟くと、中央の天井から光が差し込む。同時にパサッと縄のはしごがミリアの頭にぶつかる。
3人は手に汗を握りながら、ゆっくりとはしごに手をかけていった。

192 :miki:02/06/07 03:13
「あれお母様? どうして? 腕輪は?」
3人は王の間に立っていた。金色の玉座に気品溢れる女性が青い髪をかきわけている。
王女の隣には頭のはげた老人がタキシードを着てミリアを睨む。
「どうしてあなた様はいつもいつも・・・ 私たちがどれほど心配したことか!
夜中に城を抜け出して、どこへ行くのかと思ったら地下などと・・・
あの場所は城に侵入しようとする罪人を裁くための罠です。もちろん腕輪なんてありません。
まったく、お友達も度が過ぎます、本来なら姫をたしなめ・・・」
老人がぶつぶつ小言を言い始めると、ミリアはいつものように目を横にそらしながら
話を受け流す。

193 :miki:02/06/07 03:26
「おやめなさい、オーベル。」
威厳のある声が部屋にこだますると、老人はサッと口を止める。
「お友達も娘のわがままに付き合ってくれてご苦労でした。
きっとこの子に無理に連れられて行ったのでしょう。
いい子達ですから、説教はしません。今日はもうお帰り。
ご両親が心配するわ。オーベルも席をはずしてくれるかしら?
この子に話があるの。」
王女は力強く、そして優しい声で、少年と少女、そして老人に呼びかけた。
「承知しました。ロリーア王女。じゃミリア、またね。」
クレインとエルは、親子に挨拶すると、どっと疲れが出たようで、とぼとぼと扉から消えていった。
老人は時々心配そうに後ろを振り返り、ゆっくりと階段を上っていった。

194 :miki:02/06/07 03:27
「おっと、兄貴のお出ましだぜ!」
ミリアは全裸で長屋から出てきた長七郎に向かって叫んだ。
長七郎は、そのまま老人の小言を聞きながら馬にまたがり疾走した。
馬の走りが早くなればなるほど、長七郎の刀の鞘は長くなり、
思わず「ヒャッホー」と叫んでしまった。
ミリアはそんな長七郎を愛してしまったが、
武士道とは死ぬことと見つけたりと思い、黙り込んでしまった…。

195 :miki:02/06/07 03:38
「ぐわ〜っ、きゅきゅ」
オーベルは毎晩江戸に出没するむささび小僧への警戒をよびかけた。
ローミア王女は、ミリアに九の一の格好をするように促したが、
あわてていたミリアは、間違って丹下段平の格好になってしまった。
ミリアは眼帯の奥から鋭い視線で叫んだ。
「ジョー、立つんだ、ジョー!」

196 :miki:02/06/07 03:52
王女は黙って下を向いている少女に呼びかける。
「あなたが時々ここを飛び出して、冒険に出かけているのは知っているし
いちいち私もそれを咎めるつもりはありません。だけど・・・」
ミリアは涙目で王女の顔を見る。
城を抜け出したことではなく、母に余計な心配をかけさせてしまうという
ことのほうが罪悪なのだと、身に染みたようだった。
「自分の命は大事にして頂戴。あなたは少し無鉄砲すぎる。
もう少し慎重になるのよ。それから他の人を巻き込んで危険な目に遭わせる、
これもいけません。それと、外出時は必ず私に告げること。
許可するとは限らないけれどね。」
王女はほっとため息を漏らし、にっこりと微笑む。
細い手で髪を撫で下ろし、青い目を光らせる。

197 :miki:02/06/07 03:53
ミリアは小さな声でゆっくりと口を開く。
「わかりましたお母様。でも、私はもっとたくさんのことを知りたいの。
オーベルの授業と、本だけではわからない。この世界のことや、
おとぎばなしや伝説に出てくる精霊、魔族のこと。
私が生まれる前になくなっていうお父様のこと。それから・・・
さっきの、あれは私がやったの? もしかして・・・魔法っていうの?
人は魔法なんて使えないって・・・」
王女は急に顔色を変える。口元を引き締め、顔に困惑の色が現る。
「その話は、いずれ時がくれば必ずしてあげましょう。今日はもうお休みなさい。
いいわね。」
少女はこれ以上論議を吹きかける勇気も気力もなく、うつむきながら
寝室へと向かっていった。

198 :miki:02/06/07 03:54
>>194 意味がわかりませ〜ん

199 :miki:02/06/07 04:36
「あーあ、お母様怒ってるだろうな。朝っぱらから抜け出しちゃって」
少女は森の奥を抜けて、塔の目の前に立っていた。
「この世界は霧の上に立っていて、空にも霧がかかっているけれど、
その先にはないがあるんだろう・・・
伝説では、今日が・・・」
母との約束を数日後にやぶってしまったことへの罪悪感と、
尽きることのない好奇心が、少女の中で葛藤していた。
少女はとんとんと、らせん状の階段を跳ね上がる。
屋上に出て少女が呟く。
「空を覆う霧に穴が開いて、星の塔に光が届く。本当だったんだわ・・・」
少女が空を見上げると、小さな穴がぽっかり開いている。
そこから、まばゆい光が塔の屋上の中央へと差し込む。

200 :名無し物書き@推敲中?:02/06/07 09:50
>>198
トリップつけたら?

201 :名無し物書き@推敲中?:02/06/07 11:46
           ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           ( ´Д` ) < ネタをパクリさせていただきますた!!
          /,  /   \
         (ぃ9  |       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /    /、
         /   ∧_二つ
         /   /
        /    \
       /  /~\ \
       /  /   >  )
     / ノ    / /
    / /   .  / ./
    / ./     ( ヽ、
   (  _)      \__つ

202 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 14:34
ミリアがおそるおそるその光に近づき、手を差し出すと、その光の棒線は、さらに凛々と輝く。
少女は思わず片手で目をふさいだ。
その光は、まるで少女を待っていたかのように、急速に上空に向かって縮んでゆく。
「きゃああああああ」
少女はぐっと光を両手でぐっとつかみ、上空から受ける風がドレスをゆらめかせた。
光は少女のその体を霧の上までさらっていった。


203 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 14:51
少女は思わず声をあげた。
宙に浮かび、きらめく神殿群。神殿には大小、光を鮮やかにきらめかせる宝石が散りばめられていた。
少女は周囲をきょろきょろ見渡し、その神殿たちの輝きに見とれていた。
ミリアは目の前で、一人の女性が微笑んでいることに気づく。
外見は人とかわらないが、足を霧につけずに、やはりふわふわと浮いている。
黄金色の瞳が爛々と光る。
「下の世界から来たのね? お嬢さん、私の手に掴まりなさい。」
その女性はミリアに手を差し伸べる。
ミリアは体を震わせながら、ゆっくりと女性の手に自分の手を合わせる。
「あの・・・ここは?」
ミリアがそう呟いた瞬間、二人の体は緑色にきらめき、ひゅうと上空に舞い上がる。

204 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 15:07
「飛んでるわ・・・」
ミリアは視線を下に向ける。
きらびやかに宙に舞う神殿、若者達の談笑、そして純白の霧。
女性は右手でミリアの手を引き、左手で斜め下に見える巨大な神殿を指差した。
「さあ、あそこにいきましょう。」
女性に手を引かれながら、少女は自分の体が緑色の光を散乱させていることに不思議な感覚を覚える。
「どうして光ってるの?私たちの体」
女性は手を引きながらゆったりと声をあげる。
「それは星々の加護。精霊たちは星の力を利用しているのです。
空が明るいときは見えないけれど・・・」
ミリアは思わずはっとして、上を見上げる。
「青い・・・ 空って本当にあるのね。あの白いのは何?」
ミリアは空にひょっこり顔を出している月を呆然と眺めている。
「あれは月といいます。太陽には目をやってはダメよ。」
ミリアは燦燦と輝く球体に目を向けると、思わずぎゅっとまぶたを閉じる。
目がジンジンと痛む。


205 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 15:18
「さ、着いたわよ」
二人の体は、徐々に高度を下げ、女性は宙でふわふわと浮き、
ミリアは足を地に着ける。同時に緑色の光がだんだんと薄くなり、やがて消えていった。
女性は目の前の巨大な神殿に顔を向け、前方に飛んでいく。
そして、後ろを振り返る。
「さ、いらっしゃい」
ミリアは前を向き、敬礼している兵士と、まがまがしい光を放つ神殿を目に入れた。
ミリアは先ほどからの不可思議な体験で体が火照り、足がよろめいていることに気づいた。

206 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 15:30
「ご苦労様、アリー。あらあら、かわいらしいお客さまだこと。」
広大な王室の壁を、光り輝く宝石と、人や獣を象徴してあると思われる掘り絵
が埋めている。王座に座る一人の女性。青い髪と青い瞳。ライトブルーのドレス。
ミリアはにっこりと微笑むその姿に一瞬、母の幻影を見た。
二人はゆっくりとその女性に近づいていく。
「私の名は、ローズ。この世界を統治しています。
迷い込んだ客人は丁重にもてなすことになっているのよ。
今日が霧の穴が開く日だなんて、すっかり忘れてしまっていたけれど、
あなたが光を登ってくるのが見えたものだから・・・
ところでお嬢さん、名前を聞かせていただけるかしら?」
ローズはにっこりと微笑み、金髪の少女に好奇の視線を投げかけた。

207 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 15:38
「ミリアです。ミリア・リンディ」
ローズは急に顔つきを変える。ゆったりとした表情は影をひそめ、
真剣なまなざしをミリアに向けた。
「あなたのお母さんの名前は?」
ミリアはローズが急に顔をこわばらせたことで、
少し、自分の居心地が悪くなるのを感じていた。
「ロリーア・・・ですけど。」
ローズは手を髪にやり、目を上にそらし、そっと呟く。
「やはり、お姉さまの・・・」

208 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 16:11
ローズは穏やかな表情を取り戻し、指をぱちんと鳴らす。
ひゅっと金製のテーブルと椅子、豪勢な魚介料理が姿をあらわす。
「さあ、お食べなさい。」
ローズが指を椅子にむける。スススと椅子は後ろに下がる。
ミリアは椅子にどかっと腰を下ろし、食事にむしゃぶりつく。
「あらあら、そんなに急がなくてもなくならないわよ。」
アリーが困ったように笑いかける。

209 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 16:25
ミリアは急に料理を口に運んでいた手を止め、ゆっくりと顔をあげる。
「あの・・・ 聞きたいことがあるんです。
今日ここに来て、不思議な世界があることを知りました。
精霊なんておとぎばなしだけの世界だと思っていたのに・・・
ねえ、ローズ様、教えて。どうして人の世界は霧に挟まれているの!
魔族というのは本当にいるの? 魔法って? せっかくここに来たのに、
何も教えてもらえないんじゃお母様に怒られ損になっちゃうのよ! お願い!」
ミリアは手と顔をテーブルに伏せ、懇願する。
ローズは、少女を凝視する。数秒間、沈黙のときが流れたかと思うと
ローズは口火を切る。
「仕方がありませんね。あなたのお母さんはそれを知るのは望まないでしょう。
人の世界で、何も知らずに平和に生を遂げていくのを望んでいるはずです。
でも、あなたも遊び半分でここに来たわけではないようですし、
どうしてもというのなら・・・ ただし・・・
あなたにも少々の覚悟がいりますよ? よろしいですね?」
ローズは顔にしわを寄せて、口元を引き締め、じっとミリアを睨む。
ミリアは間髪いれずにうなづいた。

210 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 16:39
「かつて精霊と人、そして魔族の間で争いが起きた事は伝説で残っているはずです。
そして、精霊と魔族が人を閉じ込めた、と。ここまでは知っているでしょう。
これは決しておとき話などではありません。歴史です。」
ローズは声色やトーンを所々で変え、ミリはじっと話に耳を傾けた。
かつて争いが起きたとき、精霊と魔族のなかでそれぞれ、
力と人望と正義感がある者が、協力し、争いを鎮めました。
魔族は血で魔法を操りますが、精霊は星との契約なしでは、魔法は使えません。
よって精霊たちはある年齢になると、星々の試練を受けることになるのです。
その中でも、ある正統の血筋を持つものだけ、惑星と呼ばれる巨大な星の加護を
受けることを許されていたのです。ちょうどその試練を終え、聖なる力をたずさえた
女性が精霊たちの代表として活躍しました。そう、彼女こそが聖女ロリーア・・・」
ミリアは母の名を聞いた瞬間、急にビクッと体を震わせた。

211 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 16:48
「一方、血の気の多い魔族の中からはガリアと呼ばれる男が腰をあげました。
精霊も人も魔族も外見は同じですが、魔族は生来感情的で、なかなか、
魔法に訴えることを止めようとしなかったのです。その中でもガリアは数少ない、
正義と倫理、そして強大な魔力を持ち、自分の血を制御できる者の一人でした。」


212 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 17:08
「魔王と呼ばれたガリアは、聖女と協力し、争いを鎮めることに成功しました。
ただし、魔族は、自分を苦しめた人への怨念を晴らすことはなかった。
そこで、二人は、今後無駄な争いが起きぬよう、このアースを二枚の霧で覆いました。
上空から精霊、人、魔族を住まわせ、聖女と魔王は監視役として人の世界に住むことに決めました。
二人は人々から争いの記憶を消し去り、自分の力を封印し、王となることで辻褄を合わせたのです。
それからしばらくは、争いの伝説だけが残り、人は静かに生活を送っていました。
しかし、魔法の霧には欠陥があったのです。時々、霧から穴が開くことがある、
そのことを知った数人の魔族たちは、人への復讐を遂げるため、ある日、霧から姿をあらわしました。
ガリアはそのことに責任を感じ、必死で魔族を追い払いました。すでに魔力を封印
してしまっていたガリアは、数人の魔族を追い払うのが精一杯で、その戦いで、命を落としました。
それからは、魔界の霧が開かぬよう、我々精霊が、時々人間界に赴き霧を固めているのです。
でも、次に魔界の霧が開くのは、数万年後ですからご心配なく・・・」

213 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 17:25
ミリアは自分の体をぶるぶると震わせていた。
ただの好奇心で、世界の秘密を探ろうとした自分を呪い、頭を抑える。
「そんな・・・ じゃあ、私は人ではないの・・・?
精霊でも魔族でもないの? そんな・・・」
ローズはそっと少女の頭を撫で、語りかける。
「気にすることはないのですよ。平和な人の世界で、
人として生きてゆくのなら、種族も魔法も関係ありません。
今日の話はそっと胸にしまいなさい。いつか、
どうでもよいと思える日が来るでしょう。今の世界は平和なのですから。」
ミリアの目からは涙が溢れる。涙が白いドレスをぬらす。
ローズは急に何かを思い出したかのように、指をぱちんと鳴らした。
星の形をしたペンダントが空に現れる。きらきらと、そのペンダントは、
まばゆい光を放っていた。
「さあ、これはおみやげです。スタージュエルというの。大事にしてね。
お別れは辛いけど、もうすぐ霧が閉じる。さあ、お母上のところへ帰りなさい。
そして、ローズがよろしくといっていたと告げてください。」
ペンダントがふわふわと宙を舞い、少女の首にかかった。
涙目の少女は、しばらくの間、揺らめく星の光に魅入っていた。

214 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 17:38
「ローズ様、大変です!」
神殿の扉から眼鏡をかけ、痩せこけた男が汗をたらしながらローズの元へと、
走って来る。青ざめた顔でわなわなと叫んだ
「人間界に・・・ 魔族が・・・
私めの計算ミスでした。数万年後と思っていたのに、
まさか今日だとは・・・上の霧は今日だとわかっていましたが、魔界の方は・・・
申し訳ございません。私がくだらない間違いさえしなければ・・・まさか上下同時などとは・・・」
男は聞き取れないほどの早口で機械のようにしゃべる。
ローズはそっと目を閉じる。そして、眉間にしわを寄せて、甲高い声をあげた。
「まずい・・・ 魔族がもう何千人と・・・ 
霧はもうすぐ閉じる。今からじゃ救出には間に合わないわ!」


215 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 17:49
ミリアはとっさに席を立ち、神殿の外へ足を向ける。
「いけません! 行っても死ぬだけです!」
ローズがミリアのドレスに背中から手をかけた。ミリアはそれを手を振り払い、
全力で外へと駆け抜ける。
「お母様・・・ みんな・・・」
息を切らせながら、人々を押し払い、霧の上を全力で走りぬける。
美しい空も月も、宝石も一切目に入れることなく、ミリアは穴の手前まで着いた。
ミリアは息を呑んで、思い切り穴に向かって跳躍した。

216 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 18:06
ミリアは森を抜けて、街中へと入る。赤い靴は両方とも脱げて、
靴下が土色に染まっていた。
「あ、あれは・・・」
ミリアは立ち止まり呆然とする。
赤いローブをまとった男たちが、雷をうならせて家々を砕き、
炎を地から吹き上がらせて、人々の肉を焼く。
ミリアは、身をみみずのようにくねらせて、倒れている初老の男に向かっていく。
「ちょっ、ちょっと。大丈夫? どうしちゃったのよ! みんな!」
屋敷や建物は燃え盛り、人々は白目を向いて、血を流し、宙に浮かんだ男たちが杖を振っていた。
宙に浮かんでいる男の一人が、ミリアを見つけると、杖を上下に振る。
ミリアはとっさに袋からナイフを取り出し、指に挟んだ。
雷電が空を裂き、ミリアの頭上に襲い掛かった。


217 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 18:16
雷はミリアの頭上を避け、うなり声を上げて、地を砕く。
避雷針となったナイフがどろどろと溶けていた。
「やっ!」
ミリアはその隙を見逃さず、ナイフを男に投げつける。
腹を突かれた男は、地の滴る腹部を手で抑え、鈍い声で叫び、身をかがめた。
「お母様・・・」
少女は小さく呟きながら、全力で足を前に進め、城へと飛び込んでいった。


218 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 18:32
胸がドクドクと高鳴り、息を切らせながら、ミリアは両手で城の扉を押す。
王間には赤いローブを着て、白髭を生やした男が不気味に微笑んでいた。
「お待ちしておりました。ミリア姫。あなたの大好きな、
お友達と、教育係と、そしてお母様も一緒です」
クレインとエル、オーベル、そしてロリーアがぐったりと目を閉じて
宙に浮いている。ロリーアが無意識に口を動かしているようだ。
「どういうこと? 何これ? あなたは誰? みんなをどうするの?」
ミリアは、顔をゆがませて、ゆっくりと男のほうへ歩いてゆく。
そして、男の数歩前で立ち止まる。男の左右にはクレインとエルが、
頭上には、オーベルとロリーアが、空で体を止めていた。
「力を封印してしまった聖女などたいしたことありませんねえ・・・
ちょっとがっかりです。ちょうどあなたが戻ってくるころだと思って、
処刑の準備をして、首を長くして待っていたのですよ、この時を。
ククク」
男は歯を光らせて、気味の悪い笑いを浮かべながら、左右と上空を見渡す。

219 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 18:44
「あなたのお父様にはお世話になりました。私達の人への復讐をさんざん
邪魔してきたのも、この人です。魔王の強大な魔力を私に提供してくれれば、
今日まで、時間がかかることもなかったのにねえ。それでは・・・」
男は、両手の人差し指をチョイと上に突き上げる。
エルとクレインの顔が風船のように膨らむ。
本人たちは意識がないのか、ぐったりとした表情を一切変えない。
ミリアはひざを地に倒して、涙をぽろぽろ落とす。
口元をゆがませて、小さなトーンで話し始めた。
「やめて、みんなが何をしたって言うの・・・?
みんなは昔のことなんて知らない・・・
どうして・・・」
ミリアは顔を床に向けたまま、手を涙で濡らす。

220 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 19:02
「知らないのはあなたのほうだ。魔族を苦しめてきたのは人なのだよ。
人のために魔族が血を流したのは一度や二度ではない。魔族は、
身が張り裂けるような苦しみを、何千年と背負ってきたのだ。
自分たちにはない力への恐怖で、逆にそれを叩き潰そうなどとは、
なんとも醜いとは思わないかね。ミリア姫。」
男は目を尖らせ、蛇のような目でミリアを睨む。
上につきあがった指をくるくると回し、呟いた。
「死ね」
クレインとエルの頭が、音を立てて爆発し、首から大量の血が噴き出す。
「やめてえええええええええ!」
ミリアの頭の中を、クレインとエルとの冒険の日々が、映像の断片として飛び交う。
ミリアは手をがくがくと震わせて、泣き顔で男の方に目を向けた。

221 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 19:15
「ふん、くだらんな。ご大層に涙など流しおって」
男は上空を見上げ、オーベルとロリーアが並んで浮かんでいる方向に指差す。
「では、次はオーベルさんだ」
男の指から、スルスルと黒い糸が伸びる。
それを全身に巻きつけられた老人は、眉一つ動かさず、
まるでミイラのように、糸に包まっている。
「死ね」
老人の体から血が散乱し、血を浴びた肉片がぼとぼとと落ちる。
「もう・・・ やめて・・・」
オーベルの説教がミリアの脳内に響く。
チョークを投げつけられ、部屋を飛び出す光景が鮮やかにによみがえった。
少女はひざを地に着けて、下にうつむいたまま沈黙する。

222 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 19:35
「さてさて」
男は不気味に歯を開かせて、王女の体を見上げる。
「王女とあなたには、本来恨みはないのですが、放っておくと
色々と厄介なのでねえ。死んでいただくことにしたんですよ。
さあ、お別れの言葉はありますか、王女?」
ロリーアは目を閉じ、汗をたらしながら、口をもごもごと動かている。
男はミリアの顔をぎょろりと睨む。
「なんだ、つまらんな・・・ その袋に入っているナイフで
私を刺してみたらどうですか? 下向いてないで。
もう、殺しちゃいますよ。フフフ」
男の右の手のひらから、数百本の針が伸び、くね曲がり、王女の体を囲んで
ピタリと止まる。
「さようなら、聖女。」
幾数もの針が王女の体を貫き、体から血しぶきがほとばしる。
その返り血を全身に浴びた男はまたも、薄気味悪い笑いを浮かべ、
にごった瞳を少女に向ける。
「さて、お待ちかねでしたな。あなたも苦しまずに殺してあげましょう。」

223 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 19:43
ミリアは下をうつむいたまま体一つ動かない。
意識も自我も完全に停止して、思考する、ということができなくなっていた。
少女の頭の中は、ただ、過去の思い出の映像が散乱しては、消えていく、その繰り返しだった。
「せっかくだから、お母様と同じ死に方をさせてあげるよ。
人の撲滅も、どうやら完了したようだしな。穴はもう閉じてしまったようだが、
これからしばらくはここで暮らすことにしよう。」
針の群が、うねりをあげて、少女の頭に向かって伸びていく。

224 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 19:52
その瞬間、少女の右肩が赤い光を発し、針がジュウと溶ける。
少女の体から風が吹き上げ、髪を空になびかせている。
少女はゆっくりと顔をあげる。感情のない機械のような顔で、男を見つめる。
男は強烈な光と風を受けて、思わず片腕を顔によせ、たじろいだ。
「まさか・・・ 魔王の血が・・・
覚醒したようだな・・・ だが、意識をなくして、
血に身を任せているようではお父様が泣きますぞ。ククク。
いいでしょう。このアルジェがお相手しましょう。
魔女ミリア姫。フフフ」

225 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 20:24
ミリアはすっと立ち上がり、ひらりと手のひらを上に反転させた。
手のひらに光が集まり、青い光の球が作られる。
男はぽつぽつと呪文を呟きながら、気流の壁を目の前に作る。
「どれ、ひよっこのあなたでは、この私にかなうわけは・・・
ぬう・・・」
低速で放たれた小さな光球は、ビイインという音を立てながら、
たやすく壁を突き破り、男の目の前でさらに光度を強め、全身に光を放射する。
「ぐわああああああ」
男は叫び声を上げ、顔を震わせ、体がゆがむ。
一瞬、光が男の身を包んだかと思うと、パサっと赤いローブだけが床に落ちた。
ミリアはその光景を瞳一つ動かさずに、じっと見つめていた。

226 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 20:37
少女は袋を手に取り、廃墟となった城を出た。
外で待ち構えていた数百人の魔族たちが、一斉に炎や雷鳴をとどろかせる。
少女の右肩が赤く光り、炎や雷鳴をはじき、あちこちに散乱させた。
男たちを手で押しのけ、少女は庭先にたって、目を上に向ける。
少女は風速で髪をうならせながら、上空まで舞い上がった。
頭のすぐ上には霧が広がっている。
視界には、男たちがこちらを向いて騒ぎたてているのが見えた。
少女は周囲を見渡し、街が滅び、人が倒れ、魔族が歓喜の声をあげて、飛び廻っている風景をじっと見つめていた。

227 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 20:50
「ミンナシンジャエ。ゼンブナクナレ」
少女は無機的な表情を変えずに、ぼそりと呟く。
ミリアの手から離れた光球はまばゆい光を放ちながら、ゆっくりと、
白い霧に近づいていく。男たちは大声を上げて、光から遠ざかっていく。
光と霧が接触し、光は円状に爆音をとどろかせながら、街も、魔族も、人も、森も、
すべてを吸い込み、果てまで広がっていく。
少女の視界には、真っ白い霧だけが、どこまでも姿を見せていた。
沈黙のときが流れ、少女は、呆然と空に立ち尽くし、動かずに、じっと霧を見上げている。
霧と霧の間には、たった一人の少女だけが残された。

228 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 21:00
少女は袋から霧で包まれた球体を取り出す。
霧で包まれた宇宙模型。少女がそれを手で握ると、球体から赤い光が放たれ、
少女はその中に姿を消した。少女の心はばらばらに引き裂かれ、その宇宙を漂う。
こうして、魔女の悲哀とともに産声を上げた世界に、歴史が創られることとなった。
小さな霧の球体は、魔女の悲しみをじっと閉じ込めるかのように、ゆっくりと、時を刻み始める。

nightmare外伝 完

229 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 21:29
ここから思いつかないんで展開募集します

230 :名無し物書き@推敲中?:02/06/07 21:37
自分で考えンかい(w

231 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 21:50
話を壮大にしすぎてしまったんです

232 :名無し物書き@推敲中?:02/06/07 21:53
外伝は雰囲気が変わって良かったんじゃない。
指輪だか腕輪だか分からなくなってたが。
とりあえず本編に戻って話を小さくすれば?

233 :miki ◆UxQinvso :02/06/07 21:56
本編ももうすぐ外伝と絡んでくるはずですので・・・
ま、何とか考えます

234 :名無し物書き@推敲中?:02/06/07 23:16
age

235 :名無し物書き@推敲中?:02/06/07 23:41
ちょっと期待

236 :名無し物書き@推敲中?:02/06/08 00:48
あげ

237 :miki ◆UxQinvso :02/06/08 02:46
またスランプだ・・・

238 :名無し物書き@推敲中?:02/06/08 17:14
age

239 :名無し物書き@推敲中?:02/06/08 21:17
かなり面白いのに、レスは少ないですね

240 :ぽっぽ:02/06/08 21:39
 てえへんだ、てえへんだ、てえへんだ、てえへんだー。親分、一大事だー。

 このスレッドが、あの超有名サイト「ぽっぽcom」のリンク欄で紹介されたんだ。

 へえー、そいつは豪気だね、威勢が良いね。

 だもんで、今日はパァーッと行きましょうや。アドレスはこちら。
         ↓
http://www.oct.zaq.ne.jp/poppo456/link.htm


241 :ぽっぽ:02/06/08 21:41
>>239様へ
 本当、かなり面白いですよね。

242 :名無し物書き@推敲中?:02/06/08 22:47
頑張れ。結構おもしろいよ

243 :名無し物書き@推敲中?:02/06/09 01:49
まあまあ面白いんだけどなあ。

244 :名無し物書き@推敲中?:02/06/09 23:06
期待age

245 :勝手に改作:02/06/10 23:26
 ザクッ……ザクッ……ザクッ。
 相変わらず足が重い。雪に沈んだ足を引き上げるだけで確実に体力が奪われる。
しかし……アイリスの屋敷はもうすぐだ。気は抜けなかった。
 俺の親友は薬剤師だった。アイツが死んで今まで俺は何をしていたんだろう?
 あれは、ちょうど2年前のことだった。不老不死の薬を作ったなんていう話を
聞いて、俺は自分の耳を疑ったほどだ。
 今でもあの時のアイツの顔は忘れられない……嬉しいのか悲しいのか、
喜んでいるのか苦しんでいるのか。
 どうしてそんな顔をしているのかさえ、あの時の俺には理解できなかった。
 それは今も同じだ。ただ、あの顔を忘れることができないだけで。
 その後、アイツはその薬と調合方法が書かれた文書をどこかに隠した。
 詳しくは言わなかったが、命を狙われているようなことを言っていたのに、
俺はアイツに何もしてやることができなかった。
 そしてアイツは薬の在処を示す地図を俺に残し、死んだ。
 事故だったのか、殺されたのか。それとも自ら死を選んだのか。
 アイツは俺に答えてはくれない。
 俺は不老不死の薬なんかに興味もない。
 だが、あの魔女とは、ケリをつけねばならない。
 それだけが、俺の両足を動かしていた。

246 :名前も勝手につけちゃった。:02/06/10 23:28
 俺の名はガイ。ガイ・クロスランダー。
 一応、雇われ兵を生業にして、一所には留まらず気ままに生きてきた流浪者だ。
得物は主に槍を好んで使っている。つまらん連中は『真夜中の旋風』なんて
呼んでやがる。
 そんな俺のたった一人の親友……いや、こんなヤツにはそんな呼び名も
相応しくないだろう。
 俺はアイツが死んだことを、2ヶ月前まで知らなかったのだから。
アイツが死んで一年以上経っていたというのに。

247 :ホントにごめんよ:02/06/10 23:29
 雪の降る山道を登りきった所で、巨大な建物がそびえ建っていた。
 アイリスの屋敷だ。
 正門には、魔法で動く兵士たちがいた。俺は、すぐに木の影に隠れ
無機質な兵士の様子をうかがう。
 確認できた兵士の数は5体。
 気がつくと、肩に白く雪が積もりかけていた。音を立てずにそれを振り払う。
 不気味なほどの静寂が心地いい。
 足下の雪をかき集め、こぶし大の玉を作り、一番手前の兵士に向かって
投げつけた。
 兵士が衝撃にとまどう瞬間を、後ろへと回り込み後頭部に槍を突き刺す。
 その時には、もう他の兵士に俺の存在は気づかれている。止まればそのまま
餌食になるだけだ。すかさず俺は正面の兵士の元へ走り込み、水平に弧を描く
槍の軌道を叩きつけた。ひび割れてから数秒後にはバラバラに砕けた。
これで2体。
 そう思ったのもつかの間、後ろから剣が俺の首を狙った。俺は上体を屈ませ
腕をひねり回転する槍を後ろへと刺す。
 雪の積もる大地を蹴る。次の兵士の元へ。
 振り上げられた剣を俺は体を引いて交わし、次の瞬間には
頭部に槍を刺した兵士が倒れ込むのを見た。4体。
 剣よりも明らかに攻撃範囲の広い槍は、障害物の少ない屋外では
格好の武器だった。
 最後の兵士の体に槍をぶちこませて、どうやら一段落ついたらしい。
 結局やつらは何一言も発することなく、土塊へと帰っていった。

248 :結構感想期待したりして:02/06/10 23:32
 屋敷の中は、取り立てて変わった所など何もない、一人で暮らすには
広すぎるだろうが、広いだけで豪華さも清潔さすら感じられない古びた内装だった。
 正面にある階段。まるで上がってこいと主張するようでもあった。
 当然足を踏みしめる。
 階段を上りきった所で扉がある。大きな扉だ。応接間だろうか?
 扉に手を触れる。鍵はかかっていなかった。
 重く悲鳴のような軋み音を立てて、ゆっくりと扉を開く。
 生暖かな風が体をなめた。敏感な神経を逆撫でるように。
「よくきたね。ゆっくりするといい」
 中の部屋から声が届いた。それを見て、思わず俺は口元が緩んだ。
 卑屈な笑みを俺は浮かべているだろう。
「アイリス……」
 魔女の名を呼ぶ。
 世界で6人しかいないという魔女。
 なぜか魔女は6人同時に生まれ、同時に死ぬという。
 魔女は、かつて世界を滅ぼした邪なる存在。
 昔からの伝統で世界各地のどこでも、魔女を生んだ両親は殺し、
乳児の魔女は海に流すという決まりがある。魔女をその場で殺さないのは、
殺したその者が必ず呪われるという伝説があるからだ。
 だが、俺はその魔女を殺すためにここへ来た。
 それ以外にアイツのためにしてやれることなど何もないからだ。

249 :特に1さんの評価が気になる:02/06/10 23:33
「お茶でいいかい? まだ日が明るいから酒ではマズイだろ?」
 見てくれは女というより幼子のようだ。だが、こいつがアイリスに間違いない。
「なぜ、不老不死の薬を狙った?」
 愚問のような問いを俺はアイリスに投げかけていた。
 そのアイリスは硬直したかのように、ただ俺を見続けている。
「なぜアイツは死ななければならなかったんだ!」
 思わず声を張り上げていた。
 アイツが死んだ時、側にアイリスがいたという。その後アイリスが逃げるように
その場から立ち去ったことも聞いた。
 不老不死の薬をアイリスが狙っていたことも、結局アイリスは証拠不充分で
罪に問われなかったことも。
 全部知っている。だが、俺はそんなことわかりたくもない。
 ただ、アイツが死んだこと。その時この魔女が側にいたということ。
 それだけが、俺の真実だった。
「真実か? お前にはその言葉の意味すらも知らないくせに」
「なに!」
 慌てた。
 魔女の顔が険しく歪んだ。
「お前は何も知らない。始めから何も分かっちゃいないんだよ。あの薬のことも、
お前の友人のこともな」
「うるさい!」
 俺は槍を握り締め、力の全てを槍に込めた。

250 :いや、ダメならもうやんないからさ。:02/06/10 23:36
 恐らく魔女は俺の心を読んでいるのだろう。つまり何を考えて攻撃しても全て
読まれてしまうということだ。
「お前は私がお前の心を読んでいると思っているのだろう? だが、それは違う。
私の魔力は物を自在に操る力だけなのさ」
 魔女の言っている意味がわからない。
「なにを……言っている?」
「簡単なことだよ。私にはこれが始めてではなく。また終わりでもないって
ことさ。その苦痛がお前になどわかるはずもない」
 思考に躊躇が生まれる。だが、ここまできて何もせずに
帰るわけにも行かなかった。
 俺は絶叫を上げて槍を投げ込んだ。
「光速の槍!」
 光り輝く槍が光の粉を巻きながら、一直線に魔女へ向かった。
 その時、俺は魔女の、アイリスの、悲しい微笑みを見た。
『……お前が、本当に因果の鎖を解き放ってくれるというのか?』
 それが声だったのか、それとも幻聴だったのか。
 槍は魔女アイリスの体を貫いたはずだった。
 槍の光が魔女に引火したかのように、まばゆい光に室内が包まれる。
 体の感覚が消失した。
 何が起きているのかわからない。
 光につつまれながら、俺は自分の意識が失われて行くのを自覚していた。
 なぜか、死とはこんな感じなのかという気もしてくる。
『何言ってんだよ、らしくないぜ?』
 ……これも、幻聴か?
 それは紛れもなく、アイツの言葉だった。

------------ 第一部 完 ------------- 

251 :名無し物書き@推敲中?:02/06/11 23:21
あんた、文体とかも合わせようとしているか?

252 :名無し物書き@推敲中?:02/06/12 00:48
>>251 誰に言ってるの?

253 :名無し物書き@推敲中?:02/06/12 00:57
>>245-250
のつもりだけど…

254 :名無し物書き@推敲中?:02/06/12 03:01
>>251 あわせるって何にあわせるということ?

255 :名無し物書き@推敲中?:02/06/12 20:15
参ったな。そんなに変な事言ったかな…
245-250がmikiの設定ばかりでなく雰囲気も真似ようとして書いたのかな、
ということなのだが…

256 :245-250:02/06/12 23:42
まず、252と254は自分ではありません。あしからず。
それと別に悪意はないんですが、1には気を悪くされたかもしれないので
謝罪をします。ごめんなさい。
自分なりにこうしたいと思い、改作してみて、それなりのモノになった
気がしたのでカキコしてみただけです。
改作というのは、元の作品の良い部分はそのままにして、主観的に良くない
と思った所を変えて行く行為だと自認しております。
文体という表現がアバウト過ぎてどう答えるべきか判断できなかったので
レスできませんでした。
これで、251の答えになっていますか?


257 :251:02/06/13 00:53
そんな深い意味はなかったんだ。ただ、パロディでもないようだし、
あるいは文体模写のテストかなーと思ったのだ…
時に、252と254はmikiだろ?
「氏ね」とか「カエレ!!」とか言わなくていいのかい?

258 :miki:02/06/13 04:21
リライトしてくれるのはかまいませんよ。
ただし、アイリスのキャラ設定はちょっと保留にしておいてください。
あくまでも冷徹でクールという感じのほうがいいかと。

259 :ageさせて:02/06/13 11:58
>257
ほんとにそんな感じでテストというか実験というか練習なのか……
パロディーというふざけたつもりはないですけど。まあ、どう取られても、ね。

>258
なるほど。
冷徹でクールですか……
するとガイとは、あくまでも敵対関係にあると言うことですね?
悪役でなければならないと。

260 :名無し物書き@推敲中?:02/06/19 16:14
age

261 :名無し物書き@推敲中?:02/06/20 05:24
age

262 :名無し物書き@推敲中?:02/06/24 12:24
以下放置しますんでリライトでも続き書くのでもご自由に

263 :名無し物書き@推敲中?:02/06/24 14:29
電波小説家mikiさんラウンジに帰ってきてください

264 :名無し物書き@推敲中?:02/07/02 23:50
age

265 :名無し物書き@推敲中?:02/07/03 00:59
もしかして続ける気になったの?
完結したりすると感動するんだがなあ。

266 :名無し物書き@推敲中?:02/07/03 20:49
生きかえって。

267 :名無し物書き@推敲中?:02/07/04 14:49
age

268 :名無し物書き@推敲中?:02/07/06 17:59
age

269 :名無し物書き@推敲中?:02/07/06 21:23
もう書かないって

270 :名無し物書き@推敲中?:02/07/07 03:17
age

271 :名無し物書き@推敲中?:02/07/08 18:52


272 :名無し物書き@推敲中?:02/07/09 23:21
age

273 :名無し物書き@推敲中?:02/07/09 23:27
っつうかマジに期待してる人が何人いるやら(藁

274 :名無し物書き@推敲中?:02/07/18 14:25


275 :名無し物書き@推敲中?:02/07/20 01:19
期待あげ

276 :名無し物書き@推敲中?:02/07/20 07:22
もう設定も構想も忘れちゃったYO!!!
それに誰も感想、要望書いてくれないし、推定読者0〜2じゃ書く気起きない〜

277 :名無し物書き@推敲中?:02/07/20 14:48
ぜいたく言うな!

278 :名無し物書き@推敲中?:02/08/02 16:38
どうすっかな・・・

279 :名無し物書き@推敲中?:02/08/02 16:58
読む人がいるから書くんじゃない
書く人がいるから読むんだ!!

いや逆か・・・???

280 :名無し物書き@推敲中?:02/08/02 16:59
よろしく。
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/ogefin/1016527850/

281 :名無し物書き@推敲中?:02/08/15 17:32
age

282 :名無し物書き@推敲中?:02/09/01 13:21
第五部

女は口元を歪める。頭を抱えうずくまる。
「風が泣いている。水が震えている・・・ これも運命か」
女は海底宮殿でひとり、涙で袖を濡らす。
杖を地に突きたて、両目を閉じる。風が沸き起こり、純白の衣と、銀色の髪をなびかせる。
星型の杖の先端から霧が浮き出し、広がる。霧が輝き、男の姿が映し出される。


283 :名無し物書き@推敲中?:02/09/01 13:28
再開したけど読者いなくてカナスイ

284 :名無し物書き@推敲中?:02/09/09 01:41
読んでるよん。

285 :名無し物書き@推敲中?:02/09/09 16:42
ganngare.

286 :名無し物書き@推敲中?:02/09/13 16:09
age

287 :名無し物書き@推敲中?:02/09/13 19:44
「オンライン作家は出て行け! 以上」
 俺たち『才能ある将来の作家』が、こうして暗いところで苦労しているというのに
才能の無いオンライン作家達が評価されているのは不公平だろう?
 某スレ一よ。なあ、そうは思わないか?


                        

288 :1:02/09/13 20:27
評価されていませんが何か?

289 :名無し物書き@推敲中?:02/09/13 20:31
>>288
大丈夫、見てる香具師は見てるって!

290 :1:02/09/13 20:34
香具師に評価されてもうれしくありませんが何か?

291 :名無し物書き@推敲中?:02/09/13 20:36
>>290
語尾変えた方が良かったのに……

292 :1:02/09/13 20:51
290は偽者だよ


293 :名無し物書き@推敲中?:02/09/13 21:03
あれ、mikiが帰ってきてんの?

294 :mj:02/09/13 21:08
ういっす

295 :名無し物書き@推敲中?:02/09/13 21:09
ニセmjに用はないずら。

296 :mj:02/09/13 21:11
あートリップ考えよ。ってかもう疲れたぞな。

297 :1 ◆UxQinvso :02/09/13 23:02
前にトリップつけといてよかったよ。
これから必ずつけますんでそれ以外は偽者ってことで。

298 :1 ◆UxQinvso :02/09/13 23:03
みんなわかってると思うが、mikiっていうネカマハンドルはもう使いません

299 :名無し物書き@推敲中?:02/09/13 23:06
ネカマでもハンドルがあった方が分かりやすいんだが。。。

300 :1 ◆UxQinvso :02/09/13 23:12
今までの小冒険みたいなダルイ展開はつまんねえからやめて、
一気に物語の核心に迫るようなシリアスな展開にしたいんだけどなかなかネタがなくて

301 :1 ◆UxQinvso :02/09/13 23:13
ライバルはNeoです。(藁

302 :名無し物書き@推敲中?:02/09/13 23:50
君のライバルはもう死んでいるようだが・・・

303 :東京クンニボーイズ:02/09/14 00:11
ファンタジー小説「nightmare」

肉体。肉体からほとばしり出る肉汁。
神無月満夫の体からほとばしり出た肉汁は岸部洋子の頬を打ち砕いた。
変身。だが、岸部洋子は変身するいとまもなかった。満夫の大きな体が、
洋子の体に覆い被さろうとしている。
念力。洋子は念力で満夫の目を焼いた。
はぁ! はぁ! はぁ! はぁ!
満夫は目を手で抑えながら宙に浮いた。
はぁ! はぁ! はぁ! はぁ!

304 :1 ◆hlbfl0FU :02/09/14 00:20
笑ったら負けのゲームにらめっこが始まった。
満夫の顔が七変化した。
はぁ! はぁ! はぁ! はぁ!
洋子は笑うどころではなかった。
「どうした洋子! 顔が引きつっているぞ! これでも食らえ!」
満夫の手のひらから光線が発射された。
避けれないと判断した洋子は、異次元にワープした。満夫も後を追った。

305 :1 ◆oUezf27o :02/09/14 00:35
(どこまでも追ってくるわあの変態)
「マテッ! 待て洋子!」
洋子はレインボーブーメランを満夫に投げつけた。
「ははは、そんなおもちゃでは俺を倒せんぞ!」
満夫はレインボーブーメランを巧みに避けファイアーボールを投げつけようとした。
だが、
レインボーブーメランは洋子の念力によって鋭角に曲がり満夫の左腕を切り落とした。
バランスを失った満夫の肉体は失墜していった。
(あれくらいで死ぬ満夫じゃないわ)
洋子はそう思いながら西暦1998年の東京へタイムトラベルした。

306 :名無し物書き@推敲中?:02/09/14 02:38


307 :名無し物書き@推敲中?:02/09/15 18:19
ほら、な。
だからオンラインは出て行けってことなんだよ。
オンライン作家ども、さっさと隔離板行けよ。
ほら、な。
だからオンラインは出て行けってことなんだよ。
オンライン作家ども、さっさと隔離板行けよ。


308 :名無し物書き@推敲中?:02/10/14 04:12
ゲド戦記のスレ知ってますか?

309 :名無し物書き@推敲中? ◆adhRKFl5jU :02/10/14 10:13
tesuto

310 :名無し物書き@推敲中? ◆2dtYiturj. :02/10/14 10:14
sarani

311 :miki ◆LLUxQinvso :02/10/25 05:41
書くから待っとき

312 :名無し物書き@推敲中?:02/10/29 01:25
ああ。

313 :名無し物書き@推敲中?:02/12/04 15:12


314 :miki ◆LLUxQinvso :03/01/03 14:28
書こうかと思っているが、誰も読んでないんだよな

315 :山崎渉:03/01/06 15:59
(^^) 

316 :山崎渉:03/01/19 03:58
(^^)

317 :名無し物書き@推敲中?:03/02/02 20:47
age

318 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 08:24
「で、ホランド、ティーレ王女が失踪してどれくらい経つ?」
俺はアレイン城の客室間で王女の世話係で、側近だったの男と茶をすすりながら話を進めていた。
顎に黒ヒゲを生やし、細い目を吊り上げて男はいう。
「もう三ヶ月になりますか。あなたが軍を抜けた数年前あたりから、王女の様子がおかしかったといえば、おかしかったのです。
毎晩夢にうなされていたようで、それも何か悩んでいるようでした。国を治めることもままならず、私がずっと代理を務めておりました。
男は、パイプから煙を吐き出して、窓からじっと庭を眺めていた。淡々とした口調で話を続ける。
「それにも関わらず、この国の産業はいっそう発展し、国民の生活は思った以上に繁栄しております。もちろん、軍隊も既に大部分がオートメーション化されています。
機械王国としては、あなたのような豪腕者を何千人と集める必要なもうなくなったのですな。」
ホランドはジロリと俺を睨む。
俺は茶をごくりと飲みこんで、腕を組んだ。
「俺は国にもう一度雇ってもらいたくて来たわけじゃない。王女はどこへ行った? 手がかりはないのか?
男は急に声を高くして、声を張り上げる。
「私の話はまだ終っていないのだ。質問は最後まで聞いてからだ。」
この男は昔から自分のペースに相手を乗せないと気が済まないような男ではあった。
自慢の妻の話を始めたかと思えば、いつのまにか同僚の人物批評を始めたりと、収拾がつかない。
要点をきっちり話してほしいところではあるが、ご機嫌を悪くされると面倒なので黙って聞いていることにした。
「国民にとって王女であるティーレ様が、国の象徴としての轟々しき存在として受け入れられていたかどうか。
逆でしょう? この話は本当はタブーなわけですけれども。」
男はテーブルをそっと指で叩く。テーブルは二つに割れ地の中に潜っていった。そこに小型のスクリーンモニターが姿を現すと男はそこを指さす。


319 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 09:00
急に部屋が暗くなり、モニターが薄緑色に光る。
男の顔がうっすらと現れ、頭の禿げたその顔がくっきりと浮かぶ。俺は思わず目を疑った。
そこに現れたのは長年敵対国であったリアースのゼト国王であった。
「ガイ君だね。何度かあったこともあったかな。それにしてもこの技術はすばらしい。
部屋にいてそのまま他人と会話できるのだからね。感謝しておりますぞホランド殿。」
ホランドは急に目をぎらつかせて、俺とゼトを交互に見る。席を立ち、口元を歪めて俺に近づく。
「そう、この国はまもなくリアースと併合する。素晴らしいと思わないか?
機械と魔法の二大立国があわされば敵なしとなるだろう。」
俺はゼトを睨んでこう付け加えた。
「それも一方的な併合ってわけだ。このヒゲオヤジは金と地位に目が眩んで魂を売り渡した。
建国以来の自由と独立の信条を破って何がしたい? しかも王のいぬ間に。」
アレインは隣国の政治野心のせいでしばしば被害を被っていた。ゼトは個人的な欲望と政治的な野望から
ティーレ王女との結婚を企んでいたが、本人に冷たく突っ返されると手口は狂暴になっていった。
拉致、監禁、ゆすり、略奪から大戦争になるまで時間はかからなかった。実際ティーレはそのことでかなり精神をきたしてしまっていた。
「久しぶりに帰って来て、やけに治安が良いと思ったらこういうことか。おれが来ることもわかっていたな? ゼト。」
ゼトは高笑いして言い放つ。
「もちろん。おまえのことを良く観察している者がいたからね。薬を持っていることも知っているよ。
その薬の製法がわかれば巨万の富がつかめるだろう? だからあの女と協力してやったんだよ。」

320 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 09:18
俺は思わずスクリーンに足を踏みつけた。
「アイリスだな!? 今どこにいる? 今すぐ出せ!」
ゼトはにやりと笑い、王座から立ち上がった。
「おいおい、乱暴だな。あの女はここにはいないよ。
どこにいるかは教えるわけがないだろう。」
王がそう言った瞬間スクリーンが白くなり、部屋が急に明かり戻した。
いつのまにか、ホランドは銃を取り出しており、俺の首に突き付けていた。
「ここからのシナリオも決定済み。お前は王国地下で秘密裏に殺される。
薬ももちろんいただく。ではな。」
ホランドが銃の引き金を引くと、銃口から赤い光が発され、俺の全身を激痛が貫いた。

321 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 09:52
機械牢で監視機が空中でぶんぶんと音を立てて飛び回っているのを見つめながら、
俺は呆然と寝転がっていた。地下牢の癖に天井はぴかぴかとした赤緑光が点滅し、1日に数度はモニターから
ネットワークを通じて他の囚人とコミュニケーションをとることが許されている。とても奇妙な空間。
モニターには全囚人の個人IDが表示される。IDは単純でNO制。57745。これが俺に与えられた数字。この一覧から複数人にコンタクトを取ることも、それを拒否することもできる。
「なんでもこの王国地下刑務所の責任者が機械ネットワーク好きで、上の人間に頼み込んでこういうシステムを作ってしまったらしいんだな。」
最初に俺にコンタクトを取っていた男はこの刑務所のシステムについて教えてくれた。
「ここは腐ってるよ、本当に。ここは一般の刑務所とは違って、国家レベルの滞在を犯した人間だけが来るところなわけだけど、
普通の場合と違って、法廷を通して、処遇が決められる、ってことはない。ここの存在を表の人間は知らないけど、
自殺した方がマシかもな。ここにずっといるくらいなら。」
男は画面のタイピングが早い。話し具合からそれでこの環境に慣れているのがわかるし、ある種楽しんでいるようにも感じられた。


322 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 10:24
「この牢は移動性でさ。建物内で自分の部屋が移動すんのよ。1階層に百部屋、全部で千階層
まであって上から順に序列になってるわけ。身包みはがされても武器だけは残していってくれたろ?
IDの一覧から誰か一人選んでボード赤いボタンを押してごらん?」
俺は言われた通りにID712263なる人物を画面上にポイントして、赤いボタンを押した。
急に部屋のタイルの点滅が速度を増し、ぴかぴかと光ったかと思うと、耳鳴りがした。
部屋が移動しているとはこのことだろう。四方にあった扉の一つシャアと開くと、
細身で長髪の男が男が銃をこちらに向けていた。
「随分と無防備なやつだな? 新入りだろ? またあいつにやられたか?」
青いレーザー銃の光線をとっさにかわし、床に転がっていた槍を手に取る。
銃の連射を槍ではじき、相手の部屋に踏み込んだ。その瞬間全身に電気が走る。
男は倒れている俺に哀れそうに見下ろす。
「本当に新入りだろ? 相手の部屋には入れないんだよ。」
再び銃口がむけられた瞬間、双方を結んでいたドアが閉まる。
画面からテすばやくキストが流れる。
「あーあ、時間切れか。つまんねえ。でも、まだ、生きてるようだな。
わかったろ? 時間内に相手を殺す。その人数が多ければ上がれるよ。
最上層まで行くと、要望を聞いてくれるんだよ。出所以外の全てをさ。
いかれてるだろ? 武器の取引なんかもやってるから、欲しかったらやるよ。」
ID2263547の人をあざけった様子が俺の目に浮かんだ。
ここはまともじゃないし、ここにいる人間もまともじゃない。
もちろん俺はここでサバイバルなどするつもりはない。

323 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 10:48
・・・・・・・・ここから出るにはどうしたらいい?・・・・・
俺は慣れないタイピングで男に尋ねる。
男は素早くこう返した。
「出れるわけないだろ? 殺されるより辛いイカレた地獄を味わえってことなんだから。
それぐらいわかれよ。あ〜でもなんか色々画策してる女の子がいるらしいとは聞いたことがある。
ID忘れちゃった。でも無駄なことはしない方がいいよ。じゃあね」
男とコンタクトを切り、俺はしらみつぶしにその女のことを尋ねた。
当然、ふざけた返答や無視が続き、何百と調べていくうちに俺も嫌になり、
モニターから離れて簡易ベッドに仰向けになる。
くだらない。俺はそうとしか思えなかった。昔のような半端な技術しか持ち合わせなかったころのアレインは、
機械は人の生活の一部でしかなかった。ところが今はどうだ?人が機械の中にある。訪れたときにそう感じた。
その侵食も長く留まってはいまい。それが最も端的に先取りしたのがこの場所というわけだ。

324 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 11:08
そんなことを考えながらウトウトとしていると、モニターが点滅する。
俺へのコンタクトだろう。しばらくはこんなものに関わるのはもうごめんだ、
俺はそう思いながらその場を動かなかったが、いくら経っても点滅は止まらない。
「しつこいな...」
俺は立ち上がり、モニターの前に座る。
/////ID01//////
はじめまして。。。
私を探していたのはあなた?
/////ID57745/////
ここから出ようと画策してる女を探していたのは俺だ。
/////ID01//////
あの、その話をどこから聞いたか知らないけど、あまりいろいろな人に聞きまわらないでください。
上に人間に知れるとまずいので。
/////ID57745/////
奴らも脱走は不可能だって絶対の自信があるんだろう?
だったらいいんじゃないのか?
/////ID01//////
いえ、私だと知れると...ごめんなさい。
あなたが信用できる人とは限らないから、会ってもらえますか。
/////ID57745//////
会うときは殺し合いが前提なんだろう?
俺もあんたを信用した訳じゃない。
さっきのような目に遭うのはごめんだ。
悪いが・・・

325 :939:03/02/15 11:30
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326 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 11:42
打ち終わらないうちに、俺の背面のドアが開いた。
手のひら程度の大きさの白い鳥が数匹俺の体を取り囲み、体をつつく。
「おい!? なんなんだよ、この鳥は!?」
女性が不安げにこちらを見つめているのがわかった。
金髪に白いドレス、王家の赤いペンダント。間違いなく、ティーレ王女であろう。
「・・・? なぜ? どういうことだ?
なぜあなたがここに?」
俺は跳びまわっていた鳥を振り払いながら目を丸くした。
「あなた、ガイではないの? うん。。。 そうだよね。きっと。
違う?でも、えっと、違うのかな? そうだよね? たぶん。」
「そうですよ、ティーレ王女。失踪というのは作り事か。
こんなことだろうと思ったけどな。」
ティーレはたじろいで鳥を自分の元へ戻す。
「ごめんね。。。 だってこの鳥さん達、すぐにあった人を攻撃するから。
話の続きははドア閉まるからモニターで。」
とっさに俺は画面に向い、ことの顛末を聞いた。
ホランドは、両国に本格的な紛争が起こる以前からゼトと繋がりがあったこと。
二人は「人間機械化」なる計画を立てていて、ティーレはそのためにここに幽閉されたこと。
ここはその計画の実験台としてスタートした、ということ。

327 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 11:48
文章うまい人リライトしてくれ。最初から

328 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 12:24
「システムで完全防備されてるから、普通に逃げ出すのは絶対無理だし、
空中で移動制御されてるからメインコンピュータ破壊なんてしたら、地の底に落ちて
おだぶつ。。。う〜ん、どーしよ、、、」
彼女の舌足らずな説明によると、物理的に逃げ出すのは不可能。
ではどうすれば良いか。この施設のシステムは人を多く殺せば上に上がれる仕組みである。
だったらデータそのものをなんらかの方法で書き換え、自分達を最上層にランクさせる。
そうすれば管理者と接触できる。そうすればなんとかなるかもしれない。
俺はそう提案した。
/////ID01/////
知り合いに、そういうことできる人いるよ。でもその人は。。。

そう表示された瞬間、また背面から人が現れる。
不精ヒゲに丸いサングラスを光らせて、いかにも胡散臭いその男は、
微笑を浮かべて、ゆっくりと俺に近づいてきた。
「あんたらの会話読んだよ。どうやってか?あんたの知らない方法で。
どうやってあんたの部屋に入ったか。もちろんそういう方法で。
書き換えてやってもいいよ。ただし、後で俺に金を払うこと。
お前らのやろうとしていることは、皆で生きるか、死ぬか、そういうことだからな。」
「わかったよ。王女様が払うだろうさ。俺はこんなところにいるのはもうご免だ。
さっさとやってくれ。」
シャアとドアが閉まる。男は俺を椅子から跳ね除け、モニターに向う。
「ここでやる。お前は寝ていな。だってドア閉まっちゃったら俺もう戻れないし。」

329 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 12:46
男がカチャカチャやっているうちに、部屋が上方に移動しているのが感じられた。
俺のIDが「1階」にランクされたのがわかる。
「終ったぞ。」男は大きい声で叫んだ。左右の扉が開く。ティーレが姿を現し、
小鳥を俺に飛ばす。
「ガイ、よかった。 
うまくいったみたい。ありがとう、カーディさん」
男は右の扉に目を向けた。
「ここから出れば「責任者」がいるらしい。うんじゃ、いこうか。」
男はふらりと立ち上がって扉に向かう。
「あんたも行くのか?危険なことになるかも知れないってのに?」
俺は槍をゆっくりと手に取る。
「いつまでもこんなところにいられるか。そもそもここのシステムを作ったのは俺だ。
国王代理のホランドさんの命令で苦労して作ってみたら、口封じのためにこのざまだ。
やってられるか。武骨な傭兵さんとメルヘン王女様だけじゃ心配だしな。へへ。」
男は軽い足取りでスタスタと行ってしまう。

330 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 13:20
今までの環境とは違い、先には金属的雰囲気はなく、赤いカーペットの通路が
奥まで続いていた。慎重な足取りで歩いていき、木製のドアノブに手をかけ、開く。
いかにも洋館らしい赤く彩られた雰囲気の部屋で、やや小太りで目つきの悪い男が、カウンターに座り腰掛けていた。
「なんだ? カーディじゃねえか。 システムいじくったのはやはりお前だな?」
男は腰から銃を抜き、カーディの頭部に向けて銃弾を放つ。
しかし、それは頭部に命中することなく横に逸れ、壁に穴をあけた。
「俺のサングラスには電子防弾システムが働いているんだよ。知ってるだろ?」
そういうと同じに小鳥の郡が男の顔を勢いよく突き、男の顔は大きく膨れ上がって、床に伏せる。
「だめだよ、そこまでやったら...」
ティーレがそう言うと小鳥の郡は無に帰した。
「ここのおぞましい殺人ルールはこいつが考えたわけだが、思い出すのも嫌になる。2度と戻りたくないな。」
目の前には階段がある。俺達はゆっくりと段を駆け上がった。

331 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 13:48
階段は随分と長かった。息を切らしながら、コンコンと金属音を立て、金網の地に立つ。
網目からボックスの部屋が空を飛び移動しているのがわかる。
その技術に感嘆すると同じに、先ほどまでの環境を思い出し、吐き気がした。
「上には何もないよ。」ティーレがそっと呟く。
円状の壁を見渡しても何もないし、上部は空洞の闇が見えるだけ。
カーディは頭を掻き始めた。
「ここは小型飛行ボートで移動することになってたんだわ。
実はこの刑務所は王立工学研究所の地下にあるんだが、
国のトップシークレットの人間しかここの存在を知らない。
ま、ボートで誰かが降りてくるのは期待できないってことだ。
そんなこと期待してないだろうけどな。」

332 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 14:04
「しかも、研究所内のガードシステムで、生身の人間が一定時間以上ここにいると
壁からレーザーが、、、俺が設計したのだが、やりすぎたかもしれない。」
そう言うと、周囲の円状の壁からゆっくりと無数の四角い小さな穴が姿を出し始めた。
ティーレは自分の髪を一本抜いて、そっと撫でた。
カーディは眉間にしわを寄せて、黒いスーツのポケットから折畳式の金属制のステッキを取り出した。
「王女さん、そんなことしてる場合じゃないだろ。本当に。」
ステッキを金網に立てて球状の電磁壁を発生させると男はため息を吐く。
壁から放たれた無数の光線が、周囲に拡散されていくのが俺の目にもわかった。
「これでしばらくは大丈夫だが、レーザーは俺達が死ぬまで止まらない。
長くはもたないだろうな。」

333 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 14:20
ティーレはピンと髪の毛を空にはじくと、
みるみるうちに、それは巨大なムクドリへと変化した。
茶色の羽をばたつかせて、ギャーと泣いている。
「あたしは魔女? そうだよ。でも。
しょうがないよね。」
「ティーレ様。早く乗らないと死ぬぜ。」
俺はうつむいているティーレにそう言うと、ひょいと鳥に飛び乗る。
二人がそれに続き、「あんたの髪の毛を分析してみたいもんだぜ。」
カーディはティーレの金髪に目をやった。鳥は空を旋回しながら上昇していった。


334 :名無し物書き@推敲中?:03/02/15 15:16
あんた生きてたのか!!

335 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 15:54
上昇するにつれて、視界が小さくなっていく。
上部からの冷たい風を受けて、ティーレの髪はなびいていた。
瞳が悲しそうだった。
さびたはしごが上方から垂れているのをみつけると、鳥はそこで動きを止め、
俺達は、ゆっくりとはしごに乗り移った。鳥は姿を消し、一本の髪が風に乗っていった。

336 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 16:20
はしごを昇り終え、薄暗くて、きな臭い部屋に出る。
鉄の棒板やジャンク機械がそこらへんに転がっていた。
「間違いない、ここが俺の研究所。といっても今は別の奴が所長なんだろうが。」
カーディは懐かしそうに歩き回り、転がっているパーツをいじっていた。
「階段から上に行けば1階だ。いこか。」
俺達は黙って男について行った

337 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 17:05
「さーて、ここから出口...」
その瞬間、ドーンという地響きが響き渡る。
「外が騒がしいな。何事だ?」
俺達は一息つく間もなく、急いで入り口から外に出た。

338 :名無し物書き@推敲中?:03/02/15 17:14
これか?http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=HZK9G+5HNXMA+1I6+644DT

339 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 17:24
>>338
ハア?

340 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 18:04
人々が剣を交え、銃を打ち鳴らし、炎が飛び廻る。
その光景をみて、ティーレの顔は一瞬にして青ざめた。
アレインの機械重装兵、リアースの魔法軍、それに立ち向かう住民。
「二国併合に反発して起こしたクーデターだろうな。」
俺は槍を右手に持ち替えて構えた。
ティーレは地にひざをついて口を押さえている。
恐怖に満ちた形相を隠せずに嘔吐してしまっていた。

341 :名無し物書き@推敲中?:03/02/15 18:22
なんか書いてください。お願いします

342 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 18:24
感想書け。あと荒らすな。

343 :1 ◆LLUxQinvso :03/02/15 18:26
読んでる人全くいないってか。
再開も空しく終了ってわけだな。

344 :名無し物書き@推敲中?:03/02/16 21:31
ID57745ってゴー名無しゴーってことですか。

345 :名無し物書き@推敲中?:03/02/16 21:54
描写がちっと少ない。イメージが浮かぶ前に話が進んでしまうようだ。
特に外に出たシーンなんて、
[外]
 人々が剣を交え、銃を打ち鳴らし、炎が飛び廻る。
 アレインの機械重装兵、リアースの魔法軍、それに立ち向かう住民。
と、これだけだぞ。森の中なのか町の中なのかもわからん。
たまにカメラを引いて俯瞰的な描写を入れていったらどうか。

346 :名無し物書き@推敲中?:03/02/21 19:47
一から書きなおしますか。

347 :名無し物書き@推敲中?:03/02/22 20:18
「リライト」はあまり意味がないかな。
この連載の特徴はジェットコースター的な展開の早さだろう。
下手に落ち着いた描写を入れれば持ち味を殺すかもしれない。
文章や構成を洗練してみてもあまり魅力は出ないと思う。

物語としてまずいのは人間関係の発展がなく、
謎解き的なストーリーに終始しているところか。
挫折、誤解、愛憎、裏切り、成長といった
エンタメの基本は一つでいいから押さえたい。

348 :名無し物書き@推敲中?:03/03/25 08:48
mikiと言う新手の荒らしが
ラウンジで暴れてます
引き取ってください

349 :名無し物書き@推敲中?:03/04/01 01:28
>>348
あ、そうなの?
昔ラウンジャだったと聞いたが。

350 :山崎渉:03/04/17 14:35
(^^)

351 :1 ◆LLUxQinvso :03/04/17 20:58
blue codeのスレで手一杯

352 :山崎渉:03/04/20 01:42
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)

353 :山崎渉:03/05/22 03:16
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―

354 :山崎渉:03/05/28 10:48
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉

355 :山崎 渉:03/07/12 12:26

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

356 :山崎 渉:03/07/15 11:48

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

357 :山崎 渉:03/08/02 01:35
(^^)

358 :山崎 渉:03/08/15 13:55
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

359 :miki:03/10/15 23:03
読む人がいれば続き書きます

360 :名無し物書き@推敲中?:03/10/17 12:57
前の読んでないけど書いてみれ

361 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/21 21:27
最初から読んでくだされ。
皆さんの批判を踏まえつつ、再開しようかと思います。
寂しいのでレスつけてね。

362 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/21 22:33
アレインの華やかな城下都市は、国民自らの手によって、その姿を醜いものにした。
連なる民家は轟火に身を包み、国の自慢であった鉄鋼天文台も、激しい砲撃を受けて、崩れ落ちた。
にわかに、俺達の背にしていた研究所の入り口のガラスドアが叫びをあげた。数十人の兵達は俺達を取り囲み、
一斉にカチャリと散弾銃を向ける。ティーレを背負っていたカーディは、サングラス越しに汗を滴らせていた。
「これはどうしたもんか。オダブツかな。。。」
俺はすばやい動きで、槍を、ところどころ焦げ付いたアスファルトに突き立てる。

363 :名無し物書き@推敲中?:03/11/21 22:40
語彙が不適切。
句読点の使い方も最悪だ。
一ぺん氏んでこい(w

364 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/21 22:51
「この三人に間違いないですね、隊長」
中心にいた背の低い男が、隣にいた筋肉質の男を向く。
その男は無精髭を手でいじくりながら、ゆっくりと足を踏み出した。
「クーデター鎮圧で忙しいってのに、お前らが逃げ出してくれたせいで余計な仕事が増えちまったじゃねえか。
国家級の犯罪者で指名手配だよお前らは。どこにもにげられないぜ?」
男は歯を光らせて、その豪腕で銃口を俺の首にねじ込んだ。しかしその刹那、俺はとっさに左手の拳を男の顔面にぶちこみ、銃を振り払った。
意識を槍に集中させる。

365 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/21 23:00
「震天の槍!」
大地が隆々と波をうならせ、その場にいた者全てがその体勢を維持できずに次々と倒れこむ。
俺は身を屈め、槍に捉まってその光景をみつめていた。
「すごい技だな。だがゆっくりしてる暇はねえぜ。すぐに逃げるぞ。俺について来い」
少女を背負ったカーディは、くるりと身を反転させ、よろめきながら足を早めた。
「じゃあな兵隊さん。ご苦労だったぜ。」
俺は少し枯れた声で捨てセリフを残し、廃墟と化したその場を後にした。

366 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/21 23:01
>>363
それは全体を通して言えることですか?
最初よりは多少マシに成っていると思うのですが。

367 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/21 23:35
俺達は交代で少女を背負い、硬い土を踏みしめながら、国境近くまで来ていた。
周囲は、赤黄色いテンニンギクと、紫のカトレアの花がところどころに咲いていて、風景に彩りを与えていた。
ふと、カーディは足を広道から逸らし、草地に足を踏み入れた。そして立ち止まる。
「おい、そっちじゃ国境には着かねえぞ。リアースにいくんじゃないのか?」
俺はずれ落ちそうになる少女の体をとっさに受けとめた。
カーディはサングラスをはずし、ゴシゴシと目をこすると、後方に身を向けて話し始めた。
「反政府組織ネオフォルア。その総本山へ行くってことよ。街中にあるわけはねえだろう。」

368 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/21 23:57
その反政府組織とやらと、機械技術者であるカーディという男に、どういった関係があるのだろうか。
おれは、また何か厄介なことになりそうな予感がしていた。フォルア、という単語を聞いて、俺はある女性の顔を頭に浮かべた。
俺は首を横に振る。ザッザッっという足音を耳に響かせていると、視界に白いレンガでできた、一棟の巨大な建物が目に入る。
周囲の一切が青緑色の木々や紅色の花々に取り囲まれて、遠方からでもかなり目立っていた。
カーディはそそくさと、薄暗い入り口に入っていった。
「ここはどこなの。。。」
ふと、ティーレは眠気がかった声で声を発した。
「さあな。」
目を覚ましても少女は俺の背を降りようとはしなかった。

369 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 00:10
それにしても反応無いね。。。

370 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 01:13
「で、それで逃げてきたってわけか。兄さん達」
こざっぱりした髪を掻きながら、その年端もいかぬ少年は、麦パンのザルに手を伸ばした。
俺達はレンガの階段を延々と登らされ、9階の食堂に連れてこられていた。
俺は目の前で視界を遮っていた蚊が石テーブルに止まると、ひょいとつまみ、指で潰した。
カーディは赤葡萄酒のグラスを口に放り、ぶっきらぼうに言い放った。
「ま、そういうこった。しばらくここに置いてくれや。これからどうするか考えねえとしけないしな。
で、他のメンバーはいねえのか? 50かそのくらいいただろうがよ。女リーダーもいねえしな。」
確かに、少年のやや面長で頬のこわばった顔つきは、カーディとよく似ていて、兄弟と言われても違和感はない。
ティーレは肘をついてボーっと石壁に目をやっていた。

371 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 01:51
「フォルアさんは今いないよ、というか、今ここには俺しかいない。
皆クーデターで出払ってんだよ。俺達だけじゃなく、現地の住民、アレインもリアースも
併合なんて聞いて黙っていられないんだろうね。どっちも大変なことになってる。でも無駄だよ。
既にクーデターは鎮圧されて、自動修復機械達が街中を徘徊してるみたい。魔法国リアースもこの技術の提供を受けてるから復興もすぐだろうね。
ここの人達はやり方が古典的すぎるんだよ。もっと大掛かりにやらないと。」
少年は金属機械製の交信機を耳に当てていた。
この建物は石レンガ製ではあるが、造りは相当に頑丈で、広い。
一階層で四方100人分収容できそうなくらいの広さはある。綿密な設計が図られているのだろう
ティーレ王女はいつのまにかうつぶせになって寝息を立てていた。
フォルア、というのがこの組織のリーダーで、なおかつ俺の知っている人物であるなら、少々厄介かもしれない。
「まあ、この建物の設計も交信機作ってもらったのも兄さんだからな。レジスタンスとしちゃ借りがあるから多少は協力する。
しかし、王女様や王立専属の技術者が今じゃテロリストか。それならこのレジスタンスにもお似合いだよな。はは。
そこの槍の人は誰だか知らないけどな。ガイさんだっけ。で、フォルアさんもうすぐ戻るってさ。すぐ会議始めるそうだ。」
少年は相変わらず片手で交信機をいじくりながら、もう一方のか細い手で、指についていたパンのくずをピンとはじいた。
「なあ、坊主、そのフォルアってのは......」
俺がそれとなく声を発した瞬間、少年は立ちあがり、石椅子を蹴り飛ばした。
走り出して、颯爽と階段を降りていく。
カーディはふわあとあくびをした。
「リーダー達を迎えに行ったんだろうよ。ここで待ってりゃいいだろ。」

372 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 02:28
カーディはいつのまにか、ウトウトと、腕組みをしながら睡夢に陥っていた。
ティーレは相変わらず頭を伏せている。
無理もない、二人とも相当に疲れているのだろう。監獄を命からがら抜け出し、
地獄のような光景を見せられ、街外れの遠隔地に赴いてきたのだ。
俺も少し疲れたな。そう思っていると、トントントンと音がして、少年に連れられた3人の男女が、姿を現した。
頭の禿げた少し小太りの男と、長髪で長身の、白衣を着た目の細い男。
そして、細身で赤い淵の眼鏡をかけ、短いブルーの髪にブルーのベスト。
パッチリした瞳。
「ただいまよ新入りさんども、今怪我人を治療室に寝かせに行ってきたところだ。
ドクターの腕がいいから皆命に別状はねえよ。」
肥った男は落ちついた低い声で話し始め、ドカッと石椅子に腰を下ろす。
ドクターの言うのは隣にいる白衣の男だろう。
三人はテーブルに並んで座ると、肥った男が今度は声を甲高くして叫んだ。
「キール、貯蔵庫からワインを持って来い。それから羊の肉を焼いてくれ。
俺達疲れてんだからよ。」
少年は、はーい、面倒くさそうに言うと、男の言いつけとおりに、食堂奥の調理場に移動した。
女は俺の姿をみつけ、急に顔をしかめたかと思うと、しばらく、ただじっと黙りこんでいた。


373 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 03:18
男達が羊の肉を口に運ぶのに夢中になっていたかと思うと、
静かに女が口火を切った。
「アーベン、お願いがあるのだけど。目の前の男、殺してくれないかしら?」
女は椅子に座るなり、ずっと俺を睨んで、視線を離さなかった。
その眼差しはおそらく、怨恨に満ちていた。
「ええ!? リーダー何言ってるんですか!」
肥った男は肉を口から噴出して、きょろきょろ俺とフォルアのほうを見渡していた。
俺はテーブルに掛けていた槍を右手に持って女に目を合わせた。
「そいつは父の敵よ。」
フォルアはとっさに立ちあがり、歯をギッときしらせながら、腰からコルト式の小型拳銃を取り出し、放つ。
俺は瞬間的に石椅子を蹴り飛ばし、上方に跳躍した。
銃弾は俺の下方をかすめ、壁に衝突し、焦げ臭い匂いを発した。
俺はテーブルに降り立つと同時に槍を女の右手に放つ。それと同時にパリンと皿が割れる。
俺の槍はフォルアの右手を貫き、銃が宙を旋廻すると俺は左でそれを掴み取った。
女はドロドロと血を流し、激痛に体を蝕まれながらも、決して、俺への恨みに満ちた視線を反らそうとはしなかった。
俺はフォルアに10年前の少女の姿を重ねていた。間違いないだろう。
「あんた、あの時の・・・」

374 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 17:24
ふと、過去の記憶が俺の頭をよぎる。
およそ10年前、俺はまだ17か18ぐらいの若輩者だった。
15のころ、アレインのはずれの小さな田舎町を飛び出して王国兵に志願し、入隊が認められると、
俺はかなりのスピードで実力をつけ、2年ほど経ったころには王国直属の、槍兵部隊副隊長にまでなっていた。
これは異例中の異例で、当時の出世コースから言えば、俺は約十倍の速さで駆けぬけたことになる。
機械技術立国として、黎明期を迎えていたアレインは、爆発的な人口増加に悩まされていた。
豊かな暮らしを享受していたのは城下周辺のほんの一部の国民だけで、
周辺地のスラムや居住地区に住む技術も資本も持たぬ者たちの生活は、大方惨めなものだった。
重税と生活力不足から、度々暴動が起こり、国家政府としてもその対応に悩まされていた。

375 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 18:15
「国王が決めたそうだぜ。」
兵舎の休憩室でプカリと煙草を吸う男。
部隊ごとに、鉄筋の数十棟ずらりと並んだ兵舎の中でも、槍兵部隊の兵舎だけはボロボロの木造。
巨大な円状の木製テーブルで、俺は分厚い本を広げながら耳をほじっていた。
この四十をとうに過ぎた男は、あご髭長く伸ばし、軍服も滅多に洗わず、ざっくばらんで無愛想、忠誠心に欠け、
始終巻き煙草をふかしている、簡潔に言えば適当、という形容がぴったりくるような男であった。
「何をですか。隊長」
俺は男に目を合わせることなく、テーブルに肘をつきながら、二流推理小説のページをぱらりとめくった。
赤黒い肌の髭面の男は、煙草のカスを灰皿に押し付ける。
「税の未納者、スラムに住みついている居住権を持たぬ貧民、前科者、
こういった者達を殺すんだってよ。人口削減の目的でな。
ガイ、お前は国のお偉いさんにわりと好かれてるようだが、俺は厄介者扱いだからな。
汚れ仕事は、俺達槍突きの役目ってことよ。最近流行りの銃や魔法と違って俺達中途半端じゃんよ。
だからしょうがねえのよ。何しろ嫌われてるしよ。」
男は羊皮紙に痰を吐き出す。
軍人が人を殺すなど当たり前のことだ。俺も敵国リアースのグルどもの首に何度槍を通したかわからない。
しかし、こんな勝手でくだらない理由で狩り出されるのは不愉快だった。
「それやりたくねえっすよ。俺達は汚れ扱いで、国のお偉いは潔癖で利益だけ受けとって、
貧乏人は無駄死に。最近になって姫嬢がようやく俺になついてきたっていうのに嫌われちまうわ。」

376 :名無し物書き@推敲中?:03/11/22 18:22
ELO

377 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 20:02
男は、食べ終えたマコガレイの骨で歯をいじくりながら、
腰のポケットから巻き煙草の箱を取り出した。
その日のアレインは創立国記念日とやらで、日常を拘束されている多くの兵は、
故郷に帰省したり、遠方の町へ行ったりで、休日に軍隊収容施設に留まってる
のは暇を持て余したものだけだ。中央官舎の無人食堂は小奇麗で、閑散としていた。
俺達以外には、隅の小テーブルで麦麺をすする男が一人だけだった。
俺達がこの場に留まっている理由は、暇を持て余している以外にもう一つある。
「しょうがねえだろ命令なんだからよ。俺達は一時間後に謁見に行かなきゃいけねえ」
俺達の向かい合っていたスティール製テーブルの中央が円状に開き、食べ終わった
二人の食器を吸引した。
俺はフロートジュースをごくりと飲み干して、トンとテーブルに置く。
「今日はジェアーの奴が瞬間移動性ホバークラフトを造ったから乗せてもらう約束だったんですよ。
まあ、別に興味無かったらいいけど。おごってくれるって言ったんだから払ってくださいよ、フライン隊長」
男の手元の会計ディスプレイが、金を払えを催促していた。
フラインは青地の軍服のポケットから財布を取り出し、小銭をチャリンと入り口に押し込むと、
ふうと灰白い煙を吐きつける。

378 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 20:16
「ここのシステムもそいつが作ったんだっけな。すげえ才能だな。
最近城塞がオートシステム化されたっつうのもそいつの仕事なんだとな。
もう俺達の時代はもう終わりかも知れねえ。んで、話を戻すが」
隊長はテーブルの中央から現れた煙草の箱を破り捨てた。
「吸いすぎですよ。肺をやられて仕事に支障をきたしたらまずいっしょ」
俺のたしなめもそ知らぬ風という感じで、灰皿へとくずがこぼれ落ちるのに目をやっている。
「俺の肺はとっくの昔に悪いのよ。医者にも明日死ぬっていわれてらあ。俺の技はほとんどお前に教えちまったしなあ。
用なしのでくの棒ってところか。んで、国王の野郎は、取り巻き、ホランドとか言ったな、
あいつの言いなりで、俺達の仕事の段取りから実行の詳細まで全部決めちまいやがったのよ」

379 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 20:50
俺達は白くてただっぴろい石道の上をゆっくりと歩いていた。
俺の背丈の三倍はあるだろう、高くそびえる黒い城壁の上から、緑色の葉をつけたブナの木々がひっそりと、顔を出していた。
軍隊収容地から城塞までは距離はそれほどない。いつ敵軍が襲ってくるかもわからないのだ、
出足を送らせるわけにはいかないのだ。
隊長のいうところによれば、執事長のホランドという男は、
もともとは海洋地帯出身の、貧しい漁師の出だが、
とにかく饒舌で人に取り入るのがうまい性格であった。
役人として、国に採用される以前から、国王に愛敬の手紙を何通も書き、
この周辺にはない、虹真珠の宝石やら人魚のうろこやら、そういった贈り物を欠かさなかったので、
国王の側近にまで上り詰めていくまで時間はかからなかったらしい。
だが、その反面、自分に牙を向くもの、邪魔をするもの、気に入らないものには、
残酷の限りを尽くすという性格でもあった。

380 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 21:13
「確かに、やりたくねえってのは俺の大好きな言葉だが、しょうがねえだろ。
俺達は国家の犬なんだよ。人殺しも強盗も強姦も、やれといわれりゃやるしかねえんだ。」
俺は先ほどの隊長の言を思い出し、何度も咀嚼していた。
城門の通路の両側には裸女の石像が数十体並んでいる。俺の前を進んでいた隊長は女の視線を受け取るとぶっきらぼうに言い放つ。
「さ、着いたぜ。」
眼前を覆う巨大な鉄門の中心に隊長は手を当てる。指紋認証システムはデータを受けとると、
ギイイイインという重厚な機械音を発した。
国家の紋を浮かべていた黒く巨大な鉄門は、その身を両脇まで押しこみ、俺達の前に城庭が姿を現した。
見なれた等身大の国王の石像と、しぶきをあげる真っ赤な噴水。
水遊びをしていた金髪の少女は俺達の姿を見つけてひゅうと駆け寄ってきた。白いドレスの裾が赤く染まっている。

381 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/22 21:14
誰も読んでないよーーーーーーー

382 :名無し物書き@推敲中?:03/11/22 21:17
読んでるって。続けて続けて。

383 :名無し物書き@推敲中?:03/11/23 05:05
どっから読むのか教えて。

384 :名無し物書き@推敲中?:03/11/23 11:37
感想乞食は嫌いだ。

385 :名無し物書き@推敲中?:03/11/23 16:33
読んだ。
3レス目くらいでK.O
いいパンチもってるね。

「俺の名はガイ」って、いきなり読者に語り掛けられても困る。
擬音を多用する手法は廃れて長いので、やめといたほうが無難。
一言で描写を片付けすぎ。

いちいち突っ込むときりがない。
感想がほしかったら全部まとめて物書きサイトにでもUPしたほうがいい。
きっともっと詳しくたたいてくれる。

こことか
ttp://www2u.biglobe.ne.jp/~hfk/cgi-bin/tanren/antho.cgi

386 :miki ◆LLUxQinvso :03/11/23 17:39
レスくれた人ありがと〜。
ええと、最初のほうはですね、正直あまり真面目に書いてなかったんですねー。
だからしょうがないんです。途中から結構真剣に書いてるので我慢して読んで下さいませ。
物書きサイトに投稿するのなら別の作品ちゃんと書きますよ。。。
では続きがんばりますのでよろよろ

387 :名無し物書き@推敲中?:03/12/04 09:40
miki ◆LLUxQinvsoさん、書きかけた作品は完成させましょう。
お待ちしております。

家庭連載小説「Happy?」
http://life3.2ch.net/test/read.cgi/live/1069578365/


388 :miki ◆LLUxQinvso :03/12/08 16:40
家庭板も追い出されたし、これもとりあえずリライトしてどっかに投稿するか

389 :miki ◆LLUxQinvso :03/12/09 06:08
書きなおしてまたりに投稿します。
こちらは一時終了ってことでありがとうございましたー

390 :名無し物書き@推敲中?:03/12/11 14:39
足かけ一年と八ヶ月か……

小説を書くということは簡単にはいかないっていう生きた事例ですよね。

391 :名無し物書き@推敲中?:03/12/17 23:02
遺影ヽ( ・∀・)ノ騎士目亞

392 :名無し物書き@推敲中?:03/12/18 09:30
age

393 :miki ◆LLUxQinvso :04/02/08 18:18
アメリカを舞台にした短編を書いています

394 :miki ◆LLUxQinvso :04/02/24 23:15
ここはメモや雑文に使います

395 :miki ◆LLUxQinvso :04/02/25 02:00
誰も読んでないから好きに書きます

396 :miki ◆LLUxQinvso :04/02/25 09:11
 信仰を通して、自分が何らかの意味を与えられた確かな存在であることを実感したい。
それは誰しもが有している無意識の欲求なのかも知れない。
 信仰によって得られるカタルシスを、確かな聖の賜物であると実感するためには、
信仰者自らが疑念の曇りない明瞭な意識で対象と向き合わなければならない。
 しかしそのことは容易ではない。我々が持つ思考の悪癖がそれを妨げるのだ。
常に自意識を実存から切り離し、メタな視点から対象をみつめようとする。
これはデカルト以降近代人の獲得した思考の習慣といえるものだ。
 また、大きな問題として、統一的な信仰対象というべきものが、現代には存在していない。
我々は宗教を社会内部に取り込み、腐敗させた。科学知のイデオロギーもいまや失速している。 
 神が地に堕ち、人の無力が剥き出しとなった今、信仰はどこへ行くのだろう。
 この時代に残された信仰の余地、それは世界の外部ではなく、我々の有している意識の闇にあるのかも知れない。
それは狂気と言い換えてもよい。野性的で禍々しい、計り知れぬ無意識の深淵。
その部分と接触を保つには常に動的な所為が必要とされる。
芸術や知的労働を通してアンテナを張り巡らし、そこから一瞬の美を掬い上げねばならない。
つまり、狂気による信仰とは、信仰をスタティックな思考の問題とするのではなく、
ダイナミックな活動を通じて聖性を獲得するということだ。
 これは新しい信仰の形といえるのではないか。


397 :miki ◆LLUxQinvso :04/02/26 04:28
 音楽という創作に関して、古典的な芸術論や文学批評のレトリックを用いて言説を展開していくことは比較的容易い。
音の連なりを一定のパラダイムに基づく記号の連続体として捉え、意味の作用を分析していく。
 音楽批評はこのような形を取り続けてきた。だが、それには大きな問題がある。
作品に、一貫したコンテクストの秩序が要求されるということだ。だがその秩序の根拠は私たちの言語世界の内にある。
 だから、その秩序の規範にそぐわぬ作品は、理解不能な代物として切り捨てられるのである。
巷にありふれた音楽批評が、形式的な技術論や知識の羅列に終始していることも当然といえる。
 それが悪いというのではない。確かに音楽を大衆芸術の大きな枠組みを占めるものの一つだと考えることは意義がある。
だが、魂を揺さぶる音楽の本質というのは、人の理解の届かぬ領域にあるのではないか。
知性のメスでその領域を開いていくことが、音楽のオルタナティブな側面を明らかにする方法であり、大変に興味深い。
 そもそも音というのは、人間特有の言語的理解という筋道を通さずして、ダイレクトに脳に辿り着く情報である。
そういった情報の集合に対して、恍惚を覚え、恐れおののき、時には涙を流す。
 これは何とも奇妙で不可思議な現象ではある。ここに霊的なもの、つまり神であったり自然であったり、を見定めるようとすることもある意味では可能だ。
 だが合理的に考えれば、人の表出する感情のパターンというものが、
必ずしも存在する世界内での了解可能な出来事や因果関係に依拠するものではない、
ということをを示唆しているともいえる。
 芸術論の域を越えて音楽に接近していくということは、人間の未知の領域に踏み込んでいくということでもある。
その具体的な術は私の知るところではないが、おそらくそこは叡知と危地に挟まれた両義的な空間であるには違いない。

398 :miki ◆LLUxQinvso :04/02/26 05:20
論説はもういいや
SS書きたい。母と娘の話
アメリカのはちと保留

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