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【連作短編劇場】メフィスト学園5期目です!

1 :名無しのオプ:03/02/14 17:56
濃いキャラクタばかりが集るメフィスト学園。
ここはそんな彼らの日常(?)を描くスレである。

公式HPも開設し、運動会・文化祭を経てまだまだ盛り上がる学園生活。
今は雪山のスキー合宿解決目前! バレンタインネタもどんど来い
そこに文三とメフィストがある限り!
名無しのPTA役員たちがいる限り!
メフィスト学園は終わらない!!

前スレ・関連スレは>>2

詳しいキャラ紹介、過去の思い出については
公式HP(>>2)をご覧下さいませ。

2 :名無しのオプ:03/02/14 17:56
前スレ
メフィスト学園・開校です!
http://book.2ch.net/test/read.cgi/mystery/999959666(html化待ち)
http://mystery.adam.ne.jp/mephisto/999959666.html (Locked Room)
メフィスト学園・2年生です!
http://book.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1032164105(html化待ち)
http://mystery.adam.ne.jp/mephisto/1032164105.html (Locked Room)
【まだまだ】メフィスト学園3期目です!【2年生】
http://book.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1038403799/l50
http://mystery.adam.ne.jp/mephisto/1038403799.html (Locked Room)
【ますます】メフィスト学園4期目です!【絶好調】
http://book.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1042543989/l50

公式HP・私立メフィスト学園
http://finito-web.com/mephisto/index.html

Locked Room (支援サイト)
http://mystery.adam.ne.jp/

関連スレ
メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達6
http://book.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1038530075/l50

3 :名無しのオプ:03/02/14 17:59
ログが容量オーバーしたらしいので新スレたてました
ヨロスク

前スレに新スレへのリンクはれなかったのが痛いけど
みんな気づいてくれー

4 :前スレ794再掲載:03/02/14 18:03
高里「大事な話ってなあに?」
霧舎「あ、ああ…」
高里「…?」
霧舎「あの…やっと帰ってこれたね」
高里「うん。なんだかホッとしたね」
霧舎「そうそう。…それで…ええっと」
高里「……? 変なダーリン」
霧舎「…う……」

覚悟を決めたはずなのに、霧舎はいざ高里を前にするとなかなか言葉を切り出せな
かった。そんな霧舎の心は露知らず?高里は、山荘で関係が深まったのは誰と誰だ
とかいう分析を嬉しそうに話しだす。
石崎争奪戦では氷川が大きくリード。笠井先生X清涼院や殊能X蘇部←舞城に新た
に登場した清涼院。でも蘇部と殊能はバレンタインのチョコを交換していたし、や
っぱり絆は強いのかな。
そんな話に適当に相槌をうちながら、霧舎は話を切り出すタイミングを逃し続けて
いた。舞城の名前が出たときに胸がチクリと痛む。

5 :前スレ795(再):03/02/14 18:04
高里「あ、そうだそうだ」
高里が何か思い出したようにバッグから何かを取り出そうとした。会話がとまる。
霧舎「高里さん」
霧舎は意を決して呼びかけた。「ハニー」ではなく「高里さん」と。
高里「うん?」
顔をあげた高里は霧舎の真剣な表情に困惑したような笑みを浮かべた。
高里「…ど、どうしたの?」
霧舎「山荘でずっと考えていたんだ」
高里「………ダー」
霧舎「僕は本当に高里さんのことが好きなんだろうかって」
高里「!!」
霧舎「僕は高里さんのことが好きなんだと思っていた。でも、それは違ったんだ」
高里はゆっくりと視線を下に落とし両手をぎゅっと握りあわせた。
わずかな時間その場を静寂が支配する。
逃げ出したくなるような気持ちを必死に制御しながら、霧舎は決別の言葉を続けた。
霧舎「たぶん、本当は誰でもよかったんだ。ただ寂しさをまぎらわせてくれる人が欲しか
  っただけで。…やっとそのことに気がついた。…ゴメン。悪いのは僕だ。こんな身勝
  手な僕なんかが高里さんをこのまま拘束していいはずなんてない。高里さんには僕よ
  りももっとふさわしい相手がいる。僕たちは別れた方がいいと思う」

霧舎は空を見上げた。しばらく見ていなかった冬の青空だった。

6 :名無しのオプ:03/02/14 18:06
高里「霧舎君……」
長い沈黙のあと。いや、実際はそれほど長い時間ではなかったのかもしれない。
高里はダーリンではなく霧舎君と呼びかけた。
高里「わたしたちの恋人ごっこはもう終わり…なんだね」
霧舎「え……気づいて…たの?」
高里「うん…」

霧舎(そんな…僕のいいかげんな気持ちに気づいてて…それなのにつきあってくれてたのか)
高里(霧舎君が本当はわたしのことをそんなに好きじゃないってことは知ってたよ。だって…)
霧舎(こんなに優しい彼女を僕は傷つけていたんだ)
高里(だって霧舎君は…)
霧舎(僕はなんて馬鹿だったんだ)
高里(だって霧舎君は石崎君が好きなんだものね。ああっ、わたしとのかりそめの恋人をやめ
  て、霧舎君は本気で石崎君にアタックするつもりなんだわっ)

妄想が疾走しはじめた高里の瞳がきらきら輝きだす。
霧舎(目に光るものが…泣かせてしまった)
高里(あ、そういえばこれって一応別れ話なのよね。えっと…こういうときは)

ぱあんという音が響き渡った。

そして、走り去る高里。
頬を張られた姿勢のまま、霧舎は目を閉じ、遠ざかる高里の足音を聞いていた。

「さよなら、霧舎くん…」

7 :名無しのオプ:03/02/14 18:07
高里(別れ話で男の頬を張って走り出す女の子。これでいいのよね、これで。ふふふ。
  まるで少女マンガのヒロインみたい。)

校舎の角を曲がり霧舎から姿が見えなくなったところで、高里は走るのを止め歩き出す。
もしかして霧舎が追いかけてくるかもしれないとも思ったのだが、背後から追いかけてくる
気配はなかった。ふうと息をつく。

高里「あ……あれ?」

突然、目頭に熱いものがこみあげてくる。あ、と思ったそのときにはもう涙がこぼれ出し
ていた。

高里が夢中になって妄想話をしているとき、少し困ったような表情をしながらもずっと聞い
てくれていた霧舎。山荘でココアをいれてくれた霧舎。石崎と遊んでいる霧舎。一緒に殊能
と蘇部を盗み撮りしていたときの霧舎。最近の霧舎の姿があらわれては消えていく。

高里「お、おかしいな。なんでわたし泣いてるんだろう」

8 :名無しのオプ:03/02/14 18:08
高里は涙を振りきるように走り出した。
立ち止まっちゃいけない。
立ち止まったら、きっと、霧舎の元に戻りたくなる。
でも、霧舎はもう高里のダーリンではないのだ。
霧舎は石崎との愛に生きるのだ。そこに自分がいてはただのお邪魔虫。
今まで一緒にいてくれた霧舎と別れるのは寂しいけれど、我慢しなくちゃ。

だから…泣くな! ファイトだよ高里椎奈! 大丈夫、笑って

笑って…

……

笑えないよお…

9 :名無しのオプ:03/02/14 18:09
石崎「うおーい霧舎ー」
乾「うわ、霧舎、ほっぺが赤くなってるぞ。どうしたんだよ」
石崎「わはは、見事に手形になってるじゃないか。高里にセクハラでもしてビンタされたか?」
乾「セクハラって、石崎じゃあるまいし」
石崎「失敬な。俺は紳士だからセクハラなんてするもんか」
乾「お前は女子高生の胸のサイズを聞くようなセクハラ親父だろ」
石崎「じゃあパンチラだな。国定忠治も言ってるだろ?『名探偵にかかればすべての謎は赤城の山も今宵かぎり』と」
乾「言ってない。断じて言ってない」
霧舎「…高里さんと別れたよ」
乾「え!?」
石崎「うそ!」
霧舎は泣き笑いの表情をしていた。乾は言葉につまったように戸惑いの表情を浮かべる。
石崎も一瞬真剣な顔をしたが、すぐにニンマリと笑って霧舎の肩に腕をまわした。
石崎「さあて、飲むか。今日は朝までヤケ酒につきあうぞ。なあ、乾」
乾「…まったく、しょうがないなあ」
乾も苦笑したように霧舎と肩を組む。
石崎「ふふん、じゃあ今日はぱーっと行こうか。なんならセーラー服パブでもいいぞ。
  霧舎巧、失恋してもパンチラ魂は忘れず、だな」
乾「おいおい」
霧舎は賑やかな2人にはさまれ歩く。石崎のボケと乾のつっこみを聞いていると、落ち込んで
いた気持ちが少し楽になるような気がした。
霧舎「……さんきゅ」
霧舎は2人には聞こえないように小声でそっとつぶやいた。

10 :名無しのオプ:03/02/14 18:13
舞城はベンチに座ってぼーっとしていた。蘇部から奪ったチョコレートはすでに食べた。

うまかった。俺もあの2人にチョコレートをやろうかそんなの俺のキャラじゃなえわな
いやその前になんで蘇部にまでやんなきゃいけないんだああ殊能にならやってもええと
かそういうことじゃなくてだな

誰かの走る足音が聞こえた。誰だろうと目をやった舞城の前にあらわれたのは高里だっ
た。舞城を見てびっくりしたように高里は足をとめる。慌てたように高里が涙をぬぐう
のを舞城は見逃さなかった。

舞城「おやあ、どうして泣いてるんですか、そこのお嬢さん」

舞城はニヤリと意地の悪い笑みを浮かべ、両手を横に広げた。

11 :名無しのオプ:03/02/14 18:15
舞城「ふっふっふ、お嬢さん、実にナイスタイミングなことに、俺の胸は空席なのです。
  女の子なら誰でもウェルカム飛び込み自由。うひひ、泣いてる女の子ならさらに大
  歓迎。なぐさめてあげるからどんといらっしゃい。涙がとまったらこの舞城ツーリ
  ストがお嬢さんを天国へご案内いたします。アフターケアもばっちり。ヒイヒイ言
  わせてあ・げ・る」

冗談のつもりだった。高里をからかってやるつもりだったのだ。
ところが、立ち上がった舞城の胸の中に高里は飛び込んできた。
そして舞城の胸に顔を埋めて肩を震わせはじめる高里。

舞城「なんや……お前なあ。冗談やったのにほんまに飛び込んでくる奴がおるか、ボケ。
  801の女王様がそんな無防備な姿さらすなや。そんなよわっちい乙女なお前じゃ
  あ、俺の自慢の毒牙も萎え萎えじゃ、…あほ」

言葉とは裏腹に舞城は高里の頭に手をやりそっとなでてやっていた。

12 :名無しのオプ:03/02/14 18:49
新スレ乙

っていうか霧舎…(涙)
ガンバレ…俺は応援してるぞ!!

13 :名無しのオプ:03/02/14 19:15
乙一。

微妙なトリオが揃うの久しぶりだよな。
霧舎頑張れ。高里も頑張れ。

14 :名無しのオプ:03/02/14 20:10
バレンタイン、賑わってますね。素晴らしい。ついでに乙一。

さて、解決編、とりあえずのラストまで書き終わったんですが……笠井先生の動機、否定されちゃいましたか。
もちろん書いたもん勝ちがこの手のリレーの鉄則なんで、
これは上手いことやられたってとこですね。今後の展開に期待大です。
しかし、となると流石にこれは使えないんで、没にします。
ていうか想定してたシナリオそのものが、思いっ切り笠井先生の動機を軸にした展開だったんで。
なんとか調整できればいいけど、ちょっと上手い展開を思いつきそうにないんで、
とりあえずは法月サイドの展開待ちということで。
もちろん俺が書くという人がいれば是非ひとつ。
しかし、長々と続けてしまったあげくこの体たらく、本当に申し訳ない。







……ちょっとだけ毒を吐いてみるテスト。

>>前スレ782
>>前スレ785

じ ゃ あ お 前 が 書 け よ 。

15 :名無しのオプ:03/02/14 20:30
竹「あ、いいんちょ見つけたっ。はい、これ」
森「おや竹さん。これは…もしかしてチョコレートですか。森に?」
竹「そーだよ。もういーちゃんにはあげたんだ。だから、これから皆に配るんだよ」
森「全員にあるのですか?凄いですね(笑)」
竹「ねえねえ、ちょっと開けて見て」
森「ここでですか?(ガサガサ)…何と。チョコの上に白く似顔絵が。
  もしや手作りなのですか?」
竹「うんっ。頑張ったんだー。皆の分、全部違うんだよ」
森「いや、驚きました。ありがとうございます、大変嬉しいです」
竹「えへへー」
森「でも大変だったでしょう。こんなに見事に似顔絵を…。
  確かホワイトチョコレートの方が普通のチョコレートより溶けやすいのでしょう?」
竹「そうなんだよ。最初チョコで描こうとしたら溶けちゃって大変でさ」
森「はあ……え?最初とは?」
竹「何度やってもうまくいかなくて、だからホワイトで描いたんだよ」
森「ホワイトとは、ホワイトチョコではなく?」
竹「うん、『ホワイト』だよ」
森「…………」
竹「じゃあ、僕様ちゃんは他の人にチョコを配らないといけないから。ばいばーい」

森「…ふむ。下の方は食べられるでしょうね。折角の彼女の手作りですし、有り難く頂きますか。
  しかし、誰か一人は気づかずにそのまま食べるかもしれませんねえ(笑)」

16 :名無しのオプ:03/02/14 21:58
>>14
向こうはあまり先考えてないような気がします
殊能解決編はそちらさんで続けて(終わらせて)ください
せっかく書いたのですから多少矛盾があっても行きましょう!GO!
殊能編の展開をふまえた上で誰かが法月編との整合性をつけるオチを考えるなり
あるいは法月編をなかったことにするなりしましょう
あれに納得がいかない読者さんも多そうですし、パラレルってことにしてもいいのでは?

17 :名無しのオプ:03/02/14 22:03
>14
>とりあえずは法月サイドの展開待ちということで。

なんかあれで終わっているような感じもしたんだけど。
積木とかがなんとかする展開になるってこと?

解決編(中)で終わってるのは納まりが悪いよ〜な。
>14さん素知らぬ振りして(下)を書き込んでよ。
スレも変わったことだし(w

18 :名無しのオプ:03/02/14 22:08
>16さんと被ったね。
でもだいたい同意見だよね。

否定されたといっても設定上「タイムラグ」が
発生しているんじゃなかった?
なんとか整合性のとれる話(というか のりりん編をもう一度ひっくり返す展開)
を挿入するは可能だと思いますので。

19 :名無しのオプ:03/02/14 22:25
>15
大丈夫、絵の具の白には有害な成分は入ってないはず。
食 べ ら れ ま す

20 :名無しのオプ:03/02/14 22:29
とある茂みの中で古処と津村は双眼鏡で何かを監視していた。
迷彩服はもちろんのこと、顔にまで迷彩ペイントがほどこされており、地面にふせた
状態の2人は外からはまったく見えない。
観察対象に気配を悟られぬように息を殺し細心の注意をはらっている。

古処「うむ、乙女の涙を優しく抱きとめるのも紳士のつとめである。さすがだ。舞城。
  津村、貴官も淑女にたいしてはかくあるべし」
津村「イエス サー」

2人は>>11の舞城と高里を観察していたのだった。

古処「よし。では次なる標的に向かうぞ」
津村「了解(ラジャー)」

2人はほふく全身をしながら茂みの奥に姿を消した…

21 :名無しのオプ:03/02/14 22:51
霧舎がなんだかキルケゴールみたいだ……イイ!


22 :名無しのオプ:03/02/14 23:21
>21
これで霧舎人気が高まれば霧舎スレのタイトルから
「氏ね」が消えるのも夢ではない……かもしれない……ような気がする。

23 :14:03/02/14 23:25
>>16-18
うーん、法月編の作者さんには、この時点で敢えて事件全体の構図を
逆転させるような展開を持ってくるってことは、恐らく何らかの意図があると思うんですよね。
物語に階層構造を確立するってだけなら、わざわざ今進行している物語を逆転させる必然性がないですし。
ちょっとその辺の意図が読みきれないんで、とりあえずあちらの展開待ちということです。

まあ、バレンタイン編からの展開も盛り上がっているようですし、特に急ぐこともないかとw

24 :名無しのオプ:03/02/14 23:35
俺にはあの法月編にでてくる「小文字の」積木だとか
「小文字の」笠井とかいってる意味がわからんのだけど。
誰か教えてくださーい。元ネタはなに?



25 :名無しのオプ:03/02/14 23:51
竹「あー!こどちゃん見っけ。たっくんも一緒なんだよ。わー、そのカッコ、イカスね!」
古処「誰かと思えば竹嬢ではないか。一人とは珍しい。ん?その袋は?」
竹「うん、チョコレート。皆に配ってるんだよ。はい、こどちゃんの分!こっちはたっくんの分」
古処「おお、美女からチョコレートが貰えるとは、紳士冥利に尽きるのである。有り難く頂戴しよう」
津村「え、僕にもあるの?ありがとう、嬉しいな。開けて見てもいいかな…」
竹「見て見て。僕様ちゃんの自信作だよ。ところで、他の人見なかったかな?いいんちょにはもう渡したんだけどさ」
古処「うむ。さっき舞城と高里を見たな。見たと言っても双眼鏡であるが。場所はここだ」
竹「あ、学園の地形地図だ。凄い凄い!これ、こどちゃんが作ったの?こどちゃん、かっくいーものいっぱい持ってるよねー。
  ……うん、覚えた!じゃ、そこへ行こっと。ついでに他の誰かに会わないかなー」

津村「…あの、チョコは嬉しいんだけど、竹ちゃん、ここ『TSUNURA』になってるよ…」

26 :名無しのオプ:03/02/14 23:58
完璧に保護色に身を包んだはずの古処隊を
苦もなく発見するとは−−−竹ちゃん恐るべし!

27 :名無しのオプ:03/02/15 00:22
俺にはあの法月編の意味がわからんのだけど。
誰か教えてくださーい。元ネタはなに?

28 :名無しのオプ:03/02/15 00:44
>27
 茶化すな。

29 :名無しのオプ:03/02/15 00:47
頼む!!
>>14さん!!!!!

続きを書いてくれ!つーか書け!!!!
法月編あぼーんはこのスレの全体の意思だ。
っていうか全体の意思じゃなくてもいいからとりあえず書け。
書いてしまえ。書けよ。書け。
今しかないぞ。これ以上間が開くとダレダレになること間違いなし。
どっちにしろ早く。悩むのは後でいい。
早く!急げ!
今なら法月編を無かったことに出来る!!

30 :名無しのオプ:03/02/15 00:56
>29の言うこともわかるような気はするな。

「特に急ぐこともないかとw」なんて言われた日には……
 第2の解決編スタートは2月1日だからな。
 



31 :名無しのオプ:03/02/15 00:59
まあ簡単にいうと「京極をどうするつもりなんだ?」
と気になってる輩が何人いると思ってんだ!って感じか?

32 :名無しのオプ:03/02/15 01:04
急かしてはなりませぬ……
最終的な判断は職人さんに任せるべきではなかろうか。
一つの意見として言うのはありだと思うが、とりあえず落ち着いてな。

33 :名無しのオプ:03/02/15 01:40
日明「あら?竹さん、その大きな袋…もしかしてあなたもチョコレートを配ってるの?(キラリ)」
竹「メグちゃん発見なんだよ。あ、みっくんにりょーちゃんもいるー」
浅暮「何だ君一人か、珍しいな。西尾はどうした?」
秋月「…りょーちゃん。りょーちゃんか…うふふ」

日明「ねえ竹さん、あなたは特別研修生なんだから、先生方にチョコレートを配っても特に何も…」
竹「はいっ、メグちゃん!で、こっちはみっくんで、こっちがりょーちゃんのチョコ!」
日明「…え?私にもあるの?何で?」
竹「何でって、皆の分を作ったからだよ。メグちゃんにもあげるし、しーちゃんにもあげるよ?」
浅暮「ほう。どっかの誰かとは根本が違うな。純粋だ」
日明「何よ。あなたこそ、お酒の入ってないチョコレートはいらないんじゃなかったの?」
秋月「良かった…僕のことを忘れていない人がいて…ああ、ちゃんと『りょーちゃん』って入ってる…」
舞城「あー、これはいかんわ」

34 :名無しのオプ:03/02/15 01:42
秋月「ああ!何するんだ舞城くん!それは僕のチョコ…」
竹「あっ、おーちゃん登場だね。それからしーちゃんも、ちゃおー……あれ?どうしたのしーちゃん。元気なくない?」
高里「ん?何でもないよ?それより、竹ちゃん何してるの?」
竹「ふーん?ま、いっか。うん、チョコを配ってるんだよ。はい、これ。しーちゃんはたくちゃんにチョコあげたの?」
高里「え?あー…えーと…あの、ね…」
日明「……?」
舞城「おう何や、俺のはないんか?」
竹「あ、勿論あるよ。はい。おーちゃんのチョコには熊を描いたんだよ」
舞城「サンキューヴェリーマッチ!…で、これはええとして、その呼び方いかんわ」
竹「うに?おーちゃん、おーちゃんって呼ばれるの嫌?」
舞城「違う違う。俺やなくて」
竹「じゃあ、メグちゃん?みっくん?りょーちゃん?しーちゃん?」
舞城「それ。秋月。その呼び方やめえや…ったく、ご丁寧にチョコレートにまで…」
秋月「は!?何で僕なんだよ…っていうか、チョコ返して…あ、割った…!!!」
竹「えー?何でー?『りょーちゃん』駄目?」
舞城「何でも。どうしても。他にも呼び方あるやろ。安直じゃ安直」
浅暮「それを言ったら殆ど全員安直…いや、何でもないよ舞城」

竹「…うーん、おーちゃんがそこまで言うなら、りょーちゃんって呼ぶのはやめようかな」
舞城「そうそう。やめや。秋月が『涼ちゃん』なんて似合わん」

秋月「ちょっと、何で……え、じゃあ代わりに何て呼んでくれるの?」
竹「うにー、それは保留するんだよ。僕様ちゃん、チョコ渡す人がまだ残ってるからもう行くねー」
秋月「そんなー……」

35 :名無しのオプ:03/02/15 02:33
>>14
うわ〜それを読みたい!!
文化祭でもあぼーんした展開もあったし
小ネタも始まったしみんなの熱が冷めないうちに終了した方がw
勝手な意見でスマソ

36 :名無しのオプ:03/02/15 03:08
リアルで悩むのはリンタローだけで良いよ

37 :名無しのオプ:03/02/15 08:52
ていうか、法月編の作者はどこいったのよ?

釈明とは言わないまでも、説明くらいあってもいいんでね?

38 :名無しのオプ:03/02/15 09:42
「どーしたの? 似合わず、いじけずに悩んでいるけど」
「あ、竹ちゃん。はお」
「はお」
「いやね、僕だってたまにはうじうじ悩まない日だってあるんだよ」
「なんだっていいけどね。あ、そうだ。僕様ちゃん、いまチョコを配っているんだ。あげるよ」
「ありがとう……えーと、なにこれ」
「佐藤ゆえに砂糖なしチョコ。あだ名がとーちゃんだったら、星一徹風ちゃぶ台チョコだったんだけどね」
「さいでっか」
「でも、なんで悩んでいたの?」
「ん? いやね。愚痴をいうのは、聞き手がいるからできるんだなーっていうことを再認識したからさ」
「ふーん。それはなに系の話?」
「メタ系。やろうと思えば、僕にだってできるんだよ。テロルに成功した男の子だからね」
「うにー。自分の愚痴を聞かせるのは好きなのに、人のは聞きたくないんだ」
「そりゃーそうだよ。愚痴っていうのは、一種の強制だからね」
「ちょっと聞いてくれよ1さん」
「まー僕みたいに、力なき人間が愚痴っても力はない。蔑まれるだけさ。これが売りだからいいんだけね」
「ロウテンションなハイジャンパーみたいな口ぶりだ」
「それって結局ダメダメってことじゃん。さておき、森委員長が日記で愚痴を書いたらどうなる?」
「信者は共感して、間違ってないっ!と賛同して、対象に対して攻撃かな。これは戯言戯言」
「なきにしもあらず。まー実際は起こらないだろうけど」
「右向け右、ピッピ。集団心理はなにが起こるかわからない。あー怖い怖い」
「ま、なにをいいたいのかっていうと、ここで左を向いている人間がいるのを忘れないでねってこと」
「うにー」

 そのあと、手を振って竹ちゃんは去っていった。笑顔で。
 僕も手を振りながら”君”にささげる言葉を思いつく。

 ――甘えるな。

「相変わらず、パクリ作家ぷりを発揮しているね」
「うるさい黙れ積木」

39 :名無しのオプ:03/02/15 10:14
竹「あー、やっと見つけたんだよ。どこ行ってたの。…うに、お酒くさい…」
石崎「いやあ、男三人で飲み明かしの語り明かしだ。美しきことは仲良き哉だなー」
乾「逆だろ、この酔っぱらい…大体、飲みに行こうって言いだしたのはお前のくせに、何で財布持ってねーんだよ!」
霧舎「あはは、結局殆ど僕の奢りみたいなもんだよね。乾もあんまり持ってなかったじゃないか。……う」
竹「たくちゃん、何で笑いながら泣いてるの?それにホッペが腫れてるよー?」
石崎「あー、霧舎なー、あれだよ、ちょっとブレイクスルーでさ、だから徹夜で飲んだんだけどなー」
乾「わけわかんねえよ、閃いてどうするんだよ!ああもう、石崎お前ちょっと黙れ」

竹「うにー、何かわかんないけど大変だね。はいこれ、チョコ。もうー本当は14日に渡したかったのにー」
石崎「おお!マジでか!いやーサンキュー。ほらな、霧舎。生きてたら良いことあるんだぞー。
   お前の未来は無限に広がっているのだー!さあこのチョコを食って元気を出せ!」
霧舎「食べるのはまた後にするよ…う、今は帰って寝たいんだ…気持ち悪い…」
乾「はいはい、部屋まで連れてってやるよ。じゃあ竹ちゃん、チョコありがとね。…おい、石崎!道ばたで横になるな!」
石崎「踏まれるなら女子高生がー…」
乾「あああああ!何で俺だけ気持ちよく酔えてねえんだよ!こら立て石崎!霧舎、こんなところで吐くなよ!」

竹「本当に微妙チームは仲良しさんなんだよ」

40 :名無しのオプ:03/02/15 15:02
法月編
笠井も小文字なんだから
「ちょっとしたテストのつもりの大量殺人計画」にみせかけてやっぱり笠井は殺人の計画を立てていた
でもいいし
「ちょっとしたテスト=大量殺人計画」という笠井の意図とは別に誰かの差し金でやっぱり殺人計画が進められていた、
ってことで殊能編もいけるんじゃないの。

つーことで殊能編の職人さん続ききぼん。

41 :法月編作者:03/02/15 15:42
あぁ…しばらく見れなかった間に…失礼しました。
逝く前に説明します。

既に指摘がある通り、
笠井の企みがどこまでかっていう記述はないし、
「ちょっとしたテスト」てのは、積木たちの話を聞いただけののりりんの発言です。
笠井自身が「小文字」であると明言しているし、笠井の企みも、
あくまでこたつ組に対する笠井の言い分でしかない。
笠井の発言=笠井の真意である必要はないんです。
だから、笠井の思惑が、法月いうところの「ちょっとしたテスト」だけなのか、
「ちょっとしたテスト」のふりをしたテロルなのか、確定していない。

殊能側のストーリーでは、
最後に出てきた人物もいれば探偵役の殊能の推理も最後までいってないし、
まだ笠井の(真の)動機に対する説明もなされていないので、
そこで笠井が予想していなかった事態が指摘されれば、それ自体が「ちょっとしたテスト」を超えたものになるし、
笠井自身が、学園での発言をひっくり返して、真意=14さんの動機てことにもできる…つもりだったのですが…。
それでも無理ですか?>14さん

というわけで、14さんのストーリーをとめる意志はまったくありません。
展開次第では最後にメタなひっくり返しの可能性と、小さな謎が一つ残るのですが、そっちにも影響はないはず。
山荘が本格で収束するなら、メタで通信しているところに理屈を足して、全体の本格としての整合性を取っておきたい
ということでのりりんを登場させました。
これで終わるくらいなら、あぼーんしていただいたほうがよっぽどいいです。

では逝きます。お騒がせして申し訳ありませんでした。



42 :名無しのオプ:03/02/15 16:07
>>41
「余地がある」とか「確定していない」とか、逃げ道の存在を前提に自己正当化しようとするなよ。
明らかに今までのストーリーを頭ごなしに否定してるだろうが。しかも悪意混じりに。

整合性をとるためって言うなら、なんで今更解決編の職人さんにそこまでの負担をかける必要があったんだ?

43 :名無しのオプ:03/02/15 16:41
「殊能の推理は最後までいってないし」とかいっても
14さんは「第二の解決編は次でおしまい」と明言してるんだから
端から見てたらどう考えても法月編は
「解決編が終わる前に物語を逆転させる」意思を持って
書かれたものとしか思えん。

それはいいとしても、14さんは法月編の展開待ちという態度を
表明されてるんだから続きを書けば?


44 :名無しのオプ:03/02/15 16:45
おいおい恐いよ。もそっとまたーり逝こうや
正直自分も無茶やるなぁ、とは思ったが「悪意まじり」とは感じなかったなあ。


作者本人がああ言ってるんだしこのまま続けるのが無理なら
のりりん篇あぼーんで書いていただくわけにはいかないでしょか…
期待度アップの京極登場で放置プレイは辛いっすよ(;゚∀゚)ハァハァ


45 :名無しのオプ:03/02/15 16:55
そうそう。法月編作者氏は言い訳なんかしなくていいから、続きを書けよ。
まさかあれで終わり、あとは待つだけってことはないだろ?

46 :名無しのオプ:03/02/15 17:03
>40のいう
「法月編
 笠井も小文字なんだから云々」が何の説明になってんの?
>41さんでもいいから答えてよ。

小 文 字 ってなんなんだ!


47 :46:03/02/15 17:07
ミステリオタじゃないからわからないんだって>小文字

大文字の作者はどこにいることになるんだこの場合?
わけわかんねぇ〜よ!


48 :法月編作者:03/02/15 18:28
積木は、考えていた。笠井先生の言葉を繰り返し思い出す。
ふと、人の気配を感じる。誰かが呼びかけているのか? いや、自分宛ではない。
立ち上がり、曖昧な言い訳をして外へ出る。

法月がうつむいたまま、考え込んでいるのが見えた。
積木「法月先生!まだいたんですか」
法月「ちょっと気になることがあってね」
積木「笠井先生のことですか」
法月「…気づいたのか」
積木「伊達に年はとってませんし、さっきの解説でわかったこともありますからね。
  ぼくが法月先生に説明したのは、>>681までのストーリーでした。
  その後>>722まで進んで、これは変だと…。
  間違っていたら言ってください。法月先生はあくまで限られた情報しか得ていない。
  そういえば山荘の事件の全貌はわからないとおっしゃってましたね。
  限られた情報での推理をぼくたちは聞きました。笠井先生も、それを認めた。
  でも、笠井先生は、自分で小文字の笠井とおっしゃった。笠井先生の言葉は、
  笠井先生の言葉でしかない。しかも、笠井先生は犯人役なんです。
  実はテロルを行おうとしているというほうが真実かもしれない。法月先生もそれに
  気づいていたんじゃないですか」
法月「そう。ぼくの推理は、与えられた情報から推測できる別のひとつの答えに過ぎない。
  そこまでわかっているなら、言おうか。ぼくもそれを心配していた。笠井先生を呼ぶ前に
  太田くんの近くに行ったのも、その懸念があったからだよ。ボンバイエがはじまったら
  取り押さえるつもりだった。積木、なら語呂合わせですむけれど、笠井ボンバイエに
  意味はない。ボンバイエ本来の意味が浮かび上がるからね。笠井、殺せ!と口走りながら
  笠井先生が登場したんでは、何がおこるかわからない。ターゲットは清涼院くんの可能性が
  高いし…。
   今も、笠井先生を呼び出していたんだ。積木くんほど才能はないけれど、
  ぼくもすこしくらいならできる。笠井先生も、よりしろは不要だろうし」
積木「で、なにか…」
法月「いや、返事がない。なにか隠しているようだったし、学園でのテロルじゃないかもしれない。
  杞憂だといいんだけど…」

49 :法月編作者:03/02/15 18:51
これで続けられませんか>14
無理ならまるごとあぼんしてください

物語をひっくり返す意図はなく、むしろ殊能編への影響を最小限に抑えて、
学園側でできることを、と考えた話、
学園側で(真実は別にして)限られた情報を元に可能な解決のひとつ
のつもりでしたので、今のところこれ以上話をすすめることは
考えていませんし、ぼくには不可能です。

途中までの殊能による笠井の動機の推理に納得できなかったのは事実ですが、
それに悪意をもって応えたつもりはありません。

たびたび失礼しました。




50 :法月編作者:03/02/15 18:56
あ、もうひとつ。
小文字の…というのは、簡単に言えば「登場人物」
大文字の…だと、「作者」です。


51 :名無しのオプ:03/02/15 19:01
俺はそんなに気にせんでいいと思うよ。

法月編の影響で話を書けなくなった>>14さんのような人には
謝るべきなんだろうけど、
俺を含めた読者が、「他の職人さんに迷惑かけるな」
とまで言うのは行きすぎだと思う。
俺はこのスレがより良スレになって欲しいと思ってるわけで
必要以上に職人さんをおいつめったって、何の意味も無い。

みんなこのスレがあまりに良スレすぎて、勘違いしてるんだと思うけど
ここまで何のトラブルもなくこれた方が、奇跡的なわけで
今回のような問題は、初期の段階で起こってもおかしくなかった。
推理のような微妙なストーリーでは、このような問題が起こりうるという認識が改めてなされたわけで、
まあマターリ行きましょうよ。

52 :名無しのオプ:03/02/15 19:43
職人を必要以上に叩けばその人はもう書き込まなくなるかもしれないし、
雰囲気が荒んだら他の職人だって書き込みづらいよ。

最近、ネタなんかの感想よりも、スレの流れに対する意見の方が多くないか?
やるやらないで議論してたバレンタインネタも、見た感じ楽しんでる奴があんまり居ないように見えた。

53 :名無しのオプ:03/02/15 19:53
ごめん、正直俺、白痴っぽい竹のキャラはあんまり好きでないんだわ。
公式の見る限り落ちついた感じの人ってイメージがあったし。

54 :14:03/02/15 20:05
皆さんの危惧を軽やかに無視して、ぶっちゃけトーク全開でお送りします。
正直言って、いささか腹に据えかねましたので。

>>49
すいません。無理です。辻褄うんぬんより、モチベーションの問題で。
理由は以下を読んどいてください。ていうか、48の意図が良くわかりませんでした。

ぶっちゃけた話、49にも説得力の欠片も感じません。というか、正直言って、更にやる気が失せました。
強引なメタ手法を用いてまでして現場から笠井を召喚し,法月の「推理」を確定させといて、
「殊能編への影響を最小限に」ですか。なるほど。まあ最大/最小の定義は人それぞれですからね。
悪意の有無についてはこちらの関知するところではありません。49さんご本人だけが知っていることです。
あぼんするかどうかも、こちらの関知するところではありません。ご自由にどうぞ。
ただ、やるならきちんと物語の枠内に収める形でされたほうがよろしいかと。
まあこれは、私が言うべきことではありませんが。

以下、48以降を読む前に書いたものです。いろいろズレがありますが、特に考えは変わってないんで。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

えっと、41の内容を要約すると、こういうことですよね。

「法月編は今までの流れを全否定してるけど、ちゃんと解釈の余地は用意してあるから、
 文句があるなら頑張ってそれに合わせろ、と」

なら私が言うべきことはこれだけですね。

「それなら自分で書いてください。全部お任せしますから」

41さんは、物語がここまで進んだ時点で敢えて、笠井本人を引っ張り出してまでして強引に、
今まで進行してきた物語の意味をほぼ全否定されてますよね。しかも、物語のメタ的構造における上位階層から。
この場合、解釈の余地がある云々は、また別の問題です。これは意図の問題です。
もちろんそれ自体は自由です。何を書き込もうが自由なのが原則ですからね。

55 :14:03/02/15 20:06
でも、ここにきて全てをひっくり返すようなことを書くってことは、
今までの話を否定するに足る、自分なりの事件の全体像を用意されているってことですよね。
殊能が最終的に出す結論は、単なる机上の空論でしかない無意味なものらしいですし。
そもそも、“物語の構造を整えたに過ぎない”だけなら、わざわざ今までの話を否定するほうが大変なわけで、
どうやら法月編の作者さんは、よほど自分の構想に自信を持っておられるとお見受けします。
となると私としては、じゃあご自分でそれを実現させてくださいとしか、言いようがないですね。
41さんがどんな構想を持とうが自由であるのと同様に、それに乗るかどうかは、私の自由です。

「否定することは可能。解釈の余地はあるはず。だからOK」ですか。何か勘違いしてませんか?

何を書き込もうが自由であるってことは、何を書き込まないのも自由ってことですよ?
正直、中盤までならいざ知らず、この大詰めの段階で犯人本人に事件そのものを否定されておいて、
今更解釈だの何だのして、それに合わせて書き直す気力が起きません。
浦賀の言い草じゃないですが、そこまでして奉仕しなきゃならない理由がありませんから。
ぶっちゃけた話、あんな稚拙で乱暴なやりかたで無意味化されることが、しかも事前に予告されているというのに、
わざわざ馬鹿正直に書き込もうなんて気はないってことです。それくらいなら捨てます。
辻褄が合う合わないの問題じゃなく、そもそもあんな話に辻褄を合わせる気になれないってことですね。

というわけで、ご自分の構想はご自分の力で形にして見せてくださいね。
こちらはお手並拝見とさせて頂きます。笠井先生の真の意図、今から楽しみです。

そして最後に一言。



「 甘 え る な 」

56 :名無しのオプ:03/02/15 20:40
>>52
バレンタイン話反響少なかったねぇ
雰囲気荒んでるし、反響少ないしで職人方の意気も上がらないかもしれないけど
わたしは楽しみましたし高里の今後も気になるので職人様、ヨロスク。




57 :名無しのオプ:03/02/15 20:57
蘇部「…能くん、殊能くんどうしたのさぁ」
石崎「殊能!どうしたんだよ、さっきからぼぉ〜として。」

どうやら僕の意識は明らかにどこかを彷徨っていたらしい。
そんな感覚にとらわれながら、ついさっきまで自分のいた世界について
思いを巡らす。
「ははは・・・そうだったのか」
つい、大きな声で口に出した僕を心配そうな顔で覗き込んでいる
蘇部君の顔を視界にとらえる。

「殊能くん、ようやくこっちの世界の戻ってこれたようだね。」
「きょ、京極先生……どうして?いや、だ・か・ら・こそ、僕は目覚めることができたってわけですか。」
「殊能くん、君のやろうとしていたことはおそらく正しい。だが、もう残された時間はそう多くはない。
 このままにしておくわけにはいかないからね。」
「先生……」
「君はよくやったよ。いや事情が許せば、本当の意味で『解決』できたはずなんだ。
 しかし、もはや状況がそれを許さないようだ。」

石黒「先生!地鳴りの感覚が短くなっています。そろそろ支度をしないと……」
京極「わかってる。蘇部くん、殊能くんを頼むよ。」
蘇部「わかりました。殊能君、行こう。もう他のみんなは出発したよ。」

殊能「出発?どこへ?」
自分自身に問いかけるように呟く殊能。しかし答えは既にわかっていた。
殊能自身は「既に」見てきたことなんだから・・・

−−−そして 一瞬訪れた静寂が……

58 :名無しのオプ:03/02/15 21:15
>57
期待してるぜっ。

59 :名無しのオプ:03/02/15 21:25
なんか香ばしいスレだな。

60 :法月編作者:03/02/15 21:31
>進行してきた物語の意味をほぼ全否定
>強引なメタ手法を用いてまでして現場から笠井を召喚し, 法月の「推理」を確定
どちらも、させていないんです。
14さんの結末をそのまま書いていただければ、それが笠井の動機にそのまま
なる…はずなんです。
最後にもう一度それだけ言わせてください。

軽率であったことを深く深く反省し、
14さんとスレ読者のみなさんにお詫びいたします。

14さんへ。
14さんのモチベーションを下げたのはひとえに法月編作者の軽率さゆえ、です。
続きをお願いします。
待っているみなさんのために。

では。



61 :名無しのオプ:03/02/15 21:46
>>56
私もバレンタイン話、面白かったです。
あんまし書き込まない方なんでねー。

14氏の続きも出来れば読みたいほうなのですがねー。
いろんな人が書いてる中で整合性なんてなかなか求められるもんじゃないと
思うんで。ぶっちゃけ法月編あぼんでも読み手としては構わないし(笑)

まあぐだぐだいうと怒られそうですが。


62 :名無しのオプ:03/02/15 21:54
ていうかリレーが基本のスレで整合性うんぬん言うのはどうかと思うがな。

63 :名無しのオプ:03/02/15 22:04
整合性を問っちゃったら、あんまし面白くなくなるのは自明かと。
混沌としたリレーの只中に読者が整合性を見い出せば良いんじゃないのかなぁ。

考えれば考える程、此処は自由な場所であることが判りました

64 :名無しのオプ:03/02/15 22:06
>62
それを敢えて言うことによって進行中の殊能による解決編を
否定したのが法月編なんじゃないの?ってことで
こういう状況に陥ってるのではないかと……


65 :名無しのオプ:03/02/15 22:09
>57は第二の解決編そのものを「空白の時間」にしてしまって
強引に山荘からの脱出編スタートって認識でいいのだろうか?


66 :名無しのオプ:03/02/15 22:25
まあ、ぶっちゃけた話、甘えてたのはどっちかなってことなんだけどね
たぶん、三者ともが甘えてたんだと思うよ

67 :名無しのオプ:03/02/15 22:30
ていうか正直どうでもいい。
期待以上に良スレになったからみんな自分勝手になんやかやいってるけど、
何書こうが書く人の勝手でしょ。
>>14が言ってるように書かないのも自由。
みんな職人に頼りすぎ。
物語に必ずしもオチがあるとは限らん。
そして職人も甘えすぎ。
ダラダラと物語続けてみんな待ってくれるほどここは甘くないってこと。

68 :名無しのオプ:03/02/15 22:40
>>14
組んでた構想を完結一歩手前でひっくり返されたんじゃそりゃ腹も立つ。
が、解決編を二週間以上も引っ張ったのにも少しは原因があるとは思わないか?
解決編始まったのは二月一日。「あと一回」と予告したのが十一日。たかが十一日間されど十一日間。
ミステリ風味の大詰めの大詰め。だからこの日数は異例だが仕方なかったのかもしれない。
ネタ自体が長いのは読み応えもあるし特に気にならなかったが、しかし書き込みのない空白の日もあった。
文章書くのも時間がかかるだろうから毎日は無理だろうが、空白の日は後半に行くほど増えていった感がある。
後半、たまに時間をかけすぎ等の、刺々しいレスも少し見られた。
(このレスに対して言い訳せずに黙々ときちんとネタのみをアップしていったのは偉いと思っていたが)

解決編であるが故に他の職人は書き込みを控えてた。けれども段々とフラストレーションも溜まってくるだろう。
事件が展開していた辺りの進行の早さを考えると尚更だ。
我慢出来ずに、殊能解決編で手つかずの学園のネタを少し書いてやろうかという気になったのかもしれない。
その結果法月が登場してまずいメタな方向へ行ってしまい、結局今みたいな状態になった。

怒るのは無理ない。法月編によってテンションが下がるのも仕方ないだろう。しかしそこまで怒ることなのか。
自分も他の職人に影響を与えていたとは思わないか。

69 :名無しのオプ:03/02/15 22:52
>>55「 甘 え る な 」

きみは何様のつもりなんだろうね

70 :名無しのオプ:03/02/15 22:58
今更もういいでしょう。
もっとマターリやろうよ。
風紀委員みたいなこと言ってもしょうがない。
解決編早くうpしろだの、法月編作者どうにかしろだの、
お前ら好き勝手言うんなら自分で書けだの、
んなこたーみんな思ってるこった。
それを口に出して言うか言わないかの問題。
言ったあとのことが想像できないヤシはあまりにも甘いといわざるを得ん。

そしてとりあえず職人は乙カレー。

71 :名無しのオプ:03/02/15 23:00
>>57 >>65
山荘組は脱出させるとして、後は浦賀をどうするかだよなあ。

72 :名無しのオプ:03/02/16 00:42
>>66-70
ま、そゆことだね。書きづらかったであろう他の職人の方々には、申し訳なかったっす。
しかし正直、待たれるプレッシャーもきついものがあったぞ。
こっちは「待ってくれ」だなんて一言も言ってないのに。たぶん。
ま、ようやく義務感から解放されたんで、久々に心休まる今日この頃です。

ただ、これだと流石に後味悪すぎなんで、京極関係だけカタ付けときます。
これであらかたの謎には説明がつくはず。思いっきり強引に。
後は無視するなり叩くなり誰かがまとめるなり、適当にしといてちょんまげ。

73 :名無しのオプ:03/02/16 00:42
確かに何も存在しなかったはずの場所に、気配すら感じさせずに忽然として姿を現した、黒衣の男。
広間の面々は呆然としたまま、魅入られたかのように、壁際に悠然と佇む男に釘付けになっている。
舞城や新堂、そして古泉までもに、程度の差こそあれ、その表情に虚を衝かれたかのような驚きが窺える。
何故か日明だけは、驚きというより極度の興奮で悶絶寸前といった感じであるが、それはさておき。

現在この場で、驚きの色を完全に表情に見せていない者は、わずかに三人。
どこか作り物めいた、にこやかな笑みを浮かべる殊能。
感情の揺れというものを全く感じさせない、沈毅な無表情を崩さない笠井。
そして当の、忽然と姿を現した黒衣の男――京極夏彦だけである。

広間を、呆然としたような、それでいてどこか納得したかのような、なんとも言いがたい複雑な空気が包む。
そんな空気を気にする風でもなく、京極はどこか謎めいた微笑を浮かべながら、
軽く壁にもたれかかり、部屋の中の様子を平然と眺めている。

殊能「やれやれ、京極先生が出てきてくださってほっとしましたよ。
   もし出てきてくれなかったら、ぼくの推理は収拾がつかなくなるところでしたからね」

こちらも、場違いなまでににこやかな笑顔で、京極に話しかける殊能。

京極「わざわざ私が出てこないと収拾がつかなくなる事態を作り出しておいて、よく言えたものだな、殊能君。
   ここまでお膳立てを整えられては、流石に姿を現さないわけにもいかないだろう。
   まったく、私としては今回は黒子役に撤するつもりだったのだがな」

74 :名無しのオプ:03/02/16 00:43
わざとらしく嘆息してみせる京極に、殊能はことさらに澄まして答える。

殊能「それは申し訳ありませんした。でも、その割にはノリノリの登場シーンだったじゃないですか。
   案外、登場するタイミングでも計ってらしたんではないですか?」
京極「まあ、それは否定しないな。強引に舞台に引きずり上げられるのだから、
   私としても演出のひとつくらいはさせてもらわないとな」

わずかに苦笑しながら答える京極。そして二人は、いかにも演技めいた笑みを浮かべあった。
驚くべきことはひとつもなかったかのように、にこやかに語り合う殊能と京極。
そこで、ようやく混乱から回復した一同が、口々に質問を投げかけ始めた。

津村「きょ、京極先生、いったいどこから現れたんですか……まさか瞬間移動とか……」
石崎「あのなあ、それくらい少し考えればわかるだろ。だいたい西澤先生じゃあるまいし、そんな訳あるかよ。
   そんなことより、どうして京極先生がこの山荘にいるのかの方が問題だよな」
高田「いや、京極先生が山荘にいるらしい予兆は、今考えてみるとあちこちに散りばめられていたからね。
   むしろ問題なのは、何故、今頃になって京極先生が姿を見せられたのかということではないかな」
氷川「第一の事件で笠井先生が隠そうとしたのは京極先生の存在ということですか……。
   なるほど、それなら符号が合いますね……でも、まさかそんな……」
日明「ああっ、とうとうこの時が来てしまったのねっ!!
   ついに笠井先生から私を奪いとる決意をされたんですねっ、京極先生!!」

矢継ぎ早に投げかけられる質問(一部を除く)を、京極は軽く手を振って制し、ゆっくりと語り始める。

75 :名無しのオプ:03/02/16 00:44
京極「そうだな。まずはどうやってこの広間に現れたかだが、これは簡単な話だ。
   まあ、この場に居るものなら、もう殆どの者が判っているだろう」
氷川「隠し通路、ですね」
京極「ああ、そういうことだ」

即答した氷川に軽く答えると、京極は、壁の一部分に手先を宛がい、ゆっくりと力を入れる。
すると、音も無く壁が引っ込んでいき、その奥にほの暗く続く通路が垣間見えた。

京極「この通りだ。殊能君の言った通り、この山荘にはあちこちに、隠し通路に繋がる隠し扉が設置されている。
   これは巧妙に偽装されており、特定の個所に力をかけない限り、外側から開くこと事はない。
   まあ、その存在を知らないものなら気付く由もないだろうな」

元は何の変哲もない壁だったはずの扉をコツコツと指で叩きながら、静かに語る京極。
素直に驚嘆している津村や石黒を見やりながら、石崎が苦笑して答える。

石崎「そんなことに気付かないのは、ミステリ以外の面々を除けば、あとは乾くらいのものですよ、京極先生」
乾 「だから石崎、なんでネガティブなたとえの度に、俺の名前を持ち出すんだよ!!」

乾の抗議には取り合わず、不意に石崎は、眠たげな視線を京極に投げかけて、口を開いた。

石崎「ところで京極先生、殊能の推理が正しいとすれば、第一の事件の後に笠井先生が見苦しく騒ぎ立てた
   理由は、京極先生の存在を、俺たちから隠すためのカモフラージュってことですよね。
   ということはつまり、こういうことですか?
   笠井先生と京極先生は、俺たち全員を殺そうという計画において、共犯関係にあったと」 

76 :名無しのオプ:03/02/16 00:45
無遠慮な石崎の発言に、再び場の雰囲気は凍りつく。
ゆっくりと京極が口を開こうとする。しかし、石崎の質問に答えたのは殊能だった。

殊能「いや、京極先生は笠井先生の手助けをしていたわけじゃないよ。むしろ逆だね。
   京極先生は、笠井先生を止めるためにこの山荘に来たんだ。そうですね、京極先生?」

殊能の言葉に、皆の視線が笠井に、そして京極に集まる。
笠井の表情はぴくりとも動かない。そして京極は――肯定の意を示すべく、ゆっくりと頷いた。

京極「ああ。私は笠井先生の計画に気付き、それを断念させるためにこの山荘にやって来た」

77 :名無しのオプ:03/02/16 00:50
京極「私が笠井先生の計画に気付いたのは、偶然のことだった」

壁に軽くもたれかかったまま、ゆっくりと語り始めた京極。
 
京極「職員室の笠井先生の机の上で偶然見かけた一通のレポート、それが全ての発端だった。
   もっとも、それ自体は何の変哲もない、ごくごく散文的な報告書に過ぎなかった。そう、その時は。
   それからしばらく後、私はちょっとした所要があって笠井先生を探していた。
   が、先生はどこにもおらず、聞けば生徒達とスキー合宿とやらに行っているとのことだった。
   その行き先を知ったとき、不意に私の脳裏でひらめくものがあった。
   例の報告書とスキー合宿、この何の変哲もない二つの情報の奇妙な共通項。
   そして私は、笠井先生による恐るべき計画の存在に気付かされたのだよ」

そこまで言い終えると、京極はその謎めいた瞳で、ちらりと石黒を見る。
石黒は少し困惑したかのような表情を浮かべ、石崎と殊能を交互に見る。
そして、二人がゆっくりと頷くのを確認してから、石黒はゆっくりと口を開いた。

石黒「みんな、重大な話があるんだ。落ち着いて聞いてくれるかな?」

ずっと部外者のような顔で、名探偵たちによる解決編を傍観していた石黒。
そんな石黒の唐突な発言に、皆が驚いたような表情を浮かべる。
が、普段の石黒からは想像もつかないような落ち着き払った表情と、
確信に満ち溢れた眼光に気圧されるように、皆が皆、石黒の話を拝聴しようという姿勢をとる。
そして石黒は、自信に満ちた笑顔のまま、悠然と語り始める。

石黒「端的に言おう。あと数時間でこの雪山は、かなり大規模な噴火を起こす。
   そして、その結果発生する雪崩によって、この山荘は壊滅する」

78 :名無しのオプ:03/02/16 00:51
石黒の唐突な宣告を、最初は冗談とでも思ったのか、気楽な表情で聞き流しかけた面々。
しかし、石黒の真剣な表情と詳細なデータ、そして何より京極が石黒の発言を真実だと肯定したことによって、
一同はようやく、自分達が置かれている状況に気付いた。
皆がパニック状態に陥らなかったのはひとえに、石黒の的確な状況説明と、
そして、京極のもたらす得体の知れない安心感の賜物といえるだろう。

石黒「……というわけだ。まだまだ十分に時間はある。君達の安全は僕が責任を持って保障するよ」
殊能「それに、京極先生がここにいるということは、全てが手配済みということですからね」

石黒の力強い言葉に、殊能が相変わらずのもったいぶった調子で付け加えた。
そして邪気のない笑みを向ける殊能に、京極はお馴染みのアルカイックな笑みで応える。

舞城「つまり、殊能がさんざんもったいぶっとった、俺らを皆殺しにするための“手段”てのはこれのことかー。
   そりゃもったいぶりもするわな。こんなん最初から聞かされても信じられんで、マジで」
氷川「なるほど、石崎さんや殊能君が持っていて、僕が持っていない“最後の一ピース”というのは、
   これのことでしたか。確かにこんな非常識なことは、教えられでもしない限り、到底思いつけませんね」

舞城が、氷川が、おのおのしきりに感心している。

石崎「まあ、そういうことだ。どうだ、驚いただろう」

何故か石崎が自慢気に答える。殊能は薄い微笑みを口元に湛えて、それを見ている。
京極は謎めいた笑みをうかべたまま、相変わらず壁にもたれかかっている。
そして、笠井は、能面のような無表情のまま、何も言わずに座っている。

79 :名無しのオプ:03/02/16 00:52
氷川「しかし、変な話ですね。噴火についての調査をしていたのって、石黒さんだけですよね。
   どうして京極先生は噴火のことに気付いたんですか?」
石黒「いや、僕がこのことを教えたのは、北山君と石崎君、それに浦賀君の三人だけだ」
舞城「うわ、浦賀のアホも知っとるんか。そりゃめんどくさいことになりそうやな、なあ、佐藤」
佐藤「……わからない……どうしてもわからないよ……」
石崎「それを言うなら、笠井先生が知ってたってのも変な話だよな。石黒が笠井先生に教えたってことなら――」

そこまで言いかけて、不意に石崎は言葉を切る。

氷川「どうしたんですか、石崎さん。女の子に手酷く振られた時のことでも急に思い出しちゃいましたか?」
石崎「うるさいなあ、俺は過去のことは綺麗さっぱり忘れる主義なんだよ。なるほど、そういうことか。
   しかし、このパターンって何回目だよ。美味しい役回りなんだかどうだか、わからなくなってきたぞ」
氷川「???」

いきなりぶつぶつとぼやき出した石崎に、きょとんとする氷川。
そんな氷川に構わず、石崎は石黒にたずねる。

石崎「なあ石黒、今回の火山調査ってのは、どういう目的でやってるんだ?」
石黒「それはもちろん、人々を恐るべき自然の猛威から守るためだが、それが何か」
石崎「ああもう、そう言う意味じゃなくてだなあ、ほら、仕事だとか自主研究だとか、そういう意味でだ」

じれったげな石崎の言葉に、ようやく得心といったような表情になる石黒。

石黒「なるほど、そういうことかい。それなら答えはこうだ。そう、火山同好会の課外活動だね」

それがどうしたんだと言わんばかりの表情の石黒に、石崎は更に問いかける。

80 :一読者:03/02/16 00:53
解決編を望んでいたのも本当、早く書いてと思っていたのも本当。
ただ、読者は物語を望むのみ……。

雪山の完結を望みます。

81 :名無しのオプ:03/02/16 00:53
石崎「ということはだ、当然、活動報告も学園に出してるわけだよな」
石黒「ああ、もちろん。ここについては噴火が間近な兆候があるということで、前々から注目していたからね。
   実地調査に先立って、詳細なレポートを提出してある」
石崎「で、その時点の調査では、噴火はいつ頃と予想されてたんだ?」
石黒「そうだね、3〜4日以内には必ずというところだったかな。
   まあ、実際に調査に来てみたところ、予想以上に噴火が近いことが判明したんだけどね」

平然と答える石黒に、思わず頭を抱える石崎。

石崎「でだ、石黒。お前は調査に来た火山と、まさに同じ雪山で、笠井先生主催のスキー合宿が
   行われるということについては、どういう感想を抱いたんだ?」
石黒「そりゃあこう思ったさ。ああ、不幸な偶然だなって。でも、せっかくのスキー合宿が台無しになるのも
   悪いから、ちゃんとした調査結果が出てから、避難勧告に行くつもりだったんだけどね」
石崎「不幸な偶然かぁ、なんだかなあ。もうひとつだけ聞いとくぞ。石黒、その報告書はどこに出したんだ?」
石黒「それはもちろん、顧問の先生宛てだよ」

なんでそんなことを聞くのかと、心底不思議そうな表情を浮かべる石黒。
そんな石黒に、珍しく頭が痛いといった表情の石崎が問い掛ける。

石崎「で、お前のところの顧問は誰なんだ?」
石黒「ああ、日本有数の火山帯である北アルプスに詳しいということでね、笠井先生が引き受けて下さっている」

82 :名無しのオプ:03/02/16 00:53
石黒の落ち着き払った返答に、一同の目が点になる。

氷川「石黒君……わざわざ噴火するって警告したはずの、まさにその山にわざわざ合宿に来るのって、
   変だと思わなかったのかい?」
石黒「そう言えばそうかもね。ただ、危険を承知で敢えて近づく人もいないだろうからね。
   報告書に目を通してなかったか、あるいは何らかの事情があったと考えるのが普通じゃないかな?」
石崎「はぁ……もういいよ、石黒。お前は結局、あらゆる意味において“火山馬鹿”だったってことだな」
石黒「どうも意味が良く判らないが、まあ、褒め言葉と受け取っておくよ」

悠然と微笑んだままの石黒を他所に、石崎が改めて口を開く。

石崎「つまりだ、笠井先生は最初から、この山が少なくとも数日以内に噴火するってことは知ってたわけだ」
殊能「もちろん、専門的な機関に依頼して、データの信憑性は確認したでしょうね」

今まで何も言わずに傍観を決め込んでいた殊能が、不意に口を開いた。

石崎「おいおい殊能、また美味しいとこ取りかあ? 勘弁してくれよ、まったく」
殊能「いや、今話すべきはぼくじゃないよ。そして石崎くんでもない。全てを明らかにするのは――」

そこで殊能は思わせぶりに言葉を切る。そして、一人の人物をちらりと見る。

京極「――私の仕事、というわけだな」

謎めいた笑顔を表情に張り付かせたまま、黒衣の男は言った。

83 :名無しのオプ:03/02/16 00:56
京極「私が笠井先生の計画を知るに至った事情は、もう判っているね。
   そう、石黒君の報告書と、それについて検証した専門機関からの報告書を見たわけだ。もちろん偶然、ね」

と言うと京極は、妙に意味深な笑みを浮かべる。

京極「さて、少なくとも一週間以内に噴火が予想される雪山で、わざわざスキー合宿を開く笠井先生。
   そして笠井先生は、招待状という形式をとりながら、何故か清涼院君と浦賀君は自ら連れて行ったらしい。
   私は学園での調査で、これだけの事実を突き止めた。そして、笠井先生の普段からの言動を考慮する。
   あとは殊能君の推理と同じだ。そう、笠井先生は、いわゆる新本格を守るために、いわゆる脱格を、
   ひいてはメフィスト学園をこの世から消し去ろうとしている。私もその結論に達したよ」
殊能「さすがは京極先生。見事な推理の冴えですね」
京極「なあに、このくらい当然のことだ。これだけの情報を与えられれば、誰もが同じ結論に達するだろう」

当然のことであるかのようにぬけぬけと語り合う京極と殊能を、どことなく複雑な表情で見守る一同。

北山「ね、ねえ、秋月君……僕にはあれだけの情報からそんな結論に達するだなんて、
   どう考えても無理な気がするんだけど……?」
秋月「……京極先生は知名度抜群だからね……それくらい朝飯前なのかも……うふふ」
石崎「……二人とも安心していいって、あんな無茶な推理が出来るのはあの二人くらいだよ、まったく」
舞城「そうか? そんなに突飛な推理やとは思えへんのやけどなー。いや、マジで」
氷川「確かに、舞城君なら可能かもしれませんね。その気になることができればの話ですけど」

外野のヒソヒソ話を他所に、京極は悠然と話し続ける。

京極「そして私は、笠井先生の暴挙を止めるために、この雪山にやって来たというわけだ。
   いや、ここまで来るのには苦労したよ。皆に見つかるわけにはいかないから、車は使えないしな」
殊能「というと、何で来られたんですか?」
京極「スノーモービルだよ。まあ、これだけ雪が積もっていると、逆に車より早かったかもしれないな」

84 :名無しのオプ:03/02/16 00:57
京極と殊能の、緊張感の欠片も感じさせない世間話めいた会話が、のんびりと続いていく。

京極「そして山荘の近くに着いたので、スノーモービルを隠してから山荘に行こうとしたのだが、
   そこでいきなり浦賀君に襲われてね。しかもあからさまに正気じゃないときてる。
   いや、驚いたけどそれで納得できたな。そう、笠井先生は本気だってことを」
殊能「なるほど。しかしよく逃れられましたね。さすがは京極先生です」
京極「ああ、見たところ浦賀君は、野性の状態に近いような感じだったからね。
   手袋をおとりにしてみたら、まんまと引っかかってくれたんで助かったよ」

殺人鬼と化した浦賀に襲われたという話を、ごくありふれた話であるかのように口にする京極。
そんな京極に、これも全てが他人事であるかのような表情の高田が、声を掛ける。

高田「なるほど、やはりこの手袋は京極先生の物でしたか」(3-918)
京極「ああ、高田君が拾ってくれていたのかい。お気に入りの品だから、何とか回収したいと思っていたんだよ」

嬉しそうに言って、高田から皮手袋を受け取ると、大事そうに手にはめ直す京極。
そして、再び京極の表情から笑顔が消え、平坦な話し声が広間を満たしていく。

京極「そして私は笠井先生の部屋を訪れた。場所はすぐに判ったよ。何故か窓ガラスが割れていたからね」

あらゆる感情の所在を感じさせないような表情で、静かに京極は言う。

京極「そして私は笠井先生に迫った。この無謀かつ無意味な計画を、即刻中止するようにとね」

京極はそう言うと、その無感情な、深い深遠を湛えた瞳で笠井を見据えた。
急に部屋の温度が二三度下がったかのような錯覚が、広間の一同を襲う。
笠井は答えない。ただ、京極の視線とは対照的な強靭な意志を感じさせる視線で、京極を見据え返す。
メフィスト学園を代表する二人の教師の静かな対峙に、場の雰囲気は重苦しさを増していく。

85 :名無しのオプ:03/02/16 00:59
と、ふとそこで、京極の表情にお馴染みのアルカイックな笑顔が戻る。

京極「ところがだ。最初の話し合いが終り、思わず私も笠井先生も緊張感を抜いたところに、
   いきなりボウガンの矢が撃ち込まれて来たんだよ」

どことなく道化師めいた仕草で驚きを表現してから、京極は今までと変わらぬ口調で話を続ける。

京極「しかしあれには驚いたね。人の気配も何も感じなかったところに、まったくの不意打ちだったからね。
   私としたことがつい、笠井先生と二人して大声を上げてしまったよ」

特に照れたような様子もなく、飄々とした口調のまま言う京極。そこで殊能が後を引き取る。

殊能「しかし、すぐに笠井先生は状況に気付かれた。
   叫び声をあげてしまった以上、すぐに生徒達は駆けつけてくるだろう。
   そして、京極先生がここに居るという事実を知られるわけにはいらないと」
京極「そう。そういうわけで私は、笠井先生によって有無を言わさずに、隠し通路に放り込まれたわけだ。
   そしてトンネルを抜けると、そこは雪国だった。つまり、屋外だったというわけだな」

京極が冗談めいた口調で言うと、先ほどから気圧されたかのように沈黙していた一同が、ようやく口を挟む。

86 :名無しのオプ:03/02/16 00:59
氷川「それでは、日明さんが事件直後に窓の外で見かけたという黒づくめの人物というのは、
   笠井先生の部屋から逃げ出してきた京極先生だったんですね」(3-888)
石崎「なるほどねえ、それで吹雪の中だというのに、雪まみれになってなかったというわけですか。
   直前まで笠井先生の部屋にいたわけなんだから、当然の話だな。(3-956)
   そうだ、黒い人物は大きなものを抱えてたって話でしたけど、あれは何だったんですか?」

いかにも腑に落ちたという口調で言う氷川に続き、あくまでも軽い口調で石崎が口を出す。

京極「ああ、あれは私の旅行鞄だよ。あれを笠井先生の部屋に残しておいたのでは、
   君達、名探偵諸君による事件現場の調査の際に、私がいたことに気付かれてしまうからね」

澄ました顔で言う京極。そして、再び殊能が口を挟んだ。

殊能「そして、笠井先生の部屋から石崎くんたちが引き揚げたことを確認した京極先生は、
   もう一度隠し通路を通って、笠井先生の部屋に戻ろうとした。ところが――」

殊能はそこで言葉を切り、意味ありげに京極を見る。京極は少し驚いたような顔をした後、にやりと笑う。

京極「やれやれ、君には敵わないね。そう、笠井先生の部屋に戻ろうとして隠し通路に入った私は、
   うっかり足を踏み外して、何故か地下室に転落してしまったんだよ」

87 :名無しのオプ:03/02/16 01:03
照れたように、頭を掻きながら言う京極。
ただ、その目には何の感情の色も浮かんでいないため、どことなく不気味な仕草に見えなくもない。

殊能「そう、日明さんが窓の外で黒づくめの人物を目撃した直後、地下から謎の轟音が聞こえましたよね。
   あれは、京極先生が、地下室へと繋がる隠し通路に落っこちたからなんです」(3-895)
京極「私もまさか、隠し通路が何本もあろうとは思わなかったからね。ついつい油断していたよ。
   お陰で腰はしたたかに打つし、荷物も何も全て、床いっぱいにぶちまけてしまう始末だ。
   まあ、すぐに君達が調査に来なかったのが、不幸中の幸いといえば幸いだったね。 
   しかしまあ、あれのお陰で、この山荘のありとあらゆる場所に隠し通路が張り巡らされていることに
   気付いたのだから、まあ怪我の功名と言ってもいいだろうな」

冗談なのか本気なのか、今ひとつ判別し難い口調で、ぬけぬけと言ってのける京極。
そんな京極の態度を気にとめる風でもなく、殊能は確認するかのように問い掛けた。

殊能「そして、改めて京極先生は笠井先生の部屋に戻られ、
   以後は基本的に京極先生の部屋にいたと、そういうわけですね」

京極「ああ、その通りだ。まあ、京極先生も忙しい身だったので、ずっと二人でいたというわけではないけどな」

そう言うと京極は笠井を見る。笠井は毅然と憮然の中間くらいの表情を保ったまま、ぴくりとも反応しない。

乾 「そうか……だから笠井先生は、僕を部屋に入れてくれなかったのか……」
乾が呆然とした表情で、ぼそぼそと呟く。しかし誰も聞いていない。

日明「そう、二人は笠井先生のお部屋で言い争っておられたのよっ。そう、私を巡ってっ!!」(4-300)
日明が恍惚とした表情で、感極まったかのように叫ぶ。もちろん誰も聞いていない。

88 :名無しのオプ:03/02/16 01:08
殊能「そして京極先生は、なんとか計画を中止させようと、懸命に笠井先生を説得されました。
   しかし笠井先生は頑なに、それを受け入れようとしない。そこで京極先生は考えました。
   どうすれば笠井先生に計画を断念させることができるか。簡単な話です。
   笠井先生の計画を未然のうちに失敗させればいい。そう、それだけの話ですね」

弁論部の弁士であるかのように、おおげさな口調で言う殊能。京極は苦笑して答える。

京極「君は簡単に言ってくれるが、それはそれで、中々に難しい話だったんだがな。
   なんと言っても、あくまで君たち生徒諸君には計画の存在を知られることなく、
   計画が失敗するような方向に誘導しなければならなかったのだからな」

そこで氷川が何か言いたげな顔をするが、それを目線で封じておいて殊能は、更に発言する。

殊能「まあ、京極先生の陰ながらの努力のお陰で、笠井先生の設定した“事件の連鎖”構造は、
   本来予定されていたほどの効力を発揮できなかったわけですからね」
石崎「というとつまり、京極先生がいなければ、もっと事件が多発してたってことかあ」

石崎が驚いたような、呆れたような声を上げる。京極は謎めいた微笑で応える。

89 :名無しのオプ:03/02/16 01:09
殊能「そうです。本来なら笠井先生は“演出家”として、いかにも意味ありげな事件を多発させ、
   山荘内の状況を、簡単には解くことが出来ない複雑怪奇な状態に維持することができたはずでした。
   しかし、笠井先生の活動は、京極先生の掣肘によって、不活発なものにならざるを得ませんでした。
   こう考えると、第三の事件において笠井先生が、単純なケアレスミスを犯したのも納得できます。
   つまり笠井先生は焦っていたんですね。京極先生の妨害が入る前に”演出”をしようと」

そこまで言っておいて、殊能は笠井を見る。笠井は相変わらずの無表情のまま、動かない。

殊能「そして京極先生はついに、笠井先生の計画に決定的なダメージを与えるのに成功した。
   それこそが、そう――」

殊能は笠井を見据えたまま言う。
その犀利な視線は、ほんの、ほんの僅かながら、笠井の表情が紅潮しているのを見逃さない。

京極「そう、スキー用具乾燥室に閉じ込められていた、清涼院君を逃がしたことだ」

殊能の投げかけた言葉を引き継いだ京極が、ゆっくりと告げた。

90 :名無しのオプ:03/02/16 01:10
殊能「そう、清涼院君を乾燥室から逃がしたのも、京極先生の仕業だったんです。
   これは笠井先生の計画に対する、深刻なダメージでした。
   まさに清涼院君こそが脱格の象徴的存在であり、笠井先生がこの計画において唯一、
   強制的手段を用いても犠牲者の中に加える必要があると考えた人物なのですから」
京極「そういうことだ。清涼院君さえいなくなれば、笠井先生が今回の計画に固執する必要はなくなる」

どことなく、空々しい会話を交わす二人。
しかしその嘘くさい空気は、巨大な感情の込められたひとつの言葉によって、あっけなく吹き飛ばされた。

笠井「……何故だ……清涼院のことは、間違いなく京極君には知られていなかったはずだ……」

そこには、鉄の自制心のもと、自らの感情を完全にコントロールしているかのように見えた笠井が、
憤激、疑念、悔恨、そしてその他のあらゆる感情を込めたその双眸で、京極を睨み据える姿があった。

自らを睨み据える笠井の圧倒的な眼圧に、しかし京極は動じない。
逆に、その無機質な視線を笠井に向け、静かに言った。

京極「確かに、笠井先生が清涼院君を再度捕獲しているのには気付きませんでした。
   どうやったのかは知りませんが、まさに恐るべきお手並みです。
   しかし、清涼院君のことには気付かなくても、このことには気付けましたよ。
   そう、山荘内のスチーム蒸気の供給の不均衡についてです」

京極の断定的な言葉に、笠井は少し呆気にとられたかのような顔をしたあと、いきなり笑い出した。

笠井「なるほど、そういうことか。いや、流石は京極君だ。まんまとやられたよ」

一同の呆然とした表情を無視し、いかにもしてやられたという顔で笑う笠井。
珍しく、殊能までもが、どことなく困惑したような表情を浮かべている。

91 :名無しのオプ:03/02/16 01:11
京極「君たちが気付いていたかどうかは知らないが、一時期、山荘内にほんのささやかな異変が生じていた。
   それはこういう現象だ。微妙に暖房温度が下がっていたり、そして、給湯器からお湯が出なかったり、と」

京極の言葉に、何かに合点したかのように舞城たち三人が頷く。
なお、もう笠井は笑っていない。ただ毅然とした表情のまま、薄く閉じた目を虚空に向けている。

舞城「そういや、高里がシャワーから湯が出ないとか何とか騒いどったような気もするな」(3-937.938)
石崎「ああ、例の二時間サスペンス的お約束シーンだな。いやあ、あれはラッキーだったなあ」
氷川「石崎さん、そんなセクハラ発言ばかりしてるから、女性に嫌われるんですよ」
乾 「だから、どうしてお前たちばかりが、ことごとく美味しいところを持っていくんだよ!!」

どうでもいいことのように平然と言う舞城。にやにやする石崎。それに突っ込む氷川の顔は、少し赤らんでいる。

高里「……」
霧舎「……そんなことがあったんだ……知らなかった……これじゃ本当に、恋人失格だ……」

広間の視線を一身に浴びて、真っ赤になって俯き、何故かしきりに舞城を気にする高里。
それを見て、更に深刻な表情になり、自嘲めいた呟きを続ける霧舎。

殊能「しかし京極先生、その現象と清涼院くんとの関係はいったい何なんですか?」
京極「おやおや、殊能君ともあろう者が、まだわからないのかい? 
   こう言えばわかるかな。清涼院君の閉じこめられていた場所はどこだったかな?」

京極の謎をかけるような言葉に、はっとしたような表情になる殊能。

殊能「そうか、そういうことですか……さすがは京極先生ですね」

得心が行ったという表情で頷く殊能を満足げに見ながら、京極は口を開く。

京極「そう、笠井先生は清涼院君を閉じ込めたときのために、乾燥小屋を全開で稼動させていたんだよ」

92 :名無しのオプ:03/02/16 01:11
皆がぽかんとしているのに構わず、京極の話は進む。

京極「私がそのことに気付いたのはほんの偶然だった。そのとき、私は手を洗おうと洗面所に来ていた。
   いや、どうもこの手袋がないと、手の汚れが気になって仕方なくてね」

京極はその皮手袋を嵌めた手を愛しげに見てから、話を続ける。

京極「しかし何故か湯が出ない。もちろん、そのときは特に気にも留めなかったが、
   後々になって、どうもそのことが気になってきてね。
   周囲の状況に気を配ってみると、いつの間にか山荘全体の暖房温度が、微妙に低下している。
   もちろん私は、ボイラーの故障または笠井先生による細工を疑い、ボイラー室に行ってみた。
   しかしボイラーは完全に正常に作動していた。とすると答えはひとつだ。
   どこかで極端に大量の熱エネルギーを使っているから、他の部分への供給がおろそかになっていると」
殊能「そして、思い当たったのが、乾燥小屋だったわけですね」

殊能の言葉に、京極が静かに頷く。

京極「そう。山荘内には特に異常は感じられなかった。とすると、考えられるのは乾燥小屋しかない。
   山荘外ではあそこ以外に、大量のエネルギーを消費するような場所は存在しないからね。
   そして私は乾燥小屋に行ってみたよ。案の定そこは全開で稼動しており、そして、その中には――」

京極は意味ありげに言葉を切り、ゆっくりとうそぶく。

京極「そう、清涼院君がいたというわけだ。しかも、何故か半分以下のサイズに萎んだ、ね」

93 :名無しのオプ:03/02/16 01:13
氷川「それじゃあやはり、乾燥小屋に清涼院君がいたってのは本当だったんですね」
殊能「ああ、そうだよ。あのとき言っておいたよね。清涼院君が乾燥小屋にいたのは間違いないって」(4-520)

京極の言葉に、納得したかのように頷く氷川。それに澄まして答える殊能。

京極「流石の私も、あれには驚いたよ。最初は新種の妖怪に違いないと思って、柄にもなく興奮したものだ。
   いや、あの彼独特のファッションがなければ、清涼院君とは気付けなかっただろうね。
   しかし彼は、実に興味深い存在だね。一度、水木先生にご相談して、ぜひ見解を頂きたいものだな」

京極は実に興味深いといった表情で、ふむふむと頷く。殊能が苦笑して告げる。

殊能「京極先生、清涼院くんについての生態調査は後でゆっくりやって頂くとして、今は事件の話です」
京極「ああ、そうだったね。こうして私は清涼院君を確保するのに成功した。
   ただ、流石の清涼院君も衰弱しているようだったし、この雪山に置いておいたのでは、
   何が起きるか判らない。彼の行動ばかりは私にも予測できないからね」

京極は何故かうんうんと頷きながら言った後、不意に声色を変えて続けた。

京極「どうしようか考えていたところに、山荘に立ち寄らずに下山しようとしていた古処君を見かけてたわけだ」
殊能「そして、古処くんに清涼院くんを発見させて、事件の圏外である学園に持ち去らせたと」(4-143)
京極「そういうことだ。あとはもう清涼院君はこの雪山にいないということを、笠井先生に伝えるだけだった。
   そうすれば笠井先生は計画を続行させる意義を失い、中止せざるを得ない。そう、そのはずだったのだが」

そう言うと京極は、微妙に責めるような視線で殊能を見た。

京極「しかし、残念ながらその目論見は失敗に終わったよ。私がこのことを笠井先生に告げる前に、
   殊能君が解決編を始めてしまったからね。それも無意味に徹底的な奴をだ」

94 :名無しのオプ:03/02/16 01:14
京極の静かな、それでいて鋭さを感じさせる眼光に、しかし殊能は笑顔さえ浮かべて答える。

殊能「いやだなあ、京極先生。ぼくは最初から、笠井先生が断念してくれれば、それでいいと思ってましたよ。
   ちゃんと笠井先生にも、清涼院くんがもういないってことを教えたじゃないですか。
   もう事件の続行は無意味だから諦めてくださいねっていう、“勧告”の意味を込めて」 
氷川「なるほど、あのとき言っていた“勧告”っていうのは、そういうことだったんですね」(4-523)

再び感心したかのような声を上げる氷川に対し、澄ました顔で会釈する殊能。そして京極が皮肉げに言う。

京極「無意味な謎解きで、笠井先生を引っ込みのつかない状態に追い込んでおいて、よくもまあ言えたものだ。
   まったく。しかも私まで無理矢理引っ張り出してしまうとはな」
殊能「ええ。京極先生に出てきてもらわなければ、事件そのものは解決しても“解けない謎”が
   残ってしまいますからね。そして、それを証明できるのは京極先生しかいませんからね」

世間話のような気安さで、会話を続ける京極と殊能。そこに石崎が割り込む。

石崎「京極先生の行動については、だいたいわかったよ。それで山荘内の出来事も、殆ど説明がついた。
   けどな、ひとつだけわからないことがあるんだよな」

そう言うと石崎は、京極の能面めいた顔を見つめながら、ゆっくり口を開く。

石崎「京極先生、どうしてそんなに回りくどい真似をされたんですか?
   俺らに黙ってこそこそしなくても、皆を集めて事件について告げれば一発じゃないですか。
   それが笠井先生に悪いっていうなら、噴火の事だけを告げて、皆を避難させればいい。
   それで笠井先生の計画は頓挫し、めでたく事件は解決って話ですよね」

とぼけた表情のまま、京極に問い掛ける石崎。しかし京極は答えない。
代わりに口を開いたのは、殊能だった。

95 :名無しのオプ:03/02/16 01:19
殊能「いえ、京極先生にはそれは出来ませんでした。少なくとも時間ギリギリまでは」
石崎「そこがわかんないんだよな。噴火の事だけ告げとけば、俺たちに知られることなく事件解決じゃないか。
   それと、笠井先生を説得して噴火の事を告げさせるのと、結果的にどう違うっていうんだ?」

殊能の断定的な口調に、納得しかねるといった表情を浮かべる石崎。
京極と笠井は、共に感情を表に表さずに、それぞれの表情で沈黙している。

殊能「それじゃあ駄目なんだよ。笠井先生が自ら計画を撤回するのでなければ、事態は先送りされただけだから。
   つまりそれだと、“真の意味での事件解決”にならないんだよね」

そして、殊能の言葉に、京極はゆっくりと頷く。

京極「――そういうことだ。先ほど殊能君が言っていた通り、それだと現在の事態の解決にしかならない。
   だから私は黒子役に徹し、あくまで笠井先生が自発的に計画を取り止めるよう、説得を続けていたのだよ。
   そう、笠井先生の計画を“失敗”させるのではなく、あくまで“中止”させるためにね。
   もっとも、私の試みは殊能君によって、完膚なきまでに頓挫させられたのだがな」

再び、わざとらしい仕草で殊能を見る京極。殊能は澄ました顔で答えない。

京極「そして、君は意味もなく隠し通路の存在を暴いた挙句、根拠もなく大風呂敷を広げて平然とする始末だ。
   ああなってしまっては、表に出たくなかった私としても、もはや出て来ざるを得ないところだ。
   笠井先生の意図や事態がここまで明らかになってしまった以上、既に私が隠れている意味はないし、
   何より,私が姿を見せない限りは、事件が解決しない状況が成立してしまっていたからな」

96 :名無しのオプ:03/02/16 01:20
演技めいた口調で、京極と殊能は、どことなく空疎に会話を続ける。

殊能「強引なやり方をしてしまい、本当に申し訳ありませんでした、京極先生。
   ぼくの望む解決のためには、どうしても京極先生の存在が不可欠だったものですからね。
   ただ、京極先生は極秘裏の“中止”を最善と考えてらしたようですが、ぼくの意見は違います。
   ぼくは笠井先生の計画を徹底的に暴くことによって“敗北”させるつもりだったんですからね」
京極「まあ、方法論の違いだな。こうなってしまった以上は、もはや君に任せるしかないのだがな。
   あとは頼んだよ、殊能君。ここからは私は、傍観者として見物させてもらうとしよう」
殊能「相手は笠井先生です。自信はありませんが、まあ、全力を尽くさせていただきますよ」

殊能の人を食ったような答えに、京極は満足げな表情を見せ、そして自分の出番は終わったと言わんばかりに、
壁にもたれかかったまま、お馴染みの不可思議な微笑を浮かべる。
そして二人のやりとりを見守っていた一同の中から、石崎と氷川が口を開く。

氷川「そういうことはつまり、殊能君の言っていた“解き方”っていうのは――」
石崎「しかしまあ、回りくどい方法もあったもんだよなあ。本当にこれしか手段はなかったのかあ?」

驚いたような口調の氷川と、呆れたような口調の石崎に対し、殊能はにっこりと微笑んで言う。

殊能「そう、“残された謎”を徹底的に解き、事件に“真の意味での解決”をもたらすためには、
   どうしても京極先生を表に引きずり出す必要があった。
   そして、そのためには、どうしてもこの手順を踏まえなけばならなかったんだよ。
   解決できるはずの事件を敢えて解決せずに、解決する必要のない事件を敢えて解決するという、
   一見、意味のない迂遠なだけの“解き方”をね。
   京極先生は、隠れていることに意味がない、そして、出て来ざるを得ない状況に追い込まないと、
   みんなの前に姿を現すことはなかっただろうからね。
  “手段”を告げればすぐにでも事件は解決できたけど、それでは京極先生が黒子のままなんだよ」

97 :名無しのオプ:03/02/16 01:31
おはり。ここから後が、真っ向から法月編と矛盾する部分でした。
笠井と殊能の、笠井の動機をめぐってのタイマン勝負ですね。

ま、こんな感じです。後は適当にしてやってください。もう書きませんので。
私のせいで不快な気分になられた方々には、本当に申し訳ありませんでした。

それではさらば。

98 :名無しのオプ:03/02/16 01:38
乙でした!
今回も楽しませていただきました、ありがとう。
殊能が憑物落としに挑むとは。

しかし自転車にも乗れないと噂の京極先生は
スノーモービルをまともに運転できたのだろうか(w

99 :名無しのオプ:03/02/16 01:45
正直続きが読みたいが、意思は変わらなそうなのでこれ以上は言わん。
これまで乙。楽しかったよ。ありがとう。
気が向いたら帰ってきてくれ。

さて芸の無い自分は何もできんがこれからの展開も楽しみにしてる。

100 :名無しのオプ:03/02/16 02:01
えーと。むしかえすようですが
「向こうでも、一番期待していた殊能がぐずぐずしてるし、氷川もどうだか。
  ま、殊能がどういう結論を述べようが、本人も言ってる通り机上の空論だから最後まで言わせることにするつもりだ。  部屋に戻り損ねたけど、」
「確かに笠井が仕組んだ部分もあるし、佐藤が山荘にきたなんて展開にしても考慮のうちだ。
  山荘の生徒たちにはまだ隠している部分もあるが、どうも殊能はそっちには気付いているみたいだ。
  ただ…おれと関係ないところで誰かが別の企てをしているような気配があってな。」
という法月パートのなかで、
「まだ隠している部分、どうも殊能はそっちには気付いているみたいだ。」が京極の存在だとして、
「おれと関係ないところで誰かが別の企てをしているような気配があってな」は、その後の職人さんか
法月のパートの人に収拾つけてもらうことにしてしまえば>>48
「笠井先生の言葉は、笠井先生の言葉でしかない。しかも、笠井先生は犯人役なんです。
  実はテロルを行おうとしているというほうが真実かもしれない。」
てことで,ここから先,動機をめぐって殊能と笠井が対決しても整合性とれてるんじゃないすか。


101 :名無しのオプ:03/02/16 02:05
積木が去り、一人残された法月。そこに泥酔していたはずの太田が現れた。

太田「あんな感じでよかったんですか、法月先生?」
法月「いやあ、すまないねえ、太田くん。素晴らしい演技だったよ」
今までの態度とはうって変わった猫撫で声で、太田に擦り寄る法月。
太田「やれやれ、笠井先生の物マネまでさせられるとは思いませんでしたよ」
法月「このお礼は必ずするって、いや本当」
太田「しかし法月先生、こんな芝居を打ってまでして、出番が欲しいですか?」
法月「もちろんだとも。この法月綸太郎、出番のためなら何だってするさ」
呆れ顔の太田を尻目に、真剣な顔で力説する法月。
太田「だからって生徒相手に、適当なヨタ話を吹き込むってのはねえ。積木君なんか、完全に信じ込んでましたよ」
法月「ふんっ、あんなでっちあげを信じるほうが馬鹿なんだよ。だからあいつは劣等生なんだ」
太田「まあ、別にいいですけどね。僕の担当の生徒ってわけじゃないですし」
肩をすくめる太田を無視して法月はひとりほくそ笑む。
法月「ふっふっふっ、あとは最後に驚愕の真相って奴を明かすだけだな・・・ああ、その時が待ち遠しい・・・」

既にその機会が永遠に失われたことを知るよしもない、法月綸太郎であった。

102 :名無しのオプ:03/02/16 02:12
>>101
すんげー力技(w

97氏、遅くなってもいいんで続き書きませんか?

103 :名無しのオプ:03/02/16 02:16
整合性の話はまあとりあえず置いといて、
私は97氏の作風が好きですよ。
時々入る小ネタがこのスレらしいというか何というか(w
今回いろいろ疲れることもあったでしょうが、
職人としての97氏がこのスレを見限ってしまうことのないよう祈ります。
勝手なこと言ってごめんなさい。

104 :学園編:03/02/16 02:48
高里「あ…あの…舞城君」
舞城「んあ?」
高里「そ、その……さっきはありがと」
舞城「ふん。どうせ礼をするならちゅーでもしてくれ。ほれ、ちゅー」
高里「なっ!?」
舞城「わははは、赤くなりよった」
高里「………うぅ」
舞城「しーちゃん、意外にか〜わい〜い。俺に惚れんなや」
高里「だ、誰が惚れるかぁっ!」
舞城「んごっ!」

高里がいきなり投げつけた物体が舞城の顔面に直撃する。

舞城「ゴルァッ!何すんじゃボケ!」
高里「それあげる。じゃあね」
舞城「はあ? あげるて何を…」

舞城の顔面に投げつけられたものは綺麗にラッピングされた小さな箱であった。
中を見るまでもなくチョコレートだろうと思われた。

舞城「……ったく、さっきといい、柄にもなく乙女ちっくな姿見せおってからに」

105 :名無しのオプ:03/02/16 03:27
女生徒「はい、バレンタインチョコです。受け取ってください」
生垣「ひゅー、これは嬉しいな。ありがたくいただくよ」
女生徒「それじゃ」(ニコニコ)
生垣「あっ! ちょっと待って……ああ、行ってしまった。ベリィキュートな女の子だったけ
  ど一体誰なんだろう。もしかしてあれがシーナなのか?あるいはメグミ?」

北山「うーん、そういえば今の人、見かけない顔だったけど誰だったのかなあ? 僕の知らな
  い編集の人なのかな」

生垣が女生徒だと誤解したのは女装した北山だった。

北山「それにしても、うふふ。誰も僕のことを女装だと気づかないなあ。さっきの人も気づか
  なかったみたいだし、秋月先輩なんか泣いて喜んでたしなあ、あはは、正体が僕だと知っ
  たらちょっとかわいそうかも。よし、次は石崎さんとか氷川さんをたぶらかしてやろう。
  いくら名探偵でも、学園祭の頃から密かに研究に研究を重ねた僕の女装は見抜けまい」

106 :名無しのオプ:03/02/16 03:41
北山ワラタ
高里には萌えたー。
こんな時間に起きてて良かったよ(w

107 :名無しのオプ:03/02/16 10:40
しかしそのチョコを開けてみるとカードが。

「DEAR霧舎巧kun なんだか最近上の空だった私だけど
優しくこっちを見つめてくれていたね。ありがとうダーリン。
これに感謝の気持ちもこめて   高里しーな」

舞城「・・・」

あのときの涙の様子から舞城にはこのチョコレートが行き場を失っていることが
判っている。でもこんなの食っていいんかな・・と迷うこともなく
食えるものは食う舞城だった。

舞城「(モグモグ)うめえげやこれ」

でも舞城は特にホワイトデーのことは考えていずに、こんなの福井では
売ってないんでねえんかな〜と思うだけであった。

108 :名無しのオプ:03/02/16 10:58
>97さん乙です。書いてもらってよかった。面白かったよ。

舞城x乙女な高里、激しく萌え〜。

109 :名無しのオプ:03/02/16 11:36
>>97さん、綿密な伏線回収、堪能させて頂きました。
しかし憑物落としですか。そりゃ確かに正面衝突って感じかも。

続き、見たかったな。残念。





…法月編は単なるヨタ話ってことになったみたいだし、こっそり続きあぷしません?(w

110 :名無しのオプ:03/02/16 11:42
この二日間スレが全然進行しないと思ってたら
次スレいってたのな。気付かんかった。
こたつ組も進展させますか。

>>97
お疲れ様です。見事な技を見せていただきました。

111 :名無しのオプ:03/02/16 11:51
>>97さん乙です。

バレンタイン編すごいですね、まさか舞城x高里とはw
・・・ちょっと萌えましたw

112 :名無しのオプ:03/02/16 12:08
例えもう無理だとわかっていても
霧舎×高里復縁を密かに願いつづける私
・・・霧舎がんがれ…

113 :名無しのオプ:03/02/16 12:45
古泉「アッラーアッラーアッラー」
高田「古泉君、いるかい?失礼するよ………何してるんだい、君」
高田は古泉の部屋(瞑想室)に入ろうとして足を止めた。

足下に白い煙が漂っている…ドライアイスだ。そして、クーラーがガンガンに効いている。暖房などではない、冷房である。
そして当の古泉本人は、どこから調達したのか知らないが、巨大な氷の上に半裸になって座っていた。見ているだけで寒い。
ペンギンでもいれば少しは和むかもしれないが。

高田「………まさか、雪山修行の再現をしてるのかい?」
古泉「アッラーアッラー……そうだ。あのときが、一番アッラーに近づけた。自らを極限に追い込むことこそが…」
高田「あのねえ、アッラーとやらに近づく前に風邪をひくよ、それじゃあ。
   雪山のときだって凍り付いて仮死状態みたいなもんだったじゃないか。何でも積木君に連れ戻されたんだって?」
古泉「覚えていないのだ。………何故だ。あのとき、アッラーは……」
一人でぶつぶつ言い始めた古泉を見て高田はため息をついたが、気を取り直したようにポケットから箱を取り出した。

114 :名無しのオプ:03/02/16 12:45
うん、なんだか舞城にはあんまり安定して欲しくないと言うか(w
霧舎×高里でこの二人にひたすら葛藤してほしいかもと思ったり……ご、ごめなさ……

115 :名無しのオプ:03/02/16 12:49
高田「今日は、ちょっと君に協力してもらおうと思って来たんだけどね。ほら、バレンタインだったろう。それでチョコレートを作ったんだよ」
ちょっと試食してみてはくれないか、何極めて安全な普通のチョコレートさ、とにこにこ笑って言う高田。

あからさまに怪しい口上に他の者なら逃げ出すこと必至だが、古泉は氷から立ち上がると高田の元まで来て、箱を受け取った。
高田「うん、素直で結構。乾君とは大違いだ」
古泉「自らを極限に追い込むことこそが……(バリバリ、ゴクン、ガタン)……アッラー…アッラー……」
呟きながらチョコレートを食べ、飲み下した次の瞬間、古泉はいきなり崩れ落ちた。眠っている。

高田「よし、成功。対古泉睡眠薬、即効性確認…と。あとは効果持続時間データを取って…」
嬉しそうにメモを取って、古泉を見下ろしてから、部屋を見回す。ふと見ると、先程彼が座っていた氷の端に、箱が置いてあった。
寄ってみれば、それは自分も貰った竹からのチョコレートが入っていた箱で、既に空になっている。
高田「…成る程、古泉君も素直に貰ったチョコレートは食べたのか…彼はバレンタインに無関心だと思っていたな」

自分でも食べさせておいて、感心したように呟く高田だった。

116 :名無しのオプ:03/02/16 13:48
殊能「どうです、笠井先生。皆さんの力を借りつつではありますが、これで提示された
謎は大体解けたと思います」
笠井「……それがどうした? お前はそんな自慢がしたいが為に、
ここまで話を引っ張ったというのか。呆れるな」
殊能「ふふ、先生がそれを言いますか」

殊能は言葉を切り、まわりを見まわした。

殊能「どうかな、皆。あらゆる複線を利用し、謎を解明し、ことごとくを晒し、
頑ななまでに事件を解体する、この手法。これこそが……」
石崎「……本格ミステリィだ、と言いたいのか?」
殊能「そう。これが、笠井先生が守ろうとした、笠井先生が愚直に愛する、
笠井先生が作家としての半生を費やした本格ミステリの手法です。
僕がだらだらとその手法をなぞったのは、ただ一言。
この一言が言いたかったんです。
『本格ミステリは敗北したのだ』
貴方方の築いた道を、僕らは踏破したのですよ、今」


117 :名無しのオプ:03/02/16 13:48
山荘内を張り詰めた空気が包む。
笠井「本格が、……敗北しただと……!?」
殊能「そうです。本格の舞台設定。本格の手法。貴方の土俵です。
その土俵で、貴方は敗北した。これの意味は解りますか?
メフィスト学園を潰してまで貴方が守ろうとしてきたもの。
それは、本格ミステリではなく、『本格ミステリという枠組』にすぎない。
なぜなら、本格ミステリの魂は、僕らの中にだってあるからです。
この冗長な机上の空論が証明するのは、事件の真相ではなくて……」
殊能は言葉を切った。
そして、それ以後は口を開かなかった。

能面のような顔で、全ての感情を殺している笠井。
不意に、京極が笠井の肩を叩いて、言った。
京極「どうです、笠井先生。完璧とはいかなくても、
充分及第点をあげられる出来じゃないですか?」
笠井の顔が不審に曇る。
京極「なんて顔しているのです? 今回の課外授業のテストの話ですよ。
もう演技はいいじゃないですか」





118 :名無しのオプ:03/02/16 13:49
京極の意図は明らかだった。
下らない茶番だ。
乾「なーんだ、全部芝居だったのか。そうだよ、笠井先生が大量殺人なんて…」
馬鹿な奴だ、乾。お前はもっと疑う事を覚えろ。そんな事では奇想は生まれん。
石崎「なるほど、これ全部テストか。じゃ、俺は合格だな。
なんたって、見事な名探偵っぷりだったからな」
軽すぎるぞ、石崎。その芸風では、いつか壁にぶち当たる。
氷川「さっき殊能君に穴を指摘されたばかりじゃないですか」
論理重視か、悪くないな、氷川。だが、自分が論理に縛られないように気をつけろ。

京極「笠井先生……」
そう急かすなよ、京極君。……いや、そうのんきにもしていられないのか。

私は言った。
「ああ、茶番はここまでにしよう。本格論の課外授業特別試験、お前ら合格だ」
いったいどちらが茶番なのやら。



119 :名無しのオプ:03/02/16 14:20
>118
おおー、なんか美しいぞ。

120 :名無しのオプ:03/02/16 14:25
その後の避難活動は迅速だった。石黒の指示により、京極が準備していた
スノーモービルがある場所まで、移動する。
時間は押しているが、パニックを起こさなければ間に合わないわけではない。
京極は、自分が乗ってきたスノーモービルで一足先に戻り、準備をしておくとの事だった。
それを見送りにでてきた殊能。

京極「まさか、君が憑き物落としを試みるとはね」
殊能「最後は些か不恰好になってしまいましたけどね。京極先生みたくはいきません」
京極「いや……、まぁ、それはね。でも……落ちてるよ、間違いなく。
もう、笠井先生があんな事を企む事はないだろう」

京極はそう言い残して、スノーモービルを走らせた。



121 :名無しのオプ:03/02/16 14:26
京極が準備したスノーモービルが留めてある場所まで、距離にして1キロ。
この深い雪山で歩くには、いささか骨が折れる距離だ。
皆、無言で歩く。

殊能は、長い隊列において、最後尾をゆっくり歩いた。
一緒に歩こうとした蘇部は、舞城に頼んで、先頭に連れて行ってもらった。
ふと、隣に人の気配。笠井だ。
笠井「殊能……」
殊能「……なんですか、先生」
笠井「お前の言う通りだ。俺は本格という枠組に憑かれていたらしい。
だが、お前は間違っているぞ。これだけは言わせてもらう。
お前らが踏破したと思っている本格は、山で言えばまだまだ5合目だ。
本格は敗北しない。本格は衰退しない。本格は終わらない。
何故なら、俺は次回作で、お前らが逆立ちしても到底及ばないような高みに上るからだ。
お前らなんぞ、まだまだヒヨッコだ。
……せいぜい、今は色々試して見るが良い。本格の先の可能性とやらを」

笠井はそれだけ言うと、ずかずかと先を歩いていった。

自分も蘇部の隣に行こうと、殊能は思った。

122 :名無しのオプ:03/02/16 14:29
お見事!!!

123 :名無しのオプ:03/02/16 16:03
笠井先生カッコイイ……(w

お見事です乙!

124 :名無しのオプ:03/02/16 16:55
古処「津村くん、いきなりではあるが、古処隊は本日をもって解散とするのである」
津村「た、隊長!いきなりどうしたのでありますか」
古処「君には内緒にしていたのであるが、以前から学園に申請していたのである」
津村「そ、それでは、ついに……」
古処「そうだ。正式に部に昇格することが決まったのである」
津村「隊長!やりました!この津村、大感激であります」
古処「そこでだ。とりあえず申請は『紳士倶楽部(仮)』でしておいたのであるが、
    新生古処隊に相応しい名称を考えようと思うのである」
津村「それは、大賛成であります!この際、他の生徒からも
    良いアイデアを募集しようではありませんか」
古処「おお!それは良い考えであるな。よし!それでいくのである」
津村「了解!それでは、早速ポスターを作成するのであります」
古処「よし、ついでに新入隊員も募集するのである」
津村「了解!」



125 :名無しのオプ:03/02/16 16:56
■□■□■□■□■=告知=■□■□■□■□■

 このたび、古処隊が正式に部活動として
 学園に公認されることとなりました。
 新生古処隊に相応しい名称を募集いたします。
 採用者には景品ならびに豪華特典を用意して
 おりますので、どしどしご応募下さい。
 皆様の斬新なネーミングアイデアを期待します。

         紳士倶楽部(仮称) 古処・津村


 また同時に新入部員も募集しておりますので
 希望者はお申し込みください。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

126 :名無しのオプ:03/02/16 16:57
おお、「テスト」というのも上手くとりいれられてる感じで(・∀・)イイネ!!
ネタを書き辛い状態だったろうにおつかれさまでした。





舞城の簡単にときめいたりしない所が好きだ(*´д`)


127 :名無しのオプ:03/02/16 17:14
学園の掲示板に張られたポスターを見てほくそ笑む影が一つ―――秋月だ。

秋月「これはチャンスだ。ボクのが採用されたら目立てるに違いない。
    それに豪華特典ってなんだろう?
    いきなり副隊長くらいに抜擢されるかも?よーし頑張るぞ」


ところ変わってたまたま通り過ぎた新堂・中嶋のメフィスト学園自警団コンビ
の会話を耳にした男が―――黒田である。

中島「新堂、聞いたか?古処たちが学園公認クラブになるらしいぞ」
新堂「ああ、なんか名前を募集してるらしいな」
中島「学園のバックアップがあれば活動の場が広がるよな」
新堂「採用者への豪華特典ってのが気になるところだよな、なんだろ?」
中島「いろいろ噂されてるようだぜ」
新堂「例えば?」
中島「芸能人との合コンとか……」
新堂「へ〜、そりゃいいな」


その瞬間、黒田の頭の中でなにかがはじけた!
黒田「合コン……芸能人との合コン!
    ってことは生モー娘。や生メロン記念日とのご対面も
    夢ではないってことか!
    いやいやそれどころか『ハロプロメンバー全員集合@合コン』もあり?
    こうしちゃいられないぞ。この勝負は負けられない、絶対に!!」

128 :名無しのオプ:03/02/16 17:19
中島「……って、芸能人との合コンは今俺が考えたデタラメだけどな」
新堂「ハハハ、そりゃそうだ」

もちろん、妄想が膨らんだ黒田の耳には届いていなかった……


129 :名無しのオプ:03/02/16 17:27
その頃、食堂の片隅で頭をひねってる一人の男が―――蘇部である

蘇部「う〜ん、う〜ん」
殊能「どうしたんだい?」
蘇部「あ、殊能君。なんかね〜。古処君たちのクラブの名前を考えてるんだ」
殊能「そうですか。彼らも晴れて公認されたのですね」
蘇部「そうなんだ。殊能君、一緒に考えて応募しようよ」
殊能「え、合作ってことですか」
蘇部「殊能君と一緒ならすごく良い案が浮かぶと思うんだ」
殊能「構いませんよ(というかすごく嬉しい)」
蘇部「じゃあ、今度休みの日に殊能君の家に行ってもいいかな?」
殊能「(ドキッ!)は、はい」

130 :名無しのオプ:03/02/16 20:20
そして―――ここにポスターを見ながら自問自答をくり返す男が一人―――霧舎である。

霧舎「心の中にぽっかりと穴が開いたみたいだ。
    これは僕自身が招いたことなんだ。自業自得ってものなんだ。
    自力で乗り越えなきゃならない。僕は変わらなきゃいけない。
    それが高里さんへの罪滅ぼし……
    古処隊へ入隊して心身共に鍛え直すことが今の僕には一番良いかもしれない。
    でも手始めに古処隊の新名称に採用されてみせるぞ。
    そうさ、他の誰にも負けない。これが新しい霧舎巧の第一歩だ!」


131 :名無しのオプ:03/02/16 21:00
一同はようやくスノーモービルが用意されていた場所へ到着する。
火山噴火という特殊状況下の緊張からか、本来雪に慣れている者にも疲労の色が浮かんでいる。
そんな中でも比較的元気そうな石崎が、ふと声を上げた。
石崎「あれ?浦賀じゃないか」
佐藤「…え?」

そこには、京極の他に浦賀がいた。木の側に座り込んで俯いた状態のまま、一同の方を見ようともしない。
佐藤は目を見開きその場で立ちつくしてしまっている。それを見て、舞城が何事か呟いて軽くため息をついた。

新堂「……何だ、気を失ってるだけか」
恐れることもなく浦賀の近くまで寄っていった新堂が、呆れたように、しかしどこか安堵したように言った。
北山「…だ、大丈夫?いきなり襲って来るかもしれないよ?」
新堂「大丈夫だ。刃物を持ってねえから、万が一襲いかかってきても勝てる」
北山「……そういう問題なの?」
京極「包丁ならここだよ。危ないから封印しているが」
京極の手には浦賀愛用の肉切り包丁があった。刃の部分が布でぐるぐる巻きにされている。

132 :名無しのオプ:03/02/16 21:01
氷川「京極先生が、浦賀君を止めたんですか?」
京極「うん。スノーモービルの場所に帰ってきたら偶然彼がいてね。
   話をしようと思ったが、どうも彼はそういう状態じゃなかったみたいだった」
中島「で、ハンティングモードの奴を倒したんスか?先生が?」
京極「倒したなんて大袈裟な。当て身をして気絶させただけだ」
中島「でも浦賀っすよ。いつもの状態ならともかく、スイッチの入った」
京極「誰であろうと学園の生徒であることには変わりはない。そして僕は教師だからね」
氷川「微妙に答えになっていませんけど…」
怪訝な表情の氷川と中島に、京極は涼しい表情で言う。
京極「この世には不思議なことなど何も無いのだよ、氷川君」

殊能「決めゼリフ二回目ですね、京極先生」
京極「全く、我ながら大サービスだ。…さあ、時間がない。浦賀君も連れて下山しよう」

133 :名無しのオプ:03/02/16 21:07
>>129
細かいところだけど、殊能が蘇部に対して「ですます口調」というのはあまりいただけない
紳士倶楽部って何するんだろ(w

134 :名無しのオプ:03/02/16 21:13
「如何なるときも紳士たれ!」ていう活動とか。何だそりゃ。
あと登山。

公式にもうバレンタインネタがアップされていた。早!
そして文化祭の「清涼院流水の密室」の背景がえらいことになっている(笑

135 :名無しのオプ:03/02/16 21:30
>133
実は山荘脱出の際に「ちょっとよそよそしくなるエピソード」が
あったことにしよう(w

136 :名無しのオプ:03/02/16 21:34
石崎「へえ、古処隊が部活ねえ」
乾 「なんだか登山ばっかりしてそう」
石崎「ふふん、この仮称の紳士倶楽部が正式名なら、紳士である俺もはいりたいところ
  なんだけどなあ」
乾 「はいはい、勝手にしろよ」
石崎「でもどうせなら、山荘での俺の活躍からいって、名探偵倶楽部でも作りたいとこ
  ろだな。もちろん総代は俺」
乾 「メフィスト学園探偵クラブ、略してMDCってか。石崎の必殺技はさしずめ
  <オヤジギャグ推理>だな」
石崎「うるへい。じゃあ、お前なんか<レズエロ推理>だ」

137 :名無しのオプ:03/02/16 21:55
そしてここにも一人。ポスターのある一点に目を奪われた男が―――委員長の森である。


 「おやまあ。古処君たちが部に昇格ですか。森はあまり興味がありません、
   といいたいところですが、『景品』に『豪華特典』をみすみす逃すわけには
   いきませんね。これは森がいただくことに致しましょう」



138 :名無しのオプ:03/02/16 22:25
「チョコ、白倉様の手作りチョコぉ……」
ゾンビのように、大塚邸の門にすがりつくユヤタン。
しかし悲しいかな、蜜月どっぷりな大塚夫妻は、らぶらぶ旅行の真っ最中でした。
可哀相に、バレンタインの前日から大塚邸で張り込んでる為、
ファンの女子高生からも、竹からもまだチョコをもらえていないのです。
そんなユヤタンの前に、綺麗な(願望)女の人が現れました。
ユヤタンの本の表紙絵を書いてくれた、笹井一個おねぇさんです。
「あら、佐藤君。飢えた子犬みたいに物欲しそうな顔して、どうしたの?」
笹井おねぇさんは、陰鬱な顔してナゲヤリに失礼な事を言いました。
「あ、笹井さん。僕にチョコを渡しに来てくれたんですね」
ユヤタンは顔に似合わずずうずうしい子でした。
「大塚さんに義理チョコ持ってきただけよ」
笹井おねぇさんはノリの悪い人でした。
「大塚先生はいません。白倉様とおでかけです」
ユヤタンは元気良く言いました。
「あらそう。ユヤタンはお留守番? イイ子ねー」
笹井おねぇさんはなんだかめんどくさくなってしまいました。
一応義理でチョコを持ってきたけど、わりかし世俗の風習には興味がないのです。
なにより、以前白倉由美とパイのぶつけ合いまでしてるので、
大塚邸に出入りするのは少々気まずいかな、とも思っていました。
でも、せっかく持ってきたのに無駄足というのは、すこし癪にさわるのです。

139 :名無しのオプ:03/02/16 22:25
「ユヤタンはチョコもらえたの?」
笹井おねぇさんは少しイジワルな気持ちになりました。
ユヤタンは捨てられた子犬のような顔で、首を振りました。露骨に媚びてます。
「ふーん。そう。あー、チョコ無駄になっちゃうなー、どうしよーかなー」
おねぇさんは物欲しげなユヤタンを見て、いやらしい笑い方をしました。
皆さんも知っているとは思いますが、ユヤタンをいぢめると、とても気持ちが良いのです。
「これじゃ、チョコ捨てるしかないわね。ああ、勿体無い」
ユヤタンは泣きそうな顔をしました。
そんなユヤタンをおねぇさんはにこにこして見ています。
「ユヤタン、欲しい?」
ユヤタンの顔が、にわかに明るくなりました。
「あげる」
おねぇさんは、チョコをユヤタンに渡すと、だるそうに帰っていきました。
チョコを抱えたまま、ユヤタンはふるふる感動していました。
「笹井さんは、きっと僕の事が好きなんだ」
ユヤタンはとっても幸せな気持ちでした。

140 :名無しのオプ:03/02/16 22:42
なぜに語りが絵本チック…(笑)

141 :名無しのオプ:03/02/16 22:47
>>139
ユヤタン小説っぽくてイイじゃん!!
おねぇさんキャラ萌え!!

142 :スキー合宿後日談:03/02/16 22:57
学園内の食堂に佐藤と舞城はいた。
最初は佐藤一人で食事をしていたのだが、その後舞城がやって来て、何故だか同じテーブルで食べている。
先日の山荘事件からずっと気になっていたことを、佐藤は思いきって訊くことにした。

佐藤「なあ舞城。君、あの雪の血が秋月や北山のものじゃないって、どうやって気づいたんだ?
   いや、もしかして最初から清涼院先輩のだってわかってたのか?」
舞城「ああ?もうええやろ、そんな終わったこと」
自分から同じテーブルに着いた癖に、何とも面倒くさそうに言う。

佐藤「良くないよ。もしわかってたのなら、何で教えてくれなかったんだ」
舞城「おめえ青い顔して浦賀浦賀言うだけやったろ。ほやから俺が『これは清涼院や』言うても無駄やったんと違うか。
   自分で気づかんと意味ねえやろ。もし俺が教えてたら『何だそうか良かった良かった』ておめえ安心出来たんか?」
佐藤「………それは」
舞城「それにあんとき、目を見開けって、俺はちゃんと言ったろうが」
佐藤「……あの雪は、今はもう見られないよ」
舞城「ボケ。そういう意味じゃねえっつの。おめえな、もうちょっとしっかりしろって。なんべんも言わすなや」
そう言って彼はわざとらしいため息をついて、まあええわと呟いた。

舞城「髪の毛」
佐藤「……え?」
舞城「ほやから髪の毛やって。あの雪ん中に、長い長い黒髪が落ちとるの見つけたんや偶然な。
   アホみたいに長い髪の奴ゆうたら、俺にはとりあえず一人しか思いつかんわ」
佐藤「髪…そうか。だから…」

143 :スキー合宿後日談:03/02/16 22:58
つまり、別に舞城は拳を振り上げていたわけでも、見えない聖火を掲げていたわけでも、ましてや天国や宇宙と交信していたわけでもない。
ただ長い髪の毛を掴んで、目の前にかざしていただけだったのだ。
何もない空を見て笑っていたのではなく、その視線の先にはその髪の毛があったのだ。ただ自分には見えていなかっただけで。

けれど、あんな吹雪の中、髪の毛一本を見つけられたのはただの偶然だ。
その髪にしたって、あの血が清涼院のものかも知れないという可能性を生むだけで、確信する程の根拠にはなりえない。
そう、ただ偶然に髪の毛を見つけただけで、あのとき浦賀先輩が秋月たちを手にかけていないと断言できたはずはないのに。

佐藤(けど舞城は見つけたし確信したし、断言した)

浦賀は殺人鬼ではないと。分別も持っていると。
そして、今となってはそれは本当だった。こうして平和な学園生活が戻ってきているのだから。
自分がこれだけ悩んで足掻いても尚手に入れられないものを、舞城はあっさり手に入れている。

舞城「ったく、おめえは本当に自分から動かんやつやな。そんなんじゃそのうち脳みそから何から全部腐ってしまうで」
言いながら、舞城はこめかみに人差し指を当ててにやりと笑う。
舞城「そういや、肉は腐りかけが一番旨いんやってな。ほんなら佐藤は今が食べ頃やぞ浦賀」
浦賀「別に食べたくない」

そして、何故かこの場には浦賀もいた。
どうやら舞城に連れてこられたらしい。ただしこちらは一つ横のテーブルで焼き肉定食を食べている。
何で舞城はこうも普通に浦賀と接しているのだろうか。浦賀も嫌そうではない。嬉しそうでもないが。
もしかして、彼の訛りの混じった言葉が親近感を湧かせられるのだろうか。だったら自分も北海道の…

舞城「ああそうそう。佐藤な、事件の最中に見当違いな芝居したらしいわ。迫真の演技やったって石崎が大笑いしとってな」

144 :スキー合宿後日談:03/02/16 22:59
と思ってたら、いきなり何を言い出すのだこの男は。

佐藤「おい舞城、そんなことどうでも」
舞城「でな、こいつ何か知らんけど必死やったみたいでな。
   それが余計にさぶかったらしいわ。石崎が言うくらいやからこれはかなりのもんやと思わんか?」
浦賀「…………」
佐藤「ちょっとやめろって」
舞城「ところが大変残念なことに、俺はその佐藤一世一代の大芝居を見てねえんじゃ。残念やなー本当になー」
佐藤「舞城!」
舞城「ほやから、何を考えて何のためにそんなアホなことしたんかは、本人から聞くしかねえっつうわけでな」
浦賀「…………」
佐藤「え?」
舞城「事の真相は佐藤が喋るやろ、そのうちな。せっかくやから聞いたれ。ほんでアホやなーと思ったら素直に突っ込み入れや」
そして舞城は、『後は自分で何とかしろ』とでも言わんばかりに、人の悪い笑みを浮かべてこちらを指さした。

余計なことをするな、と言ってやりたかったが浦賀の手前、そんな文句を言うことも憚られる。
きっと、また彼は無反応だろう。今まで自分のしたことは、ことごとく相手にしてもらえなかったのだから。
そして今も呆れているに違いない。

しかし。

浦賀「まあ、気が向けば」
表情こそ殆ど動かなかったが、浦賀は頷いた。そして、こちらをちらりと見る。
思わず、佐藤は首を何度も縦に振っていた。

145 :スキー合宿後日談:03/02/16 23:00
舞城「ま、今回は特別サーヴィスや。もう期待すんなや」
佐藤「……誰が。…あ、でもあと一つ教えてほしいんだけど」
先程よりは気楽に訊ねる。

佐藤「あの時の、あの変なポーズの意味はわかったよ。けどあの後雪を蹴散らしてたのは何でなんだ?
   まさか、秋月や北山の血じゃないから嬉しくてたまらなかったとか?」
舞城「アホか。雪を初めて見たガキやあるまいし、何で俺が嬉しくてそんなことするんじゃ」
佐藤「じゃあ…他のやつらからあの雪を散らして隠すため?」
舞城「逆や逆。あれはな、血の雪を散らすためやなくて、血の雪含めたあの辺りの雪を集めるために蹴ったんじゃ」
佐藤「は?集める?」
舞城「さすがに手で雪掘るのも面倒やったしな。ほやから蹴って雪被せて埋めよ思うて」
佐藤「…埋めるって何を?清涼院先輩の髪の毛?」
別に隠すようなものじゃないのに、と思いながら訊ねた途端、舞城はさっきから一転して不機嫌そうな表情になった。
そして自分の問いかけには答えずに、浦賀をちらりと見た…というよりは睨んだ。

舞城「浦賀、大体おめえ、あんな気色悪ィもん残していくなや。不味かったんかも知れんけど、食べ残しは良くねえやろ」
佐藤「……え?……食べ…?」
舞城「いくら清涼院やってわかっとってもあれは気分悪いわ。
   つーか、良く考えんでも何でおめえの後始末的なことをせなあかんのや、この俺が」
後片付けくらいちゃんとせえや一応埋めてやったけどそのうち化けて出るんやないかまあ俺は心から冥福祈ったで関係ねえけど、
と一気に喋って、最後に「アーメン」と呟いて(←しかし心が全然こもってなさげ)、舞城は黙った。

佐藤(食べ残し…?)
自分はあの吹雪の中、何を見た? 白い雪に広がる赤い血。それから、それから…

佐藤「……………………たべのこし…………」

146 :名無しのオプ:03/02/16 23:08
うーむ、いいね。
やっぱり面白い!

法月編のヤシを責めるつもりはないが、ひとことだけ言わせてくれ。
 女 が 「 ぼ く 」 と か 言 う な ヴ ォ ケ が 。

147 :GOGOチョコレート編:03/02/16 23:10
日明「はい、あげる」
氷川「え、これは…って聞くまでもないですね。チョコレートですか」
日明「ええ、別に毒ははいってないので心配しないでいいわよ」
氷川「毒入りですか。ふふふ、もしそうなら、僕が死んだ後に日明さんや石崎さん
  他に…キャラ的に蘇部君かな。みんなで集まって推理してその謎をといてくれ
  るんでしょう?」
日明「え?」
氷川「……すいません。僕の冗談はわかりにくいってよく言われるんです」
日明「本当によくわからないわね。まあいいわ。山荘で頑張っていたからご褒美と
  いうか…。あ、ちゃんと言っておくけど義理だからね。先生達へのチョコのあ
  まった材料で作っただけなんだから」
氷川「義理でも嬉しいです。ありがとうございます」
日明「それと、石崎君にもこれ渡しておいて」
氷川「石崎さんにですか。直接渡せばいいじゃないですか」
日明「う、それは嫌。…わたし、石崎君ちょっと苦手なの」
氷川「それはまたどうして?」
日明「なんだかセクハラされそう」
氷川「ああ、つくづく石崎さんは女性に好かれない才能の持ち主みたいですね」
日明「そうなの? 思わず納得してしまいそう」

氷川「そうそう、ところで『それでも警官は微笑う』読みましたよ」
日明「え、読んだの?」
氷川「ええ、僕も警察を舞台にした作品を書こうかと思っていたのでとても参考に
  なりました。いい作品ですね」
日明「ほ、誉めても何も出ないわよ」

148 :名無しのオプ:03/02/17 00:47
おおう、新カップル成立の予感

149 :名無しのオプ:03/02/17 07:57
日明x氷川、イイネ(・∀・)!!
お高い日明が氷川の屁理屈にはなぜか逆らえないマターリの予感

>>121
乙です
ラスト1行、カコイイ!

150 :スキー合宿後日談:03/02/17 19:37
>146
最初の2行で止めときなよ

151 :名無しのオプ:03/02/17 19:55
>121
乙です。お見事です。多謝。

97さんも、お疲れさまでした。本当に。
職人のみなさん、ありがとう。


152 :名無しのオプ:03/02/17 20:04
氷川「ああ、石崎さんここに居たんですか」
石崎「お、氷川。何か用か?」
氷川「これ。日明さんからです。山荘のご褒美だそうですよ」
そう言って、氷川は日明から預かったチョコレートを石崎に手渡す。
乾「何で氷川が持ってきてんの?パシリ?」
氷川「違いますよ。頼まれたんです、僕から渡してくれって」
乾「それをパシリって言うんだよ」
氷川「断じて違います」

石崎「ふふん、日明も案外可愛い所があるじゃないか。そんな恥ずかしがらなくても…」
氷川「義理チョコの更に余りだそうです」
間を置かずに冷静に答える氷川に、石崎はげんなりした表情になる。

石崎「お前なあ…もうちょっと夢を見させてくれたっていいだろ」
乾「そうそう。こういう時はひとしきりボケさせてからツッコミを入れるのが王道だ」
氷川「いや…別に突っ込みを入れたつもりはないんですけど」

本当は『苦手』だの『セクハラされそう』だのと言われたことを、氷川は黙っていた。
それを石崎は知る由もない。

153 :名無しのオプ:03/02/17 21:22
そんな三人に熱い視線を送る人物がいた。

高里「ああ!氷川くんが石崎くんにチョコレートあげてるわ!」
氷川「高里さん」
例によって、彼女の目はキラキラしていた。胸の前で手を組んで、心なしか顔が赤い。
高里「しかも乾くんの目の前で渡すなんて…もう、何て大胆なの氷川くんってば!」
氷川「いや、これは日明さんから預かって……高里さん、聞いてる?」

いつもなら石崎も乾も高里に何か言うところなのだが、霧舎とのことを知ってるためにどうも調子が出ない。
別に二人が高里に対して気まずくなる必要などないのだが。
石崎「(ぼそぼそ)何か、いつも通りだよな。もう立ち直ってんじゃないか?」
乾「(ひそひそ)馬鹿。そんなんだから女が寄って来ないんだよお前は。飲んだとき霧舎が言ってたろ、泣いてたって。
  いくら高里だってそんなに早く立ち直るわけないだろうし。わざと明るく振る舞ってんだよ。察しろよ」
石崎「(ぼそぼそ)…泣いてた?霧舎、そんなこと言ってたっけ?」
乾「覚えてねえのかよ、この酔っぱらい!」

いつものノリで、乾はつい大声でツッコミを入れてしまった。それに敏感に反応する高里。
高里「えっ。石崎くん、酔った勢いで何をしたの?覚えてないって…きゃっ、そんなことっ」
石崎「あーのーなー…」

どうしたもんかと石崎は頭を抱えた。これが空元気なのだろうか。自分には素に見えるのだが。
しかし乾は特に何も言わないし、氷川はまだ冷静にチョコレートの出所について説明しようとしている。
高里の妄想話に巻き込まれそうになったことは多々あれど、こんな困った状況になったのは初めてだった。

154 :名無しのオプ:03/02/17 21:23
自分の苦悩などお構いなしに、高里の話は止まらない。
高里「氷川くんは乾くんに宣戦布告、けど石崎くんには乾くんがいた…氷川くんが断然リードしてると思ってたけど。
   もう石崎くんったらモテモテなんだから!」
石崎「………」
これはどうするべきか。放っておいたらこいつずっと喋り続けそうだ。怒るか?怒るべきか?いやでもしかし。
高里「やっぱり、今一番注目すべき三角関係よねっ!あ、北山くんもいたんだっけ、てことは四角関係?」
石崎「……あー…」
高里「そういえば北山くん、可愛い格好してチョコを配ってたけどそれも……痛っ」
やっぱり怒ろうか、と思って石崎が声を出しかけた矢先、後ろから何者かが高里の後頭部をはたいた。

舞城「おら高里。何マシンガントークしとんのや。ちゃんと待っとけ言うたろうが」
高里「あ、ごめんなさい…つい…」
舞城「何のついじゃ。まあ、探す手間が省けたさけええけどな」
いつの間かそこに舞城が来ていた。彼は叩くのにどうやらあまり手加減しなかったらしい、高里は涙目になっている。

妙な組み合わせだった。

氷川「探す手間って?舞城君、僕らに用が?」
舞城「そうや。おい石崎、飯を食いに行くぞ」
石崎「は?何で俺をご指名なんだ?飯って高里も……ってうわ!何するんだよ!」
舞城は唐突に石崎の首根っこをつかむと、有無を言わさずずかずかと歩き出した。

155 :名無しのオプ:03/02/17 21:24
石崎「おい舞城!普通、人を食事に誘うときはもっと紳士的にだな…いや、奢ってくれるんなら喜んで行くから放せって」
舞城「安心しろや、俺とお前で割り勘」
石崎「はあ!?高里は?何で俺が高里に奢らんと…痛え!何すんだこの暴力魔王ー!おい乾!氷川!助けてくれー!」
唖然とする乾と氷川を残して、そのまま石崎は舞城に引きずられて拉致られて行った。

乾「……何あれ」
氷川「高里さん、何事ですか?」
高里「よくわかんないんだけど、ご飯をご馳走してくれるって」
本当に良くわかっていないらしく、高里は困ったような喜んでいるような、複雑な表情で答えた。
そして、慌てて去っていった二人の後を追おうとする。

乾「あ、高里」
そこでふと乾が高里に呼びかけた。高里は足を止めて振り向く。乾は少し決まり悪そうに言った。
乾「あー、あのさ、早く元気出せよ。気にすんなってのは無理だろうけどさ」
高里「………うん、大丈夫。ありがと」
一瞬表情を止めてそれから少しだけ寂しげに微笑んで、高里は行ってしまった。

氷川「何のことですか?…というか、今の出来事は一体…」
乾「舞城と石崎、で高里か…ちょっと推測できるけどなあ…」

156 :名無しのオプ:03/02/17 21:50
うわー、どうなるんだろう、このお食事会……


157 :名無しのオプ:03/02/18 00:02
乾「そのうちお前にも伝わってくるだろうから言うけどさ…別れたんだと、あの二人」
氷川「は!?霧舎君と高里さんがですか?何でまた急に。スキー合宿のときは普通でしたよ」
乾「さあな。別に根ほり葉ほり訊いたわけでもないし。でも霧舎の方が思う所があったらしいな」
氷川「…霧舎君の方から?でも、僕にはどちらかと言えば彼の方が…」
乾「ああ、自分から切り出したにしちゃ、しんどそうな顔してたよ。で、石崎と俺でやけ酒につきあったんだよな」
そこで一旦言葉を切って、乾はうーんと唸った。

乾「で、そこで霧舎の奴が言ってたんだけど…『舞城と石崎の言葉で僕は気づいたんだ』って」
氷川「…どういう意味ですか?」
乾「さあ。あいつかなり飲んでたからなあ…でも、どうも舞城と石崎が原因で別れたっぽいんだよ」
氷川「あの二人が何か妙な事を霧舎君に吹き込んだとか?」
乾「そこなんだよなあ…ニュアンス的には『あの二人の所為で』と言うより『あの二人のお陰で』っていうか…
  吹っ切れたんだとか色々言ってたから、原因と言うよりはキッカケの方が正しいかもな」

158 :名無しのオプ:03/02/18 00:03
氷川「想像出来ませんね。舞城君はそんなアドバイスめいたことを積極的に言う性格じゃないし、
   石崎さんは冗談なら言うでしょうけど…」
乾「だろ?でもそれ以上のことは訊けなかったからな。…で、霧舎がそれを舞城に言ったのかもしれない。
  何でかわからないけど、霧舎、『舞城にも言わないと』つってたからさ。何を言いたかったのか知らないけど」
氷川「それで、それを聞いて負い目を感じた舞城君が、石崎さん共々高里さんに食事を奢る、と
   ……釈然としませんねえ…」
乾「うーん…確かに、舞城ってそんな殊勝な奴じゃないけどな…でも妙に筋を通す奴でもあるし…」
氷川「ああ、山荘のときもそんな感じではありましたね」

氷川「でも、石崎さんは分かってなかったみたいですよ?さっきも助けを求めてたじゃないですか」
乾「あいつ多分覚えてないんだよ。霧舎と同じぐらい飲んでたから」
呆れたように言う乾。
乾「霧舎がその話をしたときも『よく気が付いたーおじさんは嬉しいぞー感動した!』って、騒いでたからな」
氷川「………」


ちなみに参照>>3スレ548-551

159 :名無しのオプ:03/02/18 15:14
美術室。
状況は変わっておらず荒れたままだ。
積み重なっている物体を前に男が佇んでいる。

男「しかし、よくもまぁここまで散らかったものだね。
  全く誰が片付けると思っているのやら。困ったものだ。
  さて、こんな所にこの僕を呼び出してどうするつもりなのかな?
  西尾維新君。」

そう言って男はもう一人の男に対して振り返る。

西尾「この『事件』の犯人を教えてあげようと思いまして。
   美術部顧問の辰巳先生。」

名前を呼ばれた男はため息をつく。

辰巳「ふぅ・・・・・・。それは僥倖な事だが何故わざわざこんな所に
   呼び出すのかな?しかもどうやら観客は私一人だけらしい。
   大勢の観客の前で自分の推理を得意げに語る。
   それが君達の自尊心を満足させていると思っていたのだが
   違うのかな?『名探偵君』?」

160 :こたつ組の無情な解決編(前編):03/02/18 15:15
西尾「大勢の目の前で告発されたいとはなかなかいい趣味ですね。
   流石の僕もそこまで自虐的にはなれないですよ、『犯人』さん。」

その言葉を聞いた途端に辰巳は爆笑しだした。

辰巳「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!
   この私が『犯人』か!なかなか面白い事を言う。  
   それなら私は『犯人』らしくこう聞き返さないといけない訳だね。
   『私が犯人?証拠や動機は一体なんだというのかね?』」

西尾「一つ。美術室の鍵を持っているのは顧問の辰巳先生と
   部員である竹嬢だけです。
   二つ。犯行当時のアリバイが無いのは貴方だけです。
   三つ。清涼院先輩が貴方を名指しで告発しています。
   『たつ』に気をつけろ、と。
   四つ。僕の勘が貴方を犯人だと言っています。」
   五つ―――。」

辰巳「ちょっと待て!突っ込みどころが多すぎるぞ! 
   アリバイだと!?いつの間にそんな事を調べた?
   清涼院が言っているから?あんな屑の言う事を
   まともに受け止めるのか!
   しかも挙句の果てには『君の勘』だと!
   君はそれでもメフィスト学園の生徒かね!
   実に下らん!実に愚かしい!そんなものは推理でもなんでもない!
   そんな事だから、この私がわざわざ鉄槌を下す必要が生じるのだっ!」

161 :こたつ組の無情な解決編(前編3/3):03/02/18 15:23
西尾「・・・・・・やれやれ。まさかこんな事で自白するとは
   正直思っていませんでしたよ。」
辰巳「なっ!こ、こんな事で引っ掛けたつもりか!」
西尾「まぁ、いいでしょう。順番に答えてあげますよ。
   最初にアリバイの件ですが。
   伊達に『2週間以上』も姿をくらましてはいません。
   これだけあれば学園内の人間全員のアリバイを
   調べ上げるには十分な時間でした。」
辰巳「に、2週間だと?何を言っている?」
西尾「・・・・・・あぁ。そうですね。貴方には理解できない
   『世界』の話でした。とにかく当時、学園内に
   いた人間全員の動向を『完全』に把握しています。」
辰巳「完全にだと?自信満々だな。そんな事が出来るわけが―――」
西尾「僕の勘というのは冗談ですよ。僕の冗談はわかりにくいと
   よく言われるんです。なんてったって戯言交じりですからね。
   さて、『ある時点におけるある地域内の人物の動向を
   完全に把握できうるのか?』
   この問いかけには『Yes』と答えます。
   何故ならこの『メフィスト学園』という環境は実に特殊だからです。」

162 :名無しのオプ:03/02/18 15:43
辰巳って誰?

163 :名無しのオプ:03/02/18 15:48
講談社ノベルスの装丁を沢山手掛けている
辰巳四郎のことですよ。

164 :名無しのオプ:03/02/18 15:53
>163
なるほど。
で、いつから美術部の顧問に……
っていうか竹ちゃんも部員……

まあ野暮なことは言いっこなし!ってことでいいか。

けど、今まで(1〜5スレ)に出番はありました?


165 :名無しのオプ:03/02/18 16:10
>>164
横レスだけど、辰巳四郎が美術部顧問ってのは全然違和感ないかと思われ。
講談社ノベルズといえば辰巳装丁。これはもうお約束みたいなもの。
このお約束については笠井先生も明言してたりする。(参考文献:ミスクロ300)

つーか、これ以上の説明はこたつ組解決編のネタバレになると思われるので省略。

166 :165:03/02/18 16:17
ちなみに私の予想では、この事件は山荘編と微妙にシンクロしてるはず。

法月編の暴走のせいで、その線は消えてしまったくさいけど。

167 :名無しのオプ:03/02/18 16:19
辰巳キター
やっぱ講談社ノベルスには辰巳先生ですよ

168 :名無しのオプ:03/02/18 16:46
正直いって、登場人物紹介されていないキャラは
最初にフルネームを出すようにしてもらいたいと要望する。


169 :159:03/02/18 17:05
>>164
出番及び顧問の設定は>>159から。(この辺はやったもん勝ちという事で大目に見てください)
竹ちゃんはそもそもの事件の発端(前スレ>>151で部室とあるのでとりあえず。)

>>165
えーと。
ご期待に沿えるよう頑張ります。

>>168
正直スマンカッタ

一応俺的設定補足を追加で。
本来なら作中で語るべき事ではありますが、如何せん未熟な身ゆえに
ご容赦ください。

辰巳四郎。メフィスト学園美術教師。
古くよりメフィスト学園生徒の作品装丁を手がける。
そのデザインは学園内外より高い評価を得ている。
現在、舞城を美術部に引き込もうと画策中。

とりあえず次回中篇早めに上げます。
しかし自分で書いててアレですが辰巳って何気に人気ある?(笑

170 :名無しのオプ:03/02/18 18:59
>現在、舞城を美術部に引き込もうと画策中。
森もイラスト書くけど、先生は彼の勧誘は諦めたのか。

171 :名無しのオプ:03/02/18 21:49
戯言探偵キターー!
そうか、2週間以上登場しなかったのは伏線だったのか!

172 :名無しのオプ:03/02/18 21:52
高里は、石崎と舞城と一緒に食堂にいた。二人が食事を奢ってくれるというのだ。
石崎は少し前まで抵抗していたが、今は諦めたのか大人しく座っている。

ちなみに食堂とは言っても、メフィスト学園の食堂はそこらへんの学食とはひと味違う。
日替り定食は勿論、トンカツやご飯抜きキムチ丼から自衛隊用缶詰、アルコール類まで、何でもあるのだ。
よって、それ相応の料理を頼めばそれなりのお値段になる。まあ、日頃からそんなものを食べるのは先生クラスだが。

高里「……本当にご馳走になって良いの?…石崎くんは」
舞城「どうぞどうぞ。何でもお好きなものをお食べ下さい、お嬢様」
石崎「あ、でもあんまり高いのはやめ…ぐっ……あー…遠慮しないでもいいぞ。
   西澤監修家庭料理のセットでも京極薬石御前でも笠井太鼓判のフルコースでも何でも…」
慇懃無礼に言う舞城。ぐったりしながらも笑って答える石崎。
結局、高里は日替わり定食とデザートをご馳走になることにした。

高里は考えていた。自分は何でこの二人に食事をご馳走になっているのだろう。
やはり、気を遣われているのだろうか。舞城は言わずもがなだし、さっきの乾の態度からして石崎もおそらく知っている。
だから石崎も、必要以上にごねたりしなかったのだろう。
二人とも霧舎のことに関しては特に何も言わない。別に慰めるような言葉も出てこない。
普通にご飯を食べて、普通に談笑している。

自分だって、別にあれから四六時中落ち込んでいるわけではない。ちゃんと納得したのだから、もう割り切っている…筈だ。
しかし、時折霧舎の顔が頭をかすめる。その度に、寂しいのか悲しいのかそれとも悔しいのかよく分からない気持ちになる。
そして訳もわからないまま、泣き出してしまいそうになるのだ。

173 :名無しのオプ:03/02/18 21:54
目の前の二人は、とりとめのない話をしていた。
最近森が珍しくラジオを聴いているが何故だとか、古処隊の新名称募集の豪華特典は何だろうとか、
メフィスト学園探偵クラブ略してMDCがあるとしたら各人の推理名称は何かとか、今時の女子高生語とか
新入生の生垣はやはりフィルムマニアなのかとか、集英スクールの乙一が頭を坊主にした噂とか、そんな他愛のない話。

しかし、その何でもない平和な光景を見て、ふと視界が霞んだ。高里は慌てて俯いて眼鏡を外すと、二人にバレないようにそっと涙をぬぐう。
高里(何だか、スキーに行ってから涙もろくなっちゃったかな…)

舞城「高里」
高里「…あ、ごめんなさい、何?」
舞城「ほれ、あーん」
ふと名前を呼ばれて顔をあげると、目の前に何かが差し出されていた。
眼鏡がないので良く見えないが、あまりに至近距離に『それ』があったために、反射的に口に入れる。

次の瞬間、口と喉に焼け付くような痛みが走った。
高里「!!?」

高里は何度も激しく咳き込んだ。舞城がげらげら笑っているのが聞こえた。
石崎「おいおいおいおい、素直に食べるなよ高里…ほれ水だぞ水」
心配そうな口調ながら、石崎も半分笑っているようだ。
高里「…ゲホッ………何?今の何……辛ぁ……ちょっと…もう!何なの?」
受け取った水を飲み干しても、喉の痛みはすぐには取れそうになかった。

174 :名無しのオプ:03/02/18 21:55
舞城は尚も可笑しそうに笑っている。彼が食べていたのはペペロンチーノ、石崎はビビンバ丼。
高里「……良く見えなかったけど…何?赤唐辛子?それともキムチ?」
舞城「おお、冴えておられますねお嬢様。両方正解でございます……正確に言えば白菜キムチのキムチソース赤唐辛子和え。
   いやー、まさかマジで食うとは思わんかったけど(げらげら)」
石崎「笑いすぎだぞ、舞城…さすがにキムチソースは余計だったんじゃないか?あはは、大丈夫か?」
高里「もう…石崎くんだって笑ってるじゃない…二人ともひどい」
石崎「何を言う。そこのタバスコまでかけられるところを、俺が阻止してやったんだぞ。感謝しこそすれ……
   いや、悪い悪い、ホント大丈夫か?…おい舞城、見ろ、高里泣いちゃってるじゃないか」
高里「………あ…」
しかし、舞城は特に態度を改めようともしない。まだ笑っている。

舞城「ほー、そんなに辛かったんか?ほんなら石崎、おめえも食ってみれや」
石崎「何で自分の金でそんなもの食べないといけないだ!ていうか、勝手に他人の丼の具を取るな!」
舞城「いつもなら率先してやるじゃねえか。ここで面白いリアクションすれば大爆笑必至やぞ」
石崎「俺は芸人じゃないぞ。それに舞城に爆笑されても嬉しくも何ともない!女子高生ならともかく」
舞城「おめえ、何気に突っ込みに回っとるな。俺は別にボケてねえで」
石崎「ボケじゃなくて理不尽なだけだろうが!大体、お前はすぐ殴るのが…」

二人がぎゃあぎゃあ騒いでいるのを見て高里は笑った。まだ喉の奥がヒリヒリして、左目に涙も残っていたが。

175 :名無しのオプ:03/02/18 23:26
もともと舞城贔屓だけど、このスレのおかげで惚れそうだ…

176 :こたつ組の無情な解決編(中編1/3):03/02/18 23:37
辰巳「・・・・・・『特殊な環境』だと?」

西尾の言葉にいぶかしむ辰巳。

西尾「ええ。この学園内においては我々生徒の『能力』が最大限に発揮されるようになっています。
   学園内にいる限り積木氏はメタというメタをメタし続ける。浦賀氏は人肉を食し続けます。
   石崎氏は女子高生にいじめられまくりますし、舞城氏は素直になる事が出来ない。」

男は妖しい表情を浮かべながら『言葉』を繰り出す。

西尾「そして、清涼院先輩。
   彼は学園内にいる限りありとあらゆる行動を取る事が出来、なおかつ誰もその事を不思議に思わない。」
西尾「そう。何故清涼院先輩が貴方を告発したのか?
   何故『僕』が学園内のありとあらゆる状況を把握できたのか?
   簡単な話です。僕には彼らの協力があったからです。」

そういって西尾は辰巳の背後を指差す。
つられて背後を振り向く辰巳。
そこには。





無数の清涼院流水が存在していた。
清涼院達「セイリョインッ!セイリョインッ!セイリョインッ!」

177 :こたつ組の無情な解決編(中編2/3):03/02/18 23:38
辰巳「・・・・・・悪夢だ。」

呆然とする辰巳。
その目の前で清涼院達はゆらり、と姿を消していく。

西尾「簡単な話です。実にシンプルな話です。
   清涼院先輩は学園中に存在していた。
   清涼院先輩は犯行を『目撃』していた。
   だからこそ犯人が『たつ』であると告発出来た。
   それだけの。そう、たったそれだけの話です。」

時が止まった。
部室内に静寂が染み渡る。そのままの状態がどれほど過ぎたのだろうか。
しばらく呆然としていた辰巳がやがて笑い出す。

178 :こたつ組の無情な解決編(中編3/3):03/02/18 23:38
辰巳「ククククク・・・・・・馬鹿げている。実に馬鹿げている!
   そう。確かにこの私が犯人だ!認めよう!
   だがこの展開は一体どういう事だ!
   貴様はそれでもメフィスト学園の生徒か!
   過去に何の伏線も無く。
   事実の解明に推理の欠片も無く。
   話に整合性が一切無い。
   美しき『本格推理』の世界を構成する要素が一切無いっ!
   それでも貴様はメフィスト学園の生徒なのか!」

西尾「ええ、立派な生徒のつもりですよ。まぁ、この解釈で貴方と問答する気はありません。
   つまるところ動機はそれな訳ですね。『本格推理の世界』を護る為にいわゆる『脱格』を排除する。
   僕に言わせれば実にどうでもいい話です。単純に出番が欲しくなったからという理由の方が
   判りやすいですね。いや、実は案外そちらの方がメインだったのでは?」

そういってニヤリと西尾は笑う。
その言葉に触発されたように辰巳は激昂する。

辰巳「貴様っ!この辰巳四郎が目立ちたいためだけに
   犯行を行ったと思っていたのかァ―――――ッ!!
   私は『本格推理のため』に犯行を行ったっ!
   『本格推理のため』
   ただそれだけのためだ!
   単純なただひとつの理由だがそれ以外はどうでもいいのだ! 」

179 :こたつ組の無情な解決編(中編3/3):03/02/18 23:40
>>170
森は
「お金にならない事はしないので(笑)」

とかいいそうなイメージがありますから(笑

180 :名無しのオプ:03/02/19 01:48
>>176
羽のはえた清涼院妖精が窓にびっしりたかってるのを想像してしまった(怖

181 :名無しのオプ:03/02/19 02:49
露伴先生かよ!w

182 :名無しのオプ:03/02/19 10:59
だめだ…御大ネタはツボすぎる!!(w


183 :名無しのオプ:03/02/19 12:06
>180
妖精って(笑)

184 :名無しのオプ:03/02/19 14:37
                \ │ /
                 / ̄\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               ─( ゚ ∀ ゚ )< セイリョーイン!セイリョーイン!
                 \_/   \_________
                / │ \
                    ∩ ∧ ∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\∩ ∧ ∧ \( ゚∀゚)< セイリョーイン!!セイリョーイン!!セイリョーイン!!
リューーーーーースイ!   >( ゚∀゚ )/ |    / \__________
________/ |    〈 |   |
              / /\_」 / /\」
               ̄     / /


185 :184:03/02/19 14:39
ごめん、ずれちゃったよ_| ̄|○

186 :宝石売りの秋月:03/02/20 21:18
雪の降る町の中を、一人の青年が、マッチならぬ宝石を売っていました。
「宝石はいりませんか。どなたか宝石を買ってください」
懸命に声を張り上げますが、だれも振り向いてはくれません。
「買ってくれた人には、変な渾名(コードネーム)つけてあげますよ!」
通行人は、露骨に嫌な顔をして、避けて通ります。
「買ってくれたら、美人の探偵姉妹を紹介しますよ!」
何人かのキャラ萌えびとが立ち止まってくれましたが、誰かイジワルな人が
「騙されるな、迷宮学の事だ」と言うと、皆がっかりして行ってしまいました。
「探偵姉妹だけじゃなくて、稜子もつけるのに……」
悲しげに呟く秋月。それを聞いて、飛びついてきた人がいます。
「稜子さん!? 大ファンなんです、貴方が作者なんですか!?」
ああ、この人は僕のファンなんだ。秋月は嬉しくなりました。
でも、次の一言で、全てが台無しでした。
「いやー、鏡稜子はいいキャラですよね。となると、あなたがユヤタン?」

秋月は孤独を噛み締めました。


187 :名無しのオプ:03/02/20 21:33
ああ、そうさ。
僕はネタを書くためだけに、秋月読んださ。
……うぅ。(泣)

188 :名無しのオプ:03/02/20 21:42
漢だ。

189 :名無しのオプ:03/02/20 22:00
すげえ、職人の鑑だ

190 :名無しのオプ:03/02/20 22:01
その頃、浅暮は一人、川でのんびり釣りをしていた。
浅暮「釣り糸を垂らしながら酒を呑みつつ梅を愛でる…いいねェ、最高の贅沢だ」

この所、イベント続きでかなり目まぐるしい日々が続いたため、こんな長閑な時間は久しぶりだった。
たまには学園の喧噪から離れて、存在を忘れられない程度にのんびりするのも悪くない。

浅暮「酒も美味いし…さすが笠井先生秘蔵の品だな。………お、かかったか?」
先の事件のどさくさで頂いてきた酒に舌鼓を打っていると、傍らに置いていた簡素な竿の先がぴくりと動いた。
しかし浅暮は慌てもせずに杯を左手で持ったまま、右手を緩慢に伸ばして竿を取る。
今回は『釣りをしつつ梅見酒』が目的なので、別に釣れなくても良いのである。

が、その手に予想以上の力がかかった。竿がしなる。驚いて杯を置き、両手で竿を持つ。
浅暮「このアタリ…大物だ」
今の今まで釣れなくても良いと思っていた癖に、もっと良い竿を持ってくれば良かったかと後悔する。
緩急をつけながらリールを捲いていくと、かなりの抵抗がありながらも、獲物は確実に近づいてくる。

191 :名無しのオプ:03/02/20 22:04
浅暮「おいおい、まさか川のヌシでも釣っちまったかね…………ん?」
にやけていた浅暮だったが、ふと鼻のあたりをひくつかせて不審そうな表情を浮かべた。
そしてすぐに、急に白けたような顔になって水面を見やる。水面には少しずつ獲物の影が浮かび始めていた。

一応、もう少しリールを捲いてみる。影が更に濃くなると共に、聞き慣れた『音』が耳に入ってくる。思わず嘆息。

獲物「…セーーー……イーーーーン!……リョーー……ン…!セーーーーーーーーリョーーーーーーーー」
浅暮「リリース」
聞こえてくる声を遮って、浅暮は躊躇無く手元のラインを切った。
今正に水面に姿を現さんとしていた赤地に水玉の『獲物』は、そのまま再び川の深くに消えていった。(ゴボゴボゴボ)

それがまた浮上してくるかと水面をしばらく注視していた浅暮だったが、すぐにはっとする。
浅暮「……しまった。針とラインを川に流すとは、釣り人失格だ………」
しばらく彼は突っ立っていたが、もう一度大きくため息をつくと、釣り竿と一升瓶と杯を抱えてその場を後にした。
浅暮「帰って呑み直そう……」

192 :名無しのオプ:03/02/20 22:20
>187
気を落とすな!
俺だって秋月は読んでるぞ!
メフィ学スレ住人なら必読だよ!
迷路と迷宮は違うんだよ!
なあ、そうだろう?誰かそうだといってくれぇ〜〜〜〜!

193 :名無しのオプ:03/02/20 23:03
>190-191
お見事。
途中で恐ろしい真相(wには気がついたが、
ぐれさんの無情な一言で禿ワラタよ。

194 :こたつ組の無情な解決編(後編1/2):03/02/21 00:10
西尾「それはそれは。大変失礼いたしました。
   なるほど。まさか辰巳先生がそこまで本格を愛していたとは。
   それなら本格らしく事件の説明を行いましょうか。」
辰巳「・・・・・・」

西尾「まずそもそも何故辰巳先生はこの事件を行ったのか?
   なんの事はありません。単純に我々を混乱させるためだけにあの犯行は行われた。
   山荘の事件を援護する為だけにあの事件がある訳です。
   少々うがった見方をすれば、「1000の串刺しを作る」という文句に煽られ、
   学園生徒が乗っかればラッキーという意味合いもあったのでしょう。
   と、同時に『確認』の意味もあったのではないですか?」
辰巳「確認・・・・・・だと?」

西尾「えぇ。事件が起きたとなれば当然犯人探しが始まります。
   そこで自分が容疑者として浮かび上がってこなければ。
   そもそも辰巳四郎という男の存在を誰も意識下に思い浮かばなければ。
   その後の犯行は実に容易く実行できたでしょうね。
   『唐突に現れた新キャラが犯人である』
   実にアンフェアな話です。とてもとても本格を愛する人の、フェアプレイを愛する
   人のやる事ではないと思いますが。」
辰巳「・・・・・・嫌味のつもりか。」

195 :こたつ組の無情な解決編(後編2/2):03/02/21 00:11
西尾「まあ、幸いにして第二の犯行が実行される前にこうして告発する事が出来たわけですが。
   さて、ここで動機の話に舞い戻りましょう。
   先ほど私は『本格推理の世界を護る為にいわゆる脱格を排除する事』が動機であると
   いいました。唐突な話です。通常考えてこんな動機を導き出す事は・・・・・・」
辰巳「ふんっ。お得意の戯言はいい。どうせ清涼院経由で事の真相を知っているのだろう。
   その通りだ。私は笠井先生の思想に賛同し従っている。決して間違った事をしているとは思わん。」

西尾「・・・・・・やれやれ。ここからの論理展開が見せ場の一つだったのですけれども。
   まぁいいでしょう。それでは戯言を始めさせていただきますよ。
   
   かつてSF小説がもてはやされた時代がありました。「スターウォーズ」や「スーパーマン」といった
   映像作品から発した一大ブームです。が、やがてそのブームも収束していきます。
   何故か?僕は『読者が排他的になっていった』事が一番の理由だと思っています。
   『SF作品はこうでないといけない』、『こんな作品はSFではない』といった固定観念が
   読者に広まっていき、どんどんと間口を狭くしていき挙句の果てに自滅していった。
   これが僕の見解です。さて、現在のミステリー界はどうでしょうか?
   様式美と言えば聞こえは良いですが、その実かつてのSF界と同様の事がおきているのではないでしょうか?
   ミステリ界への間口が狭くなってきている。ここ数年そういった感触を僕は受けます。
   だからこそ間口を広めるためにも。ミステリを広めるためにも。
   僕達はいわゆる『脱格』系を書き続けてきましたし、これからも書き続けていくでしょう。
   読者が僕達の作品を入門書として、本格の世界に足を踏み入れてくれれば。
   十角館を初読した時のあの衝撃を。エンジェルを読んだときのあの感動を。
   一人でも多くの読者が味わってくれる事を願いつつ、僕達は『脱格』を続けていきます。

   これが僕の答えです。如何でしょうか、笠井先生。」

その言葉と同時に、西尾の背後の扉が開く。
そして・・・・・・笠井が現れた。

笠井「・・・・・・ふんっ。20点といったところだな。」

196 :幕間劇「メフィストクエスト」:03/02/21 00:57
せいりょういんはおたけびをあげた!

「セーーーーーーーーリョーーーイン!!」

もりはわらっている!(にこにこ)
まいじょうはわらっている!(げらげら)
うらがはわらっている!(にたぁぁ)


にしおはざれごとをとなえた!

「ライトノベルなキャラで本格失格! でも売り上げはトップクラス、みたいなっ!」

もりはわらっている!
しんどうはむししている!
あきつきはふかくきずついた!


ゆやたんはじゅもんをとなえた!

「メガンテ!」

おおたにはきかなかった!
ゆやたんはしんでしまった!

197 :名無しのオプ:03/02/21 01:06
>196
一分近く笑ってしまった……(w

198 :名無しのオプ:03/02/21 01:21
なんとゆやたんはおきあがり なかまにしてほしそうに
こっちをみている なかまにしますか?

 はい
 いいえ

199 :講談社:03/02/21 02:02
>はい

しかしこうだんしゃはあかじだ!

ゆやたんはさっていった・・・

200 :名無しのオプ:03/02/21 02:06
すれっどのあたらしいながれが かんまんにこうちくされようとしています
このままが よいですか?

 はい
 いいえ
 

201 :名無しのオプ:03/02/21 08:57
すれっどのあたらしいながれが かんまんにこうちくされようとしています
このままが よいですか?

 はい
>セイリョーイン
 いいえ
 

202 :名無しのオプ:03/02/21 09:52
森 「というわけで、皆さんが雪山で楽しくバカンスをしている間に新しく入学した
  帰国子女の生垣真太郎君です」
生垣「ぐっもーにんエブリバディ」
石崎「うお、英語だよ。帰国子女だってよ」
乾 「っていうかエセ外人」
森 「生垣君は京都大学出身です。メフィスト学園では京大といえば清涼院君なんで
  思わず避けて通りたくなりますが、先生方にも京大出身者は多いので何かとコネ
  があるかもしれません。仲良くするといいことがあるかもしれませんよ。では、
  生垣君、あらためてメフィスト学園にようこそ」(ニコニコ)
生垣「OK。あらためてよろしく、ボス」
乾 「さすが委員長。仲良くすると利益のありそうなキャラには如才ないね」
石崎「そんなヒロシに騙されて」
生垣「えー、しばらくNYに住んでいて最近の日本の動向には少しうといので、先輩
  方がいろいろとレクチュアしてくれるとありがたいデス。これからよろしく」

森 「では、質問のある人」
蘇部「はいっ!」
森 「あ、生垣君、彼は蘇部君です」
生垣「ひゅー、彼が人気者のソブね」
蘇部「生垣君はどうしてさっきからカメラでぼくたちを撮ってるの?」

生垣は教室にはいってきたときから片手に8mmカメラを構え教室内や皆の顔を取り続
けているのであった。まるでテレビか映画のカメラマンのようないでたちである。

203 :名無しのオプ:03/02/21 09:53
生垣「それはグッドクエスチョンだね」

ウインクをする生垣。カメラは蘇部のアップを写し出す。
蘇部は少し照れながらも笑顔を浮かべピースをした。蘇部君2歳という意味ではない。
後ろの席にいる舞城が無言で蘇部の後頭部にチョップをいれると、蘇部は大きな音を
たてながら机ごとすっ転んだ。
生垣が今のはいい絵がとれたと満足して微笑む。

生垣「なぜ僕がキャメラを回し続けているかって?」

生垣はそこで言葉をきり目を閉じた。
パパン。シーン1、学園教室、新入生の生垣、なぜキャメラを回すのかと問われる。
生垣はゆっくりと目を開けた。スポットライトがあたる。

生垣「それは僕の映画スピリットがそうさせるのさ」

204 :名無しのオプ:03/02/21 10:11
生垣が主役の場合、説明が滅茶苦茶多い割にセリフが短いな……w

205 :名無しのオプ:03/02/21 10:55
ト書きですかw

206 :名無しのオプ:03/02/21 12:32
すれっどのあたらしいながれが かんまんにこうちくされようとしています
このままが よいですか?

 はい
セイリョーイン
>いいえ…?

しょくにんAはあたまをさげてさっていった…

207 :名無しのオプ:03/02/21 13:40
Σ(゚д゚)ガーン

208 :名無しのオプ:03/02/21 15:40
生垣は常にカメラで撮影してるのか
金田一少年の佐木みたいだなw

209 :名無しのオプ:03/02/21 15:58
>>208
そこに事件の発端が映ってたり、
なにかの証拠が映ってたり…
ミステリだな


210 :名無しのオプ:03/02/21 16:11
佐木タンのようにあぼーんしなければいいが・・・

211 :名無しのオプ:03/02/21 16:39
>>203を読んでからなんでか知らんが
俺の中で生垣の顔がレオナルド根岸(ベンジャミン)になってしまった。
著者近影が思い出せない

212 :名無しのオプ:03/02/21 16:58
生垣はそこで言葉をきり目を閉じた。
パパン。シーン1、学園教室、新入生の生垣、なぜキャメラを回すのかと問われる。
生垣はゆっくりと目を開けた。スポットライトがあたる。

生垣「それは僕の映画スピリットがそうさせるのさ」

私はここの部分をちびまる子ちゃんの花輪君で読みますた。


213 :名無しのオプ:03/02/21 18:53
>>211
うわ、同じ想像してた(w

214 :名無しのオプ:03/02/21 18:56
>211
ワロタ
私もそれでいかせていただきます

215 :名無しのオプ:03/02/21 19:21
>蘇部君2歳という意味ではない。

爆笑、元ネタは森いいんちょですな。

216 :名無しのオプ:03/02/21 21:46
生垣「しかし、いいね」

周りを見渡し、生垣はうなずきながらそういった。

蘇部「なにが?」
生垣「とても、いいメンバーがそろっている。これで映画作ったらグッドな作品が生まれそうだ」

そのとき、森の目が光った。

舞城「でもなー。文化祭が終わったし、タイミング的にまずくないか?」
石崎「また名探偵役かー」
乾 「このおじさん、やること決まってないのに、変なこと考えているよ。っていうか、《また》じゃないし」
西尾「この時期、季節ネタはつらいですし、映画製作っていうのも面白いかもしれないですけどね」
森 「はいはい。皆さん、おちついておちついて。この件に関しては、また今度話し合いましょう」

そういって、森は次の議題である『流水大説は大切か』に話題をそらした。
大切派と壁本派でディベートが白熱している中、森は考えていた。

森 (『すべてがFになる』の映画化計画は、水面下で本当に動いているのか判らない)
森 (ならば、自ら進めるのが一番ではないか。しかし――)

クラスメイトの顔を浮かべると、森はため息をついた。

森 (萌絵=高里、四季=日明になりそうだ)

その様子を、新堂はにやにやしながら見ていた。

217 :名無しのオプ:03/02/21 23:13
>>216
>四季=日明
ど、どうかそれだけは……っ

218 :名無しのオプ:03/02/22 00:00
>>216
萌絵=北山に一票(w


219 :名無しのオプ:03/02/22 00:11
OK。四季=流水

220 :名無しのオプ:03/02/22 01:12
>219
( ゚Д゚)ゴルァ!

221 :名無しのオプ:03/02/22 07:32
萌絵=氷川、四季=竹、国枝=日明、島田=高里、儀同=北山
なんて所か?

222 :名無しのオプ:03/02/22 07:38
犀川は森氏本人か?
石崎だったりして(笑)

223 :名無しのオプ:03/02/22 14:11
女装ブームなのか?
…これというのも女率があまりにも低いから…

224 :名無しのオプ:03/02/22 14:55
>>223
いや、氷川は過去に女子高生疑惑があったからだと思われ

俺的には>>219をイチオシ
いいか?みんな想像してみろ?






それが答えだ。

225 :名無しのオプ:03/02/22 21:48
生垣「ん?…なあ、もしかして、ここに生徒全員がいるわけじゃないのかい?生徒は確か、俺を含めて27人だよな」
森「…ああ、確かにそうですね。一人足りない。これは気づきませんでした」
石崎「あー、だったら秋月だよ。あいつ目立たないから」
秋月「いるよ!!ここにちゃんと!!」
古処「うむ、それは古泉なのである。また修行にでも行ったのではないか?ここ数日見ていない」
中島「修行ねえ…雪山で懲りてねえのか、あいつは」

高田「あ、古泉君なら保健室で眠ってるよ」
蘇部「保健室?古泉くん、どっか具合が悪いの?」
高田「いやそれがね、起きなくなってしまったんだよ。調合に気合いを入れすぎたのかもね」
津村「調合って…何飲ませたんですか」
高田「睡眠薬だよ、古泉君専用の。ほら、前に雪山で飲ませても効かなかっただろう?」(>>115
舞城「で、リベンジしたわけか?ほんで、今度は効きすぎたと。…アホくさ」
殊能「阿呆くさいなんて言ったら駄目だよ、舞城くん。大変じゃないか」
舞城「大変?どこが。あいつ起きとっても寝とるようなもんじゃねえか」

226 :名無しのオプ:03/02/22 21:49
日明「高田くん、あなた全然慌てていないようだけど…大丈夫なの?」
高田「いや、まだ効果継続時間のデータを採ってる最中だからね。いざとなったら気付け薬改良版があるから」
乾「マッドだ!あんたやっぱりマッドサイエンティストだ!」
高田「君は何を言ってるんだろうね。僕は一介の物書きにしてただの薬剤師だよ」

石崎「うーむ、これぞ『眠れるアッラーの古泉』だな」
氷川「アッラーは場所じゃないですよ」
古処「美女を古泉に置き換えるのは頂けないのである」
霧舎「ていうか、別に上手くもなんともな…いて!何で僕だけ殴るんだよ!」
高里「眠る古泉くんの目を覚ますのは誰か…きゃっ、新しいカップリングが誕生するかも!」
霧舎「………(←微妙な沈黙)」

227 :名無しのオプ:03/02/23 02:58
>>来月メフィスト賞が出るらしい。
>>「蜜の森の凍える女神」っていうやつで、どうやら久々の本格らしいぞ。
>>女子高生が探偵だとか。
>>ぐぐったらHP発見。

>>ttp://www.interq.or.jp/pink/kanata/

>>というわけで期待age

【メフィスト賞と講談社ノベルスの愉快な仲間達6】
http://book.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1038530075/882


石崎「そういや、なんでノベルスじゃないんだ。1さんはタイガースファンじゃないな」
氷川「石崎さんはそういうネタ好きですね」
石崎「それはそうと、女子高生なわけね。いやー楽しみだな」
氷川「僕がいるじゃないですか」
石崎「(無視)あー涙ちゃんかー。どんな娘だろ」

ナレーション:積木
しかし、彼らは勘違いしていた。
新入生関田涙氏は、実は男だったのだ。
その勘違いに気づくのは、まだ先のことである(べんべん)。

228 :名無しのオプ:03/02/23 03:01
あ、間違って、講談社ノベルズをノベルスと書いてしまった。
これじゃ、ネタになっていない罠。スマソ。

229 :名無しのオプ:03/02/23 10:07
いや、ノベルスであってるし

230 :名無しのオプ:03/02/23 10:35
>>229
石崎読むと>>227のネタわかるよ

231 :名無しのオプ:03/02/23 13:41
生垣「ミスター古泉はどんな人物なのかな?」
蘇部「どんな……えーと、アッラー?」
殊能「うん、アッラーだね」
舞城「アッラーやな」
石崎「アッラーだよなあ」
氷川「彼を表す言葉はアッラーしかありませんから」
日明「そうよね、アッラーよねえ…」
清涼院「アッラーアッラーセーリョーインアッラーアッラー!」
中島「何はなくともアッラーだ」

生垣「…アッラー…ワッツ?それはミスター古泉にとって重要なキーワードなのかい?」
森「重要と言うか、唯一と言うか(笑)」

232 :名無しのオプ:03/02/23 21:46
古泉「アメリカは敵だ・・・・・・ッ!!」

だったりしたら、生垣はどーなるんだろ。

233 :名無しのオプ:03/02/23 23:30
多分>>211あたりの想像より、現代日本人よりも流暢な日本語で古泉に説教たれると思われ…


森「清涼院君、生垣君をなだめる為にタコとスルメを肴に飲んではいかがですか(笑)」
と生垣を(見せ物にする算段をしつつ)第三者を使ってなだめる優しい委員長キボン

234 :名無しのオプ:03/02/23 23:53
蘇部「あー!テレビで『文学の新人賞』の特集をやってるよ!」
殊能「本当だ。何々…『普通の文学賞での受賞が難しい作品のために、近年新しい新人賞が各出版社で設立され』…」
石崎「おお!まさにウチのことじゃないか!ふふふ。遂にこの俺もブラウン管デビューか…」
乾「また馬鹿なこと言ってるよ、このおじさん…おい、テレビ良く見ろよ」
高田「ん?…これは角川Next学院じゃないか…生徒のインタビューまであるね」
石崎「何だってぇ!うちの方が歴史の長さでも生徒人数でも勝ってるってのに何で向こうに取材が!?」
森「さて、何故でしょうねえ(微笑)」

さっきE●TVでやってました。
メフィスト賞は『各社の新人賞』一覧でちらっと出ただけ。(他はNextとカッパワンとあと一つは忘れた)
期待しながら見てたのに…

235 :名無しのオプ:03/02/24 09:00
>>234
角川の編集長のいってることがメフィスト賞の創設の理由まんまだったなw


236 :名無しのオプ:03/02/24 21:46
>225
>前に雪山で飲ませても効かなかっただろう?
の意味が2日考えてやっとわかりますた……

237 :名無しのオプ:03/02/24 23:21
>236
今更だが前スレ305から。重箱の隅みたいな所から拾ってきた…
わかりにくくてすまん。

238 :名無しのオプ:03/02/26 13:58
黒田「〜♪」
浅暮「口ずさんでいるんだい? 黒田くん」
黒田「グレさん、いいところに。藤本美貴の『ブギートレイン'03』の替え歌ですよ」

 そういうと、黒田は高らかに歌いだした。

 浅暮 CHU CHU ダブエ(ス)トン街道
 売れないわ AH 重版しないの?
 BOOGIE WOOGIE CHU CHU
 まだ 泣かないぞう
 評価はされている グレさんイエー!

浅暮「…………」
黒田「どうしでしたか?」
浅暮「太めなのに唄下手だね」

239 :名無しのオプ:03/02/26 16:51
「忘れ雪」の出版はここの新堂のキャラクターに
影響が出てくるのだろうか?



240 :名無しのオプ:03/02/26 19:37
>239
読んでないから何とも言えないが
俺的にはあの表紙だけで驚きだった
自警団、アウトロー、インテリヤクザ、闇金というイメージでいきなり純愛とは…

241 :名無しのオプ:03/02/26 19:47
>>240
放課後、雨に濡れた犬に牛乳をあげてるんだよ。

242 :名無しのオプ:03/02/26 20:19
>>240
カドカワミステリーエクスプレスに、「忘れ雪」を書くに至った経緯を新堂が語るシンタビュー(写真つき)があるよ。
あのインタビュー読んで新堂の本が読みたくなったなあ。

243 :名無しのオプ:03/02/28 12:42
職人〜〜
職人はみんなYahooBBなのかと…

244 :名無しのオプ:03/02/28 17:23
氷川「石崎さん。もうすぐ入学の関田さん、どうやらCさんが担当らしいですよ」
石崎「お、涙ちゃんは俺達C組か。最近J組ばっかり目立ってるから新戦力加入を
  機に巻き返したいもんだな」

245 :名無しのオプ:03/02/28 20:45
そういや、メフィ学のクラス分け(担当別)ってどうなってるんだろう?
手許に座談会資料がないんで確認できん。
宇山、唐木、太田以外の名前って出たことあったっけ。


246 :名無しのオプ:03/02/28 21:56
竹「もう3月になるね、いーちゃん。ちょっと前までコタツに入ってたのに、もう雛祭りが来るんだよ。早いねー」
西尾「そうだね。随分と暖かくなってきたし。ちなみに3月3日は人間試験第7回の日でもある…これは戯言じゃないよ」
生垣「春といえばもうすぐサクラが咲くね。フム、サクラが咲き乱れる画も是非撮りたいな」
西尾「そうだね、日本の美だからね…って何でいるんだよ、生垣君」
生垣「ん?それは勿論、春先に語らう恋人たちをこのキャメラに収めるためさ。邪魔しないから普段通りに振る舞ってくれ。
   お、いいね。素敵な笑顔だよ、リトルレディ」
竹「えへへ。ぶいっ」
西尾「……(思い切り邪魔なんだけど)」
生垣「ヘイ、維新も笑って…ん?あれは…もしかして流水じゃないか?ワオ、これはまたワイルドなファッションだね」

生垣の視線の先には清涼院がいた。…なぜか、迷彩服を身に纏って。

247 :名無しのオプ:03/02/28 21:58
竹「あー、それこどちゃん隊の服じゃないの?怒られるよー」
西尾「どうしたんですか御大。いつもの赤地に水玉の服は?」
清涼院「リューースイ!リューースイ!セイリョッイン!」
西尾「え?自分は今狙われているから警戒態勢発令中ですって?」
竹「御大ちゃん、また何かやらかしたの?狙われてるって、自警団に?それともかずくんかな?」
清涼院「リューースイ!セーリョーインセーリョーイン!セーリョーーーーーー」
西尾「ええ?誰にかは分からないけど殴られる?噂で聞いた?」
清涼院「リュースイ!」
西尾「…それってもしかして『JDCにあの男が殴り込み!』って噂ですか」
竹「あ、そういえばいーちゃん、JDCの本を出すんだよね。じゃあその男っていーちゃん?」
清涼院「!!セーリョーイン!?」
西尾「違うよ竹ちゃん、この間も御大の文庫に解説を書いたこの僕が、何で殴り込まないといけないのさ。
   僕じゃですよ…だから髪の毛を僕に巻き付けるのやめて下さい、御大」
竹「じゃあ、いーちゃんじゃなかったら誰なのかな?」
西尾「さあ…学園の生徒とは限らないと思うけど。でも、とりあえず3月は大丈夫じゃないかな」
竹「うに?何でわかるの?」
西尾「3月の新刊でJDC設定らしき本って、今の所僕の著作しかないから」
清涼院「!セイリョッ?……リュースイリュースイ!セイ!リョッ!イン!」

それを聞いて安心したのか、迷彩清涼院は驚異的な跳躍力でスキップしながら去っていった。

竹「ねえいーちゃん、御大ちゃんはさ、誰かが殴りに来るまでずーっと毎月警戒するのかな?」
西尾「どうだろ。そのうち飽きるんじゃないかなあ……あれ?そういえば生垣君は?」
竹「あそこでずっと僕様ちゃんたちを撮ってるんだよ」

生垣「フフフ。一部始終をこのキャメラに収めたぞ…難解な言語をものともしないコミュニケーション、驚異の身体能力。
   やはり流水はいつ撮っても画になるな。…うーむ、サクラフブキ…流水…」
カメラ片手にご満悦の生垣は、一人次回作(?)の構想を練っているのだった。

248 :名無しのオプ:03/03/01 10:58
いまさらこんなことで驚くのもなんだけど、御大は髪の毛も操れるんだ・・・。

249 :名無しのオプ:03/03/01 12:08
>245
名前が出たことがあるのはその3名だけだったような
俺もまだ座談会本届いてないからハッキリとは言えないけど

関係ないけど「L」は名前は知らないが、確か女性編集者だった


250 :名無しのオプ:03/03/01 12:11
津村「隊長!本官の迷彩服が無くなっているのであります!
   代わりにこんなものが脱ぎ捨てられておりました!」」
古処「赤地に水玉のトレーナー…ほぼ間違いなく清涼院だな」
津村「清涼院さんが?…どうして、迷彩服を…」
古処「うむ。おそらく何かしらの理由はあるのだろうが、
   持ち主に一言も無しに物だけ借りて行くのは、紳士失格なのである」
重々しく頷いて、古処は顔を上げた。
古処「この所業、『古処紳士倶楽部(仮)』への挑戦と受け取った。
   津村。先ずは貴官の迷彩服を取り返しに行くぞ。
   そしてその後、清涼院に紳士の何たるかを叩き込むのである!」
津村「イエス、サー!」

清涼院の己の身を守るための行動は、古処隊を敵に回してしまっていた。

251 :名無しのオプ:03/03/01 12:31
古処隊vs御大!
タノ(・∀・)シミ!!

252 :名無しのオプ:03/03/01 18:15
生垣「ヘイ!チーム古処!もしや迷彩服を盗っていった流水を捜しているのかい?
   だったら俺も同行して良いかな。勿論、このキャメラも一緒にね」
古処「生垣ではないか。何故、迷彩服のことを知っているのだ?」
津村「まさか、清涼院さんに頼まれて本隊を撹乱しにやって来た刺客なのでは!」
古処「落ち着け津村。紳士たるもの、如何なるときも冷静でなければならない。
   …君は清涼院の後輩ではなかったか?何故我々と共に?」
生垣「チッチッチッ。甘いね。俺の映画スピリットの前では先輩後輩など関係ない。
   俺はただこのキャメラに真実を映したいだけさ」
古処「………」
生垣「そんな怖い顔しないでくれよ。
   ま、要するに、君達と流水を撮りたいだけさ。駄目かい?」
古処「わかった。同行を許可しよう」
津村「隊長!?」
古処「さあ、清涼院捜索を続行するのである」

こうして古処隊にカメラマン・生垣が臨時加入した!
生垣「二人とも、早速だけどキャメラに向かってコメント頼むよ」

253 :名無しのオプ:03/03/01 18:17
シーン1・微妙トリオ

石崎「は?清涼院?見た見た。何か知らんけどはしゃぎながら走って行ったぞ。
   やっぱあいつも新入生の涙ちゃんに会うのが楽しみなんじゃないか?」
乾「だから馴れ馴れしくちゃん付けで呼ぶのやめろって。
  どうせ、いの一番に嫌われるのに」
石崎「何だとう?何の根拠があってそんなことを!」
乾「女子高生なんだろ?その関田さんって。結果は火を見るより明らかじゃん」
霧舎「え?新入生って女子高生なんだ?………ふーん」
石崎「お、今の間は何だ、霧舎。ついに過去を振り切って女子高生のパンチラに生きる気になったか?
   その調子その調子。大体、高里はお前から振ったんだし」
霧舎「………」
乾「石崎!また傷に塩を塗り込むことを言うな!霧舎!またそうやって俯くな!
  …え?ああ、清涼院だったっけ。あっちに行ったよ。
  あ、そうだ古処、今度霧舎に説教でもしてやってくれよ。こいつずっとこんな調子でさ。
  いい加減、ツッコミじゃフォローできないんだよ。どうにかしてくれ」

(後日、編集によりナレーション追加)
「新入生・関田涙氏に関しての誤解が解けてひと騒動あるのだが、それはまた後の話…」

254 :名無しのオプ:03/03/02 11:17
>252
古処「男一匹逃がさぬ所存である」
津村「生来必殺!、見敵鏖殺!、殺して殺して殺しまくります!」
生垣「何だか流水がたくさんいるみたいな口ぶりだね」

そのキャメラに収められるであろう奇跡(常識?)を彼はまだ知らない…


255 :名無しのオプ:03/03/02 11:36
(((≧⊥≦)))
ワライヲ コラエルノガ タイヘンヨ
ショクニン アリガトウ

256 :名無しのオプ:03/03/02 13:34
殴りこみをかけるあの男が誰なのかがわかるまで、楽しめそうだ。
しかし、皆で清涼院を追うと文化祭と同じような感じになっちゃうから、
生垣のキャメラを中心に展開していくのをキボン


257 :名無しのオプ:03/03/02 15:03
シーン2・酒飲み二人と秘書一人

浅暮「お、古処に津村に生垣じゃないか。まさか隊の広報ビデオでも作っているのか?
   それよりも一杯どうだ。笠井邸秘蔵の酒大放出中なんだが。
   …何?清涼院だと?…ふん、知らんな」
日明「何言ってるのよ、少し前にここに来たじゃないの。…ええ、来たわよ、この食堂に。
   そしたら浅暮くんが『酒一本やるから出ていけ』って追い出したのよ」
氷川「珍しいですよね、浅暮さんがそんなことするなんて」
浅暮「当分、奴のことは思い出したくない……俺は釣り人失格なんだ…」
氷川「浅暮さんは底なしですからね。酔って物事を忘れられはしないでしょう」
日明「お酒に強すぎてヤケ酒できないのも、悲劇よねえ…」

氷川「ああ、そうだ。それなら、僕がピアノ弾きましょうか。
   素晴らしいお酒に素晴らしい音楽って言うのも、悪くなんじゃありませんか?浅暮さん」
浅暮「大した自信だな。自分で言うか?素晴らしい音楽って…まあ、それじゃ何か一曲頼む」
日明「…で?あなた達は清涼院君を捜してる訳?
   でも今はやめておいた方が良いと思うわ。さっき浅暮君が彼に渡したお酒って、ウォッカなのよ。
   何となくだけど…清涼院君に強いお酒って、化学反応起こしそうじゃない?」
浅暮「奴は急性アル中なんかにはならんだろうよ」
日明「そういう意味じゃないわよ…もう、いつまで子供みたいに拗ねてるの?」

氷川「あの日明さん、今ここで僕がズンドコ節を弾いたら面白いでしょうか」
日明「……面白くないわ」
氷川「じゃあ、ラフマニノフはどうですか。意外性がありませんか」
日明「何でも良いわよ。どうして私に訊くの…
   ……あ、もしかして今のは冗談?…あのねえ、もう少し分かり易い冗談にして頂戴。
   あら?捜索を続けるの?そう、無理には止めないけど。じゃ、頑張ってね」

258 :名無しのオプ:03/03/02 15:06
シーン3・薬剤師と薬屋と眠れる古泉

高田「お、いらっしゃい…って、別に僕の部屋じゃないけど。
   何事?怪我でもした?…何だ、違うのか」
高里「清涼院くん?ううん、保健室には来てないよ。外をスキップしてる所なら見たけど…
   今?私は高田くんのお手伝いよ。うん、薬の調合」
高田「気付け薬改良版をもう作っておこうと思ってね。
   そうなんだよ。古泉君、まだ起きないんだよ。いや、困った困った」
高里「ちっとも深刻そうに見えないよ、高田くん。
   そういえば、古処くん、何で清涼院くんを追いかけてるの?
   …まさか、古処くんまで清涼院くんに…え?違う?もうっ、照れなくても良いのにっ。
   え?酔い覚ましの薬?あるけど……ねえ、高田くん。ここの薬、古処くんにあげても良い?」
高田「良いよ。…あ、高里さん、それよりもそっちの棚にある赤いラベルの…そうそれ。
   そっちの方が最新作…いや、よく効くから。そっちを渡してあげて」
高里「はいどうぞ。でも古処くん、全然二日酔いには見えないよ?
   …ええ?清涼院くんに使うの?」
高田「ほう。そりゃ興味深い。是非、服用した結果を…あ、カメラマンがいるんだね。それはいい。
   そうだ。時に津村君、最近の体調はどうかな。
   目眩とか、吐き気とか、幻聴とか、幻覚とかは……無い?それは結構。
   いや別に。ほら、そろそろ花粉症の季節だろう?あれは突然なるものだからね。
   いやいや、本当に何でもないよ。それじゃ、またのお越しを…」

古泉「アッラー…アッラー…アッラー…」
高里「古泉くんのこれ、寝言なのかイビキなのか良くわかんないなあ…」

259 :名無しのオプ:03/03/02 17:11
古処「男一匹いぶし銀〜」
津山「男一匹いぶし銀〜」
ザッザッザと駆け足で廊下を走る二人、その後からついてきている筈の生垣は何故かいない

トイレの前で会話をしている北山とサラサラの長髪
蘇部「こうしてあの二人を見ていると女子校みたいだね」
殊能「特待生の竹ちゃんを入れても女が三人しかいないからね」
舞城「あほらしい」
会話が終わったらしく赤地の水玉が去り、北山は男子トイレに入ろうとした…が出てきた生垣によって女子トイレに入れられてしまった

蘇部「北山君が北山君がー」
舞城「お前も行って来いわからへんって」

260 :名無しのオプ:03/03/02 19:41
>古処「男一匹いぶし銀〜」
これはやっぱり、
アーミーなんかが歌ってるあのメロディに乗せて歌ってるんだろうか

261 :名無しのオプ:03/03/02 20:31
おーとこ いっぴき いぶし銀〜♪
(コーラス:おーとこ いっぴき いぶし銀〜♪)

262 :名無しのオプ:03/03/02 20:48
シーン4・戯言遣いとイラストレイター

西尾「あ、生垣君。今度は古処先輩達の撮影?
   …え。御大?あれから見てないなあ…あ、もしかして迷彩服のことで?」
竹「あれこどちゃん隊のだったんだ?やっぱりだねー」
西尾「ええ、迷彩服でしょ?知ってますよ。あれ。生垣君、言ってないの?…そう。
   古処先輩、聞いたことないですか?『JDCにあの男が殴り込み!』って噂。
   …そうです。だから御大、迷彩服着て警戒してたみたいなんですよ」
竹「でもいーちゃんが『3月は大丈夫』って教えてあげたから、
  御大ちゃんご機嫌で行っちゃったんだよ。いつものことだけど、ハイテンションだったんだよ」
西尾「御大、殴られたぐらいじゃ何ともならないと思うんですけどね。
   でもやっぱり、怖がってたみたいだし。
   僕が言うと戯言になっちゃいますけど、御大をあんまり怒らないであげて下さい。
   …え?紳士の何たるかを?……ああ、そういうことですか。なるほど。
   まあ、古処先輩が意味もなく他人に手をあげるとは思ってませんけど」
竹「<教育的指導、ただし銃器で実弾使用>みたいな?」
西尾「はあ…また妙なことにならなきゃ良いけど…ま、僕が心配しても仕方ないか。
   竹ちゃん、食堂でお茶しようか」
竹「うんっ。僕様ちゃんはコーラね!それじゃ、こどちゃんにたっくん、ばいばーい。
  たろちゃん、また後で撮ったの見せてね」

263 :名無しのオプ:03/03/02 20:49
シーン5・メフィスト学園自警団

中島「押忍!お前らもマラソンか。俺もさっきまで走り込んでいたんだが。
   何?清涼院だと?何かあったのか。俺達の出番か!」
新堂「どうした。また文化祭みたいなことでも起こったか?
   また奴の一人や二人手に入れば、儲けられるんだがなあ(にやにや)
   うん?何のことかって?ま、そのうちわかるだろ、新入生」
中島「…そうか、今回は古処隊で処理するのか。わかった。
   ああ、俺は清涼院は見てない。新堂は見たか?」
新堂「見た。少し前に中庭を飛び跳ねてたな。いつにも増して落ち着きがないっつーか…
   服?ああ、言われてみれば軍服着てたな。
   で、俺を見つけて近寄ってきたかと思ったら、持ってた牛乳をひったくって飲み干しやがった」
中島「自分から近づいてきたのか?珍しいな」
新堂「ああ。殴ろうとしたが、間一髪で避けられてな、そのままどっか行っちまったよ。
   追いかけるのも馬鹿馬鹿しいから放っておいた……さあ、校舎へ入っていったようだが」
中島「清涼院が新堂の拳を避けた?それも珍しいな。
   古処、何かあればいつでも声をかけろ。助太刀するからな。…おう、任せろ。
   ところで新堂、お前、何で中庭で牛乳なんぞ飲んでたんだ?
   筋肉つけるならプロテインだぞ」
新堂「…………」
中島「まあいいか。よし、今度は腹筋二千回だ!行くぞ!」

264 :259:03/03/02 21:42
古処隊って>>261を歌いながら活動しているイメージがあったんで、ロム専なのについ魔がさしてしまいました

職人さん最高っすがんがってください

265 :名無しのオプ:03/03/02 23:09
シーン6・わくわく!料理教室

殊能「あれ、古処君に津村君、生垣君も。こんにちは、何か用?
   もしかして、君達も参加しにきたの?料理教室」
蘇部「そうなの?皆で食べればおいしいよね!…うん、たまに家庭科室で料理してるんだよ」
浦賀「今日の食材は、肉だ。肉料理…」
殊能「メンバーは入れ替わり立ち替わりなんだけど、今日は三人。
   飛び入りも歓迎するよ……違う?清涼院先輩を捜してる?」
蘇部「あ、じゃあさっき見たよ。
   えーと…トイレ前で。北山くんとお喋りしてたよ。でもすぐどっか行っちゃった。
   え?服?いつもの服だよ。水玉。…迷彩服?ううん、違うよ。ね、殊能くん?」
殊能「そうだね。まあ、別の清涼院先輩じゃないかな。いつものことだよ。
   様子?そういえば、いつもより落ち着いてたかな。うん、ハイテンションじゃなかったね」
浦賀「僕も見た…
   二人が来る前にここで串揚げを作っていたら、彼が来て五本程つまみ食いをした。
   捌こうと思ったけど、逃げられた…別に良いんだけど…
   ああ、確かに迷彩服だった」
蘇部「清涼院くん、何か悪いことしたの?え、津山くんの服だったの?そっかあ。
   …あ、ごめん。津村くん、津村くん…」
殊能「僕たちはあれから見かけてないな。…わかった。また見かけたら知らせるよ」
蘇部「暇があったらまた来てね!」
浦賀「…え?何の串揚げかって?…さて、何でしょう…(にたぁ)」

266 :名無しのオプ:03/03/02 23:24
古処隊の掛け声で、ファミコンウォーズのCMを思い出した(w

267 :名無しのオプ:03/03/02 23:25
シーン7・委員長と黒衣の教師

森「おや、古処君たちが森を訪ねて来るとは珍しいですね。
  ルンバを踊りに来られたのですか?歓迎しますよ(笑)」
京極「森君、生垣君が変な顔をしているよ…気にしないでくれ、彼流のジョークだから。
   今丁度、茶を飲みつつ雑談をしていたんだ。君達もどうかね?」
森「日本茶に和菓子ですよ。生垣君には珍しいのでは?
  …清涼院君?……ああ、先程来ましたよ。相変わらずの調子で」
京極「驚いたよ。二階であるこの部屋へ窓から入ってきたんだよ、彼は。
   あの跳躍力はもはや妖怪の域だね」
森「二階から飛び降りるのは容易でも、二階へ飛び上がるのは難しいですからね。
  春だからと窓を開けていたのが拙かったです。やれやれ…(苦笑)」
京極「…ああ。そこの骨壺の中身をいくつか食べて、そのまま出ていった。
   中身は乾菓子だよ。知っていると思うが。…ああ、別に構わないよ。市販の菓子だ」
森「被害はそれだけでしたよ。
  何か事件ですか?文化祭のときのように、またラジコンを壊されては敵いません。
  …ああ、紳士倶楽部の活動ですか。ご苦労様です。
  わかりました。また見かけたら、古処君に会うようにと伝えましょう」
京極「全く…騒ぎが絶えないね。静かすぎるよりはマシだが。
   しかし、もうすぐ来る新入生…関口君だったか?彼にいきなり厄災が降りかからなければ良いな」
森「関田君ですよ、京極先生」

268 :名無しのオプ:03/03/03 09:13
>257
浅暮&日明&氷川。アダルトでいいすね。
酒とピアノがあれば、ちょっとしたバーみたいになりそう。
名前は「ダブ(エ)ストン」か「カニス」?

取り残された地味トリオ黒田の立場は……


269 :名無しのオプ:03/03/03 11:10
>>267
の「関口君」にワラタよ。
そういえば涙の苗字関田だったもんなー

270 :名無しのオプ:03/03/03 16:41
>267
確か森は和菓子嫌いな筈。
細かい突っ込みスマソ。

271 :名無しのオプ:03/03/03 20:33
シーン8・火山と美少女(偽)

石黒「やあ古処君。登山のお誘いかな?生憎、今は立て込んでいて…ああ、違うのか。
   清涼院君?ここに来たよ。つい今し方出ていったばかりだ。
   君達、彼を捜しているのかい?」
北山「石黒君、何でそんなに落ち着いてるんだよ!見ただろ!?さっきの…
   …は?君は生垣君だよね?…知ってるよ勿論。
   え?僕は北山だよ。自己紹介しなかったっけ?…そう?じゃよろしく…あ、握手ね」
石黒「さて。清涼院君に関して、一つ伝えておいた方が良いと思うことがあるんだ。
   そこに火山のミニチュアがあるだろう?見ての通り壊れているが。
   あ、触ると危険だ。その黒いものはマグマだ。さっきまでは溶けた状態だったんだが」
北山「これ!清涼院先輩に壊されたんだよ!酷いと思わない?」
石黒「北山君、『壊された』ではなく『壊れた』だよ。
   ああ。清涼院君は火山の火口にいきなり入ろうとしたんだ。
   うん、風呂に入る時のイメージをして貰えれば分かり易いかな。
   それで、荷重に耐えられずにミニチュアは倒壊した訳だ。
   服?いや、別に風呂というのは只の比喩であって、本当に脱いだ訳では…
   …え?ああ、種類か。迷彩服だった」
北山「いきなり入ってきて火山に一直線、火口に入ろうとして壊して、出ていったんだ。
   もう…いつものことだけど訳が分からないよ…」
石黒「僕は彼の火傷が心配だったんだけど、診る前に行ってしまってね。
   一応、見た目には大丈夫のようだった。少々、髪の毛の先が縮れていたくらいかな。
   それよりも、彼自身の様子が気になるんだよ。
   何というか…そう、質の悪い酔っぱらいの様と言うか…
   あのままだと彼も周りも危ないのではないかと……わかった。じゃあ僕は保健室で待機していよう」
北山「皆、気をつけてね。…え?ああ、また後で…?はあ…バイバイ……
   さすがアメリカ帰り。物凄くフレンドリーだね…」

272 :古泉の悪夢:03/03/03 22:07
女子トイレから出てきた北山の目に涙が浮かんでいる
舞城「おっ出てきた」
そのまま舞城の胸に顔を埋める北山
チーン

舞城「なにするんや」
北山「なんで助けてくれなかったの!僕恐かったんだよ!中では綾辻先生がカツラを直していたし、黒田も化粧直しをしていたんだから!」
舞城「だからって…鼻水でベタベタやんかコレ洗濯しとけや」


高里「舞城君、トイレで北山君と裸で抱きあっていたって本当?
学校中の噂になっているって古泉君が…」

273 :名無しのオプ:03/03/04 00:05
>270
サンクス。森は大体読んでるんだが…面目ない。

274 :名無しのオプ:03/03/04 00:06
シーン9・群像コンビと目立てない男

秋月「あっ!古処さん!丁度良かった、大変なんです!舞城くんが!
   え?違います、彼が暴れてるわけじゃなくて…こっちの廊下です!」
佐藤「…あ。古処先輩……ち、違う…僕がやったんじゃない…
   僕は確かに打倒舞城を掲げてるけど…こんなことは……本当です!」
舞城「……佐藤。耳元でわめくなや。うるせえ…頭に響く…
   よう、古処。あのアホ見んかったか…あ?清涼院じゃ。
   怪我?こんなん怪我に入るかっつの。いいで、アホの居場所知っとるんなら早よ教えろや。
   知らん?自分らも捜してる最中?何じゃ、おめえらもやられたんか?
   …ええ、ええ。俺は見事にやられましたよ…あークソむかつく…痛え…」
秋月「え?何があったって…見ての通りですよ。僕は少し離れた所にいたから良くわからなかったけど…
   舞城くんが歩いてるとこに清涼院さんが走ってきて…
   で、何故か喧嘩になって、舞城くんが負け…いや!引き分け!引き分けたんだよね!」
佐藤「僕は舞城の後ろの方にいたんだけど…
   清涼院先輩がいきなり『ショーーーーーブ!』って飛びかかってきたんだ」
舞城「…最初のパンチ避けられてな、カウンター喰らった。あいつマジで殴りおった。
   ああ腹立つ。つかもう殺す。このままで終わらせてたまるか…何じゃ。
   …ほやからこんなん怪我やねえって……は?おそらく酒を飲んでいた?
   何やそれ。ほんなら、俺はヨイヨイの酔っぱらいに殴られたってことか?
   うわあそれ余計に腹立つわ……こら放せボケ」
佐藤「舞城…別に良いんじゃないか?
   …僕の見た限り、清涼院先輩の方がやられ方が酷かった」
秋月「そうだよ。あれ以上やんなくても…いや、負けたのが悔しいのは分か…いやいや。
   …そ、それに、怪我も痛そうだし……ですよね?ほら、古処さんもこう言ってるし」
舞城「あーあー、わかったわかった。手当てに行けばええんやろ行けば。
   …行くって。疑り深い奴やな」
佐藤「清涼院先輩?…そこの窓から外へ出て行ったけど…古処先輩、追うつもりですか?
   …そうですか。え?いや、このアザラシは別に何でも…」

275 :名無しのオプ:03/03/04 00:08
シーン10・古処紳士倶楽部(仮)

古処「さて、ここで今回の目的を見直すのである。
   津村隊員、我々の今回の初動理由は何か?」
津村「はっ!本官の迷彩服を無断で借りていった清涼院に、紳士の何たるかを叩き込む為であります!」
生垣「けど、ちょっと事情が複雑になってないかい?」
古処「うむ…清涼院はいつも高揚しているが、今回はそれが過ぎているようだな。
   浅暮がやったという酒の所為で酔っているのか?」
津村「しかし、それにしては舞城君と互角に戦っておりますが…」
生垣「オオ、それは俗に言う『酔拳』じゃないのかい?ジャッキー・チェンだ」
古処「清涼院に酔拳とは少々考え難いのである。
   しかし、舞城のみならず新堂の拳をかわし、浦賀の攻撃をも回避したのは事実。
   そして今も学園内を徘徊しているのも事実だ……津村」
津村「はっ!紳士たるもの、目の前の危険に見て見ぬ振りをしてはならないのであります!」
古処「うむ。そうだな。
   生垣、まだ我々についてくるか?何が起こるかわからんぞ」
生垣「ノープロブレム。俺の映画スピリッツを見くびらないでくれ。
   それに危機を前に逃げ出すようじゃ、紳士失格なんだろ?そいつだけは御免だね」
古処「よし。では全力で清涼院を追うぞ。
   紳士たるもの、酒は呑んでも呑まれてはならないのである!」

(後日編集によりナレーション追加)
「このときの彼らは忘れていた。
 日明が言った何気ない一言を…『化学反応でも起こしそうじゃない?』
 清涼院が摂取したものがウォッカだけではないことを…

 カメラはやはり、奇跡(あるいは常識)を捉えたのである…」

276 :名無しのオプ:03/03/04 20:01
高里「舞城くん!どうしたの?そのケガ…」
舞城「そこで転んだんやわ。絆創膏か何かくれ」
高里「転んだ?…絆創膏って…傷はちゃんと消毒して包帯しないと」
舞城「そんなん大げさやって。こんなとこにずっとおったら高田に何されるかわからん」
高田「おやおや、信用ないね。今だって古泉君の為に必死で調合していたと言うのに」
舞城「それはそもそもおめえが原因やろ。自業自得」
高田「別に僕は困ってないけどねえ…おっと。いや確かに自業自得だね。僕の不徳の致す所だ」
舞城「涼しい顔してよう言うな」
高里「もう二人とも…とにかく!駄目だよ。いい加減な治療だと後で化膿したりするんだから」
舞城「ほー。ほんならおめえが傷口舐めてくれるんか?それやったらええわ」
高里「なっ…何で私が!…ほ、包帯取ってくるから…そこに座ってて!」

高田「まったく…君ね、あんまり彼女をからかわないでくれるかな」
舞城「何や、おめえにしては珍しいこと言うな」
高田「当たり前だよ。今高里さんに逃げられたら薬の完成が遅れてしまうからね。優秀な助手なんだよ、彼女は」
(ガラッ)
殊能「失礼します。高田先輩」
高田「やあ、いらっしゃい。今日は千客万来だね。どうしたの?」
蘇部「殊能くん、痛いよー。血が止まらないよ、どうしようー…」
殊能「大丈夫だよ。浅い傷だから、血もすぐ止まる。安心して」
蘇部「……本当?」
殊能「本当だよ。…見ての通り、蘇部君が料理中に指を切ってしまいまして。絆創膏か何か、頂けませんか?」
舞城「……………」


高田「おーい、中島君。ちょっとちょっと。…舞城君が暴れてるんだけど、止めてくれないかな?」

277 :名無しのオプ:03/03/04 21:16
シーン11・清涼院流水

津村「隊長!目標を発見しました!前方百メートル、清涼院です!
   ようやく追いついた!…清涼院!大人しく投降し、本官の迷彩服を返還せよ!」
古処「清涼院よ。他人の物を無断で持っていくのは許し難い行為である。
   しかし、西尾から事情は聞いた。君が迷彩服を必要としていたことはわかった。
   よって今抵抗しなければ、こちらも手荒なことをするつもりは…」
清涼院「セェーリョーインーー…リュゥーーーースゥーーーイ…セリョーーーイーーーーーン……」
古処「…聞こえていないようだな。…よし。作戦変更だ。
   紳士についてわからせるより前に、被害が拡大しないうちに目標を捕獲する!津村!」
津村「イエス、サ……うわっ!」

前方の清涼院、一瞬にして約百メートルの距離を詰める。その髪の毛が津村に襲いかかる。
髪の毛、蚕の繭のよう津村に巻き付く。もがく津村。対して冷静な古処。

津村「うぐー!」
古処「…ここで銃を使えば流れ弾が津村に当たる可能性がある…ならば」

古処、懐からサバイバルナイフを抜き清涼院に(というか髪の毛に)斬りかかる。
清涼院、素早く津村を解放し華麗なバク転で古処の斬撃を避ける。津村、咳き込む。

清涼院「フフフフフフ…セー…セーリョーーーー…リューーーー…ウフフフフフ…セーリョー…イィィーーーーン」
古処「紳士たるもの、他人の服を無断で借りてはならない。
   紳士たるもの、他人の食べ物を勝手に食べてはならない。
   紳士たるもの、他人の所有物を理不尽に壊してはならない。
   紳士たるもの、理由も述べずに他人に殴りかかってはならない…」
清涼院「…フフフ……ショーーブ…?…フフフフ…ショーーーブ?」
古処「紳士たるもの、いつ如何なる時も冷静に己を御すべし。…情けないぞ、清涼院」
清涼院「ショーーーーーーーーーブ!!!」

278 :名無しのオプ:03/03/04 21:42
日明「ちょっとおにいさ〜ん。さっき私を映してたわよねえ」
生垣「イエス。何か問題でも?」
日明「いやらしいっ!!」
脈絡なく叩かれて、生垣は自分よりカメラをかばった。
日明「ドキュメンタリーにかこつけて、私を撮りたいんでしょう。
   美人秘書、秘密の社長室とか何とかいやらしいタイトルつけて!
   もう、どうしてみんなもっと素直にくどいてくれないのよぉ〜!
   それとも妹だとかモー娘。だとかオタク娘の方がいいってわけぇ?」
レンズが日明の酒臭い息で白く曇っていく。生垣は命の危険を感じた。
それでもこの興味深い女性を映すのをやめない自分をちょっと誇らしく感じる。
 ああ、このまま僕は自分が殺されていく姿を映し続け、
 驚愕のスナッフビデオの監督兼撮影兼出演者として伝説に残るのだ……
舞城「エエ加減にしろや、酔っ払い!」
保健室のドアががらりと開き、日明はカメラからひっぺがされた。
舞城「こいつが変態盗撮魔だろうが、カメラを通してでなきゃ他人と
   コミュニケーションをとれない恥ずかしがり屋さんだろうが、
   どうでもええやろが。うざけりゃ殴れ。でなきゃ放っとけ!」
日明はぽかんと舞城を見上げていたが、やがて我に返ったように髪を整えた。
日明「そ、そうね。私も大人の女だから、映されるくらいどってことないわ。
   煩く言って悪かったわね、生垣君。ただ一つ言っておきたかったのは……」
ぐい、とカメラを斜め四十五度に固定して微笑む。
日明「これからは常にこの角度で映してちょうだい。わかったわね?」
モデル歩きで立ち去る日明をニヤニヤ笑って見送る舞城。
生垣は『メフィスト学園、陰のヒーロー』と呟きながらその仁王立ちを映し……殴られた。
舞城「ほやから言ったろ。うざけりゃ殴るって。今、機嫌が悪いんじゃ。
   これからは俺の断りなく映さんように。わかったか、ごらぁ」

279 :名無しのオプ:03/03/04 23:23
>277
おを!ついに古処隊長が?!
最近読み始めたんで期待カキコ。

ちなみに>274を見てメール欄だと思ってしまったが、コレは在り?

280 :名無しのオプ:03/03/04 23:56
>279
どうなんだろうね
彼の例の新刊がJDCなのか違うのか。題名が微妙な感じで何とも…

281 :名無しのオプ:03/03/05 00:08
シーン12・男一匹、燻し銀

二人の戦いは互角だった。古処の方が武器を所持し有利な筈なのだが…
津村「何言ってるんだ、生垣君!見てわからないのか。
   隊長はさっきから攻撃を相殺するか避けるかばかりで、自分から仕掛けていない!
   …というか、さっきから君は何をブツブツ独り言を…
   え?ナレーションの草案?後で吹き替える?…あ、そう…映画スピリットね…」

清涼院「セーーーーリョーーーイン!!!」
津村「うわ。あんなもの反則だ!」

清涼院の髪の毛がまるで生き物のように動き、古処のナイフを持つ右手首に巻き付いた!
どうする古処!?…おっと、すかさず左手で銃を撃った!
津村「…生垣君。それ、ナレーションと言うより実況じゃないの?」

古処「こんなものか?動きが至極読み易い。所詮、酒の勢いか」
清涼院「…ウウウウウウ…リューースイ…ウフフフウウ…ショーーブ…」
古処「勝負勝負と軽々しく口にするな。勝負とは己の誇りを賭けて戦うことを言うのである。
   今のこれは勝負ではない。いい加減にやめ…」
清涼院「セーーーーリョーーーイィーーーーーンーーーーーー!」

しかし古処の言葉を遮って叫び声を上げ、清涼院は飛びかかってきた。
尋常ではない動きで髪の毛が、腕が、脚が、古処を狙う。だが、彼は逃げようとしない!
津村「隊長!危ない!!」
清涼院「リューーーーーースイィィィィ!!!」

しかし、攻撃が当たる寸前、ふいと一歩だけ後退すると古処は懐から何かの小瓶を取り出し…
津村「あれは…赤いラベル……?」
古処「酒は呑んでも呑まれてはいかんのだ」
蓋を開けると中身を全て、清涼院の口へ流し込んだ。

282 :名無しのオプ:03/03/05 14:14
シーン13・御大の奇跡、あるいは学園の常識

清涼院「リュー…ースイ…セーリョー…(ばたり)」
津村「…勝った…さすが隊長!お見事であります!」
古処「いや、正直な所危なかったのである。…津村、生垣、怪我はないか?」
津村「はっ!大丈夫であります!…しかし隊長、さっきの瓶は…」
古処「高田に貰った強力酔い覚ましだ」
津村「…やはり高田さんの……大丈夫でしょうか…」
古処「おそらくは。一応、直前に麻酔銃も撃っておいたのである。
   さあ津村、彼を保健室へ搬送するぞ」
石黒「古処君、担架を持ってきた。これに乗せると良い」
高田「うん、我ながらなかなかの効き目だね。
   ねえ生垣君、古処君はさっきの薬をどれくらい飲ませたかわかるかい?…え、全部?」
古処「石黒、助かったのである」
石黒「なに。こういう時はお互いが協力しないとね……ん…地震?」
津村「この地響きの音は…確か、文化祭のときにも…今増えられたら…うっ、砂埃が!」
高田「…え?何のことかって?ああ、君いなかったっけ。文化祭の時の話だよ。
   清涼院君が百人出てきてねえ……そうだよ、百人。嘘じゃないよ」

(以下、編集によりナレーション追加)
ウォッカ…牛乳…浦賀特製串揚げ…骨壺入り乾菓子…マグマによる加熱…麻酔…そして高田の薬…
単品では何でも…まあ、多分何でもないそれらは、清涼院という媒体の中で思わぬ相互作用を発揮した。

津村「くっ…清涼院はどこだ!?こうなれば殺して殺して……え?」
彼らの目の前、清涼院は一人のままだった。ただし、その一人の清涼院は…
古処「………何ということだ」

巨大化していた。

清涼院「セーリョーイン!!!」

283 :名無しのオプ:03/03/05 15:20
・・・ていうかコレ、いつまで続くの?

284 :名無しのオプ:03/03/05 16:17
いいじゃん、面白いし

285 :名無しのオプ:03/03/05 16:57
シーン14・薬剤師の切り札

津村「な、な、な、な、何で!!」
高田「おや、服まで一緒に巨大化しているね。面白い現象だ」
蘇部「うわー!見て見て、清涼院くんが大きくなってるよ!怪獣みたい!」
殊能「蘇部くん、危ない。こっちへ!」
清涼院「リューーーースイ!」
咆哮と共に清涼院が頭を振ると、髪がまるで鞭のように二階の窓ガラスに直撃した。

乾「怪獣の尻尾かよ!おい、ちょっとやばいんじゃないか?うわ、こっち来た!」
石黒「落ち着きなさい。慌てずに建物内へ非難するんだ」
北山「…ちょっと生垣君!何を悠長に撮影してるんだよ!早く逃げないと!」
清涼院「セーーーリョーーーーイーーーン!」
秋月「ぎゃー!」
霧舎「あ、秋月くんが踏まれた!」
石崎「くそ!涙ちゃんに会う前に死んでたまるかー!」
乾「ていうか、あんなのに踏まれて死んだら末代までの笑い者だ!」

古処「津村、貴官は他の者を先導しつつ先に退却せよ」
津村「は?隊長はどうされるのでありますか?」
古処「清涼院を説得してみるのである。今の彼は我を見失っているだけだと思うのだ。
   …もし説得出来なければ、せめて別の方向へ誘導する」
津村「そんな!ならば自分もお供するのであります!」
古処「津村、他の者を先導しつつ退却せよ。これは隊長命令だ」
津村「…隊長……」
高田「古処君、ちょっと待って。
   清涼院君を正気に戻すという意味なら、もしかしたらこれが使えるかもしれない」
古処「何だ、その試験管は?」

高田「超強力気付け薬EX。ついさっき、完成したんだ」

286 :名無しのオプ:03/03/05 17:43
シーン15・古処、走る

高田「ただし、問題がある。これをどうやって彼に飲ませるか、ということ」
古処「うむ…清涼院の口は遙か頭上にあるな」
中島「俺が、全力で奴の口めがけて投げるか?距離から見て、おそらく届く」
高田「言っておくけど、これ一本きりだよ。調合には結構時間がかかるんだ」
中島「む…投げたときに奴が口を閉じていたらお終いということか」

殊能「…森先輩のラジコンが使えないかな?
   口を開けたタイミングを見計らって薬を投下するとか」
森「残念ながらそれは出来ません」
蘇部「あれ、森くん。いつの間に来てたの?」
森「さっきの髪の毛攻撃が森の部屋に直撃しまして、稼働出来るラジコンは全て壊れました。
  まったく、彼にも困ったものですね。どうしてくれましょうか」
乾「おい、委員長が静かに怒ってるぞ…」

石崎「そうだ!古泉は?あいつヨガやってただろ。
   だったら空中浮遊とかヨガテレポートとか出来るんじゃないか?」
高田「出来るかもしれないけど、彼を起こすにはこの薬が必要だよ」
霧舎「それじゃ意味ないね…」

古処「話をしているうちに清涼院がいなくなってしまったのである。一体どこへ」
津村「はっ!清涼院は辺りのものを踏み潰しながら、中庭の方へ移動しております!
   あ、隊長…!…自分も………いや、自分の任務は……」
石黒「津村君、彼なら大丈夫だろう。さあ、僕も手伝うから他の者を非難させよう」
津村「…わかった。……生垣君?どこへ…まさか……危険だ!君も非難を…生垣君!」

287 :名無しのオプ:03/03/05 17:44
シーン16・最後の戦い(と言うほど大袈裟なものでもない)

清涼院「セーリョーインッ!」
古処「清涼院!止まるのだ!」

古処、中庭へ踏み込んだ清涼院の前に立ちふさがる。

古処「正気に戻れ!理不尽に暴れるなど、いつもの貴様らしくないのである!
   もうすぐ新入生も来るというのに、先輩としての面子が潰れるとは思わないのか!」
清涼院「リュースイ!」

清涼院、古処を無視して更に進もうとする。

古処「やめろ!止まるのだ!」
清涼院「セーリョー……!」

だが清涼院、その踏みだそうとした一歩を空中で止め、地面を見つめたまま固まる。
古処、ふと何かに気づき、歩き出す。

生垣「…ミスター古処!そちらは危ない!流水の足の射程距離だ!」
古処「大丈夫だ」

288 :名無しのオプ:03/03/05 17:47
初代ゴジラのような雰囲気がイイ!
しかし古処かっこいいな。
>>277は是非とも平野耕太に漫画化してもらいたいところだ(w

289 :名無しのオプ:03/03/05 17:49
古処、清涼院の足元近くまで近づき、植木の陰で一度しゃがみ込み立ち上がる。
その腕の中には、子犬がいた。きょとんとした顔をして、清涼院を見つめている。

古処「紳士たるもの、弱きものは守るべし。
   わかっているではないか、清涼院よ」
清涼院「セーリョーイン……セーリョーイン…リューースイ…ィィィ…」

その声と共に清涼院から光が発せられ、辺りを包む。

生垣「………。!ミスター古処!大丈夫かい?」
古処「平気である。清涼院は…どこへ行ってしまったのか……ん?」

古処、先程まで清涼院がいた場所へ子犬を抱えたまま歩いていく。
そしてそれを拾い上げると、カメラの方を見て微かに笑う。

古処「任務完了である」

それは、津村の迷彩服だった。


これで終わり。
一人でだらだら長くやってごめんなさい。ハジケきれてなくてごめんなさい。
これのせいでネタの書き込み控えてたのならすいません>他の職人

290 :名無しのオプ:03/03/05 18:16
(´-`).。oO(……ここんとこ空気が沈滞気味だねえ。とりあえず>>289乙)


291 :名無しのオプ:03/03/05 18:44
新人二人のキャラに期待、かな。

今のところは涙たんばかりが注目されてるが。

292 :名無しのオプ:03/03/05 19:02
>289
いえいえ、面白かったです。
文化祭で御大巨大化を期待してたので、
ここで見れて嬉しいっす。乙。


293 :名無しのオプ:03/03/05 19:05
イモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」を聞いて、
つい歌って踊る蘇部殊能舞城を思い浮かべてしまった。

オヤジですね石崎ですね逝ってきます

294 :名無しのオプ:03/03/05 19:10
>>293

良い子=殊能
悪い子=舞城
普通の子=蘇部

ってとこか。うーん、ちょいイメージが違う。

295 :名無しのオプ:03/03/05 19:25
>294
そういや舞城は殊能殴れないしな……
良い子は森?


296 :名無しのオプ:03/03/05 20:01
森が殴られるってのも想像つかんなー。

氷川ってとこかな。なんとなく。

297 :名無しのオプ:03/03/05 20:13
なんか話についていけない…

298 :名無しのオプ:03/03/05 20:15
だいたい時事ネタ……て言っても、このメンバーでひな祭り(終わったけどね)やってもしかたないしなあ(笑)。
入学式も微妙……常時募集だから。
その前に卒業式? 誰かいるだろうか(笑)。

299 :名無しのオプ:03/03/05 20:26
>298
ホワイトデーと花見ってとこかな。

300 :名無しのオプ:03/03/05 20:28
春なら花見とか…
当面、新入生の涙ちゃん絡みのネタになるのかね
今月の新刊で関田氏のキャラが果たしてどうなるのか

ヤ○ー、復活したみたいだね。また書き込み増えるか?

301 :名無しのオプ:03/03/05 20:45
時期的にちと遅いかもしれんが
マラソン大会とか……

も ち ろ ん ル ー ル 無 用 w

302 :名無しのオプ:03/03/05 21:22
黒田「積木君、生垣君のフィルムに僕ら映ってなかったよね。
   京極先生ですら登場したのに…」
積木「いや。途中のナレーション、あれ実は俺なんだ。
   生垣に頼まれて吹き替えた。
   伊達に説明役やストーリーテラーをやってるわけじゃない」
黒田「!!」

303 :名無しのオプ:03/03/05 21:33
マラソン大会も今更感は拭えないなあ。

つーか、無理にイベントせんでもいいと思われ。

304 :名無しのオプ:03/03/05 21:43
マターリ日常も良いよね。

305 :名無しのオプ:03/03/05 22:19
黒田憐れ…おそらく今一番地味なのはこいつだな…

306 :名無しのオプ:03/03/05 22:32
黒田も本出してる割には重版は・・・

307 :名無しのオプ:03/03/05 22:44
ていうか、新刊の発売日って今日じゃなかったっけ?

308 :名無しのオプ:03/03/05 23:00
>305
今の所、目立たない奴がキャラを立てる方法としては、

1,古処隊に入る(津村、北山もか?)
  →ただし黒田はスキー合宿でこれに失敗。
2,石崎にくっつく(乾、氷川)
3,メタキャラ化する(積木、浅暮)

ってとこかな。さあどうする黒田!




309 :名無しのオプ:03/03/05 23:08
ていうか、黒田が地味だとも目立ってないとも思えんのだが。

310 :名無しのオプ:03/03/05 23:51
黒田にはスキーとかハロプロとかあるから大丈夫

311 :名無しのオプ:03/03/05 23:57
あれ、秋月も出てないんじゃ…ってちょっと出てるか。気付かなかった……

312 :名無しのオプ:03/03/06 00:06
クイーン兄弟とか、ネタは多いんだけどな>黒田

313 :名無しのオプ:03/03/06 00:18
古処「この子犬、一体どこから来たのだ?」
蘇部「ちょっと汚れてるね。迷い犬かな?」
そのとき、大人しく撫でられていた子犬がぴくりと耳を動かした。
蘇部「あ!どこ行くのー」
子犬が駆けていった先にいたのは新堂だった。子犬は尻尾を振ってじゃれついている。

中島「ははは。えらく慕われているな。似合うぞ新堂」
新堂「……ふん。一度牛乳をやっただけだ」

新堂の威圧オーラが2ポイント弱まった!

314 :名無しのオプ:03/03/06 01:11
校舎裏。あたりを見回す新堂。
彼は木陰に近づくと、ぶきっちょな仕草でサングラスを外した。

新堂「……待ったか? そんな目で見るなよ。悪かったって」
新堂「頼むからこっち向いてくれよ。ほら、蘇部の奴から弁当奪ってきたぞ」
新堂「トンカツは嫌いなのか? すまねぇな。贈り物には慣れてないんだ」
新堂「俺は借金抱えた野郎の気持ちはわかっても、女の気持ちはわからねえ。
   金、金、そして暴力……。つまらねえ人生を送ってきた罰だな、これは」
新堂「なんだ、慰めてくれるのか?」
新堂「はは、よせよ。舐めるなって。可愛いやつめ。ぐはははは」

高田「どうしたんです。青い顔して。頭痛薬ならよいのありますよ」
中島「いや、ちょっと信じられないものを見て……やっぱり貰おうか、その薬」

新堂の暴力レベルが3下がった!

315 :名無しのオプ:03/03/06 01:19
>>314
(ある意味)悪夢だw

316 :名無しのオプ:03/03/06 02:02
生垣「メフィスト学園、子犬物語か……。ふふ、ナイスな画が撮れた」
秋月「おい新入生。こっちを向け!」
生垣「ホワッツ?」
秋月「ああっ。なんでカメラおろすんだよ。いや、握手はいいから僕を映し……」
生垣「おや、向こうでミスター石崎とミスター乾のトークが始まったぞ」
秋月「ああん、行かないでぇ。他人の目をしたまま通り過ぎないでぇ」

乾 「例の新入生は四コマ漫画描くらしいよ。森君の漫研に入るかな」
石崎「まったく、漫画だの映画だの紳士だのパンチラだのばっかりだな。
   この学園にはミステリらしい部活はないのか!」
霧舎「ちょっと待て。パンチラ部なんてないぞ。ないからな」
乾 「そんなに言うなら自分で始めりゃいいじゃん。氷川君と」
石崎「妬いてるのか? しょうがないなあ。そんなに言うなら助手にしてやるよ」
乾 「頼んでません」
石崎「照れるなって。お前らなら立派に探偵の引き立て役をつとめられるよ」
霧舎「嬉しくないー」
石崎「ようしお前ら、今から見当違いの推理の練習だ。一生懸命恥じかけよ!
   その次は尾行の失敗をして真犯人に拉致暴行される練習だ!」
乾・霧舎「誰がやるかー!」
秋月「……ちょっとやってみたいかも」

317 :名無しのオプ:03/03/06 02:06
蘇部「新堂くん〜
ねぇねぇ、この子犬だけど学校で飼おうよ」
新堂「校長の許可がでるまで待ちな…」
子犬「くぅん」
新堂「…さ…ぃ…」
どうする新堂?

318 :名無しのオプ:03/03/06 05:16
>>317
ワラタヨ。

新入生が入ると同時になんか事件でも起きないかな…なんて。

319 :名無しのオプ:03/03/06 08:15
新堂最高。

320 :名無しのオプ:03/03/06 09:15
笠井「お前たち、学校で犬を飼うとは何事だ。不衛生だろう」
蘇部「ええっ。駄目なんですか? こんなに可愛いのに」
森 「確かに可愛いですね。うちのトーマにはかないませんが(笑)」   
日明「見つかった以上は、保健所行きは仕方ないんじゃない?」
殊能「(しょんぼりする蘇部を見て)誰かが責任を持って世話するというのは?」
新堂「お、俺にやらせてくれ。俺の甲斐性でこいつを養ってみせるわい!」
子犬「(新堂の胸に飛び込みながら)くぅーん!」
石崎「うーん。美しい光景のようなそうじゃないような」

秋月「くっ……動物を使うなんて卑怯だぞ。充分キャラが立ってるのに、
   新堂はこれ以上何を求めているってんだ」
浦賀「犬肉……じゅるり」
秋月「そうだ、あの犬を僕に懐かせよう! 主人公とそのマスコットの誕生だ!」
浦賀「あの犬肉を……して……しよう。美味しい…………の誕生だ」

一匹の子犬をめぐり、学園で何かが起こりそうな起こらないような。

321 :317:ロングバージョン:03/03/06 13:10
秋月「蘇部君、にいちゃんだったっけ?犬のぬいぐるみちょっと貸して」
蘇部「いいよけど。この子はアンちゃんなんだよ」
秋月「サンキュー
黒田ちょっと手伝え」
黒田「?」


購買部にてモー娘。の生写真やらアクセサリーや酒を販売する黒田
犬を抱いた新堂とその反対側から歩いてきた生垣がやってきた
ジッと金のゴツイ首輪をつけたアンちゃんを見つめる新堂
その時浅暮は見た桜並木でお揃いの首輪をつけた子犬と友にサワヤカな笑顔で走る新堂の妄想を

どうする新堂?

秋月「秋月です!」

パパーン
子犬にぶつかりながらもキャメラに飛び付いた秋月は新堂に撃たれた

322 :名無しのオプ:03/03/06 17:23
殊能「蘇部君大丈夫?」
蘇部「アンちゃんに綿挨がついただけで大丈夫…それより生垣君と新堂君は?」
生垣「尻もちをついただけでダイジョーブデース
キャメラも無事デースヨ」
子犬「くぅーん」新堂「よせよくすぐったいだろ」
蘇部「よかった無事みたいだね」
殊能「うん材料も揃いましたし、ホワイトデーのプレゼントを作りましょうね」
秋月「ちょっと待って、僕撃たれたのに誰も心配しないわけ?」
殊能「BB弾くらいで誰も死にませんし、自業自得というものでしょ?」
秋月「ちきしょうみんな冷た過ぎる…
目立ってやるぅ〜!」
蘇部「秋月君そこショケース…」

323 :名無しのオプ:03/03/06 19:39
>>278

霧舎「舞城が『メフィスト学園陰のヒーロー』なら、表のヒーローは誰なんだろう?」
佐藤「僕は認めないぞ…舞城がヒーローなんて…」
氷川「表のヒーローって、正統派ってことですよね。殊能君とか?優等生ですよ」
乾「いや。あいつ、蘇部以外には結構冷たい所があるぞ」
津村「正統派といえば、隊長がいるじゃないか!」
乾「うーん…確かに正統派だけど、
  古処はあくまで『隊長』であってヒーローじゃないような…」
北山「こんな事言いたくはないけど、
   目立つという意味だったら清涼院先輩を思いつくよ」
乾「ヒーローと言うか…怪人みたいだよな。毎回毎回やられてもすぐ復活するし」
西尾「それ、怪人じゃなくてショッカーなんじゃ…」

石崎「それならやっぱり俺しかいないな!正統派!そして名探偵!」
乾「じゃあ表のヒーローは未だ空席、今後の活躍次第ということで」
石崎「俺を無視するなぁ!」

324 :名無しのオプ:03/03/06 23:42
怪人セーリョーイン……
ま、禍々しい(w

325 :名無しのオプ:03/03/07 00:18
秋月「そっか…目立つには表のヒーローになればいいんだ」

高里「ヒーロー?ウルトラマンかな?…イメージねぇ…紅白…眼鏡で変身して巨大化かしら、後カタカナでの掛け声」
日明「ヒーロー?仮面の忍者赤影でしょうか…分身の術が印象に残っているわね」

秋月「?
アンケートの結果が誰かに似ているような…」

謎の声「セーリョーーイン」


326 :名無しのオプ:03/03/07 01:08
秋月「よ、よし。 紅白の服に眼鏡をつけて、変身や分身はできないけど、ええと、カタカナで掛け声を…」
森「…おや、清涼院君、そこにいたのですか(にっこり)」
秋月「え? いや僕――」
森「この前の件でラジコンが全て壊されたことについてちょっとお話があるのですが、ちょっと来てくれますか?」
秋月「あ、え、ちょ――!!」

327 :名無しのオプ:03/03/07 02:14
膝の上で子犬に寝られてしまい動けない新堂の傍らで、少女が泣いていた。

新堂「おう、お前らいいところに。俺を助けてくれ」
古処「男たるもの、美女が泣いているを見過ごすことはできない。どうしたんだ?」
竹 「むー。いーちゃんが浮気なんだよ」
津村「それは許せませんね。で、相手は誰なんですか?」
竹 「浅暮君なんだよ」
古処・津村・新堂「!!!!!!!!」
竹 「ジョージ浅暮だなんて偽名を使って逢引きをしてるんだよ」
新堂「……ケッ。いい酒呑み仲間だと思ってたら、男色かよ」
津村「意外ですね。偽名を使うというのがまたいやらしい」
古処「潔くないのである。これは指導が必要だな」

浅暮「人違いだ! それはジョージ朝倉さんだ!」
理科室で呑んでいた浅暮は不穏な話題をキャッチして思わず叫んだが、
酔っ払った日明に離してもらえず誤解をときに行くことができなかった……。

328 :名無しのオプ:03/03/07 10:31
ジョージ浅暮(w

329 :名無しのオプ:03/03/07 10:55
>>327
ひさびさのヒットだw

330 :名無しのオプ:03/03/07 21:59
石崎「お、氷川。ピアノの前で何固まってんだよ。
   作曲でもしてんのか?それよりも本業を…って、お前来月出すんだっけか」
氷川「……石崎さん、ズンドコ節って知ってます?」
石崎「は?何だよ突然。
   ズンドコ節って…あの某演歌歌手のヒット曲だろ?それが何だよ」
氷川「今、ピアノでズンドコ節を弾こうとしたのですが…」
石崎「……わかりにくいを通り越して訳がわからないぞ、氷川」
氷川「そこで、僕はそれの構造的欠陥に気づいてしまったのです」
石崎「ちょっと待て。何の話だ?」
氷川「ピアノでズンドコ節のメロディーを弾くのは簡単です。
   しかし、あの振りをつけようとすると演奏が止まってしまうんです。
   振りのないズンドコ節なんて、アルコールのない花見のようなものでしょう?」
石崎「……それが?」
氷川「つまり、これではピアノでズンドコ節は諦める他ないだろうと」
石崎「何に対して諦めるんだよ」
氷川「来週、ホワイトデーじゃないですか」
石崎「おい…まさか、チョコのお返しにピアノ弾くつもりだったのか?」
氷川「はい。駄目ですか?」
石崎「いや、ピアノはいいけどさ…選曲がおかしいぞお前」
氷川「そうですか?」
石崎「そうですかって、んな真顔で訊かれてもだな…
   あー…乾!乾はどこだ!ちょっと来てくれー!」

331 :名無しのオプ:03/03/07 22:59
>330
めっちゃうけてもた。


332 :名無しのオプ:03/03/08 00:12
秋月「そうか…目立つには他の奴が出来なかったことをすれば良いんだ。…氷川、諦めたみたいだな。
   ピアノを弾きながら手の振り付けをする…簡単なことじゃないか!」


高田「いらっしゃい…おやおや、秋月君。また酷くやられたね。二人とも、運搬ご苦労様。
   で?誰にやられたんだい?舞城君かな。それとも新堂君?浦賀君じゃないよね」
中島「舞城だ。秋月がピアノに上ろうとしたところを丁度舞城が見つけたらしい」
古処「何故、楽器などに乗ろうとしたのかわからないのである。登るのなら山があるというのに」
高田「足の指で鍵盤を弾こうとしたとか……それはないか。さて、それじゃあ新開発の傷薬でも試そうかな」
中島「足でピアノ…柔道一直線か?秋月、お前、武道にでも目覚めたか?」

333 :名無しのオプ:03/03/08 00:13
正直、そうでもない。

334 :名無しのオプ:03/03/08 00:30
秋月「ふぃ〜
酷い目にあったよ」
秋月「ヒーローは悲鳴を聞きつけて現れる事を忘れてたね…でも待っていても悲鳴はあがらないんだよねということで…」
 殺気だった男三匹が通るのを気にせずにポスターを貼る秋月

日明「キャァー」

秋月「さっそくうら若き乙女の悲鳴幸先いいぞ」

ガラッ

秋月「悲鳴一発かけつけます貴女のヒーロー」
浅暮「たっ…たすけ…」
日明「キャハハハハ」
秋月「え…」

ガラッ

津村「隊長これは…」
古処「綺麗に決まったバックブリーカーである」
新堂「日明、秋月離して服着ろや、下乳出とるぞ」
浅暮「秋月、生きてるか?」

335 :名無しのオプ:03/03/08 00:41
>>332-333
>秋月、お前、武道にでも目覚めたか?」
>正直、そうでもない。
コンボ?(w

336 :名無しのオプ:03/03/08 01:14
最近の日明姐さんは壊れてますね。

337 :名無しのオプ:03/03/08 01:16
というか全キャラが壊れてますから。

338 :名無しのオプ:03/03/08 01:26
それはもとから。

339 :名無しのオプ:03/03/08 02:00
意味もなく壊すスレだしな。

340 :名無しのオプ:03/03/08 02:16
ひそかに浅暮×日明を期待している自分はダメですか?
澄ました秘書と、ワイルド(?)な酔っ払いで。
日明が本音を隠しても浅暮には伝わるところがまた。

341 :名無しのオプ:03/03/08 03:10
保健室にて、日明は襲撃された浅暮をけなしつつも手当てしていた。
それをちょっぴり羨ましそうに見ている男一人。

秋月「あのさぁ。最近よく一緒にいるの見るけど、もしかして二人は……?」
途端に日明の顔が真っ赤になる。
日明「だ、誰が浅暮君なんかと! 冗談じゃないわ。勘違いしないでちょうだい!
   男と女のツーショットをすぐ恋仲と思い込むなんて、子供じみてるわよっ」
秋月「うわあ、ごめんなさいっ」
あまりにも激しい剣幕に、秋月はあわてて立ち去った。
保健室に、二人きりになる。
(どうしよう。あんなこと言うから意識しちゃうじゃないのよ)
すべてお見通しの浅暮は、面白そうに日明の顔を眺めている。
日明「ちょっと。何見てるのよ。何か誤解してないでしょうね」
浅暮「さて、どうだろね」
日明「あなたと呑むのは、あくまでも美味しいお酒が目当てですからねっ」
浅暮「はいはい」
日明「私はねぇ、エリートとしか付き合わないんだから。美人秘書の宿命なのっ」
浅暮「はいはい。頑張れよ〜」
日明「もうっ。どうせ心の中では馬鹿にしてるんでしょう。わかってるんだから」
浅暮「……ま、呑めや」

342 :名無しのオプ:03/03/08 03:21
……ていうか、日明が意識しちゃうと台無しなんだよな。まあいいけどね。

343 :名無しのオプ:03/03/08 03:40
最近秋月目立ってきているじゃないか。

344 :名無しのオプ:03/03/08 06:20
秋月、キャラが立っていないキャラとして立ってるよな。
健気だなあ(笑)。

ズンドコ節とかいうから、頭の中で氷川の容姿がきよしになっちまったよ……。
地味で理屈屋くさい氷川きよし。

345 :名無しのオプ:03/03/08 08:22
>>341
高田「で…飲ませたら酒乱だったと」
余計に怪我が酷くなった浅暮の手当をしながら高田は、一升瓶を抱えて無邪気な寝顔の日明と笑いを殺せない浅暮れを交互に見つめて、溜息をついた。
高田「まぁいいのですけどね…SMプレイもほどほどにして下さいね。
肋骨が折れているみたいですから、先程できた薬を処方しましょう。実験がまだですからMの貴方なら嬉しいでしょうし」
浅暮「ちっ、ちが…」
高田「さぁ照れないで一気にどうぞ、貴方がMだなんて誰にも言いませんからぁ♪」

346 :名無しのオプ:03/03/08 10:43
北山「ただいま戻りましたあ」
高里「あ、北山君! しーっ」
北山「?」
高里「静かに…ね」
北山「は、はい。あのう、高田先輩に頼まれてヨモギをつんできたんですけど」
高里「ごくろうさま。そこに置いててくれる」
北山「隣の部屋で何かやってるんですか?」
高里「うふふふふ」

浅暮「ちっ、ちが…」
高田「さぁ照れないで一気にどうぞ、貴方がMだなんて誰にも言いませんからぁ♪」

北山「う、うわあ」
高里「ああ、なんてこと。グレさんって野暮天に見えて密かにMだったのね。
  Sの高田君はそのことに前から気づいてて…」

347 :名無しのオプ:03/03/08 10:44
高田「やれやれ。抵抗したらよけいに骨に響きますよ。おとなしくこの薬を」
浅暮「いらねーって言ってるだろ」
高田「仕方ないですね。では、強硬手段をとります」

高田がおもむろに白衣のポケットからリモコンのようなものを取り出しスイッ
チを押した。途端、ベッドの脇からベルトが飛び出し浅暮の体を拘束する。

浅暮「ぐわああ! なんじゃこりゃあ!」
高田「ふふふ、これで逃げられませんよ」

高里「あああん、さすがSっ!」
北山「はわわ〜。し、しかも、あれはあれはあの手に光るものは」
高里「ちゅ、注射器っ!」
北山「だ、だだだだだだダメですよ。高里せんぱこれいじょ見ちゃダメれす。
  ほら行きますよ」
高里「ああん、北山君離して〜」

348 :名無しのオプ:03/03/08 12:51
浅暮×日明推しの人って美術室のあのイラストに影響されたんでしょ。
いや別に構わないけども。

それよりも自分は最近の展開じゃ津村のキャラ(そんなものあったのか)が死んでしまってる気がしまして。。。
単に古処嫌いだからその配下にはいって欲しくないだけかもだけど。
個人的には津村は秋月あたりとくっついてるときに耀いて見えるのですけどねー。

349 :名無しのオプ:03/03/08 13:57
>348
ああ、確かにあのイラストは良かったよねぇ

350 :名無しのオプ:03/03/08 14:01
メフィスト学園カップリング論争勃発

351 :名無しのオプ:03/03/08 14:03
>>349
私の中では日明の著者近影はなかったことになっている。ミナキャヨカッタ・゚・(ノД`)・゚・

352 :名無しのオプ:03/03/08 15:20
無理にカップル作らなくてもいいんじゃ

353 :名無しのオプ:03/03/08 15:33
おお、ついに日明萌えも解禁ですか…?
高里萌えも解禁されるまでには長い年月がかかったからねえ。

354 :名無しのオプ:03/03/08 16:12
>348
津村に関しては新作が出ればもっといろんな展開も
ありそうなんですけどね・・・



355 :名無しのオプ:03/03/08 19:30
>348
津村のキャラに違和感を述べるのはいいけど
古処嫌いとか書くのはどうかと思うぞ
職人的に書きにくくなるんじゃないか?

356 :名無しのオプ:03/03/08 20:20
>>355
別に職人が>>348に遠慮する必要は全く無い
人それぞれ好き嫌いは色々ですよー



357 :名無しのオプ:03/03/08 21:21
関田涙 
1967年横浜市生まれ、身長172センチ、双子座、血液型不明

が、新刊の著者略歴。67年生まれと言うと新堂と中島の間だね

358 :名無しのオプ:03/03/08 23:13
関田の近影微妙にカコヨカタ

359 :名無しのオプ:03/03/09 00:36
浅暮「高田君、肋骨は薬無しで治してくれ」
高田「何故なのですか?薬無しで治すと激痛を伴いますよ」
浅暮「いやいいんだ…その薬を飲むと君への許されない思いを打ち明けてしまいそうで…」
高田「僕はこんなにグレさんの事を思っているのに…」



殊能「北山…蘇部君がトイレから帰ってくる前に高里連れてどこか行くか、その気色悪い手袋人形遊びを止めさせろ」
北山「ヒィィ
高里せんぱぁいぃ」
高里「ちょっと待ってよこれからドーピングした高田君が鬼畜なプレイをして最高に面白くなるのよ。
勉強になるわよ」

360 :名無しのオプ:03/03/09 00:41
>>359
久々に笑ったYo

361 :名無しのオプ:03/03/09 01:27
高里「ワカッタ、止めるわよ」
殊能「ご理解いただき恐縮です」
北山は龍と虎の睨みあいを見たような気がした。
ガラッ
蘇部「殊能くぅんただいまぁ」
殊能「蘇部君おかえり〜
中々戻って来ないから悪いおじちゃんおばちゃんに誘拐されたかと心配しちゃったよ」
蘇部「えへへへ
心配かけてごめんね。
あれ?北山君固まってるけどなにかあったの?」
殊能「高里の妄想の相手にされたのですよ」
高里「イイカゲンな事言わないで!
北山君は集団にレイプされてから始まる真実の愛が似合うのよ。そんなオイシイ展開簡単に言わないわよ。真似されたら嫌だし」

362 :名無しのオプ:03/03/09 02:35
前スレでも登場した気がするな、変わった言葉遣いの殊能が

363 :短編映画:清流院の一生:03/03/09 10:31
BOXの中には清流院が一人
舞城「おら早く出ろ後がつかえとるんや」
もう一人叩くと清流院が二人
舞城「増えるなや!」
中島「セィヤァー!」
清流院「セイリョウーイン!!」
叩いていくたび清流院は増える
舞城「きっ、キリがねぇ」
中島「日明さん男子トイレを使用してください」
そんな不思議なBOXは…


森「おや北山君浮かない顔してどうかしましたか(笑)」
北山「委員長…」
森「嫌な事があったらこのバットを持ってこの先の女子トイレに行くといいですよ(笑)」
森「情報料とレンタル料は合わせて千円に負けておきますね(笑)」

364 :名無しのオプ:03/03/09 11:57
黒田「なんでだろ〜なんでだろ〜なんでなんでだろ〜」
黒田「子犬に話しかける時に赤ちゃん言葉になるのなんでだろ〜」
新堂「ミルクあげまちゅよ」
黒田「中島の保健室行きが増えたのなんでだろ〜」
高田「こんどは神経性胃炎ですか」
黒田「なんでだろ…なんでだろ…キャラ立っているのに目立てないのはなんでだろぉ」
北山「キャラが多いから職人さんに忘れられていただけだって、よくある事で…だから落ち込まないでよ積木先輩」
黒田「なんでなんでだよ〜(号泣)」

365 :名無しのオプ:03/03/09 12:05
レイプとか書くな

366 :名無しのオブ:03/03/09 16:29
ユヤタンの「フリッカー式」を思い出すから?>>365

367 :名無しのオプ:03/03/09 18:36
ていうか、最近連発してる職人のネタ、意味不明の上なんか気持ち悪い。

楽しんでいる人にケチをつけるのもアレなので黙ってたが。

368 :名無しのオプ:03/03/09 18:43
そのまま黙っておいてくれたら良かったのだが。

369 :名無しのオプ:03/03/09 18:44
石崎「それで相談ってのはなんじゃらほい?」
北山「あのう、これなんです」
乾 「麦藁帽子に白のワンピース、これはバスケット?」
石崎「ふうん、なんだか避暑地のお嬢様なセットだな」
乾 「これがどうかしたの?」
北山「貰ったんです」
石崎「お前が?」
北山「はい」
乾 「え、こんなもの誰に貰ったんだよ?」
石崎「いやまて、みなまで言うな。名探偵たる俺様の推理によれば、こんな
  お嬢様なりきりセットみたいなプレゼントを北山にしそうなのは……
  犯人はズバリ、生垣真太郎だな」
乾 「いけがきぃ!?」
北山「はあ、そうなんです」

370 :名無しのオプ:03/03/09 18:45
乾 「なんで生垣がこんなものを」
石崎「ふふん。乾は気づいてなかったのか? 生垣の奴、どうも北山を女だ
  と勘違いしているみたいなんだよ」
乾 「そうなの?」
石崎「そうなの。だって、ほれ、こいつ山荘から帰ってきてからずっと女装
  してるじゃないか。生垣が勘違いするのもしょうがないわな」
北山「うう、そうなんですよお。僕が重い荷物を運んでいると親切に持って
  くれたり。舞城に殴られそうになったら助けてくれたりするんですよお」
乾 「なんだ。いいことばかりじゃないか」
北山「でも、僕を女の子だと勘違いしてるんですよ? 僕ちょっと困ります」
石崎「北山さあ、バレンタインチョコもあげちゃったんだろ?」
北山「う…」
乾 「あらら…。それはもう、愛されてるな。絶対」
石崎「まあ、いいじゃないか。幸せになれよ。ちょっと映画狂なところがた
  まにきずだけど、いいやつそうじゃないか」
乾 「そうだな。きっと高里も喜ぶと思うよ」
北山「他人事だと思って好き勝手言わないでください」
石崎「なんだよう。そんなに嫌なら女装やめればいいじゃないか」
北山「うう、それは…」
乾 「石崎、最近の北山は女装キャラでたちはじめてるから止めるにやめら
  れないんだよ…。俺がお前のツッコミ役をやめられないように」
石崎「さいですか、地味キャラは辛いなあ」
乾 「お前だって文化祭くらいまでは地味キャラだったくせに!」

371 :名無しのオプ:03/03/09 18:46
石崎「えっと、話を元に戻して。このワンピースと麦藁帽子を生垣にプレゼ
  ントされたと。それから?」
北山「デートに誘われました」
乾 「で、でえとお!?」
石崎「ぶわはははは、マジか!?」
北山「はい…。このワンピース着て麦藁帽子かぶって一緒にピクニックに行
  きましょう、と…… い、石崎さん、笑いすぎですよ!」
石崎「うくくく…だ、だってなあ」
乾 「そ、それで、もしかしてOKしちゃったとか?」
北山「…………」(コクリ)
石崎「わはは、そうかそうか。じゃあ頑張れ」
北山「それでお願いがあるんです」
石崎「へ?」
北山「石崎さんたちと行くなら行ってもいいって言ったら、じゃあそれでい
  いよって生垣君が」
石崎「何、俺たちも一緒に行くの?」
北山「はい」
石崎「ええ、でもなあ…って、そんな怖い顔するなよ。わかったわかった。
  かわいい後輩の頼みだもんな。行くよ。な、乾」
乾 「俺もかよ」
石崎「ん、お前がやだってんなら氷川でも誘うけど。俺と氷川が一緒だと何
  か起きそうなんだよなあ」
乾 「俺も行くよ。北山の貞操の危機だしな」
北山「うう、ありがとうございます。よかったあ、生垣君が清涼院先輩連れ
  てくるって言ってたから、そっちの方もなんだか心配だったんですよお」
石崎&乾「やつもかよ!!」

372 :名無しのオプ:03/03/09 18:50
いかなるネタを書き込むのも自由な以上、いかなる感想を書き込むのも自由かと。

373 :名無しのオプ:03/03/09 19:09
そして、その感想にどういうレスを付けようとも自由というわけですね

すばらしい。

374 :名無しのオプ:03/03/09 19:15
お前ら楽しいか?

375 :名無しのオプ:03/03/09 20:34
清涼院「セッイリョーインッ!セッイリョーインッ!」
西尾「あ、御大。スキップなんかしてご機嫌ですね。
   …何ですか、その赤地に水玉のひらひらワンピースは…」
清涼院「リュースイ!」
西尾「え?避暑地の美人姉妹??ダブルデート??何を言ってるんですか?」
清涼院「セーリョーイン!リュー!スイッ!」
西尾「あ、ちょっと御大!どこへ…
   彩文家夏発売は本当に本当なんですかー!…って、行っちゃった」

376 :名無しのオプ:03/03/09 20:43
生垣「ハロー、流水」
清涼院「キョーダイッ!」
生垣「うぃー、きょーだーい。流水、来週のサンデーは暇かい? よかったら俺とデートしよう」
清涼院「セリョッ!? デート?」
生垣「イエス。実はとあるレディにデートを申しこんだんだが、彼女 最初はグループ交際からが
  いいらしくてね。それで今度、彼女と彼女の友達たちとピクニックに行こうかと思ってさ。
  それに俺の相棒として一緒に来てほしいんだよ」
清涼院「リューースーーーーイ」
生垣「OK、OK。デザートは生八つ橋ね。用意しておくよ」

清涼院はスキップをしながら去っていった。それをにこやかな笑みで見送る生垣。
ちなみに生垣の手にあるカメラはずっと回り続けている。

生垣「さて、流水の他には誰を誘おうか」

>>375につづく

377 :名無しのオプ:03/03/09 20:45
高里「今はまだ寒いと思うから、何か上着を羽織った方がいいかもしれないね」
北山「上着ですかあ。この白のスカートに合いそうなのってあるかなあ」
高里「うーん、このセーターなんてどうかな」
北山「わあ、着てみてもいいですか?」
高里「うん、いいよ」

北山は生垣からプレゼントされた服を着て鏡に向かっていた。白のワンピース
ドレスでスカート部分にすこしひらひらがついている。
映画マニアの生垣のことだから、きっと昔の映画の清純派女優のイメージなん
だろうと高里は推察していた。

それにしても… 生垣君ってばてっきり京大仲間で清涼院君とラブラブなのか
と思っていたら、北山君狙いだったなんて…

高里の瞳がきらきら輝きだす。

378 :名無しのオプ:03/03/09 20:47
思えば北山君が女装をしだしたのは山荘から帰ってきてからだった。そう、わ
たしたちが学園にいない間に入学してきた生垣君と出会った頃。もしかして、
北山君の方が一目惚れだったのかしら? それで生垣君の気を惹こうとずっと
女装していたのかも。そして、そんな北山君に生垣君も惹かれ、2人はついに
初デート…。きゃあああっ♪

北山「高里先輩、どうですか?」

妄想にひたりながら身もだえしていた高里は北山の声でハッと我に返る。
ワンピースドレスの上から淡いピンク色のタートルネックのセーターを着た北
山がすこし不安そうな表情で高里の方を見ている。

高里「はう」

北山の姿に高里は一瞬ドキリとした。

379 :名無しのオプ:03/03/09 21:37
>375
彩文家→彩紋家

380 :名無しのオプ:03/03/10 01:29
こっそりと、西尾のいーちゃんが美味しいとこ持ってってると思う今日この頃。
便利なキャラなんだなあ。

381 :名無しのオプ:03/03/10 14:56
昼食をとろうと森は食堂に向かっていた。

メフィスト学園の食堂は生徒数のわりに小奇麗で広いスペースを有している。原稿の締
め切りが近くなった生徒や先生方が仕事をしていることも多い。
食堂にはいった森は入り口近くの席にいつものソフト帽を見つけた。帽子をかぶった小
柄な男はノートパソコンとにらめっこをしている。キーを叩く音は聞こえない。男の後
姿を一瞥した森の瞳に一瞬憐憫の色が走る。相変わらず執筆が進まないようだった。

森はトレイを取りカウンターへ向かう。
カウンターごしに覗いた厨房にはエプロン姿の殊能がいた。

森「おや、今日は殊能君の日でしたか」
殊能「こんにちわ委員長」
蘇部「あ、森くん。とんかつ定食食べない?」
森「森には無国籍パスタをお願いします」(にっこり)

殊能は週に2度ほど食堂の料理長をしていた。新しく開発した料理を披露し感想や意見
を聞いたりするために、というのを建前としているが、たんに趣味とアルバイトを兼ね
た暇つぶしだろうと森は推察していた。蘇部が殊能の手伝いをしているのもよく見かけ
る光景だった。

382 :名無しのオプ:03/03/10 14:57
竹「いいんちょ、こっちこっち」
森「おや…、2人きりで昼食ですか。珍しいようなそうでもないような組み合わせですね」
清涼院「セーリョー」

竹「わあ、パスタだ。いいな〜、おいしそう〜。今日、かつ丼にするかパスタにするか迷
  ったんだよね〜」
森「すこしわけてあげますよ」
竹「いいの!? やったあ、さすがいいんちょなんだよ」
清涼院「セリョッ」
森「え、このコーヒーを森にくれるんですか」
竹「うにー、じゃあ御大ちゃんには僕様ちゃんのトマトをあげる。これで仲良し3人組な
  んだよ」
清涼院「リュースイ、ナカヨシー」
竹「へへへー」
森「な、仲良し3人組ですか…」

さしもの森の笑顔もすこしひきつっているように見えた。

383 :名無しのオプ:03/03/10 14:58
森「ところで、西尾君はどうしたんですか?」
竹「むー、いいんちょ聞いてよ。いーちゃんったら浮気してたの」
森「浮気ですか。誰とです?」
竹「グレちゃんなんだよ。ジョージ浅暮なんて偽名つかっていーちゃんと逢引してたの」
森「ああ…」

森は竹の勘違いにすぐに気がついたが、それについては黙っていることにする。

竹「だから僕様ちゃんも浮気してやることにしたの」
森「それで清涼院君ですか」
竹「うに。だから、今度、御大ちゃんとデート行くんだ。なんかたろちゃんとびじんし
  まいも一緒なんだって。いいんちょも行く?」
森「いえ、森は遠慮しておきます。楽しんできてくださいね」
清涼院「セーリョーインッ」
竹「うにー、楽しみなんだよ」

384 :名無しのオプ:03/03/10 20:43
??「あの、すいません」
霧舎が廊下を歩いていると、見知らぬ男が声を掛けてきた。長身の優男である。
謎の男「先生に言われて森委員長を訪ねてきたのですが、部屋にいないようで…」
霧舎「ああ。さっき食堂の方に行ってたよ。
   先生に言われてってことは…君が新入生?」
謎の男「はい。よろしくお願いします」
霧舎「こちらこそ。あ、早く行った方がいいよ。
   委員長、食べ終わったらさっさと移動しちゃうから」

謎の優男が去っていったのとすれ違いに舞城がやってきた。
ちなみに、彼の顔や腕にはまだ絆創膏やら包帯やらが残っている。
舞城「誰や?見かけん顔やな」
霧舎「新入生だよ」
舞城「つーと、あれが関田か?」
霧舎「違うよ。特待生の小路君の方だろ?石崎が関田さんは女子高生だって言ってたから。
   彼女、まだ紹介がないよね。そろそろ来ても良い頃なのに」
舞城「女子高生?…ああ、ほんならあれ関田のことか」
霧舎「え?知ってるの?」
舞城「ちょっと前に保健室で高里が喋っとったわ。誰かに服を貸すとか何とか。
   つまりはそれが、その女子高生なんやろ」
霧舎「…高里、さん………。なあ舞城、彼女、元気かな?」
舞城「は?高里のことか?何で俺に訊くんじゃ」
霧舎「いや、それはその…」
舞城「元気やねえの?さっきも、誰それがデートでどうとかこうとかはしゃいどったしな。
   どっちかと言えばおめえの方が…おい、聞いとるか?」

霧舎(デート…やっぱり彼女は舞城と…。何だか寂しいな…いや、わかってたことじゃないか!)
都合が良いのか悪いのか、今ここには石崎も乾もいなかった。霧舎は思いを馳せる。
霧舎(関田さんって、どんな娘だろう…)

385 :名無しのオプ:03/03/10 22:48
美女。撮影旅行。霧の高原地帯。無人の館。
もうそれだけで事件の臭いがしないだろうか。
いや、間違いなく起きる。そうでなければ困る。
近頃のまったりとした学園ラブコメの雰囲気には耐えられそうにない。
こんなのは僕の思っていたメフィスト学園ではない。
早く僕にミステリを。
あの雪の山荘のとき、直に参加できなかったのが本当にもどかしかった。
できることなら現場でこのキャメラを回したかった。
そう、僕は生垣真太郎。
ピクニックを企画することで、事件の誘発を期待している。
そのために騒ぎの発端となってくれそうな清涼院君も誘った。
高原地帯だから、山に誘われて勝手に来てくれる人達もいるだろう。
さあみんな、僕のために素敵な画を撮らせてくれ。
もし僕の期待するようなことが起きないのなら、僕は自ら手を下すのも厭わない。
例えクラスメイトを傷つけるとしても……。
例え後に探偵に断罪されるとしても……。

「ヘイ、名探偵。ホリデイに予定がないならピクニックに行きませんかー?」

386 :名無しのオプ:03/03/10 22:58
石崎「いやあ参ったな。俺って主人公向きだからなあ」
乾 「気持ち悪いな。誰にお世辞を言われたの?」
石崎「失敬な。生垣君はどうしても僕が撮影に必要だと……」
氷川「あ、僕も誘われましたよ」
殊能「僕と蘇部君もだよ。思ってたより人懐っこい新入生みたいだね」
秋月「なんだ。どうして僕は誘われてないんだ。くそー。着いて行くからなっ」
高田「そういえばあの地方にしか採れない薬草があるんだ。乾君、今回も頼むね」
乾 「またパシリかよっ」

387 :名無しのオプ:03/03/10 23:11
蘇部「新入生も入ることだし、いっそクラスの遠足にしちゃったらどうかなー」
新堂「(高原で走り回る子犬を想像して)ゴホン。さ、賛成だ」
森 「面倒なことを言い出してくれますね……(苦笑)」
舞城「おい蘇部。そういうことは主催者に決めさせてやれや」
生垣「いえ、僕は構いませんよ。ノープロブレムです」
舞城「ほう……?」
霧舎「みんなで遠足か……高里さんも一緒に……」
舞城「ま、いい機会かもな。違う環境なら違った見え方ができるかもしれんし」
霧舎「そ、それはどういう意味……」
舞城「別にー。単なる独り言」

霧舎(こんなに思い悩むということは、僕はまだ割り切れていないのかもしれない。
   違った環境で改めて彼女を見ることで、ふっきれることができるだろうか……)

388 :名無しのオプ:03/03/10 23:29
おおっ、新章突入ですな

389 :名無しのオプ:03/03/11 00:40
新堂が壊れていく(w
いい傾向だ。

390 :名無しのオプ:03/03/11 06:58
今回は森も行くのかなー。期待期待。
しかし生垣はもう北山のことは忘れたんだろうかw

391 :名無しのオプ:03/03/11 10:01
浅暮「おいおい、いいのか? 年代物じゃないか」
生垣「ノープロブレムだよ。僕は下戸だから、持っていてもしょうがない」
浅暮「ふーん。しかし素直に貰っちゃっていいもんかなあ」
意味ありげにニヤリと笑う浅暮の顔は、どこか強張っている。
生垣は片目を瞑ってみせた。
生垣「イエス。君の思っている……いや、感じているとおりだよ。これは賄賂だ」
浅暮「やっぱりピクニックで何かやらかす気なんだな。俺は共犯はごめんだぞ」
生垣「しばらく口を噤んでいてくれればいいんだ。何もかもお見通しなんだろう?
   笠井先生に習って舞台をお膳立てするだけさ。仮に誰か傷ついたとしても、
   僕は罪から逃れるつもりはない。相応の罰を受ける覚悟はできているよ」
浅暮「そうまでして茶番を撮りたいもんかね」
生垣「探偵映画さ。純然たるノンフィクションのね」
真剣な生垣の目と琥珀色の煌めく容器を交互に見つめ、浅暮は肩を竦めた。
浅暮「くれると言うから貰うだけだ。俺は何の約束もしないぞ」
生垣「オーケー。その言葉だけで充分ですよ」
歩み去る浅暮の背中は、やはり緊張したままだった。
それもそうだろう。
もし浅暮が「出演者」達に先にシナリオをばらすつもりであれば、
生垣は今すぐ彼を処分しなければならないと考えていたのだから。
開幕まで黙っていてくれればいい。
いったん走り出してしまえばこちらのものだ。
彼がこのまま引き下がらず、密かに妨害の手を考えるとしても構わない。

それはそれで、面白いドラマになりそうじゃないか。

392 :名無しのオプ:03/03/11 10:10
誰が犯人になるのか、
誰が被害者になるのか、
そして誰が探偵になるのか、自分にもわからない。
すべてが自分の役割になるかもしれないし、
思いがけない人物が演じてくれるかもしれない。
そう、もしかしたらあの人も……。

生垣は北山のことを想った。

彼女はすべてを知ったとき、僕を軽蔑するだろうか。
男のような筆名を持つ、ミステリアスな彼女。
美しく横たわる彼女が血を流す画が浮かぶ。
ああ。僕はそれさえ見てみたい、撮ってみたいと思ってしまう。
せめて綺麗に撮ってあげますからね……

……といった陶酔に満ちた思考が浅暮の頭の中に忍び込んでくる。
浅暮「さあて。北山のことを教えるべきか教えないべきか、それが問題だ」

393 :名無しのオプ:03/03/11 11:29
ていうか北山の女装ネタって、元ネタは何?

講談社ノベルスの二冊にはそれっぽいのはなかった気がするけど。

394 :名無しのオプ:03/03/11 11:53
>393
メフィスト学園だけの、いわば『オリジナル設定』かも。
確か文化祭の頃、北山の女装は始まったはずです。
(どなたかフォローお願い)

395 :名無しのオプ:03/03/11 12:23
オリジナル設定だそうだよ。
特に参考とする元ネタはなさげだった。
メフィ学サイトの絵掲示板でその話題に触れてたと思うけど。


396 :名無しのオプ:03/03/11 12:37
何だかんだでまたほぼ全員参加っぽいですね……
浅暮は日明のことを守ってやるのでしょーか。

397 :名無しのオプ:03/03/11 12:39
当時無個性だった北山に職人がつけた設定。
本当は女装に加えて関西弁もあったけどこっちは消滅したらしい。
ただし、文化祭でも設定だけであとは職人に無視された過去が。

ちなみにスキー合宿編ではその設定はなりをひそめていた。

398 :名無しのオプ:03/03/11 13:11
オリジナル設定ねえ・・・なんじゃそりゃ。
そのうちオリキャラが出てくるな、きっと。

399 :ネタバレ含むんで:03/03/11 13:21
学校祭は職人さんが昔読んだ漫画がモトネタだと思いましたが(笑)

関係無いですが
@は学園一の美少女がAでしたよね?神様もいましたし(笑)

400 :名無しのオプ:03/03/11 14:14
日明「高地にだけ咲くお花畑があるんですって。ロマンチック〜」
新堂(お花畑で遊ぶ俺と子犬……それもよし)
高里「お日様の下で男達が爽やかに戯れるのね。ヤオイチック〜」
新堂(お日様の下で戯れる俺と子犬……それもよし)
石崎「となると、お座敷広げて弁当出してお花見だな。ポテトチップ〜」
新堂(一緒のお弁当を分け合う俺と子犬……それもよし)
古処「空気の薄い場所でこそ、日頃の訓練を試すいい機会である」
新堂(ときには厳しくしつけと訓練を……それは……それはなしだ)
石崎「コラコラ。古処もちゃんと最後にオチつけなきゃ」
新堂「ドメスティック〜」
一同「はあ!?」

401 :名無しのオプ:03/03/11 15:33
西尾「さて、ぼくはどうするべきかな」

着々と新章へのお膳立てが進むなか、独り意味もなく歩いている。
今回のイベントはどうやら全員参加の方向へと向かいそうだ。
事件に巻き込まれることはぼくの望むところではないし、
メフィスト学園全体の行事になる以上事件が起こらないわけがない。
かくして実につまらない結論へとQED。ただ──

西尾「もう既に面倒に巻き込まれているなんてね──」

西尾は、懐から自分の似顔絵イラストが描かれた、
(竹の筆によるもののようだ)名刺大の紙片を取り出す。
清涼院からJDCトリビュートの個人的な感謝として、渡されていたものである。

今まで噛みあっていた歯車が離されれば、どこかが軋み、事態が狂う。
竹ちゃんとの一時的な別離から決まっていたんだろう、この不条理は。実に傑作。

紙片を不意に裏返し、その文言をもう一度見た。

───────────────────
 MDC No.23 『戯言推理』 西尾維新
───────────────────

西尾「全て世はこともなし──戯言だね」

何が始まるのか、何も始まらないのか、何か終わったのか。それは御大しか知らない

402 :名無しのオプ:03/03/11 16:16
>>398
そんな事言い出したら御大はどうなるYO!

面白ければ良いだろ〜

403 :名無しのオプ:03/03/11 16:57
俺は完全オリジナル設定はどうかと思うが、面白いと思うならご自由にどうぞってとこかな。

404 :名無しのオプ:03/03/11 18:19
オリキャラはどうかと思うが。まあ、またスレが面白くなるなら北山が女装しても良いやと思ったり。
御大は違和感無く受け入れられたしなw

……しかし今回のはバトロワの時と似た匂いもするんだが、大丈夫かな

405 :名無しのオプ:03/03/11 18:32
御大のなんでもありと北山の女装は全然違うと思うがどうか。
本人のキャラを元にしてるかどうかという点で。

ていうか昔もこの問題で揉めたような記憶が。

406 :名無しのオプ:03/03/11 18:41
まあとりあえずこの話が終わってから、ということで>女装
ここで辞めたら生垣が……

407 :名無しのオプ:03/03/11 19:09
いや、そういう問題でもないような……

まあ、各自が各自のやりたいようにやればいいんじゃない?
何度も言われてるように、このスレの縛りはそれぞれの節度だけなんだから。

408 :名無しのオプ:03/03/11 21:10
高里「そういえば…ねえ高田くん、古泉くんはどうするの?
   まだ保健室で寝てるんだけど」
高田「ああ…そうだったね。おーい古処君、この間渡した気付け薬を…」
氷川「そうだったねって、忘れてたんですか…」
石崎「なんだ、古泉の奴まだ寝てんのか。
   早く起きないと見知らぬクラスメイトがどんどん増えてくぞ」

古処「すまない。あの事件のときに割ってしまったのである」
高田「ああ、そう。…いや、別に気にしなくても全然良いよ。また調合するだけだから」
乾「あんたはもう少し気にしろよ!」
高田「(無視)でもそういえば薬草を一種類切らしてたんだっけね。困ったなあ…」
舞城「全然困ってないやろ。嘘でももう少し心込めろや」
高田「(無視)まあ、外出先で採取できるか。じゃあついでに調合も一緒にやってしまおう。
   よし。古泉君も連れて行こうじゃないか。仲間外れは良くないしね」
霧舎「うわー、空々しい…」

殊能「で、どうやって連れて行くんですか?眠ってる人間を」
高田「変な運び方をして悪夢でも見たら良くないからねえ。
   しかしだからと言って、ベッドを引きずって行くと途中で転げ落ちてしまうかもしれない。
   よって、これに寝かせて行くことにしよう」
乾「これ棺じゃねえかよ!古泉はドラキュラか!」
高田「キャスター付きの親切設計だよ」

409 :名無しのオプ:03/03/11 21:46
積木「ん、あそこにいるのは──」
西尾「……積木先輩。あーあ、出会っちゃいましたね……」
積木「で、出会い頭にその言いぐさ、酷いじゃないか! そうさ、どうせ積木だよ! 出番無いよ!」
西尾「いえ、別に積木先輩個人に対してどうという問題じゃないんです。
   今、このタイミングで、積木先輩と出会う、ということに対する──
   それはともかく──積木先輩、最近御大から何か受け取りませんでしたか?」
積木「え。よく知ってるね。今日郵便受けに入ってたんだよ……ほら、これ」

積木はごく普通の茶封筒を取り出し、西尾に渡す。
受取人には「鏡の中に積み上げる闇の美学」、裏には「リュースイ」という文字。

積木「危ない物だったら嫌だからね。浅暮に嗅いでもらって判断しようと
   今彼を探してたんだけど……知ってるのかい、これのこと?」
西尾「知りません。でも それ が届いていることは予想してました。嫌な推理でしたが」

西尾は無造作に封筒を空けると、中から名刺のようなものを取り出す。
表には竹による積木の似顔絵イラストがあり、裏には──

───────────────────
 MDC No.6
───────────────────

積木「これ、竹ちゃんのイラスト? ……MDC? 学籍番号も書かれてる」

410 :名無しのオプ:03/03/11 21:46
不思議がる積木を余所に、西尾は思う。MDCとは勿論、
一時期話題になっていたJDCのメフィスト学園版「メフィスト探偵倶楽部」なのだろう。
いつもの御大流悪ふざけなのか、何か思惑があるかは分からないし考えるだけ無駄だが、
しかし、ルビ好きの御大がMDCにルビを振っていない──ここには意味があるはずだ。
ルビがない。読み方を束縛していない。いくらでも読み方がある。
つまり、御大はダブルミーニングを仕込んでいる。

積木「なあ、このカード、なんなんだい?」
西尾「もしかとは思ったんですよ。戯言にしても牽強付会すぎるし、どこにも伏線がない。
   でも『カードのことを考えた直後に積木先輩に出会うという偶然』こそが何よりの証明。
   謎を解く者は、事件に巻き込まれ、厭が応にも解決ヒントを掴んでいくものですからね。
   そう、メタであるか、そして探偵かどうか、が分かれ目だったんです。
   積木先輩はメタ個性を持ってるけれど、直接事件を解決したことはない。
   ぼくは御大を利用するというメタな戯言を使い、事件を解決したことがある。
   それが同じ『明確なメタキャラ』としてこのMDCと書かれたカードを受け取りながら、
   積木先輩には『推理方法』が書かれていないという内容の差、なんです。
   御大はこれで何がしたいんでしょうね。メタ探偵を集めてサークル活動? はは、戯言だ」

    MDC → メタ・ディテクティブ・カード → メタ探偵カード

積木「よく解らないから詳細は後で聞くとして、つまりはこういうことなんだよね!

   ──出番が増える!」

411 :名無しのオプ:03/03/12 00:03
知らないうちに大事になってるよ(笑
生垣と北山を中心にしたドタバタピクニック編のつもりで始めたのに

412 :名無しのオプ:03/03/12 00:56
今までおいしいポジションではあったが出番は少なめ、
一歩引いたポジションが多かった西尾が、
満を持して前面に出てきたな。
これから戯れ言キャラがどう転がるか期待。

413 :名無しのオプ:03/03/12 02:01
「メタ探偵」という事は……

414 :名無しのオプ:03/03/12 02:23
>>413
憂鬱、を書くあの男も?

415 :名無しのオプ:03/03/12 08:35
>411
それも読みたい(笑)

416 :名無しのオプ:03/03/12 09:32
でも女装ネタは勘弁な(笑)

417 :西尾:03/03/12 11:13
(それは・・・・・・それは有り得ないことですよ、積木さん。
何故なら積木さんは「出番が無いメタキャラ」という
役割を背負っているからですよ・・・・・・)

「そうなるといいですね、積木さん。」

僕はにこりと笑いながら嘘をつく。




浅暮「黒くなったな、西尾。」
高里「キャア、西尾君を見つめる朝暮君の熱い視線!あの噂は本当だったのね!」

418 :名無しのオプ:03/03/12 11:47
森 「というわけで引率の先生を京極先生に迎えまして、残念ながら……
   おっと失礼(笑)……喜ばしくもクラス全員での遠足となりました」
日明「ねえ。委員長、めちゃくちゃ作り笑いなんだけど」
蘇部「森君は遠足嫌いなんだね。僕、いらないこと言っちゃったかなぁ」
殊能「大丈夫、彼は彼なりに楽しみを見つけられるよ。趣味の人だからね」
石崎「そうそう、薬草摘みとかな」
乾 「……それを言うなよ。今から気が重いんだから」
森 「はい皆さん静かに。バスの席を決める前に、新入生を紹介したいと思います」
一同「おおー」
ガラリ。
一同が見守る中現れたのは、長身の優男だった。
舞城「なんや小路とかいうやつの方か。残念やったなー」
霧舎「な、なんで僕の肩を叩くんだよっ(図星だけど)」
新入生「どうもはじめまして僕が関田……」
石崎「涙さんのお兄さん?」
新入生「ではなくて僕が関田なみ……」
石崎「なみへい?」
新入生「だ、か、らっ、関田涙ですよっ。何なんですか、いきなり苛めですかっ?」
一瞬の静寂の後、教室はざわめきに包まれた。
一部男子は落胆を隠せず、女子は新たな獲物(!?)に大はしゃぎだ。
高田「はいはい落ち着いて。興奮した時にはこれがお勧めですよ」
気分を害して立ち去ろうとした関田はおもむろに薬を飲まされて……数十秒後
彼は呆けた笑みを浮かべたまま席につき、ようやくバスの席順決めが始まった。

419 :名無しのオプ:03/03/12 12:25
>418 女子は新たな獲物(!?)に大はしゃぎだ。

日明「あら。割といい男。ていうかようやくマトモそうな男が現れたわ!!」
高里「まあ。このビジュアルなら、受けでも攻めでもどっちでもいけるわ!!」
日明「不安な心境の新入生に優しくアドバイス……やがて二人は恋仲に!!」
高里「不安定なカップルの間に新しい恋の刺激……やがては三角関係に!!」
日明「こうしちゃいらんないわ。さっそく化粧直してこなきゃっ!!」
高里「こうしてはいられないわ。さっそく好みのタイプ調べなきゃっ!!」

佐藤「……楽しそうだな……僕には関係ないけど」

420 :名無しのオプ:03/03/13 00:44
席決めのクジを引いて自分の席に戻ったところで、舞城が視界に入った。
この間清涼院にコテンパンにやられて以来、彼はいつもより大人しくしている。
佐藤にはそれが不気味だった。

佐藤「舞城、まだ怪我治らないんだな。
   まだ包帯してるし…そんなに酷かったのか?」
舞城「いいやもう治っとるわ。高田のわけわからん治療も逃げたし。
   これが大袈裟なだけや。元気元気」
包帯を軽く叩きながら、何でもないように答える舞城。
舞城「ま、過ぎたことよりも目の前の楽しいイベントやろ。新入生も来たことやし。
   おめえももっと楽しもうとすれや。暗いぞ」

佐藤(やっぱりおかしい…舞城がやられっぱなしで引き下がったままなんて…
   実は怪我が治ってないのか?いや、でもそんなことに構う奴じゃないし…
   あの時の清涼院先輩は普通の状態じゃなかったから?)

佐藤「…舞城、何か企んでない?」
舞城「企んでない」

即答だ。しかも何だその笑顔は。
何も知らない人間が見れば爽やかスマイルだが、自分は騙されない。

回りくどい謀略を張り巡らせるタイプではないだけに、ストレートな何かを起こしそうな気が…

佐藤(遠足にゴマフアザラシ、持っていかない方が良いかな…)
今の彼にあまり妙なちょっかいをかけない方が良いかも知れない、と佐藤は思った。

421 :名無しのオプ:03/03/13 07:19
ホワイトデーが軽くスルーされそうな予感

422 :名無しのオプ:03/03/13 11:14
遠足にはまだ出発してないから大丈夫だろ>ホワイトデー

423 :名無しのオプ:03/03/13 11:50
ホワイトデーネタ書いてる職人がいればスルーはない

424 :名無しのオプ:03/03/13 11:56
京極夏彦
新堂冬樹
秋月涼介

うーん、あと一人で春夏秋冬揃うのに、と思った。

425 :名無しのオプ:03/03/13 16:33
生垣「偶然にも隣になりました。よろしく、マイフレンド」
浅暮「…………ははは、運命を感じるねぇ(乾いた笑い)」
高里「きゃあっ。何かしら、あの意味深な雰囲気は!」
舞城「はいはい。はしゃいでないで、はよ引いてくれ」
後ろからこつんと頭を叩かれ、微妙に赤らんだ頬を膨らます高里。
その顔が、くじを引いた途端に強張った。
舞城がさりげなくのぞきこみ「あちゃあ」と呟く。
右列、一番後ろの窓側。霧舎の隣だった。
高里は混乱して、その場から動けない。
森 「高里さん。くじを引いたら当たった場所に名前を書き込んでください」
黒板の前にいる委員長の声が遠くに聞こえる。
どうしよう。混乱してる。もう大丈夫だと思ってたのに。
考えてみたら、もうずっと彼と直接話していない。
いつも偶然クラスメイトが間に入ってくれたりしてたから……。
思わず「いつも偶然」助けてくれる男へ、救いを求めるように振り返った。
舞城は無言のまま高里を押し退けてくじを引く。
森「あ、ちょっと。高里さんの申告がまだ……」
舞城はニッと笑うと、高里のくじを掴んで自分のと一緒に引き千切った。
舞城「女二人が一緒の席なんてゾッとしねえな。喧嘩すんなやー」
そう言って、高里の名を日明の隣に隣に書き込んだ。
石崎「おおー。この対決は確かに見物だな」
日明「何よ、その言い草は。私たちは女子プロレスラーじゃないわよ」
クラスが笑いに包まれる中、舞城は自分の名を霧舎の隣に書き込んでいた。

426 :名無しのオプ:03/03/13 17:24
積木は存在感の無さそのままに静かにくじをひき、
特筆すべき事もなくバス後方の席『西尾維新』の隣に名前を書き込んで戻る。
目立たない積木であったが、

積木(ボクが目立つためには『探偵』になる必要がある!
   事件が起こったとき、メタ能力を使って絶対に解いてみせる!)

心の中にはいつにない熱く燃える決意がたぎっていた。

浅暮(──悲しすぎるぞ積木。目立てない運命だが、がんばれよ)
生垣「! ワッツ!?」

まだメフィ学生徒の異常能力をあまり知らない生垣は、
鼻をピクピクひくつかせる浅暮を見て、慌てふためいていた。

427 :名無しのオプ:03/03/13 20:09
秋月はクジを引くと、黒板に目をやった。

秋月「こ、これは…!」

隣に石崎、前に氷川、後ろに乾。
今までの彼らのネタ登場率から見て、かなり恵まれた位置ではないだろうか。
しかも、通路を挟んで隣が新入生の関田である。これはおいしいかもしれない。

秋月「チャンスが…チャンスが来た!」
気合いを入れて黒板に名前を記入する秋月だった。


浅暮(確かに周りに恵まれているが、その分下手をすれば無視される可能性が高い。
   頑張れよ、秋月…)
生垣「さっきから一体……君は花粉症なのかい?」

428 :名無しのオプ:03/03/13 20:28
>424
石崎「春夏秋冬ねえ。こりゃまた方向性がバラバラな面子だな。
   秋月、『フォー・シーズンズ』とかいうグループでも結成すれば目立てるぞ」
秋月「そうかな…って、いやだから春がいないんだって」
高田「『四季』なら森委員長だけどね」
石崎「春ねえ…はる、はる…あ!いるぞ!強力なのが!」
霧舎「え、誰?」
石崎「村上春樹」
乾「メフィスト関係ないだろ」
石崎「じゃあ、新入生待ちだな。名前に『春』の付く。
   春子とか春香とか美春とか…」
氷川「一体何を期待してるんですか」

429 :名無しのオプ:03/03/13 21:24
ここはひとつ、大藪春彦氏に登場いただくしか

430 :名無しのオプ:03/03/13 22:09
生垣「さっきから一体……君は花粉症なのかい?」


花粉症の人には悪いが、ワロタYO!

431 :名無しのオプ:03/03/13 23:00
ナイスコンビがまた生まれたね

432 :名無しのオプ:03/03/13 23:03
バスの席だけでもこんなに…若いなw

433 :名無しのオプ:03/03/14 09:24
>まだメフィ学生徒の異常能力をあまり知らない生垣

生垣は浅暮の能力に気づいているから牽制したんじゃないの?
391はそういうことでは?

434 :名無しのオプ:03/03/14 11:26
浅暮の超感覚は読心術とは違うと思うんだけどなー。
あくまでも五感が超絶的に鋭敏なだけで。

435 :名無しのオプ:03/03/14 12:44
そういうのはどちらかといえば積木(メタ)の領分だな
積木も読心術とは違うが

436 :名無しのオプ:03/03/14 21:20
メタだと読心以前だしね。

437 :名無しのオプ:03/03/14 21:33
当然のように隣同士の席になった殊能と蘇部は例によって仲良く談笑していた。
蘇部「殊能くん、僕今度青い鳥文庫から本を出すんだよ。
   頑張って子供達が喜んでくれるようなのを書くよー。えへ」
殊能「おや、奇遇だね。僕も今度子供向けのを書くんだよ。
  『かつて子供だった大人と子供のためのミステリーランド』っていう企画なんだけど」
蘇部「えへへー、僕達お揃いだね」
殊能「あはは、そうとも言えるね。一緒に頑張ろうね」
蘇部「うんっ!殊能くん!」

……霧舎は怯えていた。
隣の席の舞城の肩が激しく震え出し、その口からは途切れ途切れに呪詛の言葉が漏れ出していた。
「……………ら……がっ………ってェ」
霧舎(ひいい、怖いよう。なんでこいつが隣なんだぁ)
舞城に窮地を救ってもらったとは露ほども知らない霧舎だった。

438 :名無しのオプ:03/03/15 01:40
>437
ワロタ。
でも蘇部の青い鳥文庫ってちゃんと「蘇部健一」名義で出すのかねえ
タイトルもペンネームも決まってないとか何とか…

439 :名無しのオプ:03/03/15 06:28
>430
浅暮「!」
生垣「どうしたんだいミスター・グレ?」

浅暮(まずい…忘れていた。遠足先が花粉の多い場所だとしたら
   花粉症にならないとも限らない…。
   嗅覚を奪われたら俺は単なる酔っ払い。出番は無い!
   マスク…駄目だ、あれは嗅覚の妨げになる。
   なら素面で、頭で挑むか?酒を…捨てるのか?
   考えろ。
   
   酒を飲んでいても出番はいつか回ってくるだろう。
   だが出番が来ればうまい酒が飲めるかもしれない。
   
   クソ!
   ど う す る ? )

生垣「グレさん?グレさ〜ん」

新堂「ボーナスまでなんか待てねえよ」
  「なあ?」

傍らの中島…ではなく小さなバスケットに語りかける新堂
はてさて、匣の中身は何でしょね?


440 :名無しのオプ:03/03/15 11:41
高里「初めまして、よろしくね関田君」
関田「ああ、高里さん、でしたっけ?どうぞよろしく」
高里「それでいきなりなんだけど、私、関田君にアドバイスしてあげたいことがあるのよ!」
関田「は、はあ……なんですか」
高里「この学園にはね、たくさんの個性的な生徒が集まってるの」
関田「そうですね」
高里「みんなちょっと日常生活が困難なくらい個性的で……だから、
   ちょっとやそっとのキャラクターじゃ大勢の中に埋もれてしまうのよ!」
関田「そう……かもしれませんね」
高里「関田君、秋月君みたいに一生目立たないキャラで終わるのは嫌でしょう?」
関田「えっ、秋月君って……あ、はい、嫌です」
高里「そうならないためにメフィスト学園の生き字引、この高里椎奈が目立てる方法を伝授してあげるわ!」
関田「はあ、それは……ありがとうございます」
高里「とりあえず出番を増やすには……誰かにくっつくのがいいわね」
関田「はあ」
高里「くっつき方は濃密なほどいいわよ。そうね、お相手は……石黒君なんてどうかしら。彼暇そうだし」
関田「はあ、なるほど。石黒さんですね。早速トライしてみます」
高里「がんばってね!(うふふ……これでまた新たなカップリングが……ハァハァ)」

浅暮(むおお、新入生が早くも高里に洗脳されようとしている……)

441 :名無しのオプ:03/03/15 12:08
>>339
ハコの中味はメール欄に見せ掛けて6枚のトンカツですか?

442 :名無しのオプ:03/03/15 12:28
新堂は悩んでいた。悩むなどらしくないと思いつつも悩んでいた。

春の日差しの下、子犬と戯れる。
これが蘇部辺りなら様になるだろうが、自分はどうか。

問題は今回の遠足には生徒全員が参加しているということだ。
全員の面前で堂々と子犬と戯れるほど、新堂は『日の当たる』側に慣れていない。
そんな姿を晒したら、十中八九、某消費者金融のコマーシャルを連想されるだろう。
『金融つながりだ!』と言って開き直れるほど、新堂は(以下略)

しかし、子犬を置いていくわけにもいかなかった。
そして連れてきた以上、出先で子犬を無視するわけにもいかない。そんな非道なことは。

中島「新堂、さっきから何を唸ってるんだ」
隣の席の中島がげんなりした表情で言う。

中島は出発前、新堂の下げたバスケットを見て数秒黙り、その後何か薬を飲んでいた。
酔い止めだろうか。

新堂「…何でもねえよ」
中島「どうせ、そいつと遊びたいけど他の奴らの目が気になるんだろう」
新堂「ぐっ」
返答に詰まった新堂を見て彼は大きく溜息をつくと、到着するまで寝ると言って目を閉じてしまった。

443 :名無しのオプ:03/03/15 12:29
竹「うに。ふゆくん、そんなこと気にしてるの?イメージ大事?」
佐藤「…確かに、最近の先輩を見てるとあのBGMが頭で再生されますね」
浦賀「そのうち雪でも降るんじゃないか」
前の席から竹が覗き込み、通路を挟んで隣の佐藤が真顔で頷き、その隣の浦賀が無表情で言った。
佐藤あたりを殴ろうかと思ったが、膝の上のバスケットがあるために出来ない。

竹「あのさ、あのCMの連想を阻止できれば良いんだよね。
  僕様ちゃん、いいこと思いついちゃった」
新堂「……何だ」
竹「さっきゆーちゃんが言ったけど、BGMだよ。
  犬とじゃれるふゆくん→『どうする?』のCMを連想、って図式だよね。
  普通CMってさ、映像と音楽をセットで記憶してるもんなんだよ」
新堂「それが何だ」
竹「つまり、『犬とじゃれるふゆくん』に最初からBGMをつけちゃえば良いんだよ」
佐藤「あのCMとは違う音楽を流せば連想されないってこと?
   …いちいち、音楽をかけて遊ぶわけ?それもどうかと思うけどね」
浦賀「YMOでも流す?」
黒田「あ、僕もCD色々持ってきてますよ。モー娘。とかメロン記念日とか…」
竹「あ!ふゆくんなら、『ゴッドファーザー』のテーマが似合いそう」
佐藤「…あの曲をバックに子犬と駆ける……うわあ…」

既に舐められ始めているのではないか、という思いが新堂の頭をよぎった。

444 :名無しのオプ:03/03/15 14:53
突然、最前列から奇声が上がった。
見ると、竹の隣でマイクを持った清涼院が立ち上がり、
何事かを熱唱している。

清涼院「リュ! リュ! リューーーーーーーースイッッッッッ♪ セーリョー♪ イン! リュースイィィ♪」

佐藤「なんだ?」
浦賀「……」
中島「うるせぇ……」
黒田「まあいつものことです。気にしない」
竹「多分ねー、御大ちゃんはふゆくんのために曲を用意してあげてるんだよ」
新堂「俺は……俺は……」

積木「……!」
浅暮(は、早まるな積木!
   いくら目立ちたいとは言え清涼院に絡むのはやめとけ!)
生垣「おーいミスター……やっぱり返事がないな。ふむ、メモをとっておこう
   『Mr.浅暮は瞑想状態のようだ。Mr.古泉との関連性を探るべきか』」

445 :名無しのオプ:03/03/15 15:13
現時点でのバス席想定図
(会話参加キャラや、記述から矛盾のない範囲で)

         竹 清涼院
浦賀 佐藤  新堂 中島

生垣 浅暮

日明 高里  氷川
    関田  秋月 石崎
蘇部 殊能  乾   高田
積木 西尾  霧舎 舞城
   棺桶(古泉)

で、勝手に予想図

京極 森    竹 清涼院
浦賀 佐藤  新堂 中島
生垣 浅暮  津山 古処
日明 高里  氷川 北山
石黒 関田  秋月 石崎
蘇部 殊能  乾   高田
積木 西尾  霧舎 舞城
   棺桶(古泉)

446 :名無しのオプ:03/03/15 15:41
棺桶(古泉)

ちょっと笑った…

447 :名無しのオプ:03/03/15 17:36
>445
津村「津山じゃないよ津村だよ!」

黒田「津村君はまだいいよ……ぼ、僕の席は……?(泣)」

448 :じゃあまあ遠足のお約束でこうだな:03/03/15 18:55
京極 森 黒田 竹 清涼院
浦賀 佐藤  新堂 中島
生垣 浅暮  津山 古処
日明 高里  氷川 北山
石黒 関田  秋月 石崎
蘇部 殊能  乾   高田
積木 西尾  霧舎 舞城
  棺桶(古泉)

449 :名無しのオプ:03/03/15 20:10
各自の荷物調査

京極…本ばっかり。今も揺れる車内にも関わらず読書中。
森…新しく製作したラジコン。広い場所で飛ばすつもり。
浦賀…YMOのCDと出刃包丁。今はスイッチオフのようだが、時折新堂のバスケットに目をやる。
高田…薬草採取セットと調合セット。他怪しい薬多数。
古処…本格的サバイバルセット。八甲田山にでも行くのか。

450 :名無しのオプ:03/03/15 20:43
秋月は相変わらず目立つことを考えていた。
(どうすれば……どうすれば……)
>>427では浮かれたいたが、秋月は冷静に状況を考える。
まず、メフィスト学園の生徒はシャトルバスに乗っている。
席順は>>448になっており、位置の関係から
石崎や氷川、乾、関田、殊能、高里あたりが順当だろう。
しかし、乾と関田は絡むにしてはまだキャラが弱いので得策とはいえない。
また、氷川単体では、話のふくらむ可能性が低いだろう。
(となると――)
秋月は石崎を見た。
関田ショックから抜け出していないのかと思ったが、
持ち前の打たれ強さがそうさせているのか、気にしていないように見える。
絡むならばちょうどいいタイミングだろう。
(……でもなぁ)
今までの行動から、石崎との絡みでキャラが強くなった人物はいない。
63年生まれトリオというカテゴリーから、
霧舎と乾がそれに該当するように思われるが間違っている。
判りやすい例えを用いるならば、安室奈美恵withスーパーモンキーズ。
石崎メインであとはおまけというわけだ。彼らはSMAPではない。
逆に石崎と絡むということは、石崎のキャラを立たせる結果となっている。
好評を博した雪山編では、準探偵役を任されるまで成長してしまった。
へたに手を出せば食われる結果となるだろう。
それは、高里にも同じことがいえる。
彼女はカップリングを作ることだけを生きがいにしており、
隙を見せれば自分が毒牙にかかる。
もちろん、その毒が完璧に行き渡り、周囲に認めさせれば問題ない。
それができなければ、高里の手のひらで踊らされたという一発ネタでしかない。
成功例は、舞城、殊能、蘇部だけ。他の連中もこれ以上は求めていないだろうから、
使い古されたトリックのように淘汰されるのみだ。
(どうすれば……どうすれば……)
秋月は思考の袋小路に入ってしまった。

451 :名無しのオプ:03/03/15 20:59
何だか石崎が凄い奴に見えてきたよ

452 :名無しのオプ:03/03/15 22:03
乾 「なあ、秋月」

秋月が法月倫太郎のように悩み続けているとき、
後ろの席に座っている乾が話しかけた。

秋月「なんですか、乾さん。私は忙しいのです」
乾 「待て待て。お前が考えていることはわかってる」

にやりと乾は笑みを浮かべた。

乾 「どうやって、目立つかだろ?」
秋月「なんで――って驚くと思ったんですか? みんな知ってますよ」
乾 「周りのメンツを使っても目立てないとも思っただろ?」
秋月「…………。(この人は、積木さんか浅暮さんにでもなったのか?)」
乾 「沈黙が肯定と。まーそう思うのも無理ないな。俺も同じことを思ったし」
秋月「……乾さんも?」
乾 「俺も目立たないキャラだしな」
秋月「あはは。それもそうですね」
乾 「そんなことはさておきと。どうやったら目立てるのか、だ。秋月わかるか?」
秋月「わかったら悩みませんよ」
乾 「俺はその方法を知っている」
秋月「ど、どうやるんですか?」

453 :名無しのオプ:03/03/15 22:03
乾 「さて、周りを見てみろ。目立っているやつと目立っていない奴の差はなんだ」

秋月はクラスメイトの顔を思い浮かべた。

秋月「人気の差じゃないですか?」
乾 「売れているだけだったら、佐藤はどうなる」
秋月「じゃあ、なんだっていうんですか」
乾 「シリーズものを書いているか、いないか」
秋月「はあ?」
乾 「考えてみろ。一部の例外を抜かせば、シリーズものを書いている連中だぞ」
秋月「あ!」
乾 「つまりだ、シリーズもので作者の印象を固めれば――」
秋月「登場人物のキャラが自分の特徴になるんですか」
乾 「西尾と竹のコンビなんて、まさにそうだろ」
秋月「でも、無理ですよ。僕は人気がなさすぎて、続きを出せるか微妙なのに」
乾 「お前はな」

にやりと乾は笑みを浮かべた。

乾 「俺、タロウ・シリーズを書く予定だし。しかも全二十二作」
秋月「はあ?」
乾 「我ながら大風呂敷を広げた感がしないでもないけど、がんばるぞー」
秋月「乾さん、なにを突然。一体なにをしているんですか?」
乾 「自己アピールをしているんだよ」
秋月「……へ?」
乾 「いやーさー、お前キャラ弱すぎるし。ダシに使うのはもってこいだからさ」
秋月「…………」
乾 「はっはっは、キャラが弱い奴を踏み台にしていかないと、目立てないからな」
秋月「……し、シリーズものの話は?」
乾 「話の伏線でしかない。まー重要といっちゃ重要なんだけどね」
秋月「…………」
乾 「んじゃ、秋月、いろいろがんばれよ。俺もがんばるからな」

454 :名無しのオプ:03/03/15 22:05
そう言うと、乾は持ち出したノートパソコンを取り出し始めた。
実際に出版されるのかは微妙だが、一作くらいはがんばってもらいたい。
逆に残された秋月は思わず天井を見上げる。
そして、つぶやいた。

「また、バトルロワイヤルでも始まればいいんだ」

しかし、それでは、自分が目立てないこと判っていない。
結局、秋月は色んな意味で《判っていないから》、どうしようもないのだろう。
そんなこととは関係なしに、バスは目的地に向けて走っていた。

455 :名無しのオプ:03/03/15 22:11
黒田かわいそー。。。
話し相手がいなさそうだよ。
しかも最前列で補助席って衝突事故のとき一番危なそうなポジションだし。

456 :名無しのオプ:03/03/15 22:13
やはり津村はたまに呼び間違えてくれるヤシと一緒にいたほうがキャラ的に良いのでは。
古処は間違えないからなあ

457 :名無しのオプ:03/03/15 22:19
クロケンは、元々絡む人間がいないという罠。
日記もある。作品もそこそこ出ている。
それなのに、キャラが薄い。
ある意味一番ダメダメなんじゃないかと(藁

津村の席は内側にいるから問題ないと思われ。
なにも隣の人と話すわけでもないし。

458 :456:03/03/15 22:35
>>457
うにゃ。席決めのことだけじゃなくてこれからの津村のキャラ育成全般について言ったつもりだったんだけどね。
しかしどうして自分は津村のことをこんなに気にしているのか……あうう……

459 :名無しのオプ:03/03/15 23:01
愛しているからさ

460 :名無しのオプ:03/03/16 00:28
アイドル好きの黒田と、パンチラ好きの霧舎とは
なんとなく結構相性良さそうな気がする

461 :名無しのオプ:03/03/16 01:59
>458
そういう時は自分で書いてしまえ!

462 :名無しのオプ:03/03/16 02:13
どうする 456〜

463 :名無しのオプ:03/03/16 14:09
一同はようやく目的地についた。
広々とした自然公園で、湖や森があり、散策用の簡単な遊歩道もあるようだ。
キャンプ用の簡単なバーベキュー設備も据え付けられている。

京極「今回は日帰りだからね。あまり遠くまで行かないように。それでは解散」

森「さて、森は早速このラジコンを飛ばすとします。清涼院君」
清涼院「リュースイ?」
森「くれぐれも、邪魔だけはしないで下さいね(にっこり)」
浅暮「俺は釣りに行ってくる。大物がいるかもしれん。で、清涼院」
清涼院「リュースイ?」
浅暮「今度邪魔したらただじゃおかんぞ」
西尾「二人とも、目が笑ってないですね」

464 :名無しのオプ:03/03/16 14:10
高田「それでは採取に出かけようか。古泉君のために一刻も早く気付け薬を調合しなければね」
乾「………(溜息)」
高田「おや。バスに酔った?それならこの薬を…」
乾「酔ってない酔ってない!さっさと採るもの採って戻るぞ!」
石崎「頑張れよー」
乾「この野郎、石崎!他人事だと思いやがって!今に見てろよ!」
高田「はいはい。元気があって大変結構。
   それじゃ、僕らが戻るまでそこの古泉君をよろしく頼むよ」

古処「日頃の鍛錬の成果を試すため、そこの森を散策してくるのである」
北山「…散策って言うような装備じゃないですね。まるで樹海にでも行くみたいですよ」
石黒「森へ入るのかい?だったら僕も途中まで一緒にいいかな。
   地質調査でもしようと思うんだが」
古処「うむ。それでは行ってくるのである」
北山「行ってらっしゃーい…って、二人とも!そっちは遊歩道じゃないですよー!」

465 :名無しのオプ:03/03/16 23:34
私立にスキー合宿編がアップされてますね。
凄い量……

466 :名無しのオプ:03/03/16 23:55
言っても詮無いことだが、ちゃんと終わってればなあ・・・残念。

467 :名無しのオプ:03/03/17 01:51
でもあの状況でけっこう綺麗に終わらせてくれた方はすごいと思ったり。

そしてホワイトデースルーの予感が当たったぽい…
こうなったらお返しがないって静かに怒る日明が見たかったりする。
じゃぁ書けって言われそうだな。うむ。

468 :名無しのオプ:03/03/17 01:58
もちろん、あの状況を考えるとよくやってくれたとしか言いようがないけど、やっぱ、ね・・・。

まあ、終わったことは仕方ないよね。しかし法(以下自粛

469 :名無しのオプ:03/03/17 02:49
……ちょっと鬱な気分になってみたり。

こんな気分を吹き飛ばす新ネタなど、職人ひとつヨロ!!

470 :名無しのオプ:03/03/17 03:45
んではネタを一つ。
あのさ。あのさ。






こたつ組の無情な解決編(完結編)をUPしてないのに
今更気づいたわけなのだが。

まぁ、過去ログ見た限り誰も気にしてないッポイから別にいーか。
以上、戯言でしたっ!
∧||∧

471 :名無しのオプ:03/03/17 13:57
ホワイトデーネタ、気持ち悪いと思う人もいるし…
そんな人は下を見ないで下さい





北山「黒田君、これホワイトデーの…」
黒田「き、北山何を考えているんだ。いくら他校でオカマを書いたからって僕にその気はない!」
北山「何言っているの?こんなにお返しを貰ったから食べ切れないの。だからおすそ分けだよ」
黒田「そんな事ならジャンジャン持って来い!ダイエットもリバウンドも恐く無い!」
氷川「それ食べるのちょっと待った」
黒田「んがぐぐ」
氷川「それ使ったトリックか事件思いつかないか?」
北山「プレッツェルで?」

472 :名無しのオプ:03/03/17 14:33
すまん。ホワイトデー云々以前に意味がわからん。電波?

473 :名無しのオプ:03/03/17 18:13
会話だけで行くならもうちょい流れ良く行こうな

474 :名無しのオプ:03/03/17 20:32
石崎「お、着いた早々おやつの時間か?何かえらく豪勢な箱だな。
   こらこら、おやつは五百円までだぞ。ちなみにバナナは除く!」
氷川「何言ってるんですか…それは、和菓子?」
竹「うん、お餅だよ。何とか餅。ひーちゃんとざっきゅんも食べる?
  ちなみにこれは貰った物だから、おやつの金額には含まれないんだよ」
石崎「食う。へっへー、サンキュー。…んへ?ほらはっへ、はれに?」
氷川「石崎さん、食べながら喋らないで下さい。ああ、頂きます」
石崎「悪い悪い。で、誰に貰ったって?」
竹「おーちゃんだよ。『そういやチョコレートの礼しとらんかったなー』って。
  僕様ちゃん、別にお返しが欲しくてチョコあげたわけじゃないんだけどね」
石崎「へー舞城がねえ……ふむふむ、羽二重餅か。結構、律儀な奴だな」
氷川「そう言う石崎さんは、何かホワイトデーのお礼はしたんですか?」
石崎「ん?俺の笑顔があれば充分だろ?」
氷川「……本気で言ってるんですか」
竹「あはは。ある意味充分だね」

475 :名無しのオプ:03/03/17 22:22
浅暮は釣り竿と酒瓶を抱えると、公園内の湖へ出発しようとした。

蘇部「あれ?浅暮くん、釣りへ行くの?」
浅暮「ああ。ここの湖は来たことがないからな。どんな感じか、ちょっと興味があってね。
   そんなに長居するつもりもないが」
日明「どうせなら食べられる魚を釣ってきて頂戴。とは言っても、お酒の片手間じゃ無理かしらねえ…
   何?『俺は釣人失格だ』って言うのは復活したの?」
浅暮「お陰様でな。今度はヌシ様に釘を刺しておいたから、大丈夫だろう」
日明「え?」
殊能「浅暮さん、釣れたら持って帰ってきて下さいね。
   ここ、設備が整ってるから簡単な調理ならできるんです。腕を振るいますよ」
浅暮「まあ、あんまり期待せんで待っててくれ」
蘇部「頑張ってねー!」

476 :名無しのオプ:03/03/17 22:23
三人に見送られて更に歩いていると、今度は別の人物が近寄ってきた。

片手にカメラ。

生垣「フィッシングかい?」
浅暮「ああ」
生垣「ということは、俺の邪魔をする気はないということだね?」
浅暮「さっきも言おうと思ったが、君は俺を買いかぶりすぎだな。
   俺は読心術や未来予知など出来はしない。ただ、他人より少しだけ鼻が利くってだけだ」
生垣「プラス、少しだけ勘が鋭く、少しだけ不穏な気配に聡い。違うかい?」
浅暮「だから買いかぶりすぎだ。
   君が何か企んでいるのか、それともいないのか知ったことじゃないが、
   警戒するなら寧ろ積木の方にするんだな。まあ、奴の場合はそんな警戒すら無意味だが」
生垣「OK。アドバイスとして受け取っておくよ」
浅暮「前向きだな。なら、ついでにもう一つ言っておこうか」
生垣「なんだい?」
浅暮「あまりうちの学園、とりわけ生徒を見くびらない方が良い。色んな意味でね。
   特に、今回に限っては全員がここに集まっているんだ。君の期待が外れる場合も、十分あり得る」
生垣「勿論、その生徒の中には君も俺も入っている、と。
   フム。君の方こそ俺を誤解してるけど、まあ、俺は『良い画』が撮れればそれでいいさ」

大物が釣れたら撮らせてくれよ、と言い残し生垣は去っていった。

477 :1号(仮):03/03/17 22:38
こたつ組の無情な解決編(完結編)プリーーーーーズ!!!

478 :名無しのオプ:03/03/17 22:46
同じくプリィィズ!!

479 :名無しのオプ:03/03/18 09:21
>>474
羽二重餅か。あれ美味しいよね。

480 :名無しのオプ:03/03/18 12:33
羽二重餅って、福井銘菓?

481 :名無しのオプ:03/03/18 13:06
森は広い場所に出て、ラジコン飛行機で遊んでいる。
佐藤は山小屋の中、持参したパソコンでエロゲーをプレイしている。
秋月「一人でも楽しそうにしていられるなんて、得な性格だよね……」

高田と乾は薬草採取へと森へ出かけ、古処と石黒はけもの道へと突き進んで行った。
浦賀も到着してすぐに「猛獣注意」の看板がある方向へと消えて行った。
秋月「目的がある奴等はいいよな、イキイキしてて……」

浅暮は釣り、殊能と蘇部は昼食の準備、中島は筋トレに励んでいる。
そして生垣は生徒達の撮影に余念がない。
秋月「趣味のある奴って嫌味だよな、自己中で……」

日明は男子生徒の様子を見て周り、さりげなくチョコのお返しを回収している。
高里はそれぞれのカップリングに妄想を働かせ、新入生の関田に講義している。
秋月「女子はいいよな。少ない分、何してても目立ててさっ」

石崎・氷川・竹はさっそくシートを広げ、おやつタイムに突入している。
そこに舞城や北山が参加し、和気あいあいと歓談している。
秋月「社交性をアピールってか? ああどうせ僕は友達いませんよっ」

一人寂しく突っ立っている秋月の股の間を何かが駆け抜け、
秋月は後ろから走ってきた新堂に突き飛ばされた。
新堂「がはははは。すばしこいのう、この可愛い小悪魔ちゃんめ!」
秋月の心を激しい孤独が吹きぬけた。

482 :名無しのオプ:03/03/18 13:10
>>481
新堂が・・・

でもこの光景を高里が見てたら例によって勘違いを(略

483 :名無しのオプ:03/03/18 13:26
秋月は孤独な生徒を探していた。自分の仲間を。
何の役割も見つけられず、何もすることがない同志を。
キャラの立っていない秋月にとって、この場は拷問以外の何物でもなかった。
積木でさえ、西尾と何やら密談をしにどこかへ消えた。
清涼院は姿が見えないが、どうせ楽しくやっているだろう。
古泉は相変わらず死んだように眠っているし、京極先生もその傍らで読書に夢中だ。
とそこへ、同じようにぼんやり突っ立っている霧舎に気づく。
思わず嬉しくなって駆け寄ったが、秋月の足はその目前で止まった。
霧舎は思いつめたように高里を見つめていた。
話し掛けようか迷っているようだ。時折何故か舞城の方へも視線を飛ばす。
秋月「ちぇっ。こんなところまできて青春ごっこかよ……」
生垣「その表情ナイスです」
秋月「うわっ! い、いつのまに」
生垣「あなたこそ青春映画にふさわしい。そのロンリーな佇まいがね」
秋月「なんだよそれ。馬鹿にしてるのかっ」
生垣「ユーが思っているより主役向きだと言いたいんですよ。
   影のある青年、孤独な異邦人……とてもいい材料です」
秋月「えっ。ほ、ホントに!?」
生垣「キャメラは嘘をつきません。例えみんながあなたのことを
   メフィスト学園のお荷物だと笑っていたとしてもね」
秋月「み、みんなそんなことを?」
生垣「おっと。今のはカットです。気にしないで下さい。みんな悪気はないんですよ」
爽やかに笑いながら生垣は立ち去った。
秋月は暗い情熱が沸き起こるのを感じていた。

484 :名無しのオプ:03/03/18 16:18
秋月にすら羨ましがってもらえない津村……。
そう言えば銃を持つと人格が変わるという設定はすっかり忘れられてますね。。。

485 :名無しのオプ:03/03/18 17:43
新堂が犬を可愛がるのは、もちっと隠れてやってもらいたいような。

つーかいくらなんでもキャラ変えすぎ。

486 :名無しのオプ:03/03/18 20:22
>>484
迷彩服盗難事件の時にボーン・トゥ・キル、サーチ・アンド・デストローイ!を
声高に宣言してましたよ?


487 :名無しのオプ:03/03/18 21:48
>ボーン・トゥ・キル、サーチ・アンド・デストローイ!
「生来必殺!、見敵鏖殺!」のことね。なるほど。
最初、そんなのあったっけと思ったよ。

488 :名無しのオプ:03/03/18 21:57
関田涙は困っていた。

高里「ほら、氷川くんったら何気なく石崎くんと一緒にいるでしょ?
   乾くんがいない隙に。ね?水面下で激しい争いが繰り広げられてるのよ!」
関田「はあ…」

最初の『どうして石黒くんについて行かなかったの』から始まって、延々と話が続き、
今現在、『石崎くんがいかにモテモテか』を語られている最中である。
新入生である彼には、どこで話を切り上げて良いのか、逃げ出しても良いのか、勝手がわからない。

高里の指さす先には、石崎や氷川が竹に何かを貰って食べていた。
出来ることなら、そちらの方へ加わりたい…

高里「そういえば、西尾くんがいないわ…竹ちゃんが一人だなんて…
   あ、浅暮くんもいない…ということは、二人は今正に密会中なのね!」
関田「いや、浅暮さんなら釣り竿を持ってたから…」
高里「何言ってるの!カモフラージュに決まってるじゃない!」
関田「いやでも、え、あの、ちょっと、どこへ…」
高里「現場を押さえるのよ!さあ、行くわよ!」
関田「何で僕まで…あ、ちょっと高里さん…」

反論も虚しく彼女に腕を引っ張られ、関田はよろよろとついていく。
長身の優男が台無しである。

489 :名無しのオプ:03/03/18 21:58
と、竹たちの横を通り過ぎようとしたところで、高里が何かにつまづいて歩みを止めた。
見ると、彼女の足元にバットがある。竹たちのいるシートから差し出されたようだ。
体勢を立て直した高里は、シートの方をきっと睨んだ。

シートの上にあぐらをかいていた男が、こちらを見上げてにやりと笑う。
舞城「高里、新入生をあんまり苛めるなや。大丈夫か、新入生」
関田「まあ何とか…」
舞城「そりゃ良かった。この女が目ェ輝かせて喋りよる時は、話十分の一くらいで聞いとけ。
   ほんで、あんまり真に受けんなや。ま、大丈夫やろうけど」
高里「別にいじめてませんっ!ちょっと、いきなり危ないじゃない!
   転んだらどうするのよ!」
舞城「大丈夫じゃ心配すんな。もし転んだら抱き留めてやるさけ」
高里「なっ、なに…」
舞城「うん?それだけじゃ不満か?何ならこの前みたいに熱ーく抱き締めてやってもええけど」
高里「あ、あれは…………もう!またそうやって人をからかって!」
さっきの勢いはどこへやら、高里は真っ赤になっている。

関田(うーん、この状態だと普通の女の子だよなあ…ん?)
目の前のやりとりに感心していると、ふと視線を感じた。
振り返ると、少し離れた場所にいる霧舎がこちらを見ている。
思い詰めているような、迷っているような、諦めているような、悲しんでいるような、
しかしどこか安堵しているような、何とも複雑な表情で。

関田(え、僕見られてるのか?入学早々、目をつけられたかな…)

490 :こたつ組の無情な解決編(完結編1/3):03/03/18 23:17
西尾「20点ですか。なかなか厳しい採点ですね。」
笠井「勘違いするな。20点というのは貴様の弁論に対してではない。
   貴様の推理に対してだ。仮にもメフィスト学園の生徒ならば、
   あんなチャチな推理をひけらかすのを恥と思え。
   殊能は回りくどくはあったが、方法論に関しては見事だった。」

その言葉を聞き、西尾はため息をついた。

西尾「フゥ、その点はご容赦ください。何せ緊急事態でしたから。」
笠井「『緊急事態』か・・・・・・なるほどな。フン。殊勝な事だな。まさか貴様が
   辰巳先生を『助けよう』とするとは思っていなかったぞ。」

その一言に呆然とした表情を浮かべていた辰巳が血相を変える。

辰巳「西尾が私を『助ける』?馬鹿な!笠井先生、そんなはずはありません!」
西尾「やれやれ、酷い言われようですね。これでも僕は辰巳先生には恩があるんですよ?」
笠井「断罪する気ならこんな回りくどい事はしませんよ辰巳先生。
   私の目的は。私の計画は、既に茶番と化しました。それはいい。それに関しては受け入れています。
   ならば、『この事件』も茶番にしましょう。そうすれば、只の冗談ですみます。」

491 :こたつ組の無情な解決編(完結編2/3):03/03/18 23:17
そして笠井は西尾を見据える。

笠井「それが貴様の『目的』だろう?」
西尾「えぇ、その通りです。僕は辰巳先生を破滅させる気は毛頭ありません。
   むしろ助けるためにわざわざ呼び出したのですから。」
笠井「ならば話は早い。これから私と辰巳先生で教室に出向き、今回の事件に関して
   説明しよう。今回の出来事は全て私による『茶番』だったと。それで万事解決、だな。」
辰巳「笠井先生・・・・・・」
西尾「ふむ、流石は笠井先生。潔いですね。」

笠井は辰巳の手を取り、西尾を背に向け歩き出す。
部屋を出た所で一端足を止め、西尾に向けて語りだす。

492 :こたつ組の無情な解決編(完結編3/3):03/03/18 23:18
笠井「貴様の先程の言い分。それに関してはひとまず認めよう。
   だがな。あんな見得を切ったからには無様な作品を出すわけにはいかない事を理解しておけ。
   そして、貴様の書いた密室本。『あれ』は最低の出来だった。
   実に最低で最悪だ。密室本シリーズの中でも一、二を争う酷さだ。
   蘇部の作品に等しく、語る事すらおぞましい酷さだ。
   いいか。私は私の道を行く。本格を。本格の頂上を目指し進んでいく。
   貴様は貴様の道を行くがいい。先程の戯言を、理想とすべく邁進していくがいい。
   だが、『あの最低最悪の作品』を二度と世に出すんじゃない。あんな作品を出してるようでは
   とてもではないが単位を与える事は出来ん。






   ・・・・・・もっと精進しろ、清涼院。」

後には。
悲痛な表情を浮かべた無数の清涼院が無様にも打ちひしがれていた。
清涼院「ソブシト・・・・・・ドウトウ・・・・・・ソブシト・・・・・・ドウトウ・・・・・・・ソブシト・・・・・・」
_| ̄|○
〜完〜

493 :積木:03/03/18 23:19
こうして全ての事件は完結した。
この事件において一番の被害者は誰か?
純粋な被害者である竹ちゃん。
途中話題から取り残された辰巳先生。
笠井先生の痛烈な一言により撃沈した清涼院。
いずれも悲惨だ。
だが一番の被害者は。
この学園内において最も痛烈なる被害を受けた人物は。
この学園内における唯一にして神聖な儀式を。
誰もが渇望し(一部例外はいるが)、誰もがエクスタシーを感じるあの瞬間。
そう、『探偵役としての見せ場』を奪われた西尾維新その人であろう。
あぁ、無情。

〜完〜

積木「・・・・・・そういや俺の見せ場って過去に一度でもあったっけ?」

494 :名無しのオプ:03/03/18 23:31
>>492
キタ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━!!
御大の中でも蘇部は最低のランクだったのかw

495 :閉幕、そしていくつかの戯言:03/03/18 23:35
西尾「・・・・・・御大。これはあまりにも酷くありませんか?」
清涼院「セイリョーイン!」
西尾「え?こうでもしないと辰巳先生を殺していただろうって?まぁ、それは否定しませんけど。」
清涼院「リュースイッ!」
西尾「え?たまには自分も探偵役がやりたかった?だったらメタキャラやめればいいじゃないですか。」
清涼院「セイリョ!」
西尾「あぁ、すみませんすみません。謝ります。でもアレって地の文とかで嘘つきまくりですけど・・・・・・」
清涼院「イーン!」
西尾「気にするな?いや、でも皆さん怒りますよ?」
清涼院「リュスイッ、リューーースイッ!」
西尾「それもテーマの一つ?それはあまりにも戯言ですよ、御大。」




西尾「まぁ、この会話自体が全部僕の戯言だけどね。」

496 :490:03/03/18 23:39
んな訳で流れを無視してUPしてみました。
時空の狭間のエピソードとして処理しちゃってください。
ぶっちゃけ色々とアンフェアですがそれもテーマっちゃテーマなんで平にご容赦を。
少しでも面白いと感じて頂ければ幸いです。
また、ツマンネ、Uzeeeeeee!と思われた方にはお詫び致します。
これ以上ウダウダ書くのもあれなので以後名無しに戻ります。
最後に一言。
御大好きです。えぇ、好きですとも。密室本も当然新刊で購入しましたよ。



お察しください。

>>477-478
リクエストありがとうございます。
お蔭様でUPする気が起きました。

497 :名無しのオプ:03/03/18 23:50
石崎「おー、涙ちゃん。大丈夫だったか?」
関田「な、涙ちゃん?」
氷川「どうしたんですか、石崎さん。
   まさか、期待していた余りに彼が女子高生に見えてるんですか」
竹「うわー、ざっきゅん色めがねー」
北山「色眼鏡は使い方が違うけど…ああ、石崎さん、とうとう…」
石崎「何だよ!フレンドリーに話しかけてみただけだろ!
   よってたかって突っ込みいれなくてもいいじゃないか!」
北山「放っておかれたらおかれたで、『放置するなー!』って言うくせに…」
氷川「それにしたって、いきなり『涙ちゃん』はないでしょう」
石崎「あー…わかったよ。じゃあやっぱり、なみへいと呼ぼう」
氷川「めげませんね。関田君が困ってますよ?」

石崎「ま、俺はヘーキだよ。『女子高生』にそこまで期待してなかったし」
竹「えー?本当に?」
石崎「本当に!期待なら霧舎の方がしてたんじゃないか?
   寂しさの中でほのかな期待をさ…って、えーと、あー…。いやーそのー」
氷川「いきなり田中角栄の物真似を始めないで下さい」
そんな石崎に、高里が困ったような笑顔を浮かべる。
高里「石崎くん、もうそんなに気を遣ってくれなくても大丈夫だよ」
石崎「そうか?うーん、ならいいんだけどな」
関田「???」
石崎「あ、なみへいは気にしなくてもいいぞ」
氷川「…引っ張りますね。やっぱり根に持ってるんじゃないですか」

498 :名無しのオプ:03/03/19 08:52
ちなみに1967年生まれなので新堂より一つ下、中島より一つ上です。
67年生まれが空白だったのちょうど良いっすね。

499 :名無しのオプ:03/03/19 16:17
>>498は関田のことです。
書き忘れた……

500 :名無しのオプ:03/03/19 16:25
津村は冷たい汗が全身を覆うのを感じていた。
それと同時に血が熱く沸き立っている。
津村「これはあくまでも男の勝負であります」
別行動の古処隊長へ言い訳を呟く。
津村は銃を手にしていた。
鬱蒼とした森の中を腰を低くして進む姿は、明らかに狩人だ。
津村「狩って狩って狩りまくります……浦賀を」

津村は人気のない場所で射撃訓練をするつもりだった。
いつまでも銃を手にした途端に正気を失ってはいられない。
冷静に任務を遂行できるようでなければ古処隊長に迷惑がかかる。
津村はあえて立ち入り禁止の森の奥深くまで来た。
やがて、猛獣が唸り声をあげて飛び掛ってくる。
ズガアアアアアン。
津村「!!」
そのとき津村の動体視力は獲物を横取りする者の姿を捉えた。
包丁を手にし、笑顔を浮かべた浦賀の姿を。

津村が冷静であったなら、浦賀が助けてくれた可能性に思い当たっただろう。
あるいはバーベキューの材料を探していただけかもしれないと。
しかし津村は獲物を奪われた行為を挑発と受け取った。
津村「撃って撃って撃ちまくります……」
獲物を抱えたまま消えた浦賀の後を、津村は憑かれたように追い始めた。

501 :名無しのオプ:03/03/19 16:39
乾 「い、いま何か聴こえなかった?」
高田「ほら、余所見しない。落ちるよ」
乾 「でも何か銃声みたいな」
高田「誰かが猟でもしてるんだろ。流れ玉が当たる前にさっさと採りなよ」
乾 「ていうか、どうして僕はこんなことになってるんだー!!」

こんなことというのは、崖にぶら下がって壁面に生えた薬草を採っている状態だ。

高田「僕の体力を侮らないで欲しいね。命綱を持っている手が痺れてきてるんだ。
   早くしてくれないと放しちゃうよ」
乾 「偉そうに怖いこと言うなー!」
半泣きになる乾の傍に、小さいヘリコプターが近づく。
乾 「ああっ。なんだかわからないけど助けてくれ!」
高田「ん? それは森君のラジコンだね。生垣君が頼んでカメラを付けてたよ。
   よかったな、必死な姿を写してもらえて」
乾 「どいつもこいつも……(泣)」

502 :名無しのオプ:03/03/19 18:07
積木は森の散策路を早足で進む西尾を追いかけていた。

積木「なあ。西尾、どういうことなんだ」

西尾は振り向かない。足を止めず、歩き続ける。
やがて樹木の傘が空け、陽射しが差し込む休憩地に出た。
しばし天を見上げ、西尾は切り株に腰を下ろす。

積木「教えてくれないか西尾。一体、どうなってるんだ?」
西尾「……まずは落ち着きましょうか積木先輩。
   ああ、大丈夫。何をそんなに驚いているのかは知っています。
   今のぼくは頭が冴えているんですよ。理路乱歩と彷徨探知で。嘘ですがね」

西尾は、冗談とも本気ともつかない表情をしたまま積木に向き直る。

西尾「──さて、積木先輩……あなたは何に気付いたんですか?」
積木「分からない。いや、メタ能力で状況は分かっているんだ。
   でも納得できない! どうすればこんな状況になるんだ!?
    、 、 、 、 、 、  、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   黒田と津村は、一体どこへ消えてしまったんだ?」

503 :名無しのオプ:03/03/19 18:07
積木の言葉が、森に小さく響いていく。

西尾「そう。その通り。二人は確かにバスに乗っていたはずです。
   空席はひとつも存在しておらず、黒田先輩の補助席は存在しました。
   しかし、このキャンプ場に来てから彼らを見掛けた人物は独りも居ない」
積木「ああ。彼ら二人を、誰か一人ぐらいは見掛けていないとおかしいんだ。
   でも、誰も! 注意深く人物観察をしていた秋月でさえ!
   黒田と津村を、バスが到着してから一度も見掛けていない」

誰も二人の姿をバス到着以来見とめていない。これは事実だ。
積木は自分のメタ能力によって──
『今までのピクニック編の記録』を読むことで、この情報を得た。

積木「……今、津村が浦賀と接触した。
   でも接触? それじゃ、いつどうやって津村は森に入ったんだ?」
西尾「実に立派なメタ探偵ぶり。お見事です、積木先輩。
   そうだ──この事件の名前を付けておきましょう。
   二人はいかにしてバスから消失したのか? 『二重消失事件』、と」

     二重消失事件 → Missing Double Case → MDC

西尾(そしてMDC最初の事件である、と。
   ああ、なんて無意味。なんて強引でこじつけがましい推理。
   ──ようこそ。積木先輩。
   ──ようこそ。論理が無理が押し通す巫山戯た世界へ)

メタ探偵積木、最初の事件開始──

504 :名無しのオプ:03/03/19 19:45
いいじゃん

505 :名無しのオプ:03/03/19 22:22
>504
同意。…イカス!

506 :名無しのオプ:03/03/20 21:29
日明は山小屋の中にいた。
(どうしよう……京極先生と二人きりだなんて)
ベッドにいる古泉は目に入っていない。
日明「先生、お茶をどうぞ」
京極「ああ。そこに置いておいてくれ」
(これよ、これ! こういうやりとりが秘書的に燃えるのよ!)
さりげなく自分も傍に腰掛けながら、そっと京極の横顔を見つめる。
すっかり読書に没頭しているのか、京極は日明をちらりとも見ない。
(でも内心は私を意識しているに違いないわ。これが大人の駆け引きなのよ)
(笠井先生がいない今、私たちを止める人は誰もいないわ……そして……)
『あっ。駄目よ、京極先生っ。こんなところで……』
『ほう、本当にやめてもいいのかい。僕の方は読書に戻っても構わないがね』
『もうっ……意地悪な人』
『どうして欲しいんだい? 言ってもらわなきゃわからないな』
『京極先生の馬鹿っ』
『ははは。冗談だよ。怒った顔も可愛いな、恵は』
『ばか……』

湖にて大物の淡水魚と格闘していた浅暮は、突然態勢を崩し湖に転落した。
たまたま(子犬と)通りかかった新堂が、爆笑しながら溺れている浅暮を救助。
濡れた服を乾かすために山小屋に連れ込まれた浅暮は、
日明の顔を見て再び笑いの発作を起こしたのだった。

507 :名無しのオプ:03/03/20 22:38
積木は急ぎ引き返していた。
もと来た道へと、バスが在る自然公園へと、
またも積木を無視して独断専行の西尾に追いすがる形で。

積木「……西尾、ひとつ気になってることがあるんだ」
西尾「歩きながらですが、どうぞごお構いなく。
   何か新しい事件でも『書き込まれ』ましたか?」
積木「あのさ──二人は、少なくとも黒田は行方不明なんだよな。
   じゃあさ、直ぐにでもみんなに報せて、捜索するべきじゃないのか?」
西尾「ああ、そんなことですか」

西尾は『どうでもいい』と雄弁に語っている顔を向け、積木に口を開く。

西尾「津村先輩も黒田先輩にも、気にするほどのことは起こりません。気にする必要はありません」
積木「その自信、どこから来るものなんだ?」
西尾「ごく普通の事件なら──本格ミステリな事件なら捜索という方向へ展開するでしょう。
   でも積木先輩、忘れていませんか。何によってメフィスト学園は学園足り得ているのか。
   それは異常でも異化でもない。単なるレッテルです。其の名を冠せられた賞を受賞した限り──
    、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   『メフィスト賞を受賞したメンバーが欠ける』事態なんてことはそもそもあり得ないんですよ。

   死ぬことも、再起不能になることも、リタイアすることも未来永劫に選べません。
   消えたとすれば復活を期待される、『不在』という仮初めの配役としてキャストされ続けるしかない。
   これは戯言ですら無い──それだけのこと、それだけのもの──
   そして、それだけで──我々は死なないという、どこまでも傑作な安心を二人に信じられる。
   二人は生きて帰ってくるという──それだけの事実です。戯言ですがね」

508 :名無しのオプ:03/03/20 22:39
積木は言われた内容を咀嚼しようとして、──放棄した。
つまりは、黒田はどこかで無事であり、津村は浦賀との見せ場を作るのであろう。
それだけのことなのだろう。

積木「……さすがは戯言遣い」
西尾「所詮戯言です。……さて、積木先輩。
   バスの近くに京極先生、古泉先輩が居たはずですが──今はどうなっています?」
積木「……」

西尾の言葉を受けた積木は記録を『読み』、その結果を西尾に伝える。

積木「……山小屋に移動したようだね。バスの近くにはいなさそうだ」
西尾「そうですか、それは好都合。
   ではそろそろ事件を解きに行きましょうか、積木先輩」
積木「もう解いたのか!?」
西尾「何を巫山戯ているんですか。解くのはメタ探偵たる積木先輩の初仕事です。
   ぼくは頼まれたって奪いませんよ。ただ、バスに残っている『忘れ物』を受け取りに行くだけです。
   ──『二重消失事件』の下敷きとなっている、ある『忘れ物』を回収しにね」

509 :名無しのオプ:03/03/21 02:58
前から思ってたんだけどメフィ学て寮制?
話に関係ないのでsage。職人さんがんばって下さい

510 :名無しのオプ:03/03/21 08:29
>>509
そんなこと言うと高里が発作をおこすよ。。。

511 :名無しのオプ:03/03/21 19:11
バスの中、運転席のあたりで西尾は何かを探していた。

積木「忘れ物って……そんなところにあるのか?」
西尾「ええ、ありません」
積木「ないのかよっ!」

気にした風もなく西尾は新たにドライバーを取り出し、
ハンドルの付け根当たりで何かの作業を続行していた。

西尾「『忘れ物』なら、もうそこに在るじゃないですか。
 積木先輩に潰されているそこに、ほら。後ろ」

バス最前列の更に前、積木がもたれかかっているちょっとした台の脇、
そこに『忘れ物』が──今回のバス座席表が一枚、ぶら下がっていた。

積木「これが『忘れ物』ぉ?」
西尾「そのとおり。ぼくたちが見落としていた『忘れ物』──座席表の謎です」

作業は完了したらしく、西尾は続いてハンドルの付け根当たりを覗き込んでいた。

積木「ここに謎があるというわけか」
座席表を手に取ると、積木はメタを働かせてその内容を軽く検証していく。

積木(この座席表の内容と、>448を比較してみるか。ええと、……完全一致だな。
   この座席表自体は正しいということになる。なら何が──
   ──今、何て考えた? この座席表が、『正しい』?)

512 :名無しのオプ:03/03/21 19:12
違和感に気付き、積木はもう一度子細に座席表(>448)を読み直す。
目的のフレーズは3行目。二重消失事件の当事者──違う。当事者ではない!
     、 、
積木(『津山』! 気付かなかった。
   これが正しい座席表だとするなら、名前が間違えられているはずは無い。
   この>448は記録された事項であり、真に正しい座席表であることが保証されている。
   ──この『津山』は間違っているがゆえに、間違っていない!)

積木「そうか……バスに乗っていたのは『津山』と表記された別人──
    、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   津村はそもそもバスになど乗っていなかったんだ! そうだよな、西尾!」

ふと見ると、西尾がいなくなっていた。3重目の消失かと慌てた積木は首を巡らし、
後方荷物置き場(棺桶があったところ)をがさごそしている西尾を発見する。
積木の問いかけに気付いたのか、西尾が積木の方へと歩いてきた。

西尾「積木先輩、お見事ですね。そうです。二重消失事件のうち、一件──
   津山──おっと……訂正、津村先輩はバスから森へと移動したわけでは無かったのです。
積木「別ルートで津村は既に、この森に到着、潜入していたのか……」

513 :名無しのオプ:03/03/21 21:19
中島が筋トレをしていると、新堂が早足で目の前を横切った。
新堂の顔色が何となく悪いように見えて、中島は彼を呼び止める。

中島「どうした?落ち着きがないぞ」
新堂「いや、ちょっとな」
そう言いながらも、新堂は周りをキョロキョロと見回している。
普段は何があってもにやにやとしていて動じない彼が、こんな風なのは珍しい。

中島「ちょっと、何だ?」
新堂「………奴がいなくなった」
中島「奴?清涼院か?…確かに見える範囲にはいないな。平和で良いじゃないか」
新堂「違う。何で俺が清涼院の行方を心配しなきゃなんねえんだ。奴だよ」
中島「誰のことだ。はっきり言え」
その時ふと、中島は子犬がいないことに気が付いた。少し前までは新堂にじゃれていた子犬が。

中島「おい、あの犬はどうした?」
新堂「だからいなくなったと言ってるだろうが!」
彼は声を一瞬荒げたが、すぐに肩を落とす。
新堂「さっき浅暮が溺れてやがったから助けて、ここまで連れ帰ってきた…
   気が付いたら…消えていた…少し目を離した隙に」

中島は周囲を見回す。確かに目に届く範囲に子犬の姿はない。
ここは広場だが、周りには森もあるし湖もある。
新堂「奴はまだガキだ…森にでも入ったら迷って出て来られないかもしれん…
   湖にでも落ちたりしたら…」

514 :名無しのオプ:03/03/21 21:38
石崎「やっぱりなみへいも女子高生は性格キツめがいいんだよな?」
関田「えっ。別にそんなつもりは」
氷川「石崎さんのようなマゾとは違いますよ。ねえ? なみへい君」
関田「はあ。確かに僕はマゾではないですね。ところで僕の名前は……」
石崎「コラコラ。俺はマゾじゃないぞ。乾とか霧舎を苛めるのは楽しいしな」
北山「なみへい君、彼らと同い年じゃなくてよかったね。もしそうなら、
   けったいなグループで石崎さんを筆頭に漫才をやらされるんだよ」
関田「それは大変そうですね。それはそれとして僕の名前は……」
石崎「けったいとは何だ。羨ましいくせに。俺と愛し合えなくて残念だったな」
高里「まあ! 愛、愛ですって! やっぱり石崎君は総受け……ッモゴモゴ」
舞城「おめぇは新入生をこれ以上ビビらせんなや。わりぃな、なみへい」
関田「いいですけど……僕はなみへい決定なんですね。そうなんですね」

515 :名無しのオプ:03/03/21 22:14
いきなりなみへいか…w

516 :名無しのオプ:03/03/21 22:26
なみへいのほうが涙くんよりはまだマシだと(ry

517 :名無しのオプ:03/03/21 23:17
『猛獣注意』の看板が立てられた森から、浦賀が出てきた。
右手に血まみれの肉切り包丁、左手に息絶えた猪を引きずって。

蘇部「お帰り浦賀くん。それ、どうしたの?」
浦賀「狩った。……これは食えそうだから、連れて帰った。
   殊能、料理できるか」
殊能「え?…まあ、捌ければね…うーん、バーベキューには向かないかな…
   ボタン鍋とか…」
新堂「浦賀ァ!」
蘇部が珍しそうに猪を眺め殊能が困ったように呟いていると、新堂が近寄ってきた。
その恐ろしい形相に蘇部が後退ったが、浦賀は無表情に新堂に目をやっただけだった。

新堂「今、『これは食えそうだから』とか抜かしたな。他にも殺りやがったってことだよな?
   その中に、まさか奴はいねえだろうな。どうなんだコラ!」
浦賀「奴?…どれのこと?」
新堂「『どれ』だと?物みたいに言うな。俺は奴のことを訊いてんだ」
浦賀「きちんと説明して貰わないとわからない。いきなりイエスかノーかで問われてもね。
   否定して欲しいのなら、そうするけど?」
浦賀「ふざけてんじゃねえ!」
中島「よせ、新堂」
新堂は浦賀の胸ぐらを掴もうとしたが、中島がその手を止めた。
そして三人に子犬がいなくなったことを説明する。

518 :名無しのオプ:03/03/21 23:18
新堂「で、どうなんだ?殺ってねえんだろうな!」
浦賀「狩ってない。食ってもない。見かけてすらいない」
新堂「本当だな?」
凄んで詰め寄っても浦賀は怯む様子もなく、逆ににたりと笑った。
浦賀「何?そんなにあの犬肉を食ってほしいのなら、今からでも行こうか?
   元々、目をつけてはいたから」
新堂「てめえ…!」
殴りかかろうとした新堂を中島がまた止める。

中島「落ち着け新堂。今の浦賀はかなりマトモな状態に見えるぞ。
   それに、あいつがいつも狙うのは…こう言っちゃなんだが、人間の方だ」
新堂「だが現に猪を仕留めているじゃねえか」
浦賀「他人の性質をぐだぐた言うより、捜すなら早く捜せばいいんじゃない。
   もし森に入ったのなら、色々危険だろうから」
浦賀はまた無表情に戻って、冷めた目で森の方を見やった。

519 :名無しのオプ:03/03/21 23:35
>浦賀はまた無表情に戻って、冷めた目で森の方を見やった。
これはもしかして…?

520 :名無しのオプ:03/03/22 02:54
西尾「津村先輩の移動ルートは、次に出会ったときにでも聞くとして──」
積木「……」

なぜかまだ、一心に積木は座席表を見ていた。
西尾は、神妙に見える表情をしながら──
見ようによっては微かに笑っているようにも──問いかける。

西尾「──何かまだ『忘れて』いましたか?」
積木「ああ……あった。1つ。特別大きいのが」
西尾「なるほど。それではその『忘れ物』を拝聴させてもらいます、積木探偵殿」

座席表の最前列を指しながら積木は語り出す。

積木「京極、森、黒田、竹、清涼院が最前列に座っていた」

そう言って、バスの最前列の席を見渡した。

積木「ここで『ある疑問』を問いかけてみる。──本当にここは最前列か?」
西尾「それは戯言の類で?」
                               、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
積木「そうとも言える。確かにここは最前列、でも、最前列の前にも一つ席があるだろう?」

521 :名無しのオプ:03/03/22 02:55
その言葉が示す場所に、二人は向いた。
     、 、 、
積木「運転席、ここも座席なんだよ、一応。でも座席表にはそれが
   載っていないんだ。じゃあ今回は、誰が座って運転していたんだ?
   例によって例の如く、『運転者』なんて人物は目撃されていない」
西尾「──流石は積木先輩ですね。もうキャラが薄いなどとは言われないことでしょう。
   まあ実際は、その論理だとまだまだ推理と呼べる代物ではありませんけれど。
   運転はバスで一言も発言せず暇のあった京極先生や森先輩、
   もしかしたら黒田先輩という可能性だって捨て切れませんからね。
   津山──の方ではなく、本物の津村先輩だという可能性もあり得ないことはないですが、
   到着から誰にも目撃されないで森へ行くことは無理でしょうし、座席表がある限り完全に否定される。
   少なくとも、最前列3人にはできた──よって断定は不可能、論破完了でQEDですね」
積木「当然、こんな当て推量じゃ論破されるよな──」

無言の一瞬。
       、 、 、  、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
積木「──だから、運転席を調べていたんだろう?」
西尾「あ、分かってましたか。いやだなぁ言ってくれれば良かったのに。
   これじゃまるで、最後に美味しいところをかっ攫う名探偵みたいに見えるじゃないですか」
積木「違うのかい、戯言遣いのメタ探偵君」

破顔した積木が話を続ける。
                      、 、 、 、
積木「『在った』んだろう? いや、『無かった』のかい?」
西尾「そこまでお見通しとはいやはや観念ですよ。
   ぼくの繊細な心境はもはや、うへえ、といったところですね。
   ──ええ、お察しの通り『不在』が存在していましたよ。
   エンジンキーの機構がごっそり取り外されているという『不在』がね」

522 :名無しのオプ:03/03/22 02:57
積木は運転席に近づき、西尾が外していたハンドル基底部の空白を覗き込む。
そこにはキー挿入口にあるはずの機構がなく、その代わりに、
小さなアンテナのようなものが付属した小さな電子装置がくっついていた。

西尾「『何かが存在することを完全に証明するのは簡単だ。
    しかし何かが存在しないことを完全に証明することは不可能に近い』
   と言ったのは誰の言葉でしたか忘れましたが、上手いこと言うものです。
   つまり、『不在』を証明したいなら『空白という存在』を証明すればいいだけなのだ、と」
積木「キー機構は空白、よって誰であろうと運転できないことになる、で証明完了か。
   とりあえず『そもそも運転できなかった』という矛盾さえ置いておけば完璧だな」

積木は苦笑し、

西尾「──当然、その矛盾も既に積木先輩は解いているのでしょう?」

523 :名無しのオプ:03/03/22 02:58
西尾が問いかける。

積木「──あの中を見れば一目瞭然以外のなにものでもないよ。
   キー機構の代わりをするらしきアンテナ付きの装置、リモートコントロール、
   と来れば運転者は一人しかいない。──森博嗣、その人だ」

積木は推理を補強するべく、論理を積み立てる。

積木「そもそもいくらリモートとはいえ、前方が見えないことにはどうにもならない。
   それに、リモコンを持っていて怪しくない、というのも条件となるな。
   怪しければ少しは記録されないとフェアでないだろうしね。
   発言が無いというのも重要で──っと、西尾に長々と聞かせても意味がないか。
   『自動車(オート)故に、遠隔自動運転(オート)だった』──これだけで充分だ」

にやりと笑いながら積木はそう言い放った。

西尾「戯言、ですね。ならばこちらも戯言でお返し致しましょう。
   運転者不在の事実に気付いたとき、そのときから、
   ぼくは『森先輩が車を運転した』と確信していましたよ。

     森博嗣が車を運転した → Mori-hiroshi Drove Car → MDC

   ──とびっきりの戯言ですけどね」

しかして前段は整い、解決編の幕が開き始める──

524 :名無しのオプ:03/03/22 03:11
すっげえよ!まじですげえよ!職人さん天才だよ!
ああ無駄に売れながら目立たなかった森委員長の見せ場がついにくるのか?
はたまた京極先生の式神パワーという落ちか?積木はすっかりメタ探偵だし西尾は名助手という位置を確固たるものにしたしほんとすげぇ!
プッレシャーかけちゃ悪いと思いつつもついつい期待してしまうっす。職人(積木)さんたちほんとありがとう!!!

525 :名無しのオプ:03/03/22 07:17
>>524
おちけつ。

526 :名無しのオプ:03/03/22 16:10
遅レスですが
>氷川が脳内で氷川きよしに変換

うぉれの場合
生垣を「なまがき」、涙を「るい」と読み
さらに蘇部のキャラが「しんべヱ」(忍たま)に
変換されてしまうんですが。



527 :名無しのオプ:03/03/22 16:45
高田「いやあ、参ったね。とんだアクシデントだ。君も災難だねえ」
全く危機感の感じられない口調で、高田は顔色の悪い乾…が抱いている子犬に話しかけた。
意味がわかっているのか、子犬は尻尾を振って一声鳴いた。
高田「さて、どうしたもんかなあ……ん?乾君、ちょっと退いて……。
   これは……これだよ、探してた薬草は!よし、あとは調合だけだね。めでたしめでたし」
乾「何がめでたいんだよ!どうしてあんたはそんなに楽天的なんだ!?」

時間を少し遡る。

薬草採取作業は、高田の的確な指示と乾の果敢なチャレンジによって順調に進んでいた。
高田が持参した薬草リストのうち、一つを除いて既に採取を完了していた。

乾は既に、心身共にボロボロだった。残りの一つを見つけてさっさと戻りたい。
遊歩道から外れまくった場所は、歩くだけでも疲れる。それに加えて崖を降りるわ木に登るわ…

乾「ああもう!ちょっとくらい休ませろ!俺の方が荷物が多いんだぞ!」
高田「仕方ないな。じゃあ、十分ね」
乾「それだけかよ!」
文句を言いながらリュックサックを下ろしていると、高田がふと首を傾げて辺りを見回した。
そして何かに気づいたらしく、数メートル先へ行くとその場にしゃがみこんだ。

乾「もしかして、薬草があったのか?」
つられて乾も高田の元へ駆け寄る。だがそこに薬草はなく、その代わりに、あの子犬がいた。
どうやら一匹で森に入ってきてしまったらしい。
高田「駄目じゃないか、こんな場所に来たら。危ないよ。崖もあるし」
乾「じゃあ今この場所にいる俺らは何なんだよ…」

528 :名無しのオプ:03/03/22 16:47
しかし当の子犬はわかってないらしく、嬉しそうに尻尾を振ってちょこちょこと走り始めた。
高田「こらこら。危ないって言ってるじゃないか。…乾君」
乾「あーはいはい。こら、待てって…」
仕方なく乾は子犬を追うが、子犬は追いかけっこと勘違いしているのか、止まろうとしない。

疲れた身体に鞭打って乾は走った。
湿った土を踏み、倒れた木を飛び越え、すぐに子犬に追いつき、
乾「まったく、世話焼かせんなよ…」
それから、子犬を少しだけ追い越して、振り返り、目の前の子犬に手を…

高田「乾君、そっちは危ない!」
すぐ後から来ていた高田が叫んだのと、乾の身体がぐらりと後方に傾いたのは同時だった。

彼の身体を受け止めるべき地面は、そこにはなかった。

529 :名無しのオプ:03/03/22 16:48
高田「まあ、正確に言えば、地面は数メートル下にあったんだけどね」
乾「だから何でそんなに落ち着いてんだよ…」
高田「前に学習したじゃないか。こういう時こそ、冷静でなければならない」
乾「あんたは冷静を通り越して、何か楽しそうに見えるんだよ!」
高田「あのねえ、君がロープなんかの入ったリュックを置いてきたのも悪いんだよ」
反論する気力もなく、乾は項垂れる。腕の中の子犬が彼を見上げて小さく鳴いた。
高田「大丈夫だよ。この子がいるということは、新堂君が血相を変えて探すだろうし、
   古処君達も確かこっちの森に入っているはずだし、森君のラジコンが見つけてくれるかもしれない」

にっこりと笑う高田。
高田「ほら、崖から落ちた割りには大した怪我もないし、薬草まで見つかったんだから。
   人生万事、塞翁が馬だよ」
乾「悪いことの後には良いことが、ってか。
  …ちょっと待て。今薬草見つかって良いことがあったから、次は悪いことなんじゃないか?」
高田「ははは、だったら面白いねえ。ま、ぼーっとしてるのも暇だし、パズルでもする?」
乾「ああああ!くそう!誰でも良いから助けてくれーーー!」

乾の絶叫が森に響いた。

530 :名無しのオプ:03/03/22 16:53
森が森に入る。

531 :名無しのオプ:03/03/22 16:59
新堂の子犬騒ぎはおやつ組にも飛び火した。

竹 「いぬさん、迷子なんだって。かわいそうなんだよ」
石崎「ようし、俺たちが探してやろう。おーいミリア〜、ユリ〜!」
氷川「あれ。二匹もいましたっけ」
石崎「突っ込むところはそこかよ。乾がちょっと恋しくなるな」
高里「まあ! やっぱり石崎君が最も愛するのはッ……モゴモゴ」
舞城「んなことよりはよ探すぞ。うんこ丸出てこんかい〜。いてこますぞわれ〜」
北山「ま、舞城君。それはちょっと……メス犬らしいし」
関田「ヴィッキーはどうでしょう」
石崎「コラコラ、新参者にはまだ早い。ここは二つ合わせてユリアってことで」
氷川「まるで少年マンガのヒロインですね」
北山「誰も飼い主本人に決めさせようとは考えないんだね……」

532 :名無しのオプ:03/03/22 20:04
高田「そういえば君、まだ名前がなかったんだっけね」
乾「この場合、飼い主は新堂なんだろうな。
  あいつ名前つけてないのかな。密かにつけてそうだけどな」
高田「乾君、こういうのは先に呼んだもの勝ちと相場が決まっているんだよ。
   そうだねえ…まあ、犬だから『犬井』君が妥当かな」
乾「全然妥当じゃねえよ!苗字かよ!そんな名前で勝ちに行くな!」
高田「呼ぶのに手間は省けて楽じゃない?」
乾「何の話だ!嫌がらせか!
  その名前でそいつを呼ぶなよ、覚えたら大変だ」
高田「冗談だよ。全く、もっと物事を楽しむ余裕を持った方が良いね、乾君」
乾「犬の方を見て俺の名前を呼ぶなー!」

533 :名無しのオプ:03/03/22 20:20
高田いつの間にこんなキャラに……(w

534 :名無しのオプ:03/03/22 20:28
──そして第一幕は閉じた。

佐藤「……」

山小屋の中、正確に言えば2階の一室、
佐藤は持ち込んだノートパソコンでエロゲーをやる気無しにつついていた。

佐藤「最近のゲームは面白くないな……」

お決まりの台詞を一人漏らしつつ、
今度はHDレコーディングしてエンコードしていおたアニメをチェックする。

佐藤「これも面白くない……つまらなくなったよな、なにもかも」

そう呟きながらもしかし、佐藤は気付いている。
真につまらなくなったのは自分なのだと。
作品の面白いところに素直に熱中できなくなり、
つまらないところをつつき出すことに優越を感じうる、
そんなくだらない、無価値な、唾棄すべき糞みたいな受け手になったのだと。

佐藤「……なんか飲もう」

気分転換に、何かスッキリする物が欲しくなった。
台所のある1階に下りれば、京極先生や日明、さっき来た浅暮、
古泉──は無視していいか──誰かに声を掛けられるかもしれない。
話しこむことになるかもしれない。そんな予想に少し煩わしさを感じながら、
佐藤は1階へと落ち続く階段を降り始めた。

535 :名無しのオプ:03/03/22 20:28
1階、窓際の椅子に京極先生がいた。近くのテーブルには3冊、
手には読みかけの1冊の文庫本を持ち、読書を楽しんでいる。
その奥のベッドに古泉、その手前に棺桶が大きく鎮座していた。
浅暮はその向かい側、火のついていない暖炉脇のソファに座り、
紅い液体(紅茶か? ブランデーか?)をすするようにして飲んでいた。

佐藤はそれら全てを無視し、台所へと向かう。
冷蔵庫を開け、目に付いたコーラを取り出し、一口。
そのまま2階へ帰ろうとして、

佐藤「……日明さんは、いないんですね」

なぜか余計な一言を発してしまった。
京極は読みかけの本──なんと清涼院の『カーニバル』だ!──に、
少し大きめで不格好なしおりを挟むと、佐藤の疑問に応えてくれた。

京極「ああ、さっき外で何か騒ぎがあったみたいでね。
   面白そうだからって、出かけて行ってしまったよ」

実は浅暮が入り込んだせいで京極と二人きりではなくなり、
面白くなくなった日明は拗ねて出て行ってしまった、
という経緯だったりするが、それは別のお話。

536 :名無しのオプ:03/03/22 20:29
京極「そういえば佐藤君はパソコンでテレビを見てるのかい?」
佐藤「え……あ、はい。そうです。いや、いつもではないですけど。
   パソコンを使うときはこっちの方が楽なので。圧縮も出来ますし」

咄嗟の質問に言葉がつまり、少々支離滅裂となった。
無性に恥ずかしくなる。糞ッ。だから、話すのは厭なんだ。

佐藤(でも、なんだ? なんでそんなことをいきなり──)

佐藤の思考は、外部からの突然の刺激によって断ち切られた。
ドアの開く音。誰かが入ってくる気配。足音という無邪気な騒音。
入ってきたのは幕を開きに来た二人。
幕間などという時間を潰すために用意された配役ではなく、
事件を解くために演出され、終幕を正しく閉じるための名探偵という主役。

西尾「──では皆さん、いよいよ頁終盤(クライマックス)、謎解きの始まりです」
積木「おい西尾。誰にも事件も説明してないのに、謎解き始められるかっての」

──幕間は終わり、再び幕が──第二幕が開かれる。

537 :名無しのオプ:03/03/23 00:39
竹「ふゆくんはもう森に入っちゃったみたいだね。ざっきゅん、どうするの?」
石崎「ふむ、じゃあこっちもユリア捜索を開始するか。
   目に付く範囲にはいないんだよな。あっちの湖か、そっちの森か…
   新堂が森に行ったのなら、やっぱ森の中なのかなあ?」
氷川「子犬は好奇心旺盛ですから、どこにでも行きそうですよね。
   帰巣本能は…この場合、役に立つのかな?」
舞城「ただ迷ってるだけならええけどな。猛獣注意の看板があるぞ、あそこに」
関田「どういう自然公園ですか、ここは…」
石崎「あ、そうだ。何で思いつかなかったんだ。
   こういう時に役立つ人材がいるじゃないか!えーと…あ、いた。おーい!旦那!」
石崎は丁度山小屋から出てきた浅暮を呼んだ。

浅暮「呼んだか?」
石崎「ちょっと旦那にユリア捜索を手伝って貰いたいんだよ。その自慢の嗅覚で」
浅暮「ユリア?」
北山「石崎さんが子犬に勝手につけた名前です。子犬、目下行方不明で」
浅暮「子犬がいなくなったのか?なるほど、騒がしいと思ったらそれが原因か」
神妙な顔で頷くと、浅暮は周りを見渡しながら鼻をひくつかせた。
そして迷うようにあちこちに足を向けては歩いていたが、
最後は鬱蒼と広がる森の前、遊歩道からはかなり外れている場所で止まった。
浅暮「おそらく、ここだ」

538 :名無しのオプ:03/03/23 00:40
石崎「やっぱり森の中か。うーん、結構広さがありそうだな。暗いし。
   旦那、このまま追えるか?」
浅暮「いや、無理だな。色々な臭いが混ざりすぎている。すまんな」
石崎「そうか…うわ、本当に看板があるぞ。猛獣…さっきのイノシシの他にもいるのか?
   ………。よし!それじゃあ行って来い舞城!」
舞城「何で俺なんじゃ」
すかさず後頭部をはたかれ、石崎は頭を抱えてうずくまった。
石崎「痛え…ちょっとは手加減しろよ…
   だって、このメンバーの中でまともに猛獣を戦えそうなの、お前だけだろ」
舞城「ほー。ほんならおめえは、いたいけな子犬が震えて待ってるのに、
   猪だの熊だの虎だのが怖くて助けにいかんと、そういうことやな」
氷川「舞城君、いくら何でも虎はいないと…」
石崎「いや、そういうわけじゃないんだぞ。えーと。
   やっぱり誰かが本部に待機してないといけないじゃないか」
舞城「はいはいはい。ほんじゃ行こうか、名探偵先生」
石崎「名探偵は今回関係ないだろ?本格の出る幕じゃないみたいだし…
   って、聞けー!放せー!…おい氷川!ぼーっとしてないで助けてくれー!」

北山「あーあ、行っちゃった…あれ。氷川さん、どうしたんですか?」
氷川「いや…。前にも同じシチュエーションがあった気が…」

浅暮「…ところで、生垣の姿がないな」
北山「本当だ。ちょっと前まで皆を撮影してたんだけど。
   風景でも撮りに行ったのかな。…生垣君がどうかしたんですか?」
浅暮「いや、別に…ちょっと気になっただけだ」

539 :名無しのオプ:03/03/23 00:52
ヤベェ、俺も「なまがき」になってる。

540 :名無しのオプ:03/03/23 01:14
関係ないけど生牡蠣食って腹壊したこと思い出したよ

541 :名無しのオプ:03/03/23 02:43
積木は考えていた。名探偵の『解決』テンプレートについて。
まず、適当な──又はテキトーな──理屈をこねて関連者一同を集める−(1)
次に、解くべき謎を要点に絞って復習し、その上で仮説と反証を積み立てていく−(2)
最後、残った証拠を駆使して犯人を指摘し、都合の良い論理で反論を封じ込める−(3)

積木(よし、これだ。なんたって名探偵デビューだからな、慎重に演sy──)
    、 、 、 、  、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
西尾「京極先生、あなたが主犯だったのですね」
積木「いきなりかよっ!
   そんな、あっさり犯人指摘しちゃって! しかも少しパロディだし、なんだよちくしょう! 
   確かにさっきそういう結論になった。それは認めよう。推理したのは自分だからな。
   けどさ、まだギャラリーに状況説明もしてないんだぞ!
   ほら見ろ! みんなリアクションもなく固まっちゃってるじゃないか!
   『なっ!』とか、『──!』とかの驚愕表現が全くない! こんな推理劇あるかっ!
   酷い! 非道い! 卑奴い! 悲怒すぎる! ああ、もうっ!
   ──見せ場作りやがって、羨ましいじゃないかよお!」

積木の激昂に、涼しい顔で西尾が声を掛ける。

西尾「メタ探偵ですから、とりあえず名探偵の様式美を壊してみようかと思いまして」

その一言で積木は脱力し、渦巻いていた負の思考を反転させる。

積木(そうか、そうだよな。メタ探偵なんだ……むしろ破天荒を良しとしろ!
   常識やセコい論理は捨てろ、俺は積木鏡介──そうとも……)

積木「──ああそうとも、メタ探偵積木鏡介! メタというメタをメタメタだっ!」

京極「なあ、名指しされている私を置いて壊れてくれると困るのだが……」
佐藤「……浅暮さん、出てったよ」

542 :名無しのオプ:03/03/23 02:44
解決編ギャラリー、一人減って二人──

西尾「直接的に聞いている人の数は、この際どうでもいいことです。
   なんなら延々と積木先輩と二人で推理を連ねても充分なんですから。
   でもね、それだと解決編に必須である起伏と面白味というものが無い。
   それらの無い推理劇など、ネタのばらされたミステリよりも無価値でしょう」

京極は、得心、といった表情で西尾に言葉をかける。

京極「なるほど。憑き物落としと同じというわけか。『筋書き』が大事なのかい」
西尾「はい。『筋書きのないドラマほど面白いものはない』なんて台詞がありますが、
   ぼくから言わせりゃ、そんな言葉はどうしようもないほど見当外れな世迷い言です。
   意味もなく、意志もなく、理由もなく、事由もなく、考慮もなく、配慮もなく──延演と厭宴と。
   現在(ハプニング)を紡ぎ続けるこの『現実(ドラマティック)』が、果たして面白いでしょうか?
   予定調和などされず、物事は無意味に拡散し、頁制限もない三文の散文。
   本棚の横幅をいかに少ない冊数で占められるか程度にしか活用できない代物です──」

京極は西尾が放つ戯言の砲火を受けながら、笑みを保ち、

京極「よかろう。君たちの言う『事件』とやらを、そして『解決』とやらを聞かせて貰おう。
   なに、今読んでいる文庫本よりも数段面白そうだ。私もひとつ乗らせて貰うことにするよ」
西尾「有難う御座います、京極先生。主賓としてお楽しみいただけることを保証しましょう。
   さて、──ぼく如き助手風情がいささか喋りすぎました。
   後は、任せることとしましょう。ここにおわすメタ探偵、
   あらゆる記録を読み、あらゆる状況を知り、あらゆる事件を解く──積木鏡介その人に。
   ──皆様、『二重消失事件・解決編』を、是非是非お楽しみ下さいますよう」

543 :名無しのオプ:03/03/23 02:45
西尾は恭しく一歩下がり、積木は遠慮がちに一歩前に出る。
西尾の前口上の後に静まりかえった舞台に、積木は一石となる『お約束』を投じる。

積木「──さて」

使い古された、だからこそ確かな解決編始まりの言葉。

積木「早速本題に入ります。今回解くことになる事件の名は『二重消失事件』、
   その事件を起こした主犯は京極先生となり──」
佐藤「ちょ、ちょっと。京極先生は納得したみたいだけどさ、一応僕もギャラリーなんだ。
   事件のあらましとか、そういうのを初めから教えてくれてもいいんじゃないのか?」
積木「確かに、それもそうか。──じゃあ、佐藤君パソコンを持ってきてもらえるかな?」
佐藤「パソコン?」
積木「できればプリンタもあるといいんだが、あるかな?」
佐藤「小さいのならある……紙に印刷しないといけないときもあるから」

訝しげにしながらも、佐藤は積木の要請に従い、2階へとあがった。
数分もかからず、佐藤がノートパソコンと小型のプリンタを持って降りて来る。

佐藤「これでいいのか?」
                、 、 、 、
積木「ああ、申し分ない。資料配付するにあたって必要な印刷さえ出来れば」

544 :名無しのオプ:03/03/23 02:45
積木は慣れた手つきで、パソコンを操作する。
ブラウザを開き、URL欄に文字列を打ち込んでいく。

積木「──1、0、4、5、2、1、2、9、6、1、と。」

クリック。しかし404エラーが出る。存在しないはずのURLなのだ。
しかし積木は入力をやめない。加えて3桁の数字とハイフンを幾つか打ち、
印刷メニューをクリック。

積木「西尾の分はいらないから──2部だな」

部数を2部に指定し、印刷をクリックする。
程なく、小気味よいプリンタの駆動音が響きだした。

佐藤「404を印刷して何が分かるっていうんだ?」
積木「百聞は一見にしかず。見れば分かる」

プリンタから一枚目の用紙が吐き出され終わった。
佐藤は無造作に手に取り、エラー画面が印刷されて居るであろう文面を読む。
そして、言葉が消えた。絶句する文面が、その用紙には踊っていた。

545 :名無しのオプ:03/03/23 02:45
───────────────────
            Missing Double Case
 MDC最初の事件  『二重消失事件』

  ・登場人物
   探偵役:積木鏡介
   助手役:西尾維新
   被害者1:津村巧
   被害者2:黒田研二
   立会人1:京極夏彦
   立会人2:佐藤友哉
   傍観者:古泉迦十
              ……暫定

  ・事件の顛末と展開
   1:第一幕──── P2〜3
    >>502-503
    >>507-508
    >>511-512
    >>520-523

   2:幕間───── P4
    >>534-536

   3:第二幕──── 
    >>
              ……続劇中
                       Page 1
───────────────────

546 :名無しのオプ:03/03/23 03:00
続く紙束には、積木と西尾の推理劇が展開されており、
密室状況だった佐藤の行動までもが記録──小説として記されていた。

佐藤「なっ……! なっな、なな!」
積木「リアクションされるってのはいいもんだね」
佐藤「なんなんだこれは! どうして僕の行動──心情も!
   こんなところに印刷物として、記述することができるんだ!」
積木「さっき宣言しただろう。メタというメタをメタする、と。
   これが俺のメタ探偵たる所以であり寄辺であり、個性なんだ。
   さあどうぞお読み下さい。事件の詳細はこれに全て載っています。
   事件状況は、完璧に説明できることでしょう」

小さな音とともに、印刷が終了する。
               、 、 、 、 、
佐藤「信じられない……こんなものを推理劇に使うなんて!
   こんなのは、こんなのは──非常識すぎる……無茶苦茶だ……」
積木「──お褒めいただき、光栄の至り」

おどける積木の微笑みと共に、
『二重消失事件』のログがギャラリー二人に手渡されていった。

547 :名無しのオプ:03/03/23 05:29
>今読んでいる文庫本よりも数段面白そうだ
あああ……

548 :名無しのオプ:03/03/23 07:22
浅暮が旦那と呼ばれてるせいでイメージが微妙に木場っぽくなってしまったんですが

549 :名無しのオプ:03/03/23 18:22
日明「ねえ、あなた。何の騒ぎがあったの?」
関田「ええと、新堂さんという人の犬が行方不明だそうです」
日明「それは気の毒ね。そういうわけで木陰へ行きましょうか」
そういうわけとはどういうわけだろうと首を傾げつつ、関田は日明に連行された。
日明「あなたとはゆっくり語らいたいと思っていたのよ。何故かずっと高里さんと
   話しこんでいたから近づけなかったけど……まさかああいうのタイプ?」
関田「いえ、そんなことは。クラスの人間関係を教えてもらってただけです」
何故か弁解口調になる関田。押しの強い女性には弱いようだ。
日明「あらそう。でもあの子の話は当てにならないわよ。妄想癖があるから」
関田「そういえば、舞城さんもそんなようなフォローをしてましたね」
日明「でしょう!? この学園を乗り切っていくためにも相手は選ばなきゃ。
   秘書の私ならあなたに的確なアドバイスをしてあげられるわよ」
関田「はあ……それは心強いというか」
日明「とにかくあんなヤオイ娘と一緒じゃ、あなたまでオタクと思われるわよ?
   ホモに祭り上げられてあの子のイヤラシイ妄想の毒牙にかかるまえに……」

霧舎「彼女を悪く言うな!」

日明達は驚いて振り返った。霧舎は自分が思わず発した言葉に呆然としている。
日明「あなたもしかして、まだ未練が?」
霧舎「ち、違うっ。そんなはずはないっ。そんなはずっ……」
関田「あ、そっちは猛獣注意………………行っちゃいましたね」

550 :名無しのオプ:03/03/23 20:28
中島は早足で進んでいく新堂の後を追っていた。

新堂の焦りはわからなくはない。
浦賀が猪を捕獲していたのだから、『猛獣注意』の看板に偽りはあるまい。
今ここでその『猛獣』が出ても、中島としては問題なかった。稽古になるからだ。
しかし、あの子犬と猛獣が出会ってしまうと非常に拙いだろう。洒落にならない。

中島「新堂、そんなに焦っても仕方ないぞ。落ち着け」
新堂「ああ」
話しかけても生返事。中島は溜息をつく。

そこでふと、視界に何かが入った。植物ではない。
中島「新堂!ちょっと待て。そこに何かいる」
彼は用心深くそれに近づく。しかし、黒いそれは動かない。足で蹴っても尚、動かない。

それは猪だった。先程浦賀が捕獲していた猪よりも大きい。
新堂「もう死んでるのか?」
中島「みたいだな。…ここだ。撃たれた痕がある」
新堂「まさか、誰か狩りでもしてるんじゃねえだろうな」
中島「そうか?そんな看板なかったぞ。
   別に狩猟目的でなくても、結構簡単に銃を撃つ奴なら何人かいるだろう」
新堂「あいつが、間違って撃たれることは…」
中島「子犬でガタイが小さいから、猪と間違って撃たれることはないんじゃないか?
   確かに可能性はなくはないが、生徒の中にそこまでする奴は…
   おい、ちょっと待て!新堂!!………まったく、落ち着けと言ってるだろうが…」

551 :名無しのオプ:03/03/23 22:46
>>549

霧舎⊃Д`)・゚・。

552 :名無しのオプ:03/03/23 23:16
鬱蒼とした森の中で、石崎と舞城は黙々と歩き続けていた。

舞城「で、いつになったら作戦の指示があるんじゃ」
石崎「ん?作戦?」
舞城「行け、と最初に命令したのはおめえやろ。ほんでここまでズカズカ歩いてきたのもおめえや。
   何か考えがあるんじゃねえのか?」
石崎「え。いや、とにかくユリアがいないかなーと突き進んで…」
舞城「突き進んで?」
石崎「突き進んで、突き進んで、突き進……いや待て!ちょっと待て!」
石崎は一度立ち止まり、周りを見渡した。

木々の所為で、森の中は日中だと言うのに暗い。植物が地面を覆っていて、土もじめじめしている。
猛獣が今のところ出現していないのはラッキーだが、子犬も出現していない。
踏み込んだ当初はまだ道らしきものがあったが、今はそれすらも消えてしまっている。
自分たちはどこから歩いてきて、どこへ進んでいくべきなのか…

石崎「えー…じゃあ作戦を発表する。一時退却」
舞城「退却方向は?」
石崎「あー……。あっちかな?」
舞城「………」
石崎「待て!拳を握るな!お前まだ怪我治ってないんだろ?無理はいかんぞ無理は!」
舞城「もう治っとる」
石崎「嘘つけ!どこがだ!絆創膏ベタベタ包帯グルグル魔人じゃないか!
   清涼院にやられたときはボロボロだったって聞いたぞ……って、今のは無し!オフレコ!」
舞城「ほー。情報通やな」
石崎「しまったー!≪火に油、しかも石油≫みたいなっ!」
乾「パクリかよ!後輩のネタをパクんな!しかも使用方法が微妙に間違ってるだろ!」
石崎「これはアレンジだよ、アレンジ……………ん?」

553 :名無しのオプ:03/03/23 23:17
石崎は舞城と顔を見合わせた。辺りに乾の姿はない。

舞城「気味わりぃな。乾の生き霊か?」
石崎「なに!?本当か!それは成仏してくれ、ナンマイダブナンマイダブ…」
乾「そんなわけあるか!馬鹿なこと言ってないで助けろー!」
声のする方へ行くと、平坦な地面からいきなり崖になっていた。
草が茂っているお陰で、よくよく注意しなければそこに崖があることはわからない。

石崎が覗き込むと、そこには薬草採取に出た二人と、そして子犬がいた。

石崎「おお!ユリアもいた!…ふふふ。見ろ、舞城。これも俺の作戦の賜物だぞ」
舞城「あ、そう。ええけどな。で?どうやってあそこから助けるんじゃ。何も持ってないやろ」
高田「その近くにリュックがないかな?その中にロープがあるんだが」
言われたとおり辺りを見回すと、それらしきリュックがあった。ロープを取り出す。
高田「よし。それじゃまずは、先に犬井…じゃなくて、子犬を引き上げてくれないかな?」
石崎「了解!じゃあ、垂らすぞー」

石崎は崖の淵にしゃがみ込んでロープを垂らしていく。舞城も崖下を覗き込んでいる。
その時、不意に彼らの後方で、がさり、と音がした。
舞城「……ん?」
何かの気配を感じて、舞城は後ろを振り返ろうとした。
その横にいた石崎も、つられるように振り返ろうとした。振り返ろうとして…

『何か』に背中を押された。


石崎と舞城は、崖下に消えた。

554 :名無しのオプ:03/03/23 23:22
おお。二つ目の事件が!

555 :名無しのオプ:03/03/23 23:34
阿修羅の森か?

556 :名無しのオプ:03/03/24 00:53
山小屋の1階に静かな喧噪が訪れていた
京極、佐藤が紙束をパラパラとめくる音が妙に響き、
背後のベッドからはアッラーアッラーと微かな寝息が聞こえている。

京極「ふむ。森君のことも推理していたのか。実に面白い」
佐藤「こんなことがあったのか……普通気付かないな。よほど事件に飢えてた、としか……」

二人は思い思いの感想を漏らす。

積木「──では推理劇を再会しましょうか」

静寂を破る一言。
期待するような、促しているような視線が積木に集中する。

積木「この事件を解く鍵はひとつ──
   そう、たったひとつのことに注目すればこの事件は容易に解けるものでした──」

わざとらしい一拍が入る。
積木は意識的か、意気込み故の無意識か、解決を行う探偵らしい演出を欠かさない。

積木「『二重消失事件』の当事者の一人、『津村巧』はこの事件の根幹ではありません。
   バスを使用せずにこのキャンプ地へ到着している彼は、
   厳密に言えば消失したわけでは無い──解決には不要の問題となっています。
   よって焦点を当てるべきは、もう一人の当事者、『黒田研二』の消失問題だけでした」
佐藤「まあ、そりゃそうだけど……つうか、それが事件そのものじゃないか」

積木は佐藤を無視して先へと繋ぐ。

557 :名無しのオプ:03/03/24 00:53
積木「まずは彼の消失時期──『いつまでは存在していたのか』を検証しましょう。
   座席表の記載や僕の座席がない発言などから、バスに乗っていたことは確か。
   そして、少なくとも到着の瞬間までは最前列補助席に座っていたことも確かでしょう。
   ──走行中に臨席に座っている人間が消えてしまって、
   右横に座っていた竹ちゃんがなんらかの反応をしないはずはありませんからね」
京極「到着時、黒田君がまだ居たことは私も保証しよう。
   まあ、犯人と名指しされている私の発言に証拠能力は無いかもしれんが」

京極は実に面白そうに、積木の推理を補強する。

積木「ご心配なく。先生の保証が無くとも、森委員長を証人としますので」

積木の推理は続く。

積木「──とまあ、彼は到着まではしっかりと存在していたわけです。
   それが到着後、各々が散開していくその時に、消失してしまったことになります」
佐藤「でもさあ、一番先に出て森に紛れたって可能性もあるんじゃないの?」
積木「確かに理論上は可能──しかし、否定材料が存在する以上、却下されます。
   一つ目。自発的な森への失踪だとすれば、何かしらの『記録』があるはずです。
   黒田失踪エピソード、又は津村のように森潜入エピソードというかたちでね。
   二つ目。犯人が連れ去ったとすれば、犯人と黒田、二人が消える必要があります。
       、 、 、  、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   そして犯人は、同じく一番先に出ていくことが出来る最前列中央に限られるんですよ。
   森、竹、少し広げても佐藤、新堂……全て到着後まもなくから目撃され、
   森まで往復しているような時間的猶予が無い人物ばかり──お分かりかな、佐藤君」
佐藤「あー……言い返せない。清涼院ならできそうだけど、それだと無意味か……」
京極「そうだな。彼が謎解きのメインの解として登場することはあり得ない。
   嵐や大雪と同様、意志のない突発災害的なものとして関与するか、
   便利ツールとしてアンフェア覚悟で活用するか、されるか、その辺りが限界だろう」

何気に酷いことを言われる清涼院はさておき、推理は進む。

558 :名無しのオプ:03/03/24 00:54
積木「結局、黒田はバスの中でしか目撃されていないんです。
   そうなれば導かれる結論は、至極明白です。そう──
   彼は消失したわけではなく、バスの中に残っていたとしか考えられない」
佐藤「……ありえない。たとえ軟禁されていたとしても、
   ずっとバスの中にいたなら見つからないわけが無い。
   ほら、この紙束でも西尾がきっちり捜索している……違うか?」

佐藤は紙束のいちページ(>512)を見せ、きっちりとした反論を返す。

積木「何も、未だバスの中にいるとまでは言っていませんよ。
       、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、  、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   ──黒田は堂々と出ていったんですよ。見えなかっただけでね」

積木の言葉に佐藤が反応した。

佐藤「見えなかったぁ!? それじゃあ、う──」

佐藤の台詞は途中で遮られた。何か、豪風のような圧力が彼を襲ったのだ。
見る。にこにこと笑う京極が何かを投擲した姿勢で止まっていた。
──佐藤の脇の壁に、京極が読んでいた『カーニバル』が縦方向にめり込んでいた。

京極「──佐藤君、こんなところでテロルは許さないからね──分かってるかい?」

笑顔の圧力が山小屋1階を包み、ガクガクと首を振る佐藤友哉。

京極「よろしい。──では積木君、続けてくれ」

二度ほど下がった室温の中、積木は核心を語り出す。 

559 :名無しのオプ:03/03/24 00:55
積木「見えなかった。これは純粋に視覚──いや、死角の問題です。
   あのバスの中から出ていって、確実に死角を作ったものがひとつ在りました。
   そうだろう──佐藤君?」

唐突に問いを振られ、すっかり萎縮していた佐藤がびくっと震える。

佐藤「……死角……あ。最後尾の……」
                、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
積木「御名答。──そう。古泉の棺桶に入っていれば誰にも見られない」

総勢4人の視線が一斉に古泉──のベッドの脇にある棺桶に集中する。

積木「これで、黒田消失に関しては誰にでも犯行が可能だと言えることになります。
   まず古泉はバス中で棺桶から出され、先に山小屋へと運び入れられました。
   これは、>483──秋月の古泉に対する観察において、
   棺桶の描写が無いことからも、先に運び入れられていたことは確かです。
   その隙に、バスの中に最後まで残らされていた黒田は棺桶に隠されました。
   黒田が共犯か否かで、棺桶に入る際の具体的実行手順は変わるでしょうが、
   そのぐらいの作業なら誰にでも計画、実行することができたでしょう。
   そして、黒田は誰にも気付かれないままバスから運び出されていきました──」

唾を飲む音が、聞こえたような気がした。   

佐藤「じゃ、じゃあ……あの棺桶の中には……」
積木「ええ。今も黒田が眠っているのでしょうね。ひとり孤独に」

560 :名無しのオプ:03/03/24 14:05
石崎は乾の上に落ち、舞城は両足で着地し、崖下は四人と一匹になった。
二人を落とした「誰か」の姿はもうない。

高田「上にはもう一人いたんですね。助けてくれる気はなさそうだけど」
舞城「マザファッカ! マザファッカ! マザファッカ!」
石崎「ふう……これは俺の名探偵ぶりに嫉妬した誰かによる罠だな」
乾 「僕を見ながら言うな! ていうか早くどけ!」
高田「とりあえずロープは手に入ったね。これで何とかならないかな」
石崎「しかし上にまだ犯人がいるのなら、妨害されるかもしれないぞ」
舞城「くそっ。いったい誰なんじゃ。文句があるなら正面から言え! ぶっ潰す!」
乾 「ぶっ潰されたくないからこういう手段に走ったんじゃ……あ、何でもないです」
子犬「くぅーん」
ユリアもしくは犬井のため息と共に、静寂が訪れる。
いったい誰が? もしやクラスメイトが? だとしたら何故?
崖下は嫌なムードに包まれていった。

561 :名無しのオプ:03/03/24 16:24
犬の名前は「犬井ユリア」でケテーイだな。

562 :名無しのオプ:03/03/24 18:09
>561
新堂の意見は・・・(笑

563 :名無しのオプ:03/03/24 21:46
最近もの凄くうまく進んでるね。 職人イイ! ガソバレ

564 :名無しのオプ:03/03/25 14:19
竹 「ねえねえ。ひーちゃんはこうちゃんと一緒にいなくていいの?」
氷川「石崎さんのことですか? どうしてです?」
北山「やっぱあのスキー合宿以来、氷川と石崎はセットのイメージがあるんだよ」
スキー合宿という言葉に、氷川の顔が一瞬ひきつる。
そしてすぐに冷静な顔を取り戻し、微笑んだ。
氷川「そうだな……もしまた事件が起きて彼が窮地に陥るようなことがあったら、
   彼を助けたいと思いますよ。石崎さんには大きな借りがありますから」
北山「ふーん?」
氷川はあの雪の山荘で自分をかばってくれた石崎を思うと、複雑な心境になる。
あの時の彼は尊敬している。けれど同時に、ほんの少しの嫉妬も生まれた。
探偵としても、人間としても、彼の方が勝っているのではという劣等感。
それを拭うためにも、借りを返す機会が欲しい。
氷川(だから事件が起きて欲しいと思うなんて……不謹慎かもしれないな)

その頃石崎がまさに窮地に陥っていることを、この時の氷川はまだ知らない。

565 :名無しのオプ:03/03/25 16:57
積木「──そして、この黒田消失トリックは、 
   黒田に居残りを命令出来る者であり──古泉搬送の指示を出来る者であり──
   棺桶搬送の指示を出来るものであり──今の今まで傍で棺桶を見守っていた者、
   京極先生、あなたでなければ為し得ないのですよ」

『棺桶の中で黒田』
そう聞いた佐藤は、ミイラのように蘇ってくる黒田を想像してしまった。
──棺桶の中から、『娘。』の唄を口ずさんで蘇ってくる黒田……
佐藤の妄想を打ち切るように、京極の言葉が飛ぶ。
                                   、 、 、 、
京極「──見事な推理だ、積木君。惜しいとすれば、実に穴だらけだということだね」

京極の語調に厳しさが混じる。

京極「誰にでも犯行が出来ると推理したまでは多少強引だが、及第点を与えよう。
   自身の能力を存分に発揮して推理劇を展開する手腕などは、満点も付けよう。
   しかし、『棺桶に入るまでの具体的実行手順』、これを曖昧にした点は──落第だ。
                       、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   ──君も分かっているはずだ。このままでは黒田君は棺桶に入れない、と」
積木「──!」

推理を始めてから、積木の表情が初めて崩れた。

京極「バス到着時、黒田君は最前列の補助席に座っていたのだろう。
   ならば、どのようにして彼が最後までバスに居残れると言うのかね?
   全員がバスから出ていくまで、狭い通路の脇に避けていたのかい?」
積木「──そうだとすれば、不自然すぎて『記録』に残っているはずですね……」
京極「では、一度先に出てから、機を計って戻ってきたのかい?」
積木「──それだけ長時間外にいれば、秋月に目撃されたでしょうね……」
京極「そう。ここは推理を曖昧にしていい箇所ではない。
   そこを疎かにした君の推理は、既に破綻していたのだよ」

566 :名無しのオプ:03/03/25 16:58
歯がみする積木。

京極「さっきまで君は、論理で証拠を造りだし、推理を真理に塗り替えてきた。
   ──先程、『黒田君の消失時期』を証言に頼らず証明して見せたように。ね。
    、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   私の犯行であることは認めよう。しかし実行犯であっても不可能犯罪は実行できない。
   君は不可能犯罪を可能犯罪に──黒田君が居残る方法を見つける必要がある。
                        、 、 、 、  、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   出来ないとは言わせないよ。──なぜなら、私には解けているからだ。
   ──これは追試だよ、積木君。入れない棺桶の謎──解いて見せなさい」

京極の発言に、積木は驚きを隠せない。京極の言動が完全に予想外だったのだ。
                                      、 、 、 、 、 、 、 、
積木は『犯人ではない』と主張する場合の対策を用意し、──既に成功していた。
しかし『犯人である』と認め、その上で推理矛盾を指摘されるとは考えていなかった。

積木(流石は京極先生……この『追試』を無視し、無理矢理解決してもしても意味がない。
   ……明らかに未消化の謎が残ってしまえば、その名探偵の説得力は皆無だ)

積木は考える。思考がメタの狭間を漂う。

積木(何か。何か──『記録』されてないか──
   津村と黒田の会話──黒田の周りの様子──京極先生の感想──)

ふと、今回のバス運転手を森へと特定した論理を思い出した。

積木(通常は『誰にも出来ない』ことを、『出来る』のは森だけだった……
   今も同じだ。通常の黒田には『出来ない』……じゃあ通常でなければ?
   ひとりぼっちで最前列補助席に座っていた──それが違ったと、すれば?)

積木の脳裡に、ひとつの解が閃いた。

567 :名無しのオプ:03/03/25 21:38
いいなぁ、京極。
積木もここで見ると、フジミを書いたやつとは思えない。

568 :名無しのオプ:03/03/25 22:09
北山「ところで石崎さんたち大丈夫かな。結構簡単に入って行っちゃって…」
氷川「大丈夫でしょう。あくまで『注意』であって『立ち入り禁止』でないし、
   『猛獣』だって今のところ浦賀君が捕獲した猪しか見ていない。
   猪くらいなら、何とかなるんじゃないですか?」
北山「そうかな?イノシシも怖いと思うけどなあ…
   あ、でもこの看板、熊が描いてあるよ。…この絵自体はファンシーだけど。
   この時期って熊が冬眠から起きてくるんじゃなかったっけ」
氷川「お腹を空かせて凶暴なんでしたっけ?
   まあ、舞城君は文化祭の時に熊を手なずけてたから、何とかなるでしょう」
北山「楽観的だね…氷川さん」
氷川「そういう局面が来ても、舞城君はかなり強いと思いますよ。
   北山君は熊に追われて逃げ回っている彼の姿が想像できますか?」
北山「うーん……それは出来ないな。そう考えると大丈夫、なのかなあ…」
竹「大丈夫なんだよ。さっきのイノシシにしたって、うじゃうじゃいるわけじゃないんだし」
北山「まあ、言われてみればそうなんだけど…でもさ」

北山「熊に追われて逃げ回っている『石崎さん』なら物凄く想像出来るんだけど」
氷川「…………」

569 :名無しのオプ:03/03/25 22:12
石崎「ぶわっくしょい!」
高田「おや。石崎君、風邪かい?何か処方しようか?」
石崎「いやいや。これはきっと誰かが噂してるんだな。人気者は辛いね。なあ、ユリアー?」
乾「また妙なこと言ってるよ、このおじさん。つーかユリアって何だよ!」
石崎「ミリアとユリ、足してアレンジしてユリア」
乾「わけわかんねえよ!しかも何でそれが当然みたいな顔してんだよ!」
高田「乾君、にわかに元気になったね」

石崎「それにしても、暇だよなー。俺たちいつまでここに居ればいいんだ?」
舞城「さあな。ま、今すぐ脱出できんでも別にええわ。
   俺らを突き落とした奴がわかったら、その時点で徹底的に殴れば済む話やろ」
乾「て、徹底的にね……誰だか何だか知らないけど、馬鹿だよな。
  よりによって舞城を突き落とすなんてさ。石崎はともかくとして」
石崎「何で俺が引き合いに出るんだよ」
高田「まったくねえ…こんなことなら調合セットも持ってくれば良かったよ。
   このままだと古泉君は寝たまま遠足に来て、寝たまま帰ることになってしまう。
   誰だか知らないけど、無粋な人だね」
舞城「古泉の場合はそもそもおめえが悪いんやろ」

570 :名無しのオプ:03/03/25 22:13
石崎「あー、暇だな。なあユリア?ここは一つ、おじちゃんと遊ぶか?何か芸を覚えるか?
   考えてみれば、殆ど新堂がべったりだったんだもんなー」
乾「おい、あんまりユリアユリア呼ぶなよ。本当に自分の名前だと思うだろ。
  それにあんまり変なこと教えると、新堂が怒るんかもしれないぞ」
石崎「そうか?大丈夫だと思うけどな。
   寧ろ、ちょっと見ないうちに芸を覚えてたら感動するんじゃないか?
   よし、それじゃユリア。まずはこれから行くぞ!コンニチハ!コンニチハ!」
乾「それは九官鳥の芸だろ!」

高田「……で、舞城君。本当に大丈夫なのかい?」
舞城「何が」
高田「怪我の具合だよ。大分良くなってるって聞いてたけどね。
   さっきは一応きちんと着地してたけど、
   でもそれなりの高さから落ちたわけだから、それが響いてないかと思ってね」
舞城「うるせえな。大丈夫だっつの。まったく、おめえらは気にし過ぎや」
高田「君が大丈夫と言うならそうなんだろうけどね。
   けど、いつもなら君ってこういう状況はさっさと何とかしようとするじゃないか。
   それがさっきから案外大人しく座ってるだろう。心配にもなる」
舞城「アホか。今は大人しく様子を見ようってだけじゃ。
   飽きたら一人でもすぐ脱出するでな。上に誰がおっても知ったことか」
高田「そうかい?それなら結構。
   まあ、君達を突き落とした人はそれ以上ことをする気は無いみたいだから、
   なるべく大人しくしておいて貰いたいね、薬剤師としては」

571 :名無しのオプ:03/03/25 22:16
フレームの中の石崎の驚愕の表情。崖下に落ちていく舞城の背中。
スローモーションのように、コマ落としのフィルムの様に。
ゆっくりとフレームアウトしていく二人の姿。

美しい。

生垣真太郎は己の頬を涙が伝っていくのを感じていた。
同じメフィ学の通う友を、そしていたいけな子犬を救う為、危険な森に入ってきた二人。
しかし無残にも何者かの手により、崖下に突き落とされてしまう。
勇気ある行動、正しき想いが、悪意に蹂躙される儚さ。
カメラは全てを捕らえていた。
フレームの片隅に映った、何者かの腕まで、鮮明に。


572 :名無しのオプ:03/03/25 22:34
思えば、たった一匹の子犬が、これだけ被害を拡大したと言える。
子犬に誘われ、崖下に落ちた乾、高田。
子犬を探しにやって来て、悲劇に見舞われた石崎、舞城。
これらの事件の連鎖は、全てその子犬によって成り立っている。
無邪気に跳ね回る子犬は、確かに純真無垢で、愛らしかった。
だが、動植物の中には、己の容姿により他の生き物を油断・篭絡する存在も
決して珍しくは無いのだ。
高度な知性がないからと言って、無害でも無垢でもない。
あるいはそれは真綿にくるまれた毒の牙。
その毒は百戦錬磨の新堂冬樹さえも狂わせた。

恐ろしい存在だ。
僕は、あの子犬を「ルナティック・ケルベロス」と名付けている。
とても。
とても良いネーミングだと思わないか?


573 :名無しのオプ:03/03/25 22:40
「フレームアウト」とおんなじオチじゃないよね、まさか。
今後の展開に期待。

574 :名無しのオプ:03/03/25 22:47
森委員長がが出てきてないけど、地の文その他で多用されてる「森」とのミスリーディングは、なしの方向でいこう。

575 :名無しのオプ:03/03/25 22:52
「どうかな?
いささか、誇大なネーミングに過ぎる様だがな。
この学園の連中は、奇妙な名前をつけるのを好む奴が多いとJが言っていたが、
お前さんもそのうちの一人なのかい?」
生垣はニヒルに口の端を歪めた。笑みを浮かべているつもりらしい。
「まぁいいさ。フレームの中に置ける呼称など、概して読者にしか意味が無い。
なんとでも呼ぶが良い。それより、俺はあの犬の飼い主が気になるね。
いや、ミスター新堂ではない、あの犬本来の飼い主さ。
無論俺は名探偵なんかじゃない。推理なんてのは、他の連中に任せるさ。
ただ、……少し、面白いよな」

576 :名無しのオプ:03/03/25 23:12
ちょと現在関与してるメンバーの整理でも。

MDC最初の事件
 積木・西尾・京極・佐藤・黒田・(森)・(古泉)・(津村)

迷子犬事件(仮)
 石崎・乾・高田・舞城・生垣・北山・氷川・新堂・中島・(森?)

森の中にいる
 津村・霧舎・石黒&古処

森の外にいる
 竹・高里・日明・関田・浦賀・殊能・蘇部・浅暮

不明
 清涼院・森・秋月

577 :名無しのオプ:03/03/25 23:22
>575
本当の飼い主ときたか!
まさか子犬ネタがここまで展開するとは……。
面白くなってまいりますた。

ただちょっと口調が生垣らしくないとか思ったり。ちょっとだけね。

578 :名無しのオプ:03/03/26 00:37
暗藪の中で子供。

悲鳴らしきものを聞いた気がした津村は、藪を掻き分けてゆっくり進んでいった。
周囲の警戒は怠らない。銃もすでに構えている。自分はメフィ学唯一のSF者だ。
事件に振りまわされ続けなくてはいけない宿命を背負っている名探偵とは、違う。
状況によっては、その場で力ずくの解決をしてしまう事も許されている。
スキー合宿では、失態だった。
無様に失神したりしなければ、あのとき全てを終わらせる事ができたのに。
津村は苦い記憶を歯軋りとともにかみ殺し、藪の中にスコープをさして覗きこんだ。

藪の向こうのひらけた場所で、一人の男が佇み、なにかをしきりに呟いていた。
(彼は…生垣! なんだ、一体誰と喋っているんだ!?)
生垣が話している相手は、津村の位置からは目視できない。
(確かに、悲鳴はこっちの方から聞こえた。ならば・・・!)




579 :名無しのオプ:03/03/26 00:53
津村は神経を研ぎ澄まし、耳を澄ました。
奇妙な会話だった。
アメリカ都心部のスラングがきつい英語と、日本語の会話。
(英語は生垣だろうな、NY在住だって言ってたから、間違いないだろう。
 しかし、酷く早口で聞き苦しい英語だな)
しかし津村も、かつては北米を放浪していた身である。多少の訛りやスラングなど、
さしたる障害ではない。

津村は、その会話の全てを完璧に聞き取った。
そして・・・

(この男!生垣真太郎!! こいつはー!!!)


580 :名無しのオプ:03/03/26 01:26
インターミッション

氷川「みんな帰ってきませんね」
北山「あ、そういえば生垣君もいないな。なんだ、自分から誘っといて」
竹「あ、たろちゃんといえば……」
北山「なになに?」
竹「お正月に、いーちゃんを助けてくれたんだよ。階段を転げ落ちそうになったのを
間一髪で止めてくれて」
北山「……へぇ(この娘、遠まわしに僕を告発しているのか?)」
北山の焦りとは無関係に、竹は声を弾ませる。
竹「そのとき、トレンチコートに鳥打帽が似合って、凄く格好良かったの!
もう、いかにもハードボイルドって感じで」
氷川「へぇ、なんか、学園に来てからの彼のキャラと違うね。変な日本語をへらへらと
話すカメラマンといった印象だけど」
竹「ううん、あの時は全然ちがってたんだよ。ずっと英語喋っていたし。なんていってたか、
良くわからなかったけど。まるで今と別人」

氷川の脳髄に、その言葉はやけに重く響いた。

 ま る で 今 と 別 人




581 :名無しのオプ:03/03/26 01:48
「フリーズ!!」
津村は銃を生垣に突き付けたまま藪を飛び出し、叫んだ。
「フムン?」
生垣は眉を軽く動かして、気障なジェスチャーでそれに答える。動じた様子は微塵もない。

津村「話は全部聞かせてもらった。生垣真太郎、あんたは・・・」
生垣「よせよ、俺をフルネームで呼ぶのは。死にたいのか?」
津村「それはこっちの台詞だ。銃が見えないのか!」
生垣「はっ。しかしお前さん、酷い北米訛りの英語だな、聞き苦しいぜ」
津村「余計なお世話だ。さぁ、両手を上げてもらおう」
生垣「おやおや、強気だな。この俺に対して。
  メフィスト史上最高の大型新人に対して。
  空前絶後の前評判だったこの生垣に対してそれは不遜というものじゃないのか!?」

津村は震えていた。
有り得ない。自分が気圧されるなど。これはきっと武者震いだ。
だが、そんな彼のいい訳を余所に、生垣の人格的圧力は凄まじかった。

『メフィスト賞史上最高の大型新人』という前評判の中で生まれてしまった
生垣真太郎のもう一つの人格は、あらゆる意味で圧倒的だった。

582 :名無しのオプ:03/03/26 02:56
積木「──そうか……『運転手』が鍵だったのか」
京極「ほう」
積木「確かに、最前列補助席に黒田が座っていたのなら居残ることは不可能です。
   ──では、もしも座っていなかったとすれば、どうでしょうか?」
京極「推理の冒頭で、『走行中に消失すれば竹ちゃんが気付く』と言っていたのは、君だ」
積木「ええ。ただしそれは補助席に座っていたという仮定と、『走行中』という条件付きです。
   出発時から補助席に座っていなければ、そもそも気付かれるという問題は無効となります。
   ──もっと早く気付くべきでした。皆は、黒田が居ないことには気付かないかもしれない。
        、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   しかし、居ないのがバスの運転手ならば。それに気付かない方が不自然なのですよ。
   運転席に誰もいない車なんてぞっとしませんからね──でもそうはならなかった」

佐藤は話の内容があちこちへ飛びすぎて混乱していた。

佐藤「? だって、運転手は遠隔運転の森委員長だったんだろ? リモコンもあったし……」
積木「その通り。でも、それはあの時点では誰にも気付かれていなかった。
   普通、運転席が空白でバスが動いて──特に竹ちゃんは運転席の真後ろにいたのに──
   そんなあからさまに怪しい『異変』に気付かないなんてことがあり得るだろうか?
   ──無い。有るとすればそれは、その『異変』自体が無かったときだ。
       、 、 、 、 、 、  、 、 、 、 、 、
   そう、黒田が運転席に座っていた、とかね。
   黒田は用意されていた補助席を通り越し、空いていた運転席へと座って道中を過ごす。
   バス走行中に喋っていないのも、ひとり孤立していたからだと考えれば、更に辻褄が合う」
佐藤「でも、それがどういう……? 運転席と、居残れることが関係あるのか?」
    、 、 、 、 、 、 、 、 、 、  、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
積木「最後まで座っていても、邪魔にもならず怪しくもない」
佐藤「そういえば……バスから出るとき運転手のことなんて見てもなかった……
   誰が居たか、そもそも誰か居たかどうかすら曖昧だ。特に注目なんてしなかった……」

佐藤の納得を見届けた積木は、遂に解決(クライマックス)へと言葉を進める──

583 :名無しのオプ:03/03/26 02:57
積木「これで、京極先生の指摘した『入れない棺桶の謎』は解決です。
   黒田は運転席で古泉搬送までやりすごし、搬送中の誰もいなくなったバスの中、
   棺桶搬送までの合間に棺桶に入った──これが黒田消失プロセスの真相だった」

積木は止まらない。

積木「──さてここで、運転手がダミーであると、誰が知っていたかを考えてみましょう。
   勿論、森委員長は知っていたでしょう。案外、彼から黒田に持ちかけたのかもしれません。
   運転手不在では混乱を招く──それでは『操縦』を楽しむどころでは無くなりますからね。
   そして当然もう一人、ダミーであることを確実に知っていた人物が居ます」

積木は京極の持っている紙束──二重消失事件ログを指さす。

積木「京極先生は事件ログを読んだとき、『運転手が森である』ことを知っていました。
   何故知っていたかは些末事です。隣席だったからでも、黒幕だったからでも構いません。
   ──ダミーと解っていれば、黒田の居残りが不自然にしか見えないことが重要です。
   そう、意味もなく運転席に留まっている──それも最後まで──不自然でしかない、
   そんな黒田の行動を見ているはずなのに、訝しむこともなく、誰にも話さず黙っていた……
   それだけで京極先生、あなたは最も怪しい犯人としての資格を得ていたのです──」

最後の推理、それを積木は京極にぶつける。
後は、評価。既に犯行を認めている京極に対する、説得力という名の探偵の力だ。

京極「フーダニットが強引すぎて後一歩足りていない──減点。
   推理劇が二転三転し、解りにくく、洗練されていない──減点」

重く響く京極の声。

京極「だが、しかし──
   自らの能力を最大限に発揮し活用した点、純粋推理のみでここまで解明した点、
   ──これらは減点を割り引いても充分な評価に値するだろう──合格だ、積木君。
   いや、これからはこう呼ぶべきか。MDC No.6 メタ探偵・積木鏡介、と──」

584 :名無しのオプ:03/03/26 02:57
京極の積木への合格宣言を受け、一挙に場がざわめく。
──といっても。実質ざわめいていたのは佐藤だけであった。
古泉は相変わらずアッラーという寝息しか立てず、西尾はいつのまにかソファに座っており、
壁に突き刺さっていた『カーニバル』を引っこ抜いて埃を払っていた。
京極は一転優しげな語調に戻り、積木の問題点を解説していく。

京極「今の解決のフーダニットは、森君をも容疑者としてしまっている点に強引さが隠せない。
   君が挙げた私が犯人である証拠は、同時に森君にも当てはまっていたんだよ。
   私のみに対するものは──『棺桶の傍には常に私が居た』、これだけでは弱い。
   搬送の指示は委員長である森君でもできるだろうし、居残りに対する不自然さは、
   『他に対する演技』と考えれば十二分に納得できるものでもあるからね。
   ──君は森君の犯行可能性をもっと強く否定しなければいけなかった。これが反省点だ」
積木「否定……できたのでしょうか?」
京極「まだまだだな、君も」

京極は薄く笑う。

京極「このログを見れば一発だ。森君がラジコンを飛ばし始めたのは何時だい?
   そう、古泉君すら搬送する前、到着直後だ。これでは──私がやったように──
   古泉君搬送に乗じてバス内を無人にする作業が確実にはできないんだよ。
   ──ああ、そうそう。搬送は、殊能君、蘇部君、新堂君、中島君に手伝って貰ったよ」
西尾「──成程。無事、解決したようですね」

積木の推理劇の間、一切の沈黙を保っていた西尾が突然言葉を放った。
何故か先の『カーニバル』を見せつけるように、京極、積木の方へ歩きながら。

西尾「では──ぼくも、ほんの少しだけ皆さんの時間を頂きましょうか。
   ふざけた論理が織りなすもう一つの解決──戯言遣いの本領にして本懐にして本分──
   なに、ほんの戯言です。お手間はとらせません。──これも戯言ですけど、ね」

585 :名無しのオプ:03/03/26 06:26
あああ!やっとMDCの意味が分かったよ

586 :名無しのオプ:03/03/26 10:01
津村は己の額から目に流れ込む汗を、手の甲で忌々しげに拭った。
右手に握った銃は、生垣の額から一瞬たりとも照準をずらさない。
(落ちつけ、どう考えても、僕の方が有利なはずだ。彼は丸腰じゃないか)
津村は必死で自分に言い聞かせた。
「生垣…、あんた、今、一人で会話してたよな。英語と日本語で。二重人格なんだろう?」
「なんだ、いきなりガンを突きつけてきて、強盗かと思ったらお前さんピーピーングトムって訳か?」
嘲弄するような口調で、応じる生垣。笑顔の中に凄みがある。
「ミスター津村。仮に俺の人格が、メフィ学入学に前後して乖離したとしよう。
しかし、それがなんだ? それが俺にガンを突きつける理由にはなるまい?」
「ああ、確かにそれ自体はどうでもいいことさ。僕だって、津山というもう一つの人格がある。
問題はそんな事じゃない。あんたの一人会話(572日本語、575英語)を聞かせてもらったが…
乾・高田・石崎・舞城をどうした?」
「俺はどうもしてないさ。彼らは子犬を救おうとして、崖下に落ちていった。
俺はそれをキャメラのフレームに全ておさめていた。それだけだ」
「それだけ? 違うだろう。あんたは言った。
『僕はあの子犬を、ルナティック・ケルベロスと名付けている』と。
ナンセンスだ、そのネーミング。いや、そのコードネーム。

秋月のデビュー作にでてきた殺人鬼の名前じゃないか。偶然とか言うなよ?
あんた、秋月と一緒に、何を企んでいるんだ!?」



587 :名無しのオプ:03/03/26 15:58
石崎「さあユリア、いい子だ。お手。お手だよ、ほら。ふん、このクソ犬めが」
乾 「おい、急に態度変えんなよ。映画『ジュラシック・パーク』に出てきた
   デブを思い出したぞ」
高田「ユリアと呼ぶから反応しないのだ。ほら、犬井。こっちだ。ダメだなあ」
乾 「だからその名前は止してくださいって」
高田「じゃあなんて呼べばいいんだ?」
子犬はきょとんとした顔で、人間たちのやりとりを見ている。
乾 「うーん。じゃあー、イヌくん、なんちって」
子犬「(嬉しそうに)わんっ!(と吠えて尻尾を振る)」
その場にいた全員がギョッとして固まる。
石崎「ま、まさか……」

588 :名無しのオプ:03/03/26 16:16
日明「ねえ高里さん。さっき関田君と話してるとき色々あって……そのう」
仲良く猪を調理している殊能と蘇部の姿を楽しく観察している高里に、
珍しく歯切れの悪い様子で日明が話し掛けてきた。
高里「なに? 色々って」
日明「えっと、霧舎君なんだけど、何か森の危ない方へ入っちゃってね」
それなりに罪悪感のあるらしい日明はモゴモゴと説明する。
それを静かに聴いた高里は、無表情で応えた。
高里「…………なんで私に言うの?」
日明「え?」
高里「私と霧舎君は、もう関係ないの。なのに皆がいつまでも気を使ったり
   私と関連付けて考えたりするから、いつまでたっても私達……」

まだ別れた気になれない。

日明は、高里の声にならない女心を確かに聞いた気がした。
日明「……そうね。考えてみたら森の中には新堂君とか中島君とか舞城君とかが
   いるんだから心配いらないわよね。わざわざあなたに言う必要なかったわ」
小さく『ごめんなさい』と付け足して日明は調理場を去った。

浅暮「心配いらない……か。本当にそうだといいんだが」
花粉にやられた真っ赤な浅暮の鼻は、それでも強烈な悪意を感じ取っていた。
それに導かれるように浅暮は小屋を出たのだった。
そして同じように森の入口で難しい顔をしている氷川を見つける。
浅暮「まるで別人ねえ……やっぱり生垣が絡んでいるのか。避けてはいられんな」

589 :名無しのオプ:03/03/26 18:50
>587と同じころ
森の中で新堂が立ち止まった。
新堂「忘れていた。これを持っていたんだった」
ポケットから取り出したのはホイッスルだった。新堂が吹く。中島が首をひねる。
中島「おい。鳴ってねえぞ。壊れてんじゃねえかそいつ」
新堂「いや大丈夫だ。これは犬笛といって、人間には聞こえねえが、犬にはちゃん
   と聞こえている。俺が呼んでるって、これでちゃんと伝わっているはずだ」
なるほど。人間の耳には聞こえないものの、犬笛の音はちゃんと届いていた。
高田たちが保護していた小犬のもとに。そして森にひそむ他の動物たちにも。

590 :名無しのオプ:03/03/26 19:57
崖下では新たな展開が待っていた。
子犬を抱いて立ちあがった石崎。他の三人を見わたしながら、
石崎「お気づきの方もいるかと思いますが、そう、イヌくんといえば、ウチの
   学園のマスコット。その飼い主といえば、学園の創設者でもある前校長、
   うや──誰だ!」
石崎は崖とは反対側の繁みを向いた。
広場をはさんで崖の反対側は、鬱蒼と木々の繁る森だった。人跡未踏の樹海。
誰もがそう思っていた。しかしその繁みの中から、下草を踏みしだく音がして、
そして姿を現したのは──


591 :名無しのオプ:03/03/26 19:58
秋月は森の中に潜んでいた。そこから高田たちの様子をじっと窺っていたのだ。
秋月(僕も目立ちたい。そのためには事件を起こすしかない)
しかしチャンスはなかなか訪れなかった。一度に四人を相手にしては、事件を
起こそうとしても、彼らに未然に防がれてしまうだろう。
そのまま様子を窺っていると、子犬を抱いた石崎が不意に演説を始めたのだ。
石崎「秋月の方もいるかと思いますが──」
彼にはそう聞こえてしまったのである。
秋月(ま、まさか。僕がここに潜んでいたことなんか、とっくにバレていた?)
慌てた秋月は枝に触れ、葉音を立ててしまった。
石崎「誰だ!」
秋月は観念して、繁みから姿を現した。石崎が目を丸くする。
石崎「秋山じゃないか!」
秋月(聞き間違いか……。そうだよ。誰も僕のことを「秋月」と正しく呼んで
   くれるはずなんてなかったんだ)


592 :名無しのオプ:03/03/26 19:59
石崎「どこから来たんだ? そっちは樹海だろ?」
秋月「えーと。樹海というのは一種の迷宮ですから。僕は迷宮学も修めてます
   んで、この程度の森では迷わないんですよ」
必死に言い繕う秋月であった。
乾 「じゃあそっちから脱出しようか。あのロープはどうも怪しいから」
舞城「ホントに大丈夫だろうな金物屋。おい。迷ったら承知しねえぞ」
秋月「だ、大丈夫です」
高田「では森を抜けて行くことにしましょう」
秋月の先導で一向は森の中を進んでいった。木々の幹に印が付けてある。それ
を辿ってゆくと、なるほど、ちゃんと森を抜け出ることができた。
森を抜けたところには川が流れていた。かなりの水量がある。
秋月「河原を上流に向かって行きます」
ここから先はしばらく一本道が続く。秋月が先導する必要はない。高田が先頭
に立ち、子犬を抱いた乾、かすかに足をかばうような歩き方をしている舞城、
そして石崎と続く。秋月はしんがりについた。
石崎「なんだか石がゴロゴロしていて歩きにくいなあ。道幅のやたら狭いとこ
   ろとかあるし」
秋月(ふっふっふ。このチャンスを待っていたんですよ。あなたは雪山のとき
   から目立ちすぎていたんですよ、石崎さん)
秋月は、前を行く石崎の背を、思いっきり川に向けて突いた。


593 :名無しのオプ:03/03/26 20:01
大きな水音に足を止め、川面へと目をやる三人。
石崎「た、たす……」
石崎が溺れていた。流れに飲まれかかったところで、川中に突き出した岩によ
うやく手がかかる。
舞城「おい、そのまま粘れ!」
石崎「やられっ……あくぅぷ……りょう……うがくぷっ!」
乾 「あっ!」
石崎の手が岩から離れた。あっという間にその体は川に飲み込まれ、流されて
ゆく。
乾 「助けなきゃ」
高田「もう遅い。この流れでは追い付けないだろう。どうしようもない」
舞城「それにしても、おかしなことを言っとったやろあいつ。やられた、とか、
   りょう、とか。……りょう?」
その目が秋月と合った。
秋月「ぼ、僕じゃないですよ。そんな、突き落とすなんて」
舞城「アホか。そんなん分かっとるわいボケ。あいつは『りょう』とかって名
   前のやつにやられたんじゃ!だけどそんなやつおったかな?……りょう?」
秋月「…………」(泣き笑いの表情)
学園の生徒の中でも、この「目立たない人トリック」が使えるのは、彼以外に
はいなかった。


594 :名無しのオプ:03/03/26 20:02
そのとき、かすかに地面が揺れた。
乾 「なんだ、地震か?」
舞城「いや、違う。何かが近づいてきとる」
なるほど。遠くから聞こえてくる木々のざわめき。それがだんだん近づいてき
ている。
高田「はっ。ま、まさか。石崎くんのアレが、召喚呪文になっていたのか?」
乾 「どういう意味です?」
高田「今回はせっかく大人しくしてくれていたのに!」
乾 「今回は、って、あ! まさか……」
高田「そうだ。考えてみたまえ。石崎くんは流される直前に、りょう、と言っ
   た。川の中でね。つまりそれは『Say "りょう" in 流水』ということに
   なるんじゃないのか」
乾 「そんな無茶苦茶な!」
舞城は何も言わずに、キッと空を見上げている。展開が気に入らないようだ。
秋月「な、何が起こってるんです?」
ひとり展開についていけていない秋月。それに構わず、繁みを揺らす音は一気
に近づいてきたかと思うと──


595 :名無しのオプ:03/03/26 20:37
「セリョーーーーッチ!」
薙ぎ飛ばされた木の葉が宙に舞う。グーにした片手を前に突き出し、赤白のまだら
模様に全身を包んだ何かが、茂みの中から飛び出してきた。いったん上流に向かい
かかったその飛行物体は、カーブを描いて川面すれすれを飛んでくる。
目にも止まらぬ速さで四人の前を過ぎ、はるか下流でザブンと川に浸かると、すぐ
に浮上する。その胸には石崎が抱えられていた。げふんげふんと噎せている。
飛行物体はあっという間に点になり、見えなくなってしまった。
秋月「さらわれた……」
舞城「この場合は、助けられた、と言うべきなんやろうな」
不本意だと言わんばかりの口調で言う。秋月は聞き流していた。
秋月(……ここは僕の見せ場になるはずだったのに……主役をさらわれてしまった)

596 :名無しのオプ:03/03/26 22:19
生垣は大仰に肩をすくめて、目を細めた。
「察しがいいな、ミスター津村。リョウ(秋月)は、演出を引きうけてくれたんだよ。
この俺の映像作品における、演出家が彼のポジションさ。
おかげで俺はキャメラに専念できる。
お前さんの言う通り、ルナティックケルベロスは彼のネーミングだ。
さっきの俺の一人会話は、リョウの台詞を反芻していたのさ。
くくっ、彼はいいな。心の中に相当鬱屈したものを持っていて……。
自ら『見えざる狩人の左手インビジブルハンターズレフトハンド』などと
嘲笑的なコードネームを名乗って、クラスメート達を崖下に突き落としていったよ。
彼の左手が、ミスター石崎達の背を押す様が、しっかりキャメラにおさまってるぜ」
「秋月……」
津村は胸を締め付けられる思いだった。彼はそこまで追い詰められていたのか。
目立たぬ事とは、それほどまでに人を傷付け、苛み、狂わせるのか。
秋月はきっと。
『目立たない事がアイデンティティ』などという、作家性とは全く無縁な個性しかない
己に、深甚たる絶望感をもっていたに違いない。
自分だってそうだ。少し前までは、名前を間違えられるだけしかネタがなかった。
北山の女装だって、作品や作家性とは全く関係無い。
秋月は己の存在を確立する為に、血みどろの闘争を始めたのだろう。
津村は目の奥が熱を帯びてくるのを感じた。





597 :名無しのオプ:03/03/26 22:31
だが。
クラスメートに対する暴挙を看過する事はできない。そしてなにより。
津村「生垣!! あんた、つまりは秋月の弱みにつけこんで、利用したって訳だな!!」
生垣「人聞きが悪いな、ミスター津山。お互い協力しあってるだけさ」

 僕 を 津 村 と 呼 ん だ な

よ、津村。なんでメフィスト学園に入校した?
敵をぶっ殺す為です!!

銃声。



598 :訂正:03/03/26 22:33
 僕 を 津 山 と 呼 ん だ な

の間違いです。って、いうまでもないか。

599 :1/3:03/03/26 23:10
銃声。

生垣「アウチッ!」
津村「俺を津山と呼ぶなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

銃声が静寂な森の中を突き刺す。
銃声という銃声が周囲に響き渡る。

津村「フゥ・・・・・・フゥフゥ・・・・・・」
生垣「Sorry、Mr.津村。君の名前を間違えたことは私のMisstakeだ。謝ろう。」
津村「貴様、まだ生きていたかっ!」

津村は咄嗟に銃口を生垣に向ける。
そして引き金に手をかけようとするその時------

600 :2/3:03/03/26 23:11
生垣「Wait!Mr.津村!君は何の為にこの俺の前に立ちはだかっているんだい?」
津村「何を言っている!お前達を止めるために決まっているっ!級友を見捨てることが出来るかっ!」
生垣「Hum、そうする事によって君に何のメリットがあるんだい?
   考えてみよう。この俺に協力することによって君は新たな『見せ場』や『キャラ』を得る。
   そして俺は美しい映像を手中に収める。みんなHappyじゃあないか。」

悪魔の囁きが津村の魂を貫く。
流血している左腕をかばう生垣がなおも魔の言葉を津村に紡ぐ・・・・・・

津村「だ、黙れ!その為に友人を売れというのか!」
生垣「誰かが死ぬわけじゃないさ。そもそも『彼等』は不当に目立ちすぎていると思わないのかい?
    Mr.石崎、Mr.氷川、Mr.舞城、Mr.西尾、Mr.清涼院、Mr.殊能etcetc。
    『何故自分は目立たないのに、奴等は目立っているんだ?』
    そう思った事が一度も無いとは言わせないよ、Mr.津村。
    『同じメフィスト学園の生徒なのに何故ココまで差があるのか?』
    それは君が積極的に事件に介入しなかったからさ。
    積極的に事件に介入すれば、自然と目立ち出番が増え新たにキャラを立てる事が出来る。
    さぁ、この俺に協力したまえ。そうすれば君の未来はhappyさ。」

津村「五月蝿い五月蝿い五月蝿い!そんな戯言に貸す耳などないっ!さっさと貴様の企みを中止しろ!
   さもなけr」
生垣「戯言・・・・・・そう戯言といえばMr.西尾だね。彼は実に興味深い『写体』だ。
   知ってるかね?今現在、Mr.西尾はMr.積木と一緒に推理劇の真っ最中だと言う事を。
   しかも『あの』Mr.積木がMr.京極に探偵としての合格点を貰ったという事を。」

601 :3/3:03/03/26 23:13
その言葉は津村を撃ち抜いた。
『積木が京極先生に合格点をもらった』
この一言が津村の動きを止めた。

生垣「Mr.西尾と共に行動をしただけで、『あの』Mr.積木は大活躍みたいだよ。
   Mr.津村。君も目立ちたくないのかね?
   俺と共に来い。そうすれば薔薇色の未来が君を待っている。」
津村「お・・・・・・お前の出鱈目につきあっている暇など・・・・・・ない。」
生垣「おいおいおいおい。今回の撮影旅行の為にこの俺がなんの準備もしない思っているのかい?
   あらゆる場所に盗聴器を設置済みさ。嘘だと思うならこの俺を撃ちたまえ。
   そして唯一にして絶対のChanceを失った事を後で知る事になるわけさ。」
津村「ぼ・・・・・・僕は。僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

よ。津村。なんでメフィスト学園に入校した?
敵をぶっ殺す為です!

よ。津村。敵って誰のことだい?
敵とは・・・・・・敵とは・・・・・・敵とは!




そして津村は『敵』を選択した。

602 :名無しのオプ:03/03/26 23:34
西尾は語り出す。

西尾「森先輩と黒田先輩が実行していた『バス運転手不在事件』と同じく、
   今回の『二重消失事件』、ここにもまたMDCを取り巻く神理が潜んでいたのです」
積木「またしても例の言葉遊びか?」

少々うんざりしながら、それがどのようなものなのか、楽しみに思う積木。

西尾「ええ。世界は戯言で満ちている──メタが支配するMDCの符号は既に、
   京極先生が犯行を行った、という事実さえ、明確に暗示していたのです」

     MDC → Meta-person Did Crime → メタ能力者が犯行を行った

積木「メタ能力者? 京極先生が?」
西尾「そうです。何も突飛なことではありません。
   京極先生の作品には、メタに相応しい登場人物(モデル)がひとり居たでしょう?」
積木「──榎木津か!」

京極はただじっと西尾の話を聞いている。

西尾「京極先生の作品に登場する榎木津は、人の記憶を見ることができた。
   メタ能力者である資格『自作におけるメタの活躍』という条件は充分揃っていたんです。
   あの『雪山スキー合宿事件』における、八面六臂縦横無尽たる裏方としての手腕、
   推理の超人的な冴えには、この能力の存在も大きかったのではないでしょうか?
   勿論、それを推理として昇華させる力が有ればこその、活躍では有ったでしょうけれど。
   ──しかし京極先生はそのメタ能力を、おくびにも出すことがありませんでした。
   そう、今までは──。ですよね。佐藤先輩」
佐藤「なんで僕に振るんだ?」
西尾「いやだなあ佐藤先輩。あなたは身を以て体験していたじゃありませんか。
   ログの>536。密室状況だった自分の行動を知られるというメタ体験を」

603 :名無しのオプ:03/03/26 23:35
京極「面白い。が、そんな証拠で私がメタであることは到底証明できない。
   戯言遣いを自認する君が、戯言の足下にも届かない妄言とは情けないぞ」

京極は子供を諫める親のように、西尾を諭す。だが──

西尾「そうですとも、それは百も承知です。これはただの薪です。
   やはり、解決編には推理の破れという盛り上がりが付き物ですからね。
    、 、 、
   憑き物ならばとことん落として魅せるのが京極先生への礼儀と言うもの。
                                モリアゲテ  オトス
   ──先程の積木先輩の推理劇もそうでした。『森挙げて、落とす』
   ではぼくもこれから落とすことにしましょう──これが真理の鍵だっ!」

西尾はあろうことか、持っていた『カーニバル』を京極先生に突きつけた。
                                          、 、
呆感(ポカン)とした雰囲気が漂う中、『カーニバル』からしおりが舞い『落ち』る
ログには栞についてこう書かれている、『少し大きめで不格好なしおり』と。
YES──それは確かに『機能として』栞だった。だから、NO──今は何なのか?
    、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
佐藤「竹ちゃんのイラストだ……」

積木「それってまさか……!」

京極「全く、今日は面白いことばかり起こる。キャンプに来たのは大正解だった──」

風もないのに風が吹き、しおりの表裏も役割も反転する。

───────────────────
 MDC No.0
───────────────────

604 :名無しのオプ:03/03/27 01:05
インターミッション2

秋月「生垣君」
生垣「なんだい、リョウ?」
秋月「津村もいっしょに目立たせてあげることできないかな?」
生垣「フムン。できなくも無いと思うが、why?」
秋月「……昔話になっちゃうけど、昔は結構つるんでたんだよ。
体育祭のころとかさ。僕ら、キャラが全然たたなくて、寂しくって……。
わざとあいつの名前間違えたりして、そのネタで随分ひっぱったなぁ……。
あいつをおいて、僕だけ目立っちゃ、なんか……悪いよ」
生垣「……」
秋月「はは、そしたら僕の出番がへっちゃうか。でも、……それでもいい」
生垣「オーケイ、リョウ。なんとかするよ。
まかせてくれ、俺はなんたって、メフィスト史上…」
秋月「最高の大型新人だっていうんだろ、ふふ」
生垣「ははっ」
立ち上がる秋月。
生垣「行くのか、リョウ」
秋月「うん。4人を崖下に落としたけど、やらなきゃいけない事はまだまだある。
『インビジブルハンターズレフトハンド』の犯行は、まだ続くんだ。
生垣君、もし津村をこっちに引き込む事ができたら伝えて欲しい。
彼の為に考えたコードネームがあるんだ」
生垣「……聞かせてくれたまえ」

    
秋月「……血涙に濡れる狙撃手ブラッディースナイパー」


605 :ありえない出来事、人それを戯言という:03/03/27 11:29
>>601
>俺と共に来い。そうすれば薔薇色の未来が君を待っている。」
謎の人物「そ・・・そんな!まさか生垣君が津村君の事を愛していただなんて!薔薇色の未来・・・・・・
あんな事やこんな事、そんな事までしちゃうのかしら。椎奈困っちゃう〜」

606 :名無しのオプ:03/03/27 13:07
>>605の高里は萌えるとこがちがーう。
ここは秋月が津村を想った発言をしたとこに反応するべきなのに(w

607 :名無しのオプ:03/03/27 19:21
上流に向かう途中、前を行く3人を、秋月は観察していた。
石崎が抜けて、乾、高田、舞城の3人。
上流には小さいが滝があることが確認されており、秋月はそこで犯行を告白して
名探偵と争いながら達壷に落ちていくという劇的なラストを迎える予定だった。
だが、名探偵たる石崎がいなくなってしまった。
(さて、代役は誰にしよう。舞城君…はやだな、返り討ちにされそうだ。
高田君…もある意味怖い。乾君……か?
うん、そうだな、彼もあんまり出番がない人だし。素敵なツッコミが期待できそうだ。)
そうときまれば、残りの二人を排除しなくては。
秋月は持ってきていた肉片を、こっそり、歩きながらまき始めた。
新鮮な肉だ。風が血生臭い匂いを下流へ、森の外にいるクラスメート達に運ぶ。
 
      月狂いの魔犬ルナティックケルベロス
      見えざる狩人の左手インビジブルハンターズレフトハンド
      血涙に濡れる狙撃手ブラッディースナイパー

まだまだ、ネタが尽きたわけじゃない!!
さぁ、匂いを嗅ぎ付けて、やって来い!!

      人食い魔マンイーター!!


608 :名無しのオプ:03/03/27 20:33
浦賀キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!

609 :名無しのオプ:03/03/27 20:57
ちなみに乾も秋月の元実況解説仲間ね

610 :名無しのオプ:03/03/27 22:10
秋月の希望通り、浦賀は来た。
秋月の思惑通り、ではなく。

彼はかつて、新堂に言った。
『もし森に入ったのなら、色々危険だろうから』

浦賀は、生垣・秋月の計画を、猪狩の途中で、偶然立ち聞きしていたのだ。
しかし、その情報は誰にも洩らしていない。
別に口止めされたわけでもなく、単にどうでもいいことだからだ。
「俺は自分さえ良ければそれでいいんだ」
笑わない男浦賀は、瞬きもしないままむっつりとひとり呟いた。

では、なぜ浦賀は再び森にやってきたのか。
秋月のまいた肉のため?
地面に落ちて、泥のついた肉のかけらごときのため?

違う。







611 :名無しのオプ:03/03/27 22:21
「!!」
藪の中から浦賀がのっそり出てくると、その場の全員に緊張が走った。
舞城「浦賀!糞こんなときにこのマザファッカ!」
痛々しい包帯姿で構える舞城。
高田「あわわ、まずいよまずいよ、麻酔薬はどこにしまったっけ……!」
ドラえもん状態の高田。
乾「食われるのか、やっぱりこの展開はー!!」
絶叫する乾。

秋月は高らかに叫ぶ。
「良くぞ来た、マンイーター!!
さぁ、獲物はどっさりだ、好きなだけ食らうがいいさ!!」
秋月の顔は喜色満面だった。思わず身悶えるほど計画通り。
ここで舞城・高田がリタイヤして、乾を滝へつれていけば、完璧に筋書き通りだ。
「さぁ、さぁ、マンイーターよ! 奴らに襲いかかれ!!」

浦賀「断わる」

612 :名無しのオプ:03/03/27 22:40
安藤スイッチON状態か。さすが多重人格。

613 :名無しのオプ:03/03/27 22:46
秋月「へ? 断わるって……?」
乾「……人肉、食べないの?」
浦賀「うん」
秋月「なんで?」
浦賀「さっき、殊能の作った牡丹鍋いっぱい食べてきたから、満腹なんだ」
周りの驚きなど意に介さず、浦賀は淡々と語った。
秋月「そ、そんな!!
だって、見せ場じゃないか、浦賀先輩の!
人肉食べて、包丁振り回すのが浦賀先輩のキャラでしょ!?」
浦賀「そんな事、誰が決めた?」
秋月「え?」
浦賀「メタ構造だかなんだか知らんが、パターン化したキャラクターを
演じ続けなくてはならないなんて、誰が決めたんだ?」

そうだ。
秋月は思った。
類型化しすぎたキャラクター性に一石を投じるつもりで、僕は生垣君の計画にのったんだ。
なのに、僕は浦賀先輩に、パターンを求めてしまった。
浦賀先輩だって、著作の中からいくらでもネタが引き出せる人なのに。
浦賀「自制しろ、秋月」
秋月は茫然自失なまま、浦賀の言葉を聞いた。
浦賀「目立つとか、目立たないとか、俺は全く興味ない。
お前が目立ちたいと思ったのなら、自分で選択し決断したのなら、そうすればいい。
結果も後悔もお前だけのものだ。……それだけ言いに来た」

あっけにとられている4人を捨て置いて、浦賀は再び藪の中に消えた。


614 :名無しのオプ:03/03/27 23:09
乾「なんだったんだ、今の……」
舞城「ファック!!あの野郎殊能の手料理を……!!」
高田「いや、問題はそんな事じゃない。秋月君。
どういうことだ!? 浦賀君を僕らにけしかけるなんて!
なにか、……酷く不穏な発言だったじゃないか。何を企んでいる!?」
いつになく声を荒げる高田。手には恐ろしげな薬品が握られている。
乾「そ、そういえば石崎が河に落ちたときも、君が後ろに……!?」
舞城「なんでもええ!お前を殴って憂さ晴らししてやる!!」

秋月、絶体絶命。

その時、空気を裂いて3発の銃声が響いた。
ばたばたと倒れる乾・高田・舞城。

ほっと息を吐く秋月。
「来てくれたんだね、ブラッディースナイパー」
藪の中から硝煙を上げる銃を手に、津村が現れた。


615 :名無しのオプ:03/03/27 23:28
麻酔銃で撃たれたというのに、舞城にはまだ意識が残っていた。
渾身の力で、秋月の足をつかむ。
そこへ、カメラを構えたまま生垣が駆け寄ってきた。
生垣「良い表情だ、ミスター舞城。でも、無駄なことだ。今のキミにはなにもできない。
かつてのキミの事は、皆に聞いたよ。福井スピリット。歪んだ家族愛。素直になれないハート。
GOOD! 実に良い個性だ。
だが、今はどうだい? すっかりまるくなって、社交性をもって。
俺は日本の方言には余り詳しくないけど、最近はキミ、福井弁じゃなくてただの関西弁じゃないか。
だめだな、それでは。映画バトルロワイヤルの川田君にでもなったつもりかい?
どうでもいいがね。
だが、今のキミでは、俺の作品の被写体たる資格はないよ。
せいぜい、エキストラの一人さ」
舞城は、世界の悪意を一点に集めたような視線を生垣に叩きつけ、力尽きる。
生垣「イエス!なかなかエキサイティングな表情が撮れた(笑)」


616 :名無しのオプ:03/03/28 00:22
>>615は一部職人のネタの書き方に対する批判だな

617 :名無しのオプ:03/03/28 00:34
乾は消えかかる意識の中、生垣のセリフを聞いていた。

……浦賀の奴、まるで別人だったな。
でも違和感はなかったし、何気にいいこと言ってた気がする。
今までそういう所を見る機会がなかっただけなんだろう。
生垣の奴もまるで豹変してしまったみたいだ。
この森には押し隠していた人格を解放するような空気でもあるのだろうか?
実はみんな、いつもは型にはまったキャラを演じてるだけなのかもしれない。
まるで観客に見せるためみたいに、わかりやすく、目立ちやすく……。
そういえば舞城は、確かに最近まるくなっちゃってた。
昔はクラスの中で一、二を争う危険人物だったのに。
いつのまにか頼りになる兄ちゃんポジションだ。
でも変わっちゃったわけではなく、
今までの展開上そっちの舞城が選ばれていただけで、
本当は舞城の中にはもっと別の……
表に出してはならないような舞城が……
いた……ような……

乾の意識が完全に沈黙したそのとき、
舞城は己の中の二郎を呼び覚ましていた。

618 :名無しのオプ:03/03/28 01:29
秋月「あれ?」
津村「どうした?」
秋月「今、舞城君動いたような気が……」
津村「まさか。猪だって眠らせる麻酔銃だぜ」
津村は銃を向けながら、倒れている舞城に近づいていく。
津村「ほら、しっかり寝て……ぉわぁ!!」
唐突に起き上がる舞城王太郎。
生垣「oh! ファンタスティック!!」
舞城「なにがファンタスティックじゃボケがぁ!!」
カメラを構えた生垣の鳩尾に、容赦のない前蹴りがつきささった。
3メートル離れた木の根元まで吹っ飛ぶ生垣真太郎。起き上がる様子はない。
舞城「上等じゃカス!生きているのがつらくなるほどの目に合わせてやるさけな!

      お前らこれからどんどん酷い目にあうんやぞ!!」

それは、『移動式地獄』の始まりだった。


619 :名無しのオプ:03/03/28 01:57
いいだろう、舞城。
こっちだって、ひくつもりはない。
奴がいかに凶悪だろうと、こっちだって本格SF者だ。バイオレンス描写で簡単に負けられん。
デビュー作において、街ひとつを皆殺しにした男、津村巧は微塵の躊躇もなく発砲した。
狙いは完璧。
だが、舞城は隣に倒れていた乾を盾にして、弾をふせぐ。
津村「な!!」
驚愕する津村。だが、驚くべきはそれだけではない。
舞城はそのまま乾の体を5メートル離れた津村に投げつけたのだ。
あまりの事に、反応が遅れた津村は、乾の体にぶつかり、銃を落としてしまう。
暴力の対する狂喜を顔面にこびりつかせ、津村に肉薄する舞城。
今まさに舞城の拳が振り下ろされ、津村がピストルを抜きトリガーに手をかけた瞬間。
銃に対する恐れを全く感じさせないまま、舞城の拳は振りぬかれた。

血涙に濡れる狙撃手ブラッディースナイパー……リタイヤ

620 :名無しのオプ:03/03/28 02:09
京極「この事件はね、いわば積木君への試験だったんだよ──」

解決編の大トリ、動機の判明へとフェイズは進む。

京極「メタ能力、これを持つ者はときに、最凶最悪の罠に落ちてしまうことがある。
   ──積木君。君は清涼院君があそこまで見事に、
   完全無欠の荒唐無稽なメタキャラとして活躍している理由が判るかい?」
積木「それは……彼の作中で表現されるメタの規模が桁違いだから」

積木は答えに詰まりながら、自分の考えを述べた。

京極「それも部分解としてならある。でもね、メタの質や量は本質的な問題じゃない。
   彼の超越した自由奔放さはね、『メタの使い方』に原因があるんだ。
   例えば記憶を見ることが出来るとする、これを推理に組み込むにはどうする?
   当然、制限が付けられる。能力者の性格でもいい、能力の限界でもいい、
   推理劇が面白くなる『手段』にまでメタを還元する──西澤先生の得意分野だ。
   対して、清涼院君は真逆なんだ。メタを突き詰めることで面白さを作る──
   つまり、彼のメタ能力は一切の制限がかかることがない。
   我々の運命を建築する哲学的なデミウルゴス──作者としての神のレベルでね。
   それが証拠に、清涼院君は今や著作に無いメタすら自由自在だ。誰も止められない」

京極のメタ講義は続く。

京極「しかし、だからこそ、清涼院君は事件の主幹とは無関係でしか居られなくなった。
   何でも出来るジョーカーは、通常ルールの世界では単独の意味を失ってしまう。
   犯人は清涼院です──何でも出来るからだ。探偵は清涼院です──事件解決だ。
   最早彼自体が、存在を『手段』に還元する制限プロセスが無ければ、
                       、 、 、 、 、 、 、 、
   事件に絡むことが出来ない──メタ現象そのものになってしまったのだよ。
   それが制限無きメタの先の先、極北をも越えていった者へと与えられる『役割』──」

621 :名無しのオプ:03/03/28 02:13
京極「そして──以前までの君も、そうなりかけていた」
積木「……」
京極「キャラクターが決まらないままでの、メタという個性のみの遊離。
   古泉君を救い出す──遠隔通信を行う──真相を悟る──
   『雪山』の裏での、君のメタの発揮ぶりは危険な兆候だった。
   早急にメタ個性以外に焦点を当て、その能力を制限する方向へ進ませ、
   メタを『手段』として扱えるように成長させる訓練と試験が必要だった──
   それがこの『二重消失事件』、西尾君の戯言風に喩えれば、

     メタ能力試験 → Meta Dicsipline and Challenge → MDC

   君は自らのメタを『記録を読む』という形で洗練し、見事に使いこなした。
   もう大丈夫だ。メタという憑物に、君自身がとり殺されてしまうこともない。
   ──良かった。本当に良かった」

積木は、自分の胸の中に熱い思いが湧いていくのを感じていた。
感動、感謝──こんなにも自分のことを考えていてくれる人がいたのだ。
目立たないことで鬱屈していた自分が、キャラが薄いことで悩んでいた過去が、
どこまでも馬鹿らしくなった。陳腐な展開? 構うものか。
必要とされていた。それだけで充分。俺は『積木鏡介』、キャラはここに在る──!

   ──津村──秋月……なあ。
   お前たちはそのシナリオの果てに何を得るんだろうな……

積木「本当に、ありがとうございました、京極先生……
   そして、西尾。お前にも感謝している。よくぞあそこまで振り回してくれた」
西尾「ぼくは空論を転がし、言葉で遊び、終始戯言を吐いていただけですよ。
   事件を解決しようとしたのも、推理の力も、メタの開花も、積木先輩の意志と力です」
積木「──もう解ってるよ、俺には。西尾、お前がこの事件の黒幕だったんだろ?
   実行犯ではなく脚本家兼誘導犯。『MDC最初の事件』の真の作者(デミウルゴス)──」

第二幕は閉じる。──そして第三幕へ、ひとときの幕間。

622 :名無しのオプ:03/03/28 02:24
舞城「くけけ、とりあえず大人しく寝てろや、後で生まれて来た事悔やむくらい可愛がってやるでな」
地面に倒れた津村に、残忍極まる笑みで呼びかける舞城。
舞城「さて、最後はおめぇか、秋月」
猫が鼠をいたぶる様に、ゆっくりと近づいて来る姿に、秋月は恐怖した。
(ああ、生垣君にそそのかされたから……! やめときゃよかったんだぁ)

『自分で選択して決断したのならそうすればいい。結果も後悔もお前だけのものだ』

そのとき、秋月の頭の中に、浦賀の言葉が響いた。
(そうだ。僕が自分で決めた事なんだ。……まだ全てが終わったわけじゃない)
秋月はリュックサックの中で眠っていた子犬を出して、揺すって起こした。
(頼む、ルナティックケルベロス、彼を呼んでくれ!)
子犬は舞城から発せられる殺気に気付くと、怯えて鳴き始める。
子犬「きゃいーん、きゃいーん」
ゆっくりと、地獄が近づいてくる。
舞城「秋月、俺に殺されるのと、そのワン公にフィレイシオした状態で顎蹴られるのと、どっちがええ?
ワン公のピナス齧り取ったら、命だけは助けたるわ、くけけ」
完璧に二郎である。秋月と子犬は風前の灯火に見えた。その時。

「犬の悲鳴が聞こえるから来てみれば、舞城、貴様俺の犬に何をするって? ……殺すぞ」
ポマードでガッチリと固めたオールバック。派手なスーツ。どっからみても筋者。
舞城の背後の茂みから、新堂冬樹が肩をいからせて現れた。瞳に凄まじい殺気。

(来たか…    悪夢の闇金社長ナイトメリュッシュポマード!!)


623 :名無しのオプ:03/03/28 02:33
爽やか解決劇とナンセンスバイオレンスが交錯。面白い!
だが秋月、その新堂のコードネームは小一時間(略 w

624 :名無しのオプ:03/03/28 03:53
舞城対新堂!夢の対決がついに!!!

625 :名無しのオプ:03/03/28 08:29
舞城と新堂の視線が絡み合う。2人から発せられる殺気に息苦しさを覚えながら、秋月は
物音を立てぬよう逃げ出そうとしていた。
舞城が勝てば報復の責め苦が待っている。新堂が勝っても子犬を事件に巻き込んだ責任をとらさ
れるだろう。どちらにしろ地獄だった。生垣や津村がのされてしまった今、秋月にとっては
”逃げる”ことが最善の選択肢なように思えた。

「秋月、お前の相手は俺だ」

秋月がはっとして振り向く。鋭い眼光が秋月を睨みつけていた。
元は白かったであろうその戦闘服は薄汚れて灰色がかっている。額に巻かれた真っ赤なハチマキ
その先が風にそよぐ。秋月に見せつけるように右拳を突き出したその人は

秋月「お前は…灰色のバトルサイボーグ、1人カラテ地獄変、クレイジーサイクロン中島望!」
中島「なげえぞ! この野郎!」

626 :名無しのオプ:03/03/28 08:43
なんか微妙に積木×西尾っぽいっすね

627 :名無しのオプ:03/03/28 09:06
竹「そういえばさー、きーちゃんこれからずっと女の子のかっこしてるの?」
北山「あうう、どうしようか迷ってる」
竹「僕様ちゃんはかわいいからいいと思うんだけどね」
北山「でも最近風当たりも強くなってきちゃって…、やっぱり作品から出てくるネタ
  じゃないと受け入れてもらえないんじゃないかなあって」
竹「うにー、生徒の人ってたいへんなんだね。僕様ちゃんはお気楽なもんだよ」
氷川「まあ、竹さんはある意味治外法権ですからね」
竹「むー、ひーちゃん、なんだかバカにしてない?」
氷川「いえ、ほめてるんですよ。本来なら一時のゲストキャラでしかない竹さんが、
  こうして特権的にレギュラーとして存在することを許されているというのは、
  竹さんに無視しえぬ魅力があるということなんですよ」
竹「そっかー。よくわかんないけど、僕様ちゃんはここにいていいんだね?」
氷川「ええ、あなたはすでに西尾君のキャラを立たせるための相棒としての役割から
  は脱しました。西尾君抜きで僕達とこうして歓談していることがその証拠です」
北山「いいなあ。僕も他にキャラ立てる方法ないかなあ」
氷川「そうですね………天使にでもなってみませんか?」
北山「天使! そうか!」
竹「きーちゃん天使かー。じゃあ羽とか作ってあげるよ」
氷川「いや、あの、僕の冗談はわかりにくいってよく言われるんですが……
  聞いてます?」

628 :名無しのオプ:03/03/28 09:09
御大にさらわれた石崎はどうなるんだろう(w

629 :名無しのオプ:03/03/28 09:14
中島「なんで俺だけでたらめなコードネームなんだよ!!」
秋月「ごめん、イジるコードネーム、もうないから」
中島「へっ、そうかいそうかい。弾切れってわけか」
……だめだ、『月長石の魔犬』ネタが尽きた所為で、良いコードネームも思いつかないや。
続編書いておけば良かった。
もう、ここまでなのかな……。
秋月は倒れている生垣を振りかえった。
どうかな、生垣君。良い画は撮れたかい?
積木君か、グレさんか、誰に聞いたかは判らないけど、中島は僕らの企みを知ってるみたいだし。
ここが潮時らしいよ。
津村。
舞城と戦ってる時のお前、格好良かったぜ。一歩も引かなかったもんな。
僕ら……けっこうイケてたよな。

秋月は己に迫る中島の拳を、人事のように見つめていた。

630 :名無しのオプ:03/03/28 09:25
崩れ落ちる秋月を尻目に、新堂と舞城は対峙してた。
舞城「どけや、新堂。おめぇも地獄見たいんか?」
新堂「黙れ。俺の可愛いアイツを傷付けさせはせん」
舞城「くけけ、そないにあのワン公が大事か?あんな犬畜生が……」
新堂「貴様、俺の愛するプチアンジェを侮辱するかァ!!」


天使が通りすぎた。


舞城「……プチアンジェ、ですか?」
新堂「プチアンジェだ。良い名前だろう?」
泣き笑いのような形容し難い表情で、舞城はしばらくたたずんでいたが、やがて血を吐いて倒れた。
新堂の背後では、中島も悶絶している。

立っているものは、新堂と。
ファンシーかつメルヘンな名前をつけられた子犬だけだった。

631 :名無しのオプ:03/03/28 09:27
はい、遠足編『まき』はいりまーす。

632 :名無しのオプ:03/03/28 10:51
>>622
雌犬だろ?舞城


633 :名無しのオプ:03/03/28 13:06
じゃあクンニの方向で

634 :名無しのオプ:03/03/28 13:09
プチアンジェ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!

635 :名無しのオプ:03/03/28 13:55
ソブタンの犬のぬいぐるみの名前なんだっけ?
あんちゃんていってたような・・・。

636 :名無しのオプ:03/03/28 14:07
>>622
フィレイシオやらピナスやら言うのは四郎では…

637 :名無しのオプ:03/03/28 14:58
むしろ三郎では。つーかどうでも良いし

638 :名無しのオプ:03/03/28 15:57
正確にはフェレイシオだよ

639 :名無しのオプ:03/03/28 16:06
石崎は川岸で途方に暮れていた。
石崎「状況からしてこいつが助けてくれたんだと推理できるが……」
その救い主が、石崎の膝の上で丸くなって寝ているのである。
時折「セーリョセーリョ……」と寝言を呟く姿に、何故だか哀れみを感じる。
石崎「こいつどうしてこんな生き物になっちゃったんだろうな」
もうずっと清涼院のマトモな日本語を聞いた覚えがない。
キャラ立ちしている清涼院を秋月あたりは妬んでいるのだろうが、
自分はこんな人外になってまで目立ちたいとは思わない。
本来は地味なサラリーマンの石崎だ。集団というものを知っている。
だからこそ石崎は、学園内の調和を取るような道化を演じてきた。
石崎「正直負担つーか、求められるものが大きくなってるんだよなあ」
個人主義の生徒達が周囲とコミュニケーションを取れるようになったのは、
自分の功績が少なからずあると思っている。だからこそ、増えていく責任。
石崎「あー面倒臭え。俺ってホントはリーダータイプじゃないんだよなー。
   窓際なのをいいことに、エロサイト見るのを楽しむキャラなんだよ。
   別に目立ちたいとは思ってない。むしろ逆なんだぜ、秋月……」
本当はアウトローなのだ。しかし他の生徒よりなまじ社会を知ってるだけに、
本来は疎んじていた社会性を発揮してしまっていた。
石崎「くそー。戻ったら日明あたりにセクハラして「最低!」とか言われたいな。
   毎日白い目で見られて、それでもヘラヘラしてられるのが俺なんだよ。
   名探偵が駄目人間のフリをしているんじゃない、駄目人間が名探偵を
   気取るからこそ面白みがあるんだと思わないか? 清涼院」
清涼院「名探偵。盟探偵。迷探偵。銘探偵。命探偵。冥探偵。鳴探偵……」
石崎「もう行くのか? 俺はもうしばらく休んでいるよ。面倒は他に任せた。
   どっかで誰かが暴走したりシリアスになりすぎていたとしても放っとく。
   きっと俺がいなくても誰かが誰かなりに何とかしてくれるさ。
   探偵は俺一人じゃない。みんなの中にいるはずなんだからな……」

640 :名無しのオプ:03/03/28 16:42
石崎かっこいいなあw

641 :名無しのオプ:03/03/28 18:06
>639
お疲れ様でした。

642 :名無しのオプ:03/03/28 18:13
そ言えば今霧舎って何してるんだっけ

643 :名無しのオプ:03/03/28 18:26
 氷川と竹の言葉になにやらうつむき、真剣な表情で考え込む北山。
 しばらくして面を上げた北山は、迷いのないきっぱりとした口調で言った。
北山「よし、決めたよ。もう女装なんかしない」
 そう言うと北山はさっぱりとした表情になり、物陰に消えた。
 そして再び氷川と竹の前に現れた北山は、もはやどこから見てもちょっとバタくさい顔の男だった。
北山「ふう。ずっと特にしたくもない女装をしてたから、何かすーっとした気分だよ」
竹 「うん、やっぱり自然なのが一番だよ。きーちゃん、どっか不自然だったもん」
氷川「そうですね。自分の個性を殺してまでして目立っても、何の意味もないですから」
北山「ええ。これからは自分本来の個性をアピールしていくよ。そう、作り物じゃない、ね」
竹 「僕様ちゃんも応援してるからね。……で、きーちゃんの個性ってどんなだっけ?」
北山「……」
氷川「……」
 竹の無邪気な言葉に凍りつく二人。強ばった笑みを浮かべる二人に、竹は首をかしげて言った。
竹 「うに? どしたの二人とも?」
北山「ま、まあ、これから頑張って探してみるよ……」
氷川「そ、そうですね、個性なんてものは自分の中に見出すものですから……」
竹 「ふ〜ん、個性って大変なんだ。御大ちゃんとかいーちゃんとか、そんな努力してそうにないけどなー」
北山「竹さん、あの濃い二人と比べられるのはちょっと……」
氷川「確かにあの二人は、キャラ立ちに関してはこれっぽっちも苦労してなさそうですからねえ……」

644 :名無しのオプ:03/03/28 18:39
竹 「でもき−ちゃんが女装やめちゃったから、衣装やかつらが余っちゃったね。そだ、ひーちゃんが着るのはどう?」
 竹の唐突な言葉に、驚きの表情を浮かべる氷川。
氷川「え……そ、それはちょっと……」
北山「ああ、それはいいかもしれないですね。氷川さんは小柄だし、童顔ですし、僕よりずっと似合いますよ」
氷川「で、でも、自分のキャラを無視するのはいかがなものかと……」
 もごもごと拒否の言葉を並べる氷川。しかし何故かその口調は、妙に歯切れが悪い。
竹 「そいえばひーちゃんって確か、自分のことを女子高生って言ってたんだよね。それに、いーちゃんも言ってたよ。
   メフィスト学園で女装が似合いそうなのは、自分を除けばひーちゃんと、あとはかずちゃんとかかなって」
北川「じゃあキャラ的にも問題なしだね。せっかくの機会だし、ちょっとだけでも試してみるのはどうかな?」
 竹と北川の言葉に、いかにも仕方がないと言ったそぶりで、何故かそわそわしながら答える氷川。
氷川「しょ、しょうがないですね、僕は女装なんかに興味はないんですがなあ、じゃあちょっとだけ、やってみようかな……」
竹 「うに。僕様ちゃんも手伝うよ。お化粧とかもするだろうからね」
 そう言うと氷川と竹は、北山の纏っていた女装道具一式を持ち、着替えに行ってしまった。
北山「氷川さん……なんか妙にノリノリだったような……そういえば彼って、ちょっとナルシストぽかったよね……」


645 :名無しのオプ:03/03/28 19:58
幕間2

ブルブルブル

 暗闇の中で子供。
 頭に中に舞城の作品名が思い浮かび──
 腰の辺りの振動に目が覚める。まだ意識ははっきりしない。

 どこだろう?
 なにしてたっけ?
 なんで寝てたんだっけ?

〜♪ 〜♪

 メロディが聞こえる。ハロプロの曲、僕の好きな携帯着信音だ。
 少し音源が足りないのか。少々チープ。でもまあ、それもまた良し。

 ああ、そうだ。思い出した。僕は森先輩に誘われて運転席に座っていた。
 それで到着したときに、京極先生に待っているように言われて──

ピ

 もしもし?
 ……返事がない。ん? 何か、聞こえる──

少し前のことであった──

646 :名無しのオプ:03/03/28 20:06
……よ、津村。なぜメフィスト学園に入学した?
――お呼びじゃない!今は眠らせてくれ。
……よ、津村。メフィスト学園でどんな作品を仕上げた?
――もう、後で!
……よ、津村。メフィスト学園でこれから何をするんだ?
――いい加減にしてくれ!
……よ、津村。敵が目の前にいるぞ!さあ、どうする?
――失せろ、ての!
……いいザマじゃないか。こてんぱんだな。お前をこんな目に遭わせる奴はどうするんだ?
……殺して、殺して、殺しまくります!
――いや。これは自業自得だ。見せ場やキャラ立ても大事だが、そんなものは
  自分で作品を書いて、その中で増えていくものなのに。
……その割には随分軽い引鉄だったな。なんの躊躇いもなかったじゃないか。
――麻酔弾だったからさ。それに、ああいう時には体が咄嗟に動いてしまうんだ。
……フン。全く優秀な水兵さんだ。奴は怪我をしていた。決して軽くはなかったはずだぞ。
  そこに麻酔を撃ち込んで、どうなっても責任を取れたのか。
――生垣の計画の中でのことだ。僕のせいじゃ…それに麻酔の量だって…
……命令でした、は言い訳にならないんだ。スピード違反でもそう弁解するのか?
  『貴様、何マイルで走っていたと思う?80マイルだ!』
  『いや、命令だったんですよ』
  そんなのが通ると思ってるのか?え?ふざけるな。
――でも・・・
……でももクソもあるか。ホラ、答えろ!お前があんな目に遭わせた!どうする?
――……
……舞城じゃない、生垣でもない。敵は目の前、お前の目の前だ!さあ、どうする?
 衛星軌道上を漂っていたの津村の意識は、ようやく肉体に戻った。
 涙が、止まらない。
 ――そりゃそうだ、鼻っ面を殴られたもんな、思いっきり。
 そんな風に思うことにした。


647 :名無しのオプ:03/03/28 20:53
積木「他の事件が切迫しているな……負傷者も出てる。
   というわけで、時間が惜しい。手早くいかせてもらう。
   ──西尾、お前は俺の推理に納得していたのか?」
西尾「ぼくを黒幕だと言ってみたり、推理の評価をしてくれと聞いてみたり、
   積木先輩もいろいろ忙しいですね。──それで、ああ推理の評価ですか?
   それはもう完璧なまでに納得ですよ。京極先生のお墨付きですし、ね」

積木はその言葉に頷き返す。

積木「そうか。完璧か──これで確信できた。お前が黒幕だったことが」
西尾「何を言い出すんです?」
積木「京極先生の犯行時間の猶予を作るため、
   バス到着すぐにお前に話そうとしていた俺を森へ俺を誘導したとか、
   俺の推理を誘導するためにヒントや証拠を用意して提出していたとか──
   そういう数ある状況証拠はともかく、重要なのは今の言葉だ。
           、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
   だって、俺は推理にひとつ大穴を空けたままなんだからな。完璧なんて程遠い」
佐藤「またどんでん返し……幾つ用意してるんだよあんたら……」

呆れている佐藤をしり目に、積木は続ける。

積木「黒田消失の謎は確かに解いた。でも、これじゃ一重消失でしかない」
佐藤「津村は? あ。そうか。津村は消えたんじゃない、そもそも居なかったんだ」
積木「そう、津村は居なかった。でもその代わりに居たんだ、『津山』という名の人物がな!」
佐藤「そうだよ! この事件、『津山』も消失してるんじゃないか……」

『津山』。
座席表に在り、バス走行中に居り、そのまま消えている謎の人物。
その存在は、一体何だったのか? どこへ消えたのか?

積木「──西尾。京極先生でもいいです。話してください。
   何故、『津山』という津村の影武者を用意し、そして消えたことを隠していたのか──」

648 :名無しのオプ:03/03/28 20:54
京極「『津山』、か」

遠くを見るような京極は、感慨深く呟く。

京極「あれこそまさに神秘だったのだ──
   ──この世には不思議なことなど何もないのだよ──
   その謳い文句をあれほど実感できた経験は無かった」

どこか夢見のように、上の空で語られる京極の台詞。
戸惑いながらも、積木は為すべき事をした。
おもむろに懐から携帯をとりだしたのだ。

積木「──この携帯、どこに繋がっているか解りますか?」

携帯からほんの少し、向こう側からの音楽が漏れ出ている。

佐藤「……その曲はもしかして」
西尾「あちゃあ。ぼくとしたことがこんな下らないミスをしてましたか」

その場違いにポップな曲調が音量と共に少しずつ大きくなり、
現実に山小屋の外から聞こえる全く同じ曲との二重奏状態になる──
バァン、と入口の扉が開かれた。

   「お待たせしました! ──黒田研二、ただいま見参!」

佐藤「黒田…さん! 棺桶の中にいるんじゃなかったんですか!?」

ハロプロの曲と共に、今まで一番目立つ余地の無かった不遇の男、黒田。
ここに再登場を果たす──

649 :名無しのオプ:03/03/28 21:59
霧舎はその惨状に咄嗟に言葉が出なかった。

霧舎「……何があったわけ?」
何人ものクラスメイトがあちこちで倒れている。
無事なのは胴着姿の中島と子犬を抱えた新堂だけだ。

中島「まあ、色々とな。それよりも霧舎、手伝え。
   さすがに俺と新堂でも、この人数は一度は運べん」
彼はそう言いながらも既に高田と乾を背負い、更に秋月の腕を取っている。
中島「新堂、お前も早く動け」
新堂「わかってる」
新堂は子犬を地面に下ろすと、向こうで気を失っている生垣の方へ行く。

ふと、霧舎の一番近くに倒れていた津村が呻いた。
その側にしゃがみこむと、津村はうっすらと目を開ける。
霧舎「あ、津村…大丈夫か?僕がわかるか?」
津村「………」
問いかけに反応するかのように微かに唇が動いたが、空気が震えただけで言葉にはならない。
目は開いているが、霧舎の姿を映しているのか定かではない。

不意にその目から、涙が溢れ出した。涙は止めどなく津村の頬を伝っていく。

霧舎「津村……?」
何故津村が泣いているのかは知らない。
この状況から考えれば、何か酷い目にあってその恐怖からの涙だとも考えられる。
けれど霧舎にはそうは思えなかった。

津村の表情はひどく安らかだった。

650 :名無しのオプ:03/03/28 22:01
積木「座席表を見たときから思いついてたんだ。
   『黒田の携帯番号に電話をかけてみたらいいんじゃないか?』と。
   同時に、西尾の不自然な行動にも気付いた。
   『そういえば西尾はバス最後尾に行って何をしていたんだ?』と。
   この二つを合わせて考えれば、簡単に結論が出る。
   『西尾も黒田携帯の危険に気付いた。だから回収しようとしていた』
   ──『忘れ物』というのは黒田携帯のことだったんだろう、西尾?」
西尾「──まあ、ここまで来れば隠し事なんてどうでもいいことですね。
   そうです。バス最後尾に眠らせておいた黒田先輩から──」
佐藤「ちょ、ちょっと待て。棺桶トリックはどこへ行ったんだ?」

なんだかツッコミしかしていない気がするが、佐藤はそれでも突っ込むしかない。

西尾「棺桶トリックを使って消失させたのは『津山』の方なんですよ。
   黒田先輩は、古泉先輩搬送後よりもあと──棺桶搬送後に京極先生が眠らせ、
   バス最後尾の棺桶があったところに安置して置いたんです」
黒田「あのときは何事かと思いました……」
京極「すまなかった。色々と予想外のことがあったのだ。迷惑を掛けた……」

黒田は笑いながら言葉を返す。

黒田「まあ。事情は携帯を通じてだいたい聞かせて貰いました。
   正直積木さんがここまで目立ってるのは悔しい気もしますが、
   メタ化阻止……良い話でした。だから僕は気にしませんよ、京極先生」
西尾「そういえば、なぜ携帯が? 黒田先輩のはここに、ほら、お預かりしていたのに」

西尾は疑問とともに、黒田から回収していた『忘れ物』──携帯を黒田に返した。

黒田「単なる偶然だよ。最近の機種は音も綺麗になってきているしね、そろそろ、
   新しいのに切り替えようかと試用させてもらっていて──2台持ってただけだよ」
西尾「偶然にかなうもの無し、とは。本格推理の極み。とんだ戯言──傑作ですね」

651 :名無しのオプ:03/03/28 22:03
積木「さあ、もういいでしょう。
   推理劇の間、黒田が入っているということになっても、
   一向に空けようとはしなかったこの棺桶──『津山』をそろそろ表に出しても」
京極「やめておきなさい。その棺桶を開封するのはまだ止した方が良い。
   ついさっきのことだ。積木君たちが来る少し前、彼は大いに暴れた。
   なぜ棺桶に閉じこめていると思う? それはね、棺桶が封印だか──
                       、 、 、 、 、
   ──黒田君っ、離れなさい! 近すぎるぞ」

黒田「えっ」

黒田は知らぬ間に、不用意に棺桶に近づいていた。
京極の注言。何より異様な気配を感じて、黒田は一歩後ずさりをする。

パァン

銃声が轟いた。続いて轟音と共に棺桶が荒々しく吹き飛び、天井に叩きつけられる。
落ちてきた棺桶の蓋が、ベッドに寝ていた古泉を上手く隠すかたちで被さった。
──そして、拳銃を持った津村と同じ体躯同じ顔の男、『津山』がそこに居た。

黒田「つ、津村っ!?」
津山「津村、だと! 違う!間違えるな! 俺は、『津山』だっ!!」

黒田に突きつけられる銃口。
緊張が一瞬にして山小屋を支配する。痛いほどの沈黙と静寂。
誰も声を出さず、誰も動かず、誰も何も考えられない数刻──

津山「俺は『津山』……俺は、俺はっ! クソッ、津村ァァ!」

絶叫をあげながら、津山は窓をぶち破って外へ飛び出していった。
森の方へ、本当の津村がいるであろう、川を目指して。


652 :名無しのオプ:03/03/28 22:10
霧舎「で、本当に何があったんだよ。子犬は見つかったみたいで良かったけど」
中島「俺にも全部はわからん。いや、誰も全てを語ることは出来んのかもしれんな」
霧舎「え?どういうこと?…あ、生垣君のカメラが壊れてる…
   あーあ…せっかくたくさん撮影してたのに…」
中島「一応、その残骸も持って帰るか。大事なものみたいだからな」
霧舎「そうだね。……って、舞城が血を吐いてるんだけど…何で…?」
中島「まあ、色々とな」
霧舎「うわ!乾、良く見れば撃たれた痕がない?しかも二発も!」
中島「まあ、色々とな」
霧舎「秋月の顔面が血まみれだけど…鼻血?」
中島「まあ、色々と……いや、すまん。それは俺だ」
霧舎「…………」

中島「さあ、それでは広場へ戻るか。川沿いに歩いていけば出られる筈だ」

653 :名無しのオプ:03/03/28 22:55
黒田「なんなんです……か? あの『津山』は……あれは誰なんです?」
京極「あれは、もうひとりの津村君なんだ──
   ピクニックの前日、津村君が私にカウンセリングを受けに来た。
   どうにも目立たないこと、津山と呼ばれること、その他様々な抑鬱が──
   憑物が見てられないほど酷かったのでね、憑物落としをすることにしたんだ」

京極は津山の行った方向を確認しつつ、早口で喋り続ける。

京極「まあ、それは滞り無く成功した。事後治療は必要そうだったが、
   彼は自分の進むべき道を見つけていたようだった。そこまでは良かった」

真相が明かされていく。

京極「しかし、その後で大きな災害に出会ってしまった。
   清涼院君が突如乱入してきてね、津村君とぶつかって──
   気付くと津村君が二人になっていた」
黒田「そんな馬鹿な……」
京極「それが『清涼院君という現象』の性質なんだよ。ただし幾らなんでも、
   これは尋常じゃ無さ過ぎる。直ぐに清涼院君に戻させるつもりだったんだが──
   その間もなく、彼は津村君の片方を攫って逃げてしまったんだ。
   その時巣に戻る、のような意味を喋っていたような気もするが、確証はない」
積木「別ルートってこれか! だから既に津村が森にいた……
   清涼院の巣……さっき石崎が連れて行かれてたところか?」
京極「間に合わなかったものは仕方がない。
   で、もうひとりの津村君に話を聞こうとすると──それが『津山』君だったんだよ。
   聞くと、なんとなく津村君の場所が判るっていうんでね。
   ピクニックの行き先をここに決めさせてもらった」
佐藤「……さっきまで間違いなく本格だったのに、清涼院は凄いな……」
京極「本当は津村君を捜索するつもりだったんだが、
   バスが到着した後で『津山』君が暴れてね。落ち着いてもらうために消失してもらった」
西尾「『二重消失事件』は、急場仕立ての被害者変更だったんですよ。
   本当は『津山』さんを使うつもりでしたが、黒田先輩を巻き込むことになってしまった」

654 :名無しのオプ:03/03/28 22:56
そして、ひときわ大きい声を張り上げる京極

京極「とにかく、だ。緊急事態になってしまった。
   佐藤君、君はここで古泉君を介抱しつつ待機しておいてくれ」
佐藤「分かりました……
   棺桶の下で、古泉先輩大丈夫ですかぁっと」

京極「黒田君、君はキャンプ地にいる皆にこのことを報せに行ってくれ。
黒田「了解です、先生!
   出番だ活躍だ! 残り組の陣頭指揮を執りましょうとも!」

京極「積木君、君はメタの力で『津山』君の行き先への道案内を頼む。
積木「追跡組……妥当ですね。出来るだけ力になりましょう。
   年は食ってますが、今の俺なら誰にも負けませんよ」

京極「西尾君、君は万が一の際に『津山』君を取り押さえる役目を頼む──」
西尾「本当はやりたくありませんが、最悪の時には引き受けましょう。
   ……骨が折れようとも、竹ちゃんへ及ぶだろう被害は食い止めますよ」

一呼吸。

京極「──佐藤君、黒田君、後は頼んだ。
   ──積木君、西尾君、行くぞ!」

3人は、『津山』を追いかけて森の中へと向かう──

655 :名無しのオプ:03/03/28 23:53
中島「霧舎、もたもたするな。早く行くぞ」
霧舎「そんなこと言ったって…津村だって重いんだよ」
新堂「贅沢言うな。中島三人、俺が二人、お前は一人だ。一番楽だろが」
霧舎「楽じゃないよ!津村、何かいろいろ装備してるし」
中島「気合いだ、気合いで何とかしろ。全員怪我人なんだ。
   特に舞城はやばそうだしな、津村も手加減無しで殴られている」
新堂「ここでいつもなら高田の野郎が嬉々として治療するんだろうが、
   まさか今回はこいつまでダウンとはな。
   本当に、どうなってやがるんだか。この間の雪山より酷いことになってねえか?」
霧舎「あれ?新堂君は詳しい事情は知らないんだ」
中島「ああ。さっきのさっきまでソイツのことしか考えてなかったからな」
新堂「そんなことねえよ」
中島「まあ、そんなことは今は良い。この森を出るのが先決だ。
   …霧舎、背負えたな?よし、出発するか。川に落ちるなよ」
霧舎「ひいい…何で君達は二人も三人も抱えて平気なんだあ…」

656 :名無しのオプ:03/03/29 01:24
……数日見てないうちにこんなすばらしい展開になってるなんて。リアルタイムじゃなかったことが悔やまれる。
ともかく、藻前等最高です!

657 :名無しのオプ:03/03/29 01:26
非常に面白いです
職人さん乙です

658 :名無しのオプ:03/03/29 02:21
2系統在った事件がひとつにまとまってる!

659 :名無しのオプ:03/03/29 02:29
日明はあわただしく数人が山小屋を出ていくのを見た。
日明「あら、京極先生。何かあったのかしら?」
追いかけようと思ったが、何となく思い留まる。
京極は教師の顔をしていた。真剣な展開のようだ。邪魔してはいけない。
日明「でも、私だって真剣な想いを抱いているわ」
独り言は虚しく響いて聴こえた。
日明「どうも調子が出ないわ。高里さんがいつもと違ったから私まで……」
さっき会った高里は、恋愛問題に悩むナイーブな女の子のようだった。
日明「まるで……」
浅暮「まるで別人、か。どいつもこいつもだな」
日明「と、突然何よ。この酔っ払いが」
浅暮「俺も常に呑んでるわけじゃないぜ。高里が常にヤオイのことばかり
   考えているわけじゃないように。誰かさんが常に男のことを……」
日明「ちょっと。遠回しに言わないではっきり言ったらどう?」
浅暮「じゃあ言うけど。お前、本当は京極先生のこと好きじゃないだろう」
時が止まった。日明は咄嗟に言い返せない自分に驚いていた。
日明「私……でも……だって……」
浅暮「でも高里とキャラが被りたくないから? だって女子が少ないし?」
日明「そうよ! 仕方ないでしょう? あのオタク娘の他に女は私だけなのよ。
   この男所帯の中で、あの子は男と男の組み合わせばかり考えてる。だから
   正常な女として誰かを意識したり女の色気を出していかなきゃって!!」
叫ぶように言い切った日明は自分の言葉に呆然とした。
しかしそれは間違いなく本心だと認めざるを得ない。
日明「そうよ、単なるポーズ。京極先生や笠井先生なら、絶対に相手にされないと
   わかっていたからこそ好きなフリをした。だって本気にされたら困るもの」
少し泣き笑いのような顔をして浅暮を見る。
日明「どうしちゃったのかしら、私。ずっと自覚しないようにしてきたのに」
浅暮「今回のテーマらしいぞ。キャラを見つめ直すというか人格の解放というか。
   似た症状があちこちで現れてる。それぞれ方法は違うみたいだけどな」
日明「そう……さっきすれ違った積木君がイキイキしていたのはそれなのね」

660 :名無しのオプ:03/03/29 02:45
しばらくして、日明は晴れ晴れとした顔をしながら言った。
日明「私、それでもこのポーズをやめないと思うわ。急にキャラは変えられない」
浅暮「そうか。お前がそう決めたんならいいんじゃないか?」
日明「ええ。あなたもせいぜい売れない著作と照らし合わせて自分探しをしたら?
   私は美人秘書である自分が好きなの。当分はこのままで行くわよ。
   そのうち本当の恋に落ちるかもしれないしね…………あっ、関田君!」
日明はいつのまにか一人ぼっちになっていた関田を見つけ、駆けていった。

浅暮「やれやれ。耳が痛いことを言われたな」
不穏な空気を嗅いでも森に入らなかったのは、みんなのように自分が変わって
しまうかもしれないことを恐れていたからか。
浅暮「あるいは変われないことを恐れていたか……ま、どっちでもいいか」
苦笑して、浅暮はようやく森へ踏み出した。
騒動の元を目指して。

661 :名無しのオプ:03/03/29 03:28
最近読んだどの本よりも続きが気になるぞー!!
おもしろすぎ。久しぶりに読書で夜明けを見たよ。
職人さん達乙です。

662 :名無しのオプ:03/03/29 15:34
積木だ。
ROMのためにも職人のためにも生徒のためにも。
分かりやすく現在状況を把握してみるぞ。参考にしてくれ。

・津村へと向かっている
 『津山』(身体付き津村裏人格)

・『津山』追跡組
 京極・西尾・積木

・負傷者搬送組
 新堂・中島・霧舎
 (気絶中@霧舎):津村
 (気絶中@中島):乾・高田・秋月
 (気絶中@新堂):舞城・生垣

・森の中
 古処・石黒、浦賀(我関せず)、浅暮(事件の中心へ)

・清涼院の巣
 清涼院(外出?)、石崎(休憩中)

・残り組
 黒田(陣頭指揮)、蘇部・殊能、高里、日明・関田
 (女装談義):竹・氷川・北山

・山小屋組
 佐藤、古泉

・不明
 森

663 :名無しのオプ:03/03/29 17:41
>662 積木グッジョブ。
そういえば古処・石黒を忘れてたな……。

664 :名無しのオプ:03/03/29 18:03
石黒と古処は遊歩道を外れて、崖だか獣道を登っていったような気がしる

665 :名無しのオプ:03/03/30 22:04
森の中。春近しとはいえ結構冷えるものだ。
そんな中、石崎はぬくぬくとコタツに入ってビールを飲んでいた。

石崎「清涼院様々だなぁ」

石崎が居るのは清涼院の巣の中。
川の上流の方、森の中になぜか突然建っているコンクリート住居であった
ふと、誰かの気配を感じる。

石崎「ん……清涼院か?」

振り向いた先には、黒ずくめの衣装に身を包み、
流れるような長髪でサングラスをかけた清涼院が立っていた。

清涼院「……行かなくてはならない。皆が私を読んでいる」
石崎「お。本気モードの清涼院だ。今回は九十九と竜宮がベースか」
石崎「切腹探偵……留守を頼む!」

言うや否や、常人とは思えない──まあ常人ではないのだが──速度で、
森の中をどこかへと疾走して消えてしまった。

石崎「切腹探偵ねぇ。ま、これからは腹割って生きるさ」

ビールは、まだ半分ほど残っている。

666 :名無しのオプ:03/03/30 22:05
×石崎「切腹探偵……留守を頼む!」
○清涼院「切腹探偵……留守を頼む!」

667 :名無しのオプ:03/03/30 23:44
京極、積木、西尾は森を駆けていた。

積木「とりあえずこのまま真っ直ぐ。もうすぐ川に出る」

川沿いを下っている津村たちに出会うためには、
やはりこちらも川沿いを上っていくのが効率が良いと判断した。

京極「『津山』君の方は?」
積木「まだ津村には接触してませんね。まもなくでしょうけど……」
西尾「もはや負傷者搬送組次第、ですか。出会ったときどうなるかは」

話している間に渓流に到着した。
少し肌寒いが、青い空、降り注ぐ陽射し、流れる水の音──
石の河原を踏みしめ、三人はしばしの景勝に心奪われる。

積木「この川です。この上流に津村たちが──」

     「遅かったな……諸君」

三人「!」

河原には先客が居た。
こちらに背を向けた後ろ姿が目に入る。
黒ずくめの衣装に身を包み、長髪を流し──

西尾「御大!」 積木「清涼院!?」 京極「清涼院君か…」

清涼院流水。メタの化物ではない生身の清涼院がそこにいた。

668 :名無しのオプ:03/03/30 23:45
呼び声に、清涼院が京極たちの方に振り向く。

西尾「御大、思ったより早かったですね」
積木「西尾が呼んだのか?」
西尾「ええ。この携帯の電源スイッチをオンにすることでね」

     電源ONの携帯 → ON携帯 → オンタイ(御大)

積木「……」
京極「この世には不思議なことなどなにもないのだよ……積木君」

清涼院は大仰に手を広げ、

清涼院「『MDC最初の事件』を終わらせるため、
   MDC総代として私は覚醒し、ここに揃ったMDCを率いに来た──」

清涼院は言い放つ。

京極「言われてみれば、追跡組は全員MDCを選んでいた……これも符号か」
積木「清涼院。『MDC最初の事件』──消失トリックはもう解けただろう?」
清涼院「──西尾氏。君ともあろう者が、この言葉遊美を解いていないのかね?」
西尾「解けてはいるんですけどね。説明する雰囲気も暇もなかったので」
清涼院「ふむ、では走りながらで良い。聞いてくれたまえ。
   ──今回このピクニックで起こった事件全てが、『MDC最初の事件』と言えるのだ」

669 :名無しのオプ:03/03/30 23:45
走りながら、積木は起こっていた事件を思い返す。

積木「今回の事件というと……
   森と黒田による『運転手不在事件』。京極先生と西尾による『二重消失事件』。
   秋月と生垣による『迷子犬事件』と、裏生垣の煽動による『映画監督事件』。
   そして今真っ最中の、津村と清涼院、『津山』による『人格分裂事件』──」
清涼院「それらは、無意識に神の理に誘導されていた。MDCのデビューと合わせるように。
   ──別々の思惑により起こされたはずの全事件がMDCの符号となっていた」

     運転手不在事件 → Missing Driver Case → MDC
     二重消失事件  → Missing Double Case → MDC
     迷子犬事件   → Missing Dog Case   → MDC
     映画監督事件  → Movie Directer Case → MDC
     人格分裂事件  → Mind Divide Case   → MDC

清涼院「そう。これら事件は我々MDCに対する挑戦状だったのだ!」
積木「はぁ……」
西尾「そこは『なんだってぇ!』と驚くべきですよ。積木先輩」
積木「それじゃMMRだろ…」

積木はもはや話半分で聞いていた。

清涼院「記憶を初めとする、人に憑いているものを見る『憑物推理』の京極氏。
   起こっている物事の記録を作外作として読む『読者推理』の積木氏。
   言葉の理屈により不可能を可能と変える『戯言推理』の西尾氏。
   そして全てのメタを超える『超越至極』の私こと清涼院流水。
   我らMDC、最初の事件を終わらせに行くことにしよう」
西尾「この台詞、ちょっとした文SHOWになってますね」
積木「はぁ…これからどうなってしまうんだろうか」
京極「なぁに。深く考えたら負けだ、積木君」

670 :名無しのオプ:03/03/30 23:57
森は辺りを一望できる小高い丘に立ち、コントローラーを手にしていた。
ひとりでラジコンヘリコプターを操縦中だ。
機体の足元には生垣によってカメラが取り付けられている。
森はそれを縦横無尽に飛びまわし、クラスメイト達を撮っていた。
高田と乾の落下シーン、津村の麻酔銃発砲シーン、
新堂と舞城の対決シーン、石崎と清涼院の巣etc……。
森はただそれをモニターで確認し、静観しているだけだった。
今も懸命に負傷者を運ぶ新堂達の頭上を通り過ぎたところだ。
森 「どうせここから駆けつけたって間に合いませんしね(笑)」
生垣の手持ちのカメラにアクシデントがあったときの保険として、
森のラジコンにカメラを取り付けたのだということは察している。
たいして親しくもない怪しい新入生の言うことを聞いたのは、
森が何気に写真集を出すほどのカメラ好きだからだ。
森 「撮影に指示はなく、森の自由にしていいと言っていましたしね。
   まあ言われなくてもそうしますが(笑)……おや、あれは?」
モニターに、ありえないものが映っている。
森 「おかしいですね。さっき確かに津村君は霧舎君に担がれていたのに」
それは津村と寸分違わぬ姿の「津山」だった。
もう少し間近で撮ろうとヘリコプターを下降させる。
その瞬間「津山」の鋭い視線がカメラを射抜いた。

ズキュウウウウン

森 「……いやはや、撃ち落されてしまいましたね」
遊び道具を失って、ちょっと不機嫌になる。
クラスメイト達の騒動を他人事として楽しんでいた森だったが、
お気に入りの破壊と理解できない謎の出現が重い腰を上げさせた。
森 「……そういえばこの近くに古処君達がいましたっけね。
   津村君のことを知らせるには適任の相手でしょう(笑)」

671 :名無しのオプ:03/03/31 00:51
メフィスト賞×職人さん=∞!!

672 :名無しのオプ:03/03/31 01:15
MDC、上手いなあ…

673 :名無しのオプ:03/03/31 01:17
霧舎「ちょっと…二人とも…ペースが…速い…って…」
中島「喋ると余計に体力が消耗するぞ」
新堂「黙って走れ。情けねえな」
霧舎「…何で、そんなに…急ぐ…わけ?……確かに、怪我人…だけど、さ…」
そう訊ねると、先を行く新堂が立ち止まって霧舎を振り向いた。

新堂「調子が狂わねえか?お前は」
霧舎「え?」
新堂「この森と言うか今回のイベントな、あちこち何か変と思わねえか。
   取り巻く雰囲気っつーかな…そういうのが歪んじまってる気がしねえか?」
霧舎「歪んでるって?…まあ、最初は…和やかだった、けど…今はこんな状況で……
   でも、それって別に…」
新堂「別にいつものこと、だろ。俺だってわかってる。
   こんなイベントで何も起こらないわけがない。
   体育祭にしろ文化祭にしろスキー合宿にしろ、何かしら騒ぎが起こったからな」
霧舎「じゃあ…何が歪んでるわけ?……はあ、やっと追いついた…」
新堂「だから、雰囲気だよ。俺たちを取り巻く雰囲気っつーかな。それがちぐはぐなんだよ。
   例えば雪山の時、俺と中島は殆どの時間を『自警団』として行動していた。
   けど今回はそうでもねえだろ?津村も単独行動していた」

新堂「何もかもが、いつもと微妙に、勝手が違う。微妙にな」

674 :名無しのオプ:03/03/31 01:18
霧舎「微妙か違う?……確かに、新堂君について言えば、その子に夢中だったからね。
   でも別に、それでも良いんじゃないの?自警団は職業じゃないんだから」
新堂「へっ、霧舎にしては言うじゃねえか」
霧舎「……そうだね。いつもなら、こんなこと新堂君には言わないかな」
新堂「まあ、俺には上手く言えねえけどな。
   ただ、今までのどの騒ぎよりもやばい感じっつーか…
   『俺たち』の根本に肉薄するようなやばさが、今回はある気がするんだよ」
霧舎「うーん…よくわかんないな」
新堂「ま、とにかくだ。こんな訳のわからん森なんぞ、俺はとっとと出たいんだよ。
   コイツも見つけたし、もう用はねえからな。
   …中島の奴、随分離れたな。俺たちも急ぐぞ」
霧舎「わかった……ふう、あとどれくらいあるんだろ…」

その時、数メートル先の木々が揺れた。霧舎は無意識にそちらに目をやる。

霧舎「………え?」
歩き出そうとした霧舎の足がまた止まった。首を後ろに曲げて、また視線を戻す。
数歩先の新堂が怪訝な顔で霧舎を振り返った。そして、彼もまた霧舎の視線の先を見る。

二人の視線の先。

新堂「……やっぱり今回は歪んでやがる。何だってんだ、畜生が」
霧舎「え?え?どうなってるの?……津村が、二人!?」
津山「黙れ!!そこの『津村』は何なんだ!?俺は津山だ!
   くそっ…俺は…俺は津山なんだ……そうだ、貴様ら、俺を津村と呼んだな!」

津村の顔をしたその男は、叫びながら二人の方に銃口を向けた。

津山「殺して殺して、殺しまくってやる!!」

675 :名無しのオプ:03/03/31 16:02
清涼院の台詞を聞きながら西尾は考える。
積木のログを見るにそもそもこの出来事を企てたのは生垣である。
彼は秋月、津村を巻き込み大混乱を引き起こしたのだ。
しかし、生垣が独りでここまで絵図を書いたのだろうか?
彼は“監督”である。
誰かが“脚本”を書かなければ彼は“撮影”が出来ないはずだ。
誰かが“脚本”を書いたのである。それを推理しなければいけない。
生垣に対するDATA(御大風)は圧倒的に不足している。
作品は“フレームアウト”のみ。
(フレームアウト……)
そういえばあの作品には献辞があったはずである。
確か――。確か……。メタを活用し検索する。そして合致。

「Y・Sへ」

(Y・S――!?)
メフィスト学園でY・Sなど独りしかいない。真保裕一? 柴田よしき? まさか。それこそ戯言。
いやしかし、それはありえない。“彼”は積木先輩がログというかたちのメタで監視していたのだ。
いや、違う。彼は絵図を描いただけ、あとは一切関知していないとすれば。
(北海道――)
“彼”と生垣を結ぶ糸。そしてそれは――。彼は横を見やる。
(京極先生――まさか――)
単なる思い付きであってほしい。しかしその疑念は、西尾を少しずつ蝕んでいった。

<Yuya Sato――佐藤友哉。彼にはテロルという前科があり、そしてコンプレックスの塊>
<生垣真太郎、佐藤友哉、京極夏彦――北海道出身。ついでに新入生の小路伸也も>

#今構想している話に組み入れられないのでしたら、西尾の単なる思い付きということでスルーしてください>メインで進行している職人様

676 :名無しのオプ:03/03/31 19:52
こんこんと眠り続ける小泉先輩を眺めながら、僕は考えていた。
あの日、僕に話し掛けて来た生垣真太郎の事を。
彼は言った。
「世界」に対するキミの悪意を、俺のフレームで具現化してみないか、と。
僕は少しだけ興味を持ったが、実際には0.27秒で即答していた。
無理だ、と。
彼は大仰な仕草で肩をすくめ、踵を擦り合わせるようにして身じろぎした。
悲観的だね。過度のペシミズムは人生を停滞させるよ、グラースのお嬢さん。
その言葉を聞いて、生垣が勘違いしている事に気付いたが、あえて僕は無視する事にした。
いいさ、キミは今回は観客として、傍観していれば良い。
とびきりの『世界』をキミに見せてあげるよ。俺のキャメラを通してね。
そういって笑うと、彼は去っていった。

彼は勘違いしている。
僕が無理だと言ったのは、そういう事じゃない。
僕には世界と戦う事など無理だと言ったのではないんだ。
『最後の覇王』たる祖父の直系であるこの僕を、唯一者である俺を、汚れなき覇王の血を。
そのちっぽけなカメラなんぞで収める事はできないと、そう言ったんだよ。


「僕は肉のカタマリじゃないよね、おじいちゃん」

677 :名無しのオプ:03/03/31 21:09
>675
新入生の名前、違うよー。
小路幸也、じゃなかったっけ?

678 :名無しのオプ:03/03/31 22:34
『津山』は何の躊躇いもなく引き金を引く。霧舎の足元の土がはぜた。
霧舎「うわわわわ!危ない!…何で?分身は清涼院君の専売特許じゃなかったんじゃ?」
新堂「知らねえよ、特許料でも払ってるんじゃねえか?」
投げやりな口調で言いながら、新堂は顎で川の下流の方を示した。

新堂「逃げるぞ」
霧舎「え?」
新堂「逃げるんだよ、癪だがな。怪我人の無事が優先だ。それとも銃撃戦でもするか?」
言うが早いか、新堂は駆けだした。二人の人間を抱えての動きとは思えない。
霧舎も慌てて後を追う。『津山』が何かを叫んだが聞いている余裕はなかった。

霧舎「ちょっと待って!逃げたって、あいつは追ってくるに決まって…
   ああ、やっぱり追いかけてくる!しかも銃を構えてるよ!ねえ!」
新堂「振り返らずに走れ!
   ひと一人を背負っていれば、てめえに弾が当たる確率は低くなる!」
霧舎「それって、さっきのセリフと矛盾してるじゃないかー!」

679 :名無しのオプ:03/03/31 23:14
>675
書くなら言い訳するな。言い訳するならもっと練れ。
ちぃときつい言い方だが、
解決へ進んでるときの考え無し割り込みは時に酷い結果を生むからな。

680 :名無しのオプ:03/03/31 23:14
新堂&霧舎の組み合わせも新鮮でいいね

681 :名無しのオプ:03/04/01 00:19
積木「……接触した」
京極「──居たぞ」

上流方向、肉眼で確認できる距離に目的の姿があった。
『津山』、呼ばれ続けていたが為に生まれた津村の裏面。
こちらへと向かっている新堂、霧舎をじりじりと追い詰めている。

京極「──表と裏。それは定議だけが決めるのだ。
   能力も容姿も性格も記憶も同等、名前だけが異なる。
   それだけの違いだが、それこそが外から見た本質──難儀だな」
西尾「ぼくにとっては社会的及び外見的に津村先輩でしかない『津山』が、
   誰かに津村先輩と間違われれば無差別な殺しを指向する以上、
   自然災害以下に無価値です。いざとなれば壊(バラ)し尽くしましょう」
積木「……物騒だな。冗談だけにしとけよ」

中島は先行していた。3人を抱えながら、その足取りには揺るぎがない。

京極「中島君! 早くこちらへ!」

気付いた中島が後続2人に声を掛けながら、その歩みを早めた。

清涼院「私が行こう。事件発端の責任をとらねばなるまい」
積木「気を付けろ、清涼院。喋れるアンタは無敵とまではいかないんだからな。
  ──あと、もう一波乱以上は絶対に来るぞ。浅暮、石黒、古処が動き出してる」

682 :名無しのオプ:03/04/01 00:30
胸が詰まる。
苦しい。
今立ち止まったら嘔吐してしまって、二度と立ちあがれなくなるだろう。
霧舎は胸の苦しさを押さえて、死に物狂いで走った。
そうさ、こんな苦しみ、こんな胸の痛み、なんでもない。
高里さんと別れた時のつらさに比べれば……。
必死に自分を支え、走り続ける。
高里さん、この遠足が終わったら、キミに伝えたい事があるんだ……。
余計な事を考えたのがいけなかったのだろうか。
突如、足がもつれ、霧舎は転んでしまい、背中の津村は投げ出された。

新堂「霧舎! 津村!」
新堂はベルトに差してあるトカレフを抜こうとするが、両手で舞城・生垣を支えていたので、うまくいかない。
津山は完璧にプログラムされたキリングマシーンの様に、流れるような動きで霧舎に照準を合わせた。
津山「殺す殺す殺すコロスころすころすコロス・・…!!」

(僕は、……死ぬのか? 密室もダイイングメッセージもトリックもないこの森のなかで?
 彼女に、伝える事もできないまま……。……高里さん……!! 
 僕 は や は り キ ミ の 事 が )
新堂「クソ! まにあわねぇ!!」

森の中に、非情な銃声が響いた。


         

683 :名無しのオプ:03/04/01 00:44
銃声はヤマビコと共に、ゆっくり収束していった。
霧舎「あ、あれ、生きてる」
霧舎が落ちついて周囲を見まわしてみると、硝煙をあげる拳銃を手に、肘をついて
上半身を起こしている津村と。
なぜか自動小銃を放りだし、脳天を撃ちぬかれて生きたえている津山がいた。
霧舎「津村、気がついてたんだ。凄い、津村がやっつけたの!?」
津村「僕がやらなきゃ、いけない事だから。
   あれは、皆に対する僕の嫉妬。
   目立ちたいという欲望の権化。
   僕の中に巣食う魔物そのものだから。
   僕の手で……消さないと」
霧舎「津村……」


684 :名無しのオプ:03/04/01 01:00
津村達から200メートルほど離れた高台。
石黒は双眼鏡から目を離し、連れの男に呼びかけた。
石黒「行ってやらなくていいのか?」
古処「今の津村にお節介は無用である。燻し銀たるもの、仲間が何かを乗り越えようと言う時に
余計な差し出口は許されないのである」
古処はそういって、覗きこんでいたライフルのスコープから目を離した。
まだ熱い薬莢をひろってベストにねじこむ。
石黒「だが、君が津山の銃を弾き飛ばさなければ、危ないところだったのだろう?」
古処「本官は津村を高く評価している。我々がでしゃばらなくても、
津村なら自力で事態を打破していた事であろう」
石黒「じゃあ、君の活躍は藪の中か・・・・・・」
古処「男一匹、己の生き様に誇りが持てれば、他人の評価など気にならないのである」
石黒「森委員長には連絡するか?」
古処「ヨロスク」

685 :名無しのオプ:03/04/01 01:08

 ……そうだ、お前は津村だ。『津山』じゃないんだ……
 ……これからも頑張れよ。二作目、応援してるぜ……
 ……じゃあな津村巧。もう俺なんか呼び出すなよ……
 …………………………………………………………
 …………

686 :名無しのオプ:03/04/01 01:44
浅暮「その想い──聞き遂げた。
   きっと、津村には届いている。だから安心して眠れ、『津山』」

森の中を進みながら、持ってきていたウィスキーの小瓶をあおる。

浅暮「……いつも呑んでいるわけじゃないと言っておきながらこれだ。
   結局、これが俺なんだろうな。酒好きで、事件に関わりそうで関わらない」

一口。

浅暮「なあ生垣。お前は何をしようとしていたんだ?
   事件を起こして、どんな作品を作ろうとしていたんだ?」

二口。飲み干した。

浅暮「このままエンディングに向かうのかどうか。
   ──生け垣。お前はエンディングまで計画していたのか?」

川までは後少し。

687 :名無しのオプ:03/04/01 03:35
古処カコイイな

688 :名無しのオプ:03/04/01 05:24
>687
激しく同意
でも最後の一言にワラタよ

689 :名無しのオプ:03/04/01 08:14
>──生け垣。お前はエンディングまで計画していたのか?
生け垣激ワロタ

690 :名無しのオプ:03/04/01 19:59
語り部・西尾維新

僕らが川沿いのひらけた道で、先行していた御大の長身を見出した時、
すでにすべての決着はついていたようだった。
僕には区別をつける事ができないが、津村先輩の顔をした男がひとり拳銃を握って泣いており、
同じ顔の男が倒れていた。
新堂先輩はただ無言で子犬を撫でていたし、他には腰を抜かしている霧舎先輩しか意識のある人はおらず。
その中に超越至極の黒たる御大が、漆黒の髪を風になびかせて、ただ存在していた。
「どうなったんですか、御大。この状況は?」
積木先輩や京極先生もひたすらに無言なので、しかたなく僕が聞いた。
御大はなにも答えない。
誰も口を開かないこの空間の中で、御大は沈黙そのものと声を交わしているかの様に。
                言葉にできない想いを取り交わしているかの様に。
ひさしぶりに見た御大の勇姿に、ただ引きつけられ、魅せられていた僕は、そんな事を考えていた。
まさに、戯言。
しばらくして、
「君達の大説(大切)な想いは、確かに伝わったはずだ」
御大は小さな声でつぶやいた。
誰に言ったのだろう。誰に伝わったのだろう。僕は聞かなかった。
御大の言葉と共に、恐らく津山と思われる男の体はゆっくりと薄れ、御大の体に吸い込まれていく。
その光景を見ながら、僕は。ただ御大の背中を見つめているだけではあったが。
事態は一応の決着を見せたのだと、悟った。

サングラスを外しながら、御大は振り向く。
素顔の御大は九十九十九のような美男子ではなく、トウのたった学生みたいにどこか大人になりきれてない部分があって。
「さて、そろそろ日も暮れる。帰ろうか、西尾氏」
でも、それは間違いなく生身の清涼院流水で、確かにそれは僕が憧れたあの背中の持ち主で。
「はい、御大」
戯言抜きに、僕はそれしか言えなかった。全然悔しくないけどね。


691 :名無しのオプ:03/04/01 22:51
最終幕〜エピローグ

──そして、今回のピクニックは終わりを告げた。
学園に帰るまでがピクニックだ。そんな惹句を反芻しながら、
積木はバスの中で心残りを思い返していた。

積木(最後の一波乱は無かったか……
   メタ能力持ちとは言え、俺は予言者じゃないしな)

心残り──秋月のコードネームと犬の本当の飼い主だ。

 子犬=月狂いの魔犬ルナティックケルベロス
 秋月=見えざる狩人の左手インビジブルハンターズレフトハンド
 津村=血涙に濡れる狙撃手ブラッディースナイパー
 浦賀=人食い魔マンイーター
 新堂=悪夢の闇金社長ナイトメリュッシュポマード

肝心の生垣にはコードネームがなく、成り行きで敵対した新堂にはある。
ネタ切れは間違いなく、秋月が行き当たりばったりにつけた結果だろう。

積木(秋月……こんな体たらくの犯行じゃあ目立てなくて当然だ……
   ただ、彼はひとつだけネタを披露せず残していた。これは偶然か蓋然か)

バスの運転席を見る。行きとは違い森が普通に運転していた。
補助席はない。黒田はきっと空いた森の席に座っているのだろう。

積木(作品名──『月長石の魔犬ムーンストーンケルベロス』。
   あの犬の本当の飼い主につけられていたコードネームの元ネタか……)

692 :名無しのオプ:03/04/01 22:52
他の皆の席は、往路と変わりなく、古泉はむき出しで最後尾に、
気絶していた乾・高田・秋月・舞城・生垣は自席で寝かされている。
負傷者への応急手当は日明と殊濃が行ったので、とりあえず心配はない。

積木(監督:生垣、演出:秋月、俳優:津村……
  あまりにも杜撰すぎるこの『映画』の脚本を書いた人物は──)

積木は横で目を瞑り、暇つぶしの脳内エイトクィーンに興じている西尾を見る。
       、 、 、 、 、
積木(──いなかった。カメラマンもまた居ない。いや──要らない)

自身で持っていたカメラやラジコンのカメラは、キャラ付け以上の意味を持たない。
生垣は自分も含めた『生徒達の生の演技』さえ撮れれば良かったのだ。
そうだ。既に生垣はその方法を自白している。>601を読み直す──

>   あらゆる場所に盗聴器を設置済みさ。
                               、 、 、 、 、
積木(『盗聴器』は台詞を拾う。当然、併設された『盗撮カメラ』は映像を拾う──)

手持ちのカメラを幾ら破壊されても良かった。それも記録映像になるのだから。
脚本も事前には要らない。集められた映像を組み立てるときに作ればいい。
そして、盗撮カメラ群の情報を処理するには、電波をキャッチする基地局が必要である。
あの森にそんな不自然な物は──あからさまに存在していた。

積木(清涼院の巣。あそこなら電波塔も、編集スタジオも用意できるだろう。
   そして、清涼院が関わってくるのならば当然──)

積木は>542西尾の台詞を思い出す。

693 :名無しのオプ:03/04/01 22:52
>西尾「はい。『筋書きのないドラマほど面白いものはない』なんて台詞がありますが、
>   ぼくから言わせりゃ、そんな言葉はどうしようもないほど見当外れな世迷い言です。
>   意味もなく、意志もなく、理由もなく、事由もなく、考慮もなく、配慮もなく──延演と厭宴と。
>   現在(ハプニング)を紡ぎ続けるこの『現実(ドラマティック)』が、果たして面白いでしょうか?
>   予定調和などされず、物事は無意味に拡散し、頁制限もない三文の散文。
>   本棚の横幅をいかに少ない冊数で占められるか程度にしか活用できない代物です──」

積木(筋書きのない『映像記録』は、編集して筋書きをつける──『映画』にする。
   西尾が本当に撮影後の編集役を請け負っていたかどうかは、後日談次第か……)

そう。西尾はあまりにも事件の進行状況を知りすぎていた。何があろうと超然としていた。
──『運転手不在事件』を当事者でもないのに詳細を知っていた。
──全ての事件の名付け親になっていたのも西尾だ。
             、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
積木(>675の独白。そんなメタは彼に使えないし、誤字などの間違いも多すぎる。
   これは地の文にすら嘘を付ける西尾が、メタでそれを読める俺に向けた騙し独白──)

『ここに考えていることは騙しである』

脚本の存在の示唆──脚本など無かった。
佐藤友哉が怪しい──直後>676に否定されている。
北海道繋がり?──それが繋がりではない。

積木(まあ、これはヒントでもあったんだよな。──まあいい。
   後は、帰ってから考えることにしよう。もう終わったんだ。全ては……)

694 :名無しのオプ:03/04/01 22:53
 ここは清涼院の巣。
 電波塔が屋上にある、
 LDK兼用の一室構成だ。
 空の缶ビールが落ちている。
 忘れられた石崎が炬燵に眠る。

 ──ここには、地下空間があった。
 地下室。壁一群を埋めるモニター群。
 煌々とした灯りの中、男が作業している。
 映されるのはピクニックで起こった事件群。

 彼は、必要な映像だけをピックアップしている。

 空を見上げれば古くから在るものとは、月。
 月の歌の魔犬ムーンソングケルベロス。
 秋月の付けた、最後のコードネーム。
 映画の『カメラマン』がここにいた。
 小路幸也。新しいメフィ学生徒。
 最後のピースは埋められた。

 物語の、幕が閉じる──

 (読者への挑戦状。
  彼は何故居る?
  ヒントは>535。
  今は──)

695 :名無しのオプ:03/04/01 23:00
入れ忘れてた訂正(;´Д`)

>693
  >北海道繋がり?──それが繋がりではない。
  の後、

小路伸也が関係?──名前が違う。

  が入る。

696 :名無しのオプ:03/04/02 00:55
>>695
お疲れです。
素晴らしい文showですね。

697 :次回予告:03/04/02 01:13
かくして学園に平和が訪れた。
だがそれは新たなる騒動の前触れでしかなかった──

突如現れた謎の美少女・・・・・・

謎の少女「ふぅん、貴女が維新君の元カノ?不細工ね」

それは学園を揺るがす大惨事の幕開けでもあった!

竹「うにー、いーちゃんなんか大嫌いだぁぁぁぁぁぁぁ」
西尾「あぁっ!竹ちゃん待って!」

今、西尾をめぐり二人の美女が対決する!

新堂「プチアンジェ、今日も元気かい?ハハッよせよ、くすぐったいだろ?」
舞城「だからんな気色悪い名前付けんのはよせや」

そしてついに目覚める蒼色の破壊神!!

石崎「出番の少なさがどうした!そんなものは勇気で補えばいい!」
黒田「無理だって」

次回、メフィスト学園第6話『蒼色の破壊神』
にジャスティィィィィィィィィィン!

698 :生垣:03/04/02 01:21
よし、次回はこんな感じで行って見るか。
とりあえず『彼女』を呼ぶだけでこんな展開になるだろう。

フフフフフ、今回もいい『画』がたくさんとれそうだ。




全然懲りていない生垣であった。
チャンチャン。

699 :名無しのオプ:03/04/02 08:31
ピクニック編終了、職人さん乙

御大の「君達の大説(大切)な想いは、確かに伝わったはずだ」
にちょっと感動しちゃったよ

700 :名無しのオプ:03/04/02 09:27
でもどうして大説という字は大きく切ないのかな

701 :名無しのオプ:03/04/02 16:22
最近、小ネタ職人さん達のお姿を見ない。
帰ってきてください。待ってます。

702 :名無しのオプ:03/04/02 19:58
と言うか最近のミステリ風味な展開だと小ネタ書き込みにくいよね。
しばらくお休みにしちゃどうか。

703 :名無しのオプ:03/04/02 20:48
うん、遠足編も終わったしね。しばらくマターリ学校ネタでいきたいな。
2スレくらいのを読み返したら、小ネタのキレが良くてひどく面白かった。
ミステリ的展開も面白いけど、雪山から遠足と、連荘だったような気が。
読むのも書くのも少し食傷気味だ。

だから小ネタ書きさん達、カムバック!
もう一度あげとこう。





704 :名無しのオプ:03/04/02 21:24
お花見はどうでつか?

705 :名無しのオプ:03/04/02 21:46
じゃなくて、キミも書いて下さい!←偉そう
メフィ学全員参加でお花見ネタをやるんじゃなくて、
ネタになる作家をピックアップして面白いお話を考えて書く。
自分でしっかりオチをつける。
適当にどんでんがえしだけして、他の職人さん後はよろしく!は駄目。
風呂敷は自分で畳みましょう。
無理にリレー小説しなくてもいいと思うのよ。
……って、言ってるだけじゃだめですね。
まずは先陣切って、なにか小ネタ考えます。


706 :名無しのオプ:03/04/02 23:20
まだ春休みだというのに、学園に集合がかけられた。

石崎「おいおい。遠足から帰って日が浅いのに何の騒ぎだ?」
乾 「そうそう。おじさんは体力がないのにねえ」
高田「連絡網を使うとはいかめしいですね。発端は委員長ですか?」
森 「森はノータッチです。たいした用でなければ帰りたいのですが(笑)」
新堂「おい、呼び出した奴は誰だ。俺はプチアンジェの散歩を中断して来たんだぞ!」

クラスメイト達が文句を言い出す中、一人の男が黒板の前に立った。

浅暮「あー、みんな花見だ。花見をやるぞ!」
日明「ふう。珍しくあなたが仕切ると思ったら、やっぱりお酒絡みなのね」
蘇部「わあい。お花見だ、お花見だ」
殊能「(蘇部の様子を見て)賛成。僕はお弁当係になるよ」
舞城「(それを聞いて)くそっ。賛成の反対の反対だっつうの」
古処「男たるもの、時には息抜きが必要だ。私も賛成である」
生垣「くくく、グッドアイデアですね。楽しい画が撮れそうです」
高里「ああ、花の下で戯れる男と男……ムード満点ね!」
霧舎(そ、そうだ。酒の力を借りて、今度こそ高里さんと向き合おう)
氷川「特に反対の人いなさそうですね。多数決とりましょうか?」

707 :名無しのオプ:03/04/02 23:22
ゴメソ、あげちゃった。
久々に小ネタりましょう。

708 :名無しのオプ:03/04/03 00:07
著作が出せず金欠なものもいるので、会費制ではなく各々提供できるものを持ち寄ることにした。
浅暮「流石にいいだしっぺだからな、酒は俺が責任持って用意してやったぞ」
氷川「どうせ半分は浅暮さんひとりでのむんでしょ?」
浅暮「うむ。で、残った分は皆お前の胃袋に消えると言うわけだな」
氷川「あはは、冗談上手いなァ」
日明「……あ、講談酒店ですか? 配達頼みたいんですけど」
浅暮「いや、だから冗談だって、おい」


709 :佐藤友哉の戯言殺し:03/04/03 00:21
西尾「佐藤先輩は何を持ってきたんですか。手ぶらで来たりしてませんよね?」
佐藤「失礼だなァ。ちゃんと持ってきたよ。ほら、お花見の必需品、ラジオ」
西尾「先輩にしては気が利いてますね」
竹「わーい、ユヤタン、聞いてみて良い?」
佐藤「どうぞどうぞ」
ピー……ガガガ…ぁんお兄ちゃん…ああぁっ!…ぃぃ…おにぃ…
竹「いやーん、なんなのコレ!? 小さい女の子の喘ぎ声が……
周波数変えても消えないよぉ(泣)」
西尾「大丈夫だよ、竹ちゃん! 先輩、どういうつもりですか!!」
佐藤「最新作で、また技借りたから。そのお返し。ネタにしていいよ」
西尾「ネタって……!?」
竹「……いーちゃん、こういうのが趣味なの……?」
西尾「ネタって、そういう事なんですか!? 違うでしょ?」
佐藤「……心置きなく、使って良いから」
西尾「誤解をまねく言い方を……! いや、違うんだ竹ちゃん、逃げないでー!!」

710 :名無しのオプ:03/04/03 00:33
舞城「おう蘇部。腹へらんか? やきそば奢ってやろうか?」
蘇部「え、いいの?」
舞城「遠慮すんなや。イカヤキもつけたるわ」
蘇部「ありがとー。なんか今日の舞城君親切だね」
舞城「今日の?」
蘇部「ご、ごめん、失言」
舞城「ま、ええわ、許したる」
蘇部(……やっぱり、今日は優しい。お花見が嬉しいのかな)
舞城「じゃ、仲直りの印に、そこの屋台の広島焼きとアンズアメ奢ったる」
蘇部「あ、ありがと。……でも、もう……」
舞城「遠慮せんとくうとけや。ほら、無理やり詰め込め」
殊能「あ、蘇部君、舞城君。お弁当をつくって来たから、一緒に食べよう」
蘇部「……あー……ごめんよ、僕お腹いっぱいで……」
殊能「えー……」
舞城「心配すんなや殊能。俺が蘇部の分まで食ってやるわ」

711 :名無しのオプ:03/04/03 00:41
「北山くん。昔は、桜よりも梅の方が愛されていたんだよ」

と花見会場へ一緒に向かっている高田さんが言った。
台詞だけ抜き出せば風情を感じなくもないのだけど、
奴が右手に持っているシェーカーなどの一式が違和感を醸し出している。
しかし、僕は風情なんて気にしない人間だ。
むしろ、カクテルの方が飲むことができるのでうれしい。
でも気になるのは、逆の手に持っている日本酒の瓶だ。

「この日本酒は別に飲むんですか?」
「ん? いや、カクテルに使うよ。日本酒だって、材料の一つだからね」
「へーそうなんですか」
「僕が作ろうとしているのは『春の雪』っていうカクテル。
 混ぜるだけでできるし、グリーンリキュールの緑が映えて綺麗なんだよ」

京極先生の域までいかないけど、蘊蓄を武器にしているだけあって、
高田さんはなんでも知っているなと、素直に感心した。

712 :名無しのオプ:03/04/03 00:41
「そうだ。今日は君に似合うカクテルを作ってあげよう」
「どんなのですか?」
「『撫子』っていうグレナデンシロップを使った赤味がかったカクテルなんだ。
 桜とのグラデーションで絵的にいいかもしれないね」
「な、撫子ですか……。そういうのはしばらく控えたいんですが」
「飲み会の一発芸でやると思ったのに、女装をやらないんだ」
「い、一発芸ですか!? 決定しているんですか」
「決定はしていないけど花見といったら芸じゃない? 誰も言い出さなかったら僕は言うよ」

森さんとかは一発芸などの風潮は嫌いなはずだ。
それに、この手の持ちネタが少ない人もいるし、この人が言い出さなければやらない可能性がある。
よし、この人をさっさと酔わせて流してしまおう。
まずは、一時的に一発芸のことを頭からなくしてしまうために、話を別の方向にいかせないと。

「……ええと、そうそう。グレナデンシロップってなんですか?」
「ザクロだよ」

撫子なのにザクロというのは、これまたいかに。

713 :名無しのオプ:03/04/03 00:59
今だメフィ学に馴染めず、だれと話してかわからない関田涙は、落ちつかずうろうろしていた。
石崎「あ、なみへい。こっちこーい」
乾「ほらほら、早く早く」
霧舎「はい、駆け付け一杯」
関田「あ、すいません、頂きます」←少し嬉しそう
石崎「遠慮すんな、仲間だろ?」
乾「そうだよ、キミも好きなんだろ?」
霧舎「大好きなんだろ?」
関田「何がです?」
石崎「女子高生だよ、女子高生! このスケベ!!」
関田「な、何言ってんですか、いきなり!」
石崎「正直になれよ。容赦ないツッコミをいれる気の強い二人組とか!」
乾「フタナリレズエロとか!」
霧舎「変な研究会の広報やってる娘のパンチラとか!」
石崎・乾・霧舎「大好きなんだろ!?」
関田(……やっかいな連中に目をつけられたなぁ)

714 :名無しのオプ:03/04/03 01:04
>>713
最高に笑わせてもらった。

715 :名無しのオプ:03/04/03 06:28
がんばれ、なみへい(w

716 :名無しのオプ:03/04/03 16:00
竹嬢といーちゃんのすれ違いの展開が気になる……

717 :名無しのオプ:03/04/03 19:36
日明「うう〜ん。恵ぃ、なんだか暑くなってきちゃった」
関田「はあ……。上着脱いだらどうでしょう」
日明「やだぁ、美人秘書は脱げだなんてっ!! 関田君のエッチ!!」
関田「ええっ!? 僕、そんなつもりは……」
石崎「ははは。なみへいがセクハラされてるぞ」
乾 「涙が涙目。あはははは」
関田「み、見てないで助けてくださいよぉ」
石崎「ようし、俺が人肌脱いでやる〜」
乾 「ホントに脱いでやがる。あはははは」
高里「きゃあっ、石崎君がヌードに! みんなをノックアウトね!!」
舞城「気色悪いもん見せんなや、石崎ぃ〜(笑顔でワンツーパンチ)」
石崎「いやあ、これがホントのノックアウトだな〜(笑顔のまま昏倒)」 
秋月「そうか! 脱げば目立つのかっ! 舞城君、僕も僕もっ!!」
古処「むむっ。なんだその貧弱な体は。男たるもの鍛錬を怠ってはならない」
中島「なんだなんだ。筋肉自慢か? 俺も負けてられないな」
生垣「その腹筋、ベリーナイス。アクション映画のスターになれますよ!」
高里「まあ。花吹雪の中、肉体美を競う男達……なんてヤオイチックっ!!」
関田「…………誰かマトモな人いないのかな」

718 :名無しのオプ:03/04/03 22:41
竹「いーちゃんが幼女好きだったなんて……めそめそ」
北山「元気だしなよ、竹さん」
竹「うわーん、いーちゃんのロリ!(号泣)」
北山「(まいったな……なにか話題をそらさなくちゃ)あ、竹さん。
じゃあ、西尾君を心配させてやろうよ。彼の心を取り戻すんだ」
竹「……ぐす……どうやって……?」
北山「えっと……そう、他の人の挿絵を書いちゃうってのはどうかな?
西尾君は竹さんを独占していると思ってるから、浮気なんかするんだよ。
竹さんは西尾君の所有物じゃないんだって所を見せつけてやれば、彼も君に真摯になるさ」
竹「……でも……誰の?」
北山「良かったら、僕の著作に絵をつけてくれないかな。ほら、僕の書く話って
変な城とか、変わった世界観でとっつき難いって言われるんだよね。
君の、独特のシュールさをポップなスタイルで包んだイラストで、僕の小説を支えてくれないか?」
竹「……ん……ちーん(鼻をかむ音)」
北山(泣き止んだ。この娘、やっぱり絵の話題を振ると元気出すみたいだな。良かった)
竹「……うん……ありがと、考えてみるね」
北山(あ、話が終わっちゃう。何か話題を…。えーと、ネタ、ネタ……)
  「竹さん、輪廻転生って信じる?」
竹「輪廻転生?」
北山「そう。愛し合ってる人、結びつきの強い人は生まれ変わってもまためぐり合うんだ。
本当に好きなら、心配要らないよ。出会うべくして出会ったんだ。運命なんだよ」
竹「……ありがと、きーちゃん」
北山(ふう、落ちついたみたいだな。西尾君も罪作りだよ)

719 :名無しのオプ:03/04/03 22:53
な、なんで竹ちゃんと北山君が一緒にいるんだ?
しかも、北山君のイラストを竹ちゃんが書くとか言ってるし。
竹ちゃん、なんでそんな嬉しそうな顔してるんだよ!

あ。
今、なんて言った?
「愛してる」「生まれ変わってもめぐり合いたい」「本当に好き」
「運命」
もしかして……竹ちゃん、口説かれてるのか!?
まさか、僕と別れるつもりなの!?
なんて、戯言。
そんなわけないよね。竹ちゃんと僕の仲は北山なんかじゃ到底切り離せないさ。

あれ?
今、ありがとうって……。
『ありがとう、きーちゃん』って。
竹ちゃん、OKしたのか?
北山君に告白されてOKしたのか!?


720 :名無しのオプ:03/04/03 23:32
石崎「ちょいと、乾の奥さま。またもカップルに破局の予感ですわよ」
乾 「あらほんと。西尾君もうかうかしてられませんわね」
日明「ふふん……女を放っておくからいけないのよ。女はもてはやされて
   なんぼの生き物なんですからねぇ。ヒィック」
秋月(そうだ! 竹さんがフリーになるのなら……)
浅暮「秋月ぃ〜。目立つための恋路なんて不毛だぞ〜」
霧舎「そうさ。自分の心が確かでないまま付き合ってもうまくいきっこない(遠い目)」

721 :名無しのオプ:03/04/04 01:04
西尾「うわーん、御大ー(号泣)」
清涼院「んー、どうした西尾氏」
西尾「かくかくしかじかで、北山君を殺して解体して並べて晒してやりたいです!」
清涼院「おいおい、その前に竹嬢本人に確認したかい?」
西尾「えー、そんな真っ向勝負、戯言使いの僕にはできませんよ」
清涼院「しかし、キミも大変だな。竹嬢がいなくなれば、著作の売れ行きが随分かわるだろう?」
西尾「竹ちゃんがいなかったら、戯言シリーズはもう書けません」
清涼院「そう。素直な気持ちを言えるじゃないか。いつまでも戯言で誤魔化しちゃだめだ」
西尾「……御大」
清涼院「さぁ、西尾氏。はやく竹嬢に気持ちを伝えてくるのだ」
西尾「……はい。御大、ありがとうございました!」

森「清涼院君が、らしくないくらいまともな事を言ってますね(笑)」
浅暮「ン……雨雲の匂いがする。これは降るな」



722 :名無しのオプ:03/04/04 01:23
佐藤「いいなぁ、いーちゃんは。竹ちゃんがいて。ずるいよ。
そりゃ、テロルのひとつも仕掛けたくなるってものだよね」
笹井「……それは、私、笹井一個のイラストでは不足だと言いたいのかしら?」
佐藤「うわっ、笹井さん、なんでこんなところに!?」
笹井「お花見に決まってるでしょう。
それとも、萌え系じゃないイラストレーターはお花見するなっていうの?」
佐藤「い、いえ、そんな事、全然……」
笹井「ユヤタンの著作が売れないのは、私の絵じゃなくて中身が暗いからよ」
佐藤「笹井さんの絵が暗いなんて誰も言ってないじゃないですか」
笹井「嘘ね。『竹絵だったら自分も売れてたかも』とか、考えてたわ、絶対」
佐藤「そんな事、思ってないですって」
笹井「キミも、もう22歳にもなったんだから、
いい加減『萌え萌えー!』とか、『魔女ッ娘』とか、卒業しなさいね」
言いたい放題言って、笹井は去っていく。

佐藤「……妹もいいけど、お姉さんも捨て難いね。萌えー」


723 :名無しのオプ:03/04/04 02:41
茅ヶ崎ちゃんねる
http://jbbs.shitaraba.com/travel/1213/

724 :名無しのオプ:03/04/04 07:00
蘇部「殊能君、桜綺麗だね」
殊能「うん綺麗だね」
蘇部「一日に生垣君が言っていんだけど、桜の木の下にはゾンビが埋まっているんだって。本当かなぁ?」
殊能「それはね四月馬鹿で嘘なんだよ」
蘇部「そうだったの?さっき掘ってみたら手がでてきたんだけどゾンビじゃなかったんだね。ぼく騙されちゃったよ」

木の上の謎の声「セーイセイセイセイセイリョーイ〜ン」

殊能「まだ四月で蝉の季節には少し早いけど、風流だね」
蘇部「あれ?土の中に慌てて潜っていったよ、一緒にとんかつ食べて欲しかったのに」

725 :名無しのオプ:03/04/04 08:08
>>721
御大がまともになるのは1スレに1回のはずでは……
あっ、もしかして伏線ですか?

726 :名無しのオプ:03/04/04 10:30
乙一「清涼院先生はじめまして」
清涼院「こちらこそ、はじめまして♪乙一クン」
乙一「活字倶楽部の02年に読んで印象に残った本にあげてくださったそうで…」
清涼院「GOTH!サイコ−だったよね!」
乙一「僕は他人から誉められたりするのは苦手で、
人見知りなんかも激しいので、これからは僕の名前は書かないで欲しいのですが」
清涼院「あー、照れ屋さんなんだなあ。ごめんね。
これからは僕の心の中だけにしまっておくから♪」
乙一「有難うございます」

僕は清涼院と関わるのはごめんだった。
今のうちに繋がりは切っておいたほうがいい。

727 :名無しのオプ:03/04/04 16:40
石崎「おーい、乾、霧舎、麻雀やるぞ、麻雀」
乾「なんで花見に雀卓なんか持ってくるんだよ!」
石崎「まあまあ、堅いこというなよ。なみへい、おまえも出来るだろ?」
関田「は、はあ……(なんでこんなことに……)}」

かくして男達は雀卓を囲むこととなった。
一面の桜である。
満開の桜の只中である。

関田「ああっ駄目だ。僕、あんまり強くないんですよ」
乾「大丈夫だぞ、石崎激弱だから。あ、霧舎もそうか」
霧舎「そんなことないって……あ、ツモだ」
石崎「ふっ」

石崎は言った。
低い、落ち着いた声だった。

石崎「あなたが──『ツモ』だったのですね」

乾「それがやりたかったのかよ!」

乾怒濤のツッコミであった。


728 :名無しのオプ:03/04/04 18:59
不覚にもワロタ>>727

729 :名無しのオプ:03/04/04 19:35
ネクタイを頭に巻いた石崎が、一人日本酒をあおっている石黒をつつく。
石崎「はいそこ、暗いぞ〜。年長者なら一発芸でもして若者を沸かせやがれ」
乾 「それが年長者に対するセリフか! つーかお前が若者気取りか!」
石黒「ははは、構わんよ。私にもそのくらいの稚気はある」

笑いながら、石黒はおもむろに桜の木によじ登りだした。
舞城「おいおい、爺さん大丈夫か〜?」
蘇部「石黒さん危ないよっ。落ちたら痛いよっ」
殊能「大丈夫だよ。高田君が救急箱を持ってるし。とりあえず見守ろう」

石黒は枝に腰掛けるとポケットに手を突っ込み、何やら粉をふりまき始めた。
石黒「ははは、いくぞ〜。そうれ、枯れ木に花を咲かせましょ〜」
乾 「いや、もう咲いてるから! ていうか僕らにかかるから!」
高田「ああっ。ギムレットの中に変な混入物が!」
森 「おやおや。桜吹雪に火山灰とは風流ですね(笑)」
蘇部「ゲホゲホ。喉が痛いよう」
殊能「大丈夫かい、蘇部君!……今、津村君を呼ぶからね」
舞城「くそっ、せっかくの弁当が!……俺が血の雨降らしたる」

730 :名無しのオプ:03/04/04 19:52
綾辻 「お、乙一君だ。おーい!こっち、こっち」
我孫子「こっちにおいでよ、乙一君!」
乙一 「はぁ・・・どうもすいません。あの、僕がこんなところにいてもいいんですか?
    メフィスト学園の生徒でもない僕が・・・」
綾辻 「いいんだよ。教師の僕が呼んだんだから」
我孫子「そのとおりや。正式な教師でもない俺もいるんやし」
乙一 「はあ。ではお邪魔します」

綾辻 「ところで、君のGOTHは最高だったよ。なぁ我孫子君」
我孫子「そうそう。君こそ、今後のミステリ・ホラー界を担うべき存在や」
乙一 「あ、ありがとうございます」


731 :名無しのオプ:03/04/04 19:52
綾辻 「あんな作品、どうやって書くんだろうねえ?」
我孫子「そうやな。それに君、毎日日記を更新しているやろう?」
乙一 「はぁ・・・」
綾辻 「どうやって書くの?ああいうの」
我孫子「日記の更新、やっぱり秘訣とかあるんや?」
乙一 「・・ぇ・・・え?・・・」
綾辻 「ああいうの、どうやって思いつくの?是非聞きたいなぁ。是非ね!是非。
    君が有効な時間の使い方をしているのかも指導したいしね。
    次はどんな作品書くの?プロットは?
我孫子「いや、それより日記の更新―」
綾辻 「ちょ!ちょっと我孫子君。君、いささかしつこすぎないかい?(笑)
    乙一君が困ってるじゃないか。それに今は僕が質問しているんだよ」
我孫子「綾辻サンこそ、乙一君からネタを盗もうとしてるんちゃいます?(笑)」
綾辻 「ははは・・・!!君、冗談がすぎるよ・・!!(笑)」
我孫子「そ っちこ そ!(笑)」
綾辻 「とにかく君はしばらく黙っていてくれ。これは先輩命令だ。
    でね、乙一君。君は何故、髪を―アウッ!!!ヘブシ!!


舞城 「オッサンうっさいんじゃ!ボケ!死ね!!
    おう、乙一!おまえも悪いんやぞ!
    花見に呼ばれてるてわかっとって坊主にすんなや!
    このオッサン追い込んだんな!必死なんやぞ!」
乙一 「・・・す、すいません・・・」

732 :名無しのオプ:03/04/04 22:34
前後しますが>727麻雀に続けて

石崎「げええ、また振りこんじまったあ」
乾「あはは、悪いな石崎」
霧舎「この分だと石崎君持ちでもう一度宴会が出来るね」
石崎「おかしい。絶対おかしい。今日はいつにも増して調子が悪いぞ」
乾「いつにもじゃなくていつもだろ。ほら、点棒よこせ、点棒」

関田「石崎さん──」

 関田が呟いた。
 一面の桜である。
 満開の桜の只中である。

関田「あなたが──『カモ』だったのですね」

おあとがよろしいようで。


733 :名無しのオプ:03/04/04 22:56
氷川「石崎さん、どうです一杯」
石崎「おう悪いな氷川。どうした顔色悪いぞ。この程度の酒で酔っ払うおまえじゃないだろ?」
氷川「……是非石崎さんに紹介して欲しいって人がいるんですが」
石崎「おっ女子高生か? 可愛いこちゃんか?」
氷川「いえ、もう来てるんですけど。ほら後ろに」
石崎「へっ?」

 石崎の肩を誰かの腕が掴んだ。

法月「やあ石崎くん」
石崎「のっ法月先生!」
法月「君とは一度、探偵のなんたるかについて語りたいと思ってたんだよ。行こうか氷川くん」
氷川「ええ。みんなで地獄に落ちましょうね、石崎さん。ふ、ふふふ」
石崎「嫌だああ!誰が後期クイーン病患者二人なんかと! 俺にまで伝染ったらどうするんだ! 乾!霧舎!助けてくれー!」

霧舎「行っちゃったよ。いいの? 石崎君が後期クイーン病に罹ったりしたら」
乾「大丈夫だよ。あの病気は風邪と同じだからな」
霧舎「……?」
乾「石崎は引かないよ」
霧舎「あー、なるほど」

734 :名無しのオプ:03/04/04 23:12
関田「でも、法月さんから遅筆病をもらいそうですよね」
霧舎・乾「ありえるッ!」

735 :名無しのオプ:03/04/05 01:11
>>734
ワラタ

736 :名無しのオプ:03/04/05 13:59
今更ですが。
MDC編が御大の文体に見えてしまい、リアル御大キタか?とか1人で戦慄してまいました。

職人さん方乙でし。

737 :名無しのオプ:03/04/05 14:46
>>736
言葉遊美と文SHOWを受け継ぐ職人乙。
ピクニック編もまとまるのが楽しみだあね。

そろそろ容量オーバーですな。500kB越えでアウトだったっけか。

738 :名無しのオプ:03/04/05 14:56
竹 「しーちゃあ〜ん。お散歩行こう、おさんぽ」
北山「あっちの方に桜並木の遊歩道があるそうです。一緒に行きませんか?」
高里「え、うん…」

2人が仲良く手をつないでいるのを見た高里は北山に「お邪魔じゃないの?」と耳打ちした。
北山は少し困ったような表情で一瞬目線をずらす。北山の視線の先には西尾がいた。
西尾は森と話しをしているようだ。2人のそばにいる清涼院がこちらを面白そうに眺めている。

高里「維新君は誘わなくていいの?」
竹 「むー。いーちゃんは御大ちゃんといいんちょと盛り上がっているから、ほっといていいんだよ」

頬をぷうっとふくらませる竹。
高里は「じゃあ、3人で行こっか」と微笑んで竹の頭を優しくなでた。

739 :名無しのオプ:03/04/05 14:59
公園の遊歩道の途中にはいくつか木のベンチがある。
そのうちの1つに高里と北山の2人が座っていた。
時折風にあおられ頭上から桜の花が舞い落ちる。

北山「先輩、助かりました。もし、僕と竹さんの2人きりでこういうとこ歩いたりなんかしたら、
  後で西尾君にどういうことされるかわかったものじゃないですからね」
高里「くすくす。大変だね」
北山「ええ、3人でなら言い訳もつくし」
高里「…………」

静かになった高里の横顔をちらと伺う北山。
高里は瞳を閉じていた。すうっと深呼吸。
北山も両手をのばして伸びをしながら深呼吸してみた。
春の香りがするような気がした。

740 :名無しのオプ:03/04/05 14:59
西尾「ふふふ、北山君。僕から竹ちゃんを奪うとどんな目にあうかわかっているんだろうね」
北山「ど、どんな目にあうんだよ」
西尾「決まってるじゃないか。こうだっ」
ぴしっ
北山「ああうっ、や、やめてくれっ。いやっ」
ばしいっ

高里(ああ、そんなっ。北山君は西尾君に鞭打たれながら真実の愛にめざめていくのね)


北山「先輩、顔少し赤くなってますよ。寒いんですか?」
高里「えっ!? そ、そんなことないわよ」

妄想から覚め我れに返り慌てる高里。
自分が妄想の中でどんなことになっていたかも知らず、
北山は自分がしていたマフラーをはずし高里に差し出した。

北山「使ってください」
高里「あ、ありがとう…。北山君」

竹 「うにー、きーちゃんとしーちゃんがいい感じなんだよ」
竹は少し離れたところでベンチの2人と桜をスケッチしていたのだった

741 :名無しのオプ:03/04/05 16:09
竹のスケッチも終わり、ふたたび遊歩道を歩き出した3人である。

竹 「おーちゃんのJDCものってどんなものなのかなあ」
北山「九十九十九が語り手っていうのが凄いよね。神通理気の秘密とか明かされるのかな」
高里「そうね。サトリの人の孤独とか」
竹 「でも、おーちゃんだし。龍宮ちゃんぶん殴ったりする十九ちゃんだったりして
北山「あはは、ありそう」
竹 「あの決め台詞だけは言ってほしいなー」
北山「ああ、あれか。…コホン。
  謎などないのです。あるのは常に論理的な解決だけなのですよ」
高里「くすくす。…でも、舞城君がJDC書いたっていうのもちょっと意外」
北山「そうですね」
竹 「うにー、御大ちゃんちょっとびびってたよ」

742 :名無しのオプ:03/04/05 16:10
遊歩道の終わりが見えてくる。
そこはメフィ学一同で花見をやっている場所と同じようなちょっとした広場になっており、
ピクニックシートが何枚も広げられていた。
シートの上には膝をかかえ体育座りをした男が1人。

竹 「うに、1人ぼっちの人がいる」
高里「場所取りかしら? なんか凄く寂しそうな雰囲気がただよっているわね」
北山「あの人なんか見覚えがあるような……って、倉知先生じゃないですかっ」
高里「え!? 嘘」
竹 「誰?」
北山「倉知先生! どうしたんですか、こんなところに1人で」
倉知「ええっと、君はどちらさま?」
北山「北山です。メフィスト学園の生徒です」
倉知「ああ、やっと来てくれた」

倉知はいきなり北山に抱きつき、おいおい泣き始めた。

高里「きゃあっ♪ 倉知先生ってばっ」
北山「うわああ、いきなりどうしたんですか」
倉知「公園の遊歩道の入り口で花見をするからと言われて、場所取りして朝からずっと
  待ってたんだよー。なのに、いつまでたってもメフィ学のみんなは来ないし、
  この場所を狙って変な奴らが次々やって来るし。もう寂しくて寂しくて」
竹 「くらちゃん、花見の場所は反対側なんだよ」
倉知「な、なんだってえっ!」
北山「むぎゅううう。く、苦しい。は、離してくださ」
高里「な、なんて熱い抱擁なの。倉知先生、そんなに北山君のことが…」

743 :名無しのオプ:03/04/05 17:00
何だかぽかぽか和んでしまった〜、北山と高里の会話の下り。
乙です!

744 :名無しのオプ:03/04/05 19:43
マターリして和みますた。
北山と高里がイイ感じに…霧舎…(T_T)

745 :名無しのオプ:03/04/05 21:24
西尾「……北山の野郎が竹ちゃんと手をつないで歩いていやがる……! あのビチグソがぁー!!」
森「西尾君、嫉妬のあまりキャラが壊れているね(笑)」
清涼院「いや、委員長。西尾氏はもともとかなりのJOJOオタなのだよ」
霧舎「……ああ、高里さん。今度は北山君か。
良かったね、彼は温厚な青年だし、新作も出すみたいだし。…お幸せに……ぅぅ!!(号泣)」
浅暮(ううぅ…酒が……酒が酷く不味い……。誰かなんとかしてくれよ……)
新堂「なんだ、西尾、霧舎。恋愛の話なら俺にまかせろ。だてに他校で純愛小説出してないぞ」
秋月(僕は読んでないけど、大方、借金のかたに娘をどうのこうのっていう話だろうなァ←酷ぇ)
津村「二人とも、相手にこう言えば良いんだよ。『僕を信じてください!』ってね」
中島「それって、すごく嫌なオチがつきそうだな」


746 :名無しのオプ:03/04/05 21:32
まぁ、どうしてもというのなら。
君がそれほどまでに、あの世界観を共有したいと言うのなら、許可してやらない事もない。
そんなにむきになって否定するなよ。
本当は書きたいんだろう?
JDCはあくまでも前座だよな、舞城。
君が本当に書きたいのはあんなもんじゃないはずだ。
素直になれよ。
書きたいって言えよ、ほら。

……鏡家トリビュートをさ。


747 :名無しのオプ:03/04/05 21:57
舞城と高里がいい感じになることはもうないのか
あれ好きだったんだけど

748 :名無しのオプ:03/04/05 22:40
>>746
だめだよ、ユヤタン再起不能になるよ

749 :名無しのオプ:03/04/05 22:46
>>746 内心くすっと笑った

750 :名無しのオプ:03/04/06 16:43
>747
公式のスキー合宿とバレンタインあたりを読みつつ
淡い期待と共に気長に待っていよう

751 :名無しのオプ:03/04/07 20:15
氷川「あ、僕にも一杯もらえますか」
浅暮「氷川か。あっちはもういいのか?」
氷川「あんまり石崎さんを苛めても可哀想ですからね。法月先生は綾辻先生と我孫子先生、石崎さんは乾君と霧舎君のところに」
浅暮「京大トリオに微妙トリオか。仲のいいことだな」
日明「トリオって……そういえば、あなたたちもちょっと前まではトリオだったんじゃない?」
氷川「え?」
日明「ほら、確か地味トリオとか言って」

「そうだよ」

 桜の陰から声がした。
 彼こそは、メフィスト学園で今最も不遇な男──

黒田「ひどいじゃないか! 雪山以来、二人ともまるで人が変わったみたいに僕をのけ者にして!」
氷川「黒田君……」
黒田「飲む時も二人でどっか行って、ちっとも誘ってくれないし。僕なんて……僕のことなんて……」
氷川「いえ、一応それには理由が」
浅暮「ま、今日は三人で飲もうや。な、黒田」

(数十分経過)

氷川「ああ、すいません日明さん。高田君に薬を」
日明「やっぱり潰れちゃったのね。大丈夫、黒田君?」
氷川「だから言ったんですよ。浅暮さんの酒の相手をしようだなんて、正気じゃない」
浅暮「そう言うおまえの顔色は一向に変わらんようだが」
氷川「まさか、もう充分酔い潰れてますよ。そのへんに僕が転がってるのが見えませんか?」
浅暮「……相変わらずわかりにくい冗談だな」

酒飲み二人の前に、黒田あえなく沈没──



752 :あぼーん:03/04/10 07:45
あぼーん

753 :名無しのオプ:03/04/11 00:51
西尾「畜生!北山のドグサレめがぁー!!」
積木「…」
西尾「それに佐藤!そもそもあのドグサレが自爆テロみたいなことしやがって!」
積木「…」
西尾「嬲り殺しだ!楽に死ねると思うな!!」
積木「…」
  (北山に佐藤か…
  (西尾はMDC仲間だが…
  (さすがに…北山、佐藤の二人ともが正月に西尾を殺そうとしたことは
   黙ってたほうがいいんだろうか…
  (言わなくても二人ともただじゃすまなそうだが…

積木「ログを読める…すべてを知るが故の悩み。
   舞城、これが『メタ探偵の憂鬱』か…
舞城「なんじゃい、いきなり…このおっさんは

754 :名無しのオプ:03/04/11 16:04
散策を終え、帰ってきた北山・竹・高里を待っていたのは、泥酔して正体を無くした西尾だった。
西尾「うふ、うふふ」
竹「う、いーちゃんお酒くさーい」
西尾「北山君、ちょっとこっち来て」
北山「な、なにかな?(あんまり関わりたくないよう)」
西尾「うふふ、キミさ、失格だから。圧倒的に救いようも無く失格。解った?」
北山「(全然解らないよー)う、うん、解った。僕は失格だね。残念だなァ」
西尾「そうか、解ってくれたか。うふ、うふふ。じゃあ……早速」
懐に手をいれ、ハサミを取り出した西尾。高里が悲鳴を上げる。
西尾「零崎を始めよう」

恐怖と殺戮の幕が開いたかに見えたそのとき……




755 :名無しのオプ:03/04/11 16:46
「パクったね、いーちゃん」

桜吹雪の中から『最後の覇王』の直系・唯一者ユヤタンが現れた。
西尾「な、なにを……! 僕が何をパクったっていうんだ!」
佐藤「殊能先輩のハサミ男をパクった」
西尾「馬鹿な!? ハサミ使っただけじゃねぇかよ!」
佐藤「三村つっこみも、いい加減にしないとうざがられるよ」
西尾「くっ……。パクリだったら、アンタの最近の短編、中上の……」
西尾は最後まで言う事ができなかった。
ユヤタンは改造スタンガンを抜き、余計な事を言おうとした西尾を瞬時に黙らせる。
倒れる西尾を抱えて、ユヤタンは竹に言った。
佐藤「竹ちゃん。いーちゃんは別にロリじゃないんだ。
ちょっと僕が悪ふざけしただけで、全部誤解なんだよ。ごめんね。
こんな事態になったのは、僕の責任だ。北山君も、大変だったね」
高里「佐藤君、……なんか、大人になったね。ちょっと格好良い…。
なにがあったの?」
佐藤「……ふっ、舞城の奴が、ようやく僕をライバルと認めたんですよ。
最新作の中で、僕についての小ネタが随分出てきます。いやぁ、随分僕を意識しているなぁ」
北山「最新作って、九十九十九?」
高里「あ、私も読んだ。第一話に蘇部君ネタもあったよね」


佐藤「!!」



756 :名無しのオプ:03/04/11 21:56
蘇部「舞城君、僕の事小説に書いてくれたんだね!」
舞城「あたりまえやんけ俺ら友達やろ?」
蘇部(舞城君・・・じーん)
舞城「ええか、俺はお前でお前は殊能で殊能は俺で俺は殊能で殊能はお前でお前は俺や!」
蘇部「・・・・・・ごめん。よくわからないよ・・・」
舞城「だーかーら見立てや!三位一体や!シュノソブマイジョもこれで丸くおさまるんや!」
蘇部(殊能君と僕は一緒かーうふふ。でも舞城君と一緒は嫌だなぁ・・・僕あんなに下品じゃないし
   野蛮じゃないし福井弁だって解んないし福井の名物作れないし家庭きわめて穏やかだし
   マザコンじゃないし・・・)
舞城「・・・お前今何考えた?」
蘇部「え?ぃい、や、なに、なんもかんがえて、ないようう(怯え)」
舞城「ゴルァしらばっくれんなや!!人間寛大誠実正直やねんぞ!」
蘇部「じゃあ怒らないどぅべっぐう」
   蘇部の胸倉を掴み、持ち上げる舞城
舞城「じゃあ俺今からお前の腹切るな」その顔には無垢な赤ん坊みたいな笑みが貼り付いている。
蘇部「えっ・・・ええ?ちょ、え、なになんでへぶ」
   舞城は蘇部を離して日本刀をさやからじゃりり!と抜く。
舞城「あんな、ええ事教えたるわ記憶てな、魂だけが司っとんちゃうで。肉体もちゃんと記憶持っとんねんで
   だからな、お前の中身全部出してお前の皮をかぶると俺、お前の考えた事全部解るねんぞ!
   あとこれ羊の皮かぶったオオカミの見立てなお前の今考えた事だけやなくて
   お前の今までのいじめられた記憶やアホ日記や殊能とのかまととやお前の思考回路や六トンを何思って
   書・・・」
   と、舞城は急に言葉を切り黄色い濁った眼を蘇部に向けた後そっぽを向いて歩き出す。
   呆然としている蘇
29c
部には舞城の「そんなんいらん解りたくない知りたくないぶつぶつぶつぶつ」
   と言うつぶやきは聞こえない。

舞城「うぎやややややややああああああああああああああああ」舞城の世界は崩壊した。

757 :名無しのオプ:03/04/12 17:20
九十九十九ネタが旬ですな(w
職人が少ないのはリアル新学期で忙しいせいか。
そろそろ桜が散ってきたぞ〜。

758 :名無しのオプ:03/04/12 17:23
http://mystery.adam.ne.jp/mephisto/1032164105.html#R643
まさか森から切るとはなあ

759 :名無しのオプ:03/04/12 17:24
間違えた。
http://mystery.adam.ne.jp/mephisto/1032164105.html#R639

760 :名無しのオプ:03/04/13 12:19
お前ら!
公式のアルバムに遠足の手前までアップされてますよ!

761 :名無しのオプ:03/04/13 17:36
日明「なんかそれぞれ別行動っていうか、花見どころじゃなくなってきたわね」
氷川「森君なんか、いつのまにか他人の顔して帰っちゃいましたよ」
新堂「ぶっ壊れてきてる奴等がいるからな。面倒を避けたな、委員長め」
浅暮「しゃあない。とりあえずこの場はお開きにするか。二次会行きたい奴は
   勝手に行ってくれ。俺はここに残って夜桜を楽しむさ」
「ダブ(エ)ストン街道はどこいった〜」と謎の歌を口ずさみながら浅暮は去った。

石崎「よ〜し、なみへい。カラオケ行くぞ、カラオケ」
黒田「それじゃあ僕、ミニモニ。歌うっ」
乾 「あ、初めて黒田のイキイキとした顔を見た気がする」
霧舎はちらりと高里の様子を窺った。
(彼女もカラオケに行くんだろうか……だとしたら今度こそ)
酒の力を借りて彼女と向かい合うつもりが、周りが邪魔で近寄れなかった。
彼女は入学当初と比べて色んなクラスメイトと仲良くしている。
(なんだか僕と付き合ってたのが嘘みたいだ。今の彼女なら誰とでも……)
そして今、高里は舞城を気遣わしげに見つめている。
舞城の視線の先には殊能が、殊能の目の中には蘇部がいる。
霧舎「……なんだかなあ」

762 :名無しのオプ:03/04/13 18:58
佐藤「いーちゃんも妹萌えだったのか!!
   夜月タン…ハァハァ」

763 :名無しのオプ:03/04/15 15:19
『メフィストの学園 女教師・涼子』黄支亮/MON-MON

フランス書院の新創刊文庫より
このタイトルって微妙・・・。

764 :名無しのオプ:03/04/16 00:56
なにやらやかましい音楽により目が覚める。「じゃんけんぴょん♪」という気持ち悪い歌声が
聞こえ、その歌声が誰によるものか瞬時に理解したが熱唱する黒田先輩なんて見たくないから
目を閉じたまま思考しよう…

どうやら花見の二次会でカラオケに来てるということか…

佐藤先輩には、正直感謝しなくちゃいけないかな。あのまま竹ちゃんの前で酔って醜態を晒す
のは最悪だ。その点少しだけ感謝。プラマイゼロには程遠いけどね。

目を開けよう

竹「あー。いーちゃんがおきたんだよー。いーちゃんの寝顔ってうにょいねー」
ソファーに寝かされた僕の頭側すぐに竹ちゃん。どうせなら膝枕でもしてくれればいいのにね
その隣は高里先輩、さらに向こうに北山…こちらにおびえた視線を向けているけど、まあ無視
またあとで。そして歌ってるのが黒田先輩。ほかに誰が来てるのかな…

!後頭部に視線。いつからだ?振り返る。そこにいたのは…

西尾「乙…!」

765 :名無しのオプ:03/04/16 01:03
新堂さんが歌うのは借金大王かしらん

766 :名無しのオプ:03/04/16 01:33
竹「おっつーがここまでいーちゃん運んでくれたんだよー。感謝感謝」
どういうことだ?0.2秒だけ考える。答えはわかってる。何も今視線に気づいたんじゃない。
花見の最中、特に僕が酔ってるとき…特に「ビチクソ」「ドグサレ」という言葉をはくたびに
視線を感じていた。誰だってそうだろう、趣味というのは同好の士を求めるものなんだ。
それは人付き合いの悪いもの同士でも。

西尾「乙…雅三さん…」
竹「うにー?いーちゃんまだよってるのー?おっつーだよー?」

彼は少しだけ、注意しないとわからないぐらいの笑みを浮かべる。つまりわかってるということだ。
一人集英学園の人間でいずらいだろうに、しかも御大と関わりたくないという彼がここにいる。つまり彼から
歩み寄ってきたんだから、僕からも歩み寄るべきなんだろう、やっぱり。
彼の仕事に少し嫉妬もしたし、集英学園でない自分の身を呪いもしたが…

西尾「JOJOノベライズ楽しみにしています」
乙一「ありがとうございます」
西尾「今度編集の人に言ってくれませんか。僕が『ピンクダークの少年』のノベライズやりたがってるって」

今度はもう少しわかりやすい笑顔を浮かべる彼。つられて僕も少しだけ笑う。

竹「うにー。2人とも、きのとまさぞうってなんなのー?」

顔を見合わせる僕ら。また少し笑って

西尾・乙一「やれやれだぜ」

767 :名無しのオプ:03/04/16 07:54
あとは上遠野がいれば完璧…

768 :名無しのオプ:03/04/16 08:07
佐藤「えっと次はスーパーカーかな。ナカカズも外せないよね……ふふっ」
高田「意外な人がイキイキとしてますね。意外な人もいつのまにか参加してるし」
石崎「若者の歌ばっかりでおじちゃんつまんない〜」
乾 「同い年の霧舎はアニソン歌ってるけどな」
氷川「それでは僕がどんどこ節をやりましょうか」
石崎「お前そのネタいつまでひっぱるつもりだよ」
竹 「あ。そろそろふゆちゃんの出番なんだよ」
北山「何歌うのかな。『竹内力』だったらウケるんだけど……」

新堂「あー、それでは俺の歌を聴いてくれ。越路吹雪の『ろくでなし』だ」

一同「そうきたか!!」

769 :名無しのオプ:03/04/16 08:31
>>768
「ズンドコ節」でしょ。

と言うか、個人的には乙一はいらんのだが。。。

770 :名無しのオプ:03/04/16 08:55
>769 訂正アリマトウ。
素で間違えた。恥ずかすぃ〜。


771 :名無しのオプ:03/04/16 18:25
ピクニックから帰って以来、メフィスト学園の食堂ではひとつの怪奇現象のうわさが立っていた。
メニューの豊富なこの食堂では、当然多くの食材を用意しなければならない。それを保存する冷凍庫、冷蔵庫は
ともに十畳ほどの広さがある。
そこから夜な夜な、謎のうめき声のようなものが聞こえるという…

謎の声「アッラーアッラーアッラーアッラーアッラーアッラー…」

京極先生による怪奇現象の調査は一日で終わったという

772 :名無しのオプ:03/04/16 18:51
(ここはいい。あの雪山によく似た環境。ここで修行を積めばまたアッラーに近づけるかもしれない。)
冷凍庫の中、半裸の古泉はひたすらに神の名を唱えていた。彼は、花見にも参加せず、もとより冷凍庫にこもりっぱなしのため
誰も彼と連絡を取れなかったのだが、ひたすら修行を続けていた。
冷凍庫には低い声が響き渡る。

「アッラーアッラーアッラーアッラーアッラーアッラーイン!セイリョーラー」

古泉「!」

気がつくとすぐ隣で清涼院が古泉のまねをして座っている。
古泉は無言で立ち上がり赤と白の水玉のシャツの襟をつかむと、冷凍庫のドアを開けソレを投げ捨てた。

(とんだ邪魔が入った。早く修行を再開しよう…)

古泉「アッラーアッラーアッラーアッラーアッラー」
清涼院A「セイリョーイン!セイリョーイン!セイリョーイン!セイリョーイン!」
清涼院B「リュースイ!リュースイ!リュースイ!リュースイ!リュースイ!」
古泉「!」

左右の耳のすぐ近くで、2人の清涼院が怒りの表情で叫んでいた。

773 :名無しのオプ:03/04/16 19:34
(く、心を落ち着けろ。雑音など気にせずひたすらアッラーの名を唱えるのだ)
しかし、増殖し続ける清涼院。2人から5人へ、ステレオスピーカーから、5.1chスピーカーに。
(これもアッラーに近づくための試練。神よ!アッラーよ!)

古泉「!」

ふと、何かに気づいたような顔をして立ち上がる古泉。そのまま冷凍庫から出て校庭に向かう。
そのあとを飛び跳ね、叫びながらついていく清涼院。冷凍庫から食堂へ、食堂から校庭へと広い空間に出るたびにその数は増えていく。

古泉は歩きながら考える。

(この学園の生徒はそれぞれの作品においては神として君臨している。メタと呼ばれる人間は、その作品内で意識的に、積極的に
 神としての立場を利用し物語に関わっていくのだろう。
(それはかまわない。自分の創作内で神を気取るのはそれぞれの自由だ。)
(しかしこの男だけは!自分の創作でないこの世界でまでひたすら不条理な、奇跡のような行動を起こす。)
(まるで神のように…。唯一の神であるアッラーを差し置いて…)

校庭の真ん中を少し過ぎたところで立ち止まる古泉。
その後ろには校庭の半分を埋め尽くすほどの数に増えた清涼院。

古泉「アサシンという言葉の語源を知ってるか?」
清涼院「リュースイ?」
古泉「ハシシ(大麻)を使うものでアサシン。その由来はシーア派の暗殺教団、ハシシユーンから来ている」

古泉の両腕が光る。いつの間にかその手にはジャマダハル、西洋ではカタールという名で認識される武器が装備されている。

古泉「これはアッラーの御名のもとの聖戦だ!」

ほかの生徒たちがカラオケで戯れるころ、校庭では宗教戦争が起きていた…

774 :名無しのオプ:03/04/16 20:10
すげえ、宗教戦争だなんて、黒い仏みたい……。ネタバレかも

775 :名無しのオプ:03/04/16 20:39
清涼院は「赤と白の水玉のシャツ」なんだずっとw

776 :名無しのオプ:03/04/16 21:54
黒殊能「いあいあくとぅるふふだくん!」

777 :立原伸行:03/04/16 23:35
くそ、俺だって本当なら学園の生徒になれたのに……


↓「立原って誰?」って言うな!

778 :名無しのオプ:03/04/17 00:02
「立原って誰?」

779 :山崎渉:03/04/17 15:32
(^^)

780 :名無しのオプ:03/04/18 23:10
最近このスレ元気ないね(´・ω・`)ショボーン

781 :名無しのオプ:03/04/19 16:39
浅暮は一人ベンチに座り、酒瓶を片手に桜を見上げていた。
積木「……よお。どうした? アンニュイな顔をして」
浅暮「積木か。カラオケ行かなかったのか?」
積木「そんな柄じゃないからな。それにしても何を思い悩んでいるんだ?
  復刊の動きがある。賞の候補にもなってる。今のお前は順風満帆じゃないか」
(俺とは違ってな……)
声にならない積木の妬みを嗅ぎ取った浅暮は、苦笑してみせる。
浅暮「いや、どっちも実現するかわからんよ。投票もストップしたみたいだし」
積木「いいや、それでも羨ましいよ。俺には縁遠い話だからね」
絡んでくるとは珍しい。酒の呑み過ぎだろうか。きな臭い感情がぷんぷん臭う。
積木「暗くなってきたなあ。人の顔が見分けのつかない黄昏刻だ」
浅暮「そうだな。……いつまでも立ってないで座ったらどうだ?」
積木「この辺りには通り魔が出現するらしいぞ。ハサミでお腹を切られるんだ」
無視して積木は言葉を続けた。明るい声色が不自然だ。浅暮は眉根を寄せる。
浅暮「初耳だな。まさか呼び名はハサミ男か?」
積木「知らないのも無理はない。俺達がピクニックをしている間の出来事さ。
   ……被害者のお腹の中からは本が出てくるんだよ」
浅暮「ははは。どっかで聞いた話だな」 
積木「最初に出てきた本は『すべてがFになる』だ。次に『コズミック』、
  『六枚のトンカツ』、『Jの神話』、『記憶の果て』そして……」
浅暮「おいおい。そりゃあメフィスト賞受賞作の順番じゃないか」
積木「……そして事件はストップしたのさ。くくく」
浅暮「へえ。そりゃあよかったじゃないか」
積木「どこがいいんだ!」
ついに積木は浅暮につかみかかった。その顔は泣きそうだ。
積木「きっと犯人は俺の本を持っていないんだ。だから犯行を続けられないんだ!」
浅暮「積木、落ち着け……」
積木「案外犯人は『ダブ(エ)ストン街道』の復刊に参加してるかもしれんなあ!」
浅暮「積木、苦しい……」
どす黒い怒りと悲しみの臭いに包まれて、浅暮の意識が薄れていく。

782 :名無しのオプ:03/04/19 16:53
日明「ちょっと何してるのよ!」
背後から降りかかった叫び声に、積木は手を放した。
日明「いったいどういうこと? 何の恨みがあって彼を殺そうと……」
浅暮「お前も落ち着け。殺意がなかったのはよくわかってる」
積木「……俺は……俺は……」
浅暮「なあ、積木。俺に何を思い悩んでいるか聞いたな? それは花見の間、
   お前がずっとみんなを呪い続けていたからさ。特に売れてる奴をな。
   その理由がわかってすっきりしたよ。よく話してくれたな」
積木「くっ……すまない。みんなを恨むのは筋違いだってわかってる。
   俺はただ、この学園の誰よりも『読まれてない作家』のような気がして」
浅暮「酒のせいにしちまえ。いくらでも恨んでいい。酒は懐でかいぞ」
日明「あとは桜のせいにしちゃいなさい。桜は人を狂わすって古来から言われてるもの」
積木「……そうだな、そうするよ……ありがとう」

そんな一幕を桜の陰から見つめる者がいた。
顔には薄ら笑いを浮かべて。
右手にはハサミを持って。
左手には……。

783 :名無しのオプ:03/04/19 17:12
お、新展開か?

784 :名無しのオプ:03/04/19 22:30
一方、持ち歌も尽きてまったりしてきたカラオケ班。

乾「そうそう、学園付近で連続通り魔事件があったって知ってる?」
新堂「なんだと? それは俺達自警団への挑戦か?」
中島「見回りを強化する必要があるな」
乾「ある意味メフィスト学園への挑戦かもね。何しろ被害者のお腹には、
  メフィスト賞受賞作が入れられてるんだから」
石崎「なんだそりゃ。犯人は舞城か?」
乾「いや、僕らがピクニックに行ってる間の事件らしいから、少なくとも
  僕らの中に犯人はいないはずだよ」
高田「その話なら僕も知ってます。犯行は5件。犯人は見つかっていない……」
竹「うに〜。こわいんだよ」
西尾「五件というと浦賀先輩までだね。次の本はまだ入手できてないのかな?」
秋月「ふうん……乾君の本は持ってたのに、不思議だね」
乾「なんだと! ていうかお前に言われたくない!」
石崎「しかし変だな。そんな犯行を思いつくなら、普通メフィスト賞受賞作
   をコンプリートしてからやるもんだろうに」
氷川「確かに5件で止まりというのは中途半端ですよね。まだ事件は続いて
   いると考えた方が無難です」
佐藤「28人……もし成し遂げたらすごいね」
石崎「こらこら。そんな考え、被害者に失礼だろ」
佐藤「……人殺しの話を書いて稼いでるのに、今さら……」
石崎「現実とフィクションは違うだろう……ってなんで俺がこんな正論を!」

何となく場が白けたので、カラオケ班はそこで解散になった。

785 :名無しのオプ:03/04/19 22:41
石崎「…………」
乾「どうした? 難しい顔して。まさか探偵モード?」
石崎「いや、随分さっしがいいなと思って。……西尾の奴」
乾「どういうこと?」
石崎「お前は受賞作が入れられているとだけしか言っていないのに、
   あいつはどうして順に入れられているとすぐにわかったんだ?」
乾「あ、そういえば。『浦賀先輩まで』って」
霧舎「すでにこの事件の話を知ってたんじゃないの? あんまり乾が
   得意そうに話し出したから、話を合わせてくれたんだろう」
石崎「あいつがそんなタマか?」
乾「じゃあ、話の流れで順に入れられてるってのを察しただけだろ」
石崎「そうなのかなあ」
霧舎「深く考えすぎだよ。……それより高里さんって今どこにいるんだろう。
   カラオケにくると思ったのに……まさか舞城と……ぶつぶつ」
石崎「仕方ねえなあ。それじゃあ花見の現場に戻ってみるか」    

786 :山崎渉:03/04/20 02:36
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)

787 :山崎渉:03/04/20 06:40
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)

788 :名無しのオプ:03/04/20 11:23
学園では職員会議が行われていた。
Jが五枚の紙片を机に並べる。
ビニールに包まれたそれは、赤く汚れていた。

J 「これが被害者の腹の中に入れられた本に挟まれていた紙です」

『すべてがFになる』→「ヒロインニ激萎エ。金持チ憎シ」
『コズミック』→「コレヲ有リトシタ者ハ有罪。ミステリヲ堕落サセル気カ!」
『六枚のとんかつ』→「コンナゴミガ受カッテ何故私ガ落チル?」
『Jの神話』→「ミステリナノカオ色気ナノカハッキリシロ!」
『記憶の果て』→「十九歳、ダカラ何? 若サニ注目スル審査官ハ己ガ若イツモリ」

京極「これを読む限り、犯人は試験に落ちた者のように見受けられますね」
笠井「試験官への恨みと、合格者への妬みといったところか」
J 「本を使用された五人には事情を話しときましたよ。念のため積木にも」
京極「確かに、このままで終わるとは考えられませんね。むしろ生徒達が
   ピクニックから帰ってきたことで、何かが始まる気がします」
笠井「そうだな。学園を取り囲むように被害者を配置したことといい、
   明らかに我々を挑発する意味合いがある。犯人は生徒達が学園に
   戻ってくるのを待って、五人でやめたのかもしれん」
J 「で、他のみんなはまだ花見か?」
森 「今は別行動のようです。さっき学園内で騒いでいる人もいましたね。
   あんまり皆さんが浮かれているので事件の話ができませんでしたが、
   きっと乾君あたりが吹聴してくれてるでしょう(笑)」

789 :名無しのオプ:03/04/20 11:33
乾 「で、そいつは一日に短時間で五人も殺ったんだぜ。化け物だよな〜」
石崎「連続ってより同時多発通り魔だな。つーか、複数犯なんじゃないの?」
関田「そう考えた方が自然ですよね」
乾 「おっ、お前新入りのくせに生意気だぞ。ていうか、いつからいた?」
石崎「いいぞ、なみへい。その調子で乾を潰せっ」
乾 「何仕込んでるんだよっ。おい、霧舎も何とか言ってくれ」
霧舎「高里さん……僕はもう間に合わないのかい……」
乾 「駄目だこりゃ」

790 :名無しのオプ:03/04/20 21:48
京極は職員室の隅で、
ひとりパソコンを操作していた。

西澤「おや。何をしてるんですか」
京極「これはこれは。学園では影の薄い西澤先生」
西澤「う…ぐ、辛辣な……」
京極「会議もひとまず休憩ですし、雑事を済ませていたのです」
西澤「ほぅ」

ディスプレイには『夏の行事予定』とあった。

京極「今まで学園行事といえば、山ばかりでしたからね。
   夏には是非、海に行く行事を、と考えてまして。
   海水浴、孤島探検に洞窟探検……海というのも乙なものです。
   そこで、綾辻先生に『館』を用意してもらって臨海学校でもできれば、と」
西澤「それは……実に面白そうだ」
京極「──そのためにも、今の事件が早く解決して欲しいところですが」

京極の顔色が少し暗んだ。

西澤「京極先生は、今回の事件に関して何か考えがありますか?」
京極「事件以前に、素朴な疑問が幾つか燻ってましてね。
   一つ。あれだけ昏々と眠っていた古泉君は何故目覚めたのか。
   一つ。独り残されていた石崎君はどのように学園に帰ったのか。
   一つ。ピクニック事件の裏に居た小路君は現在どこにいるのか。
   さて、どれもこれも瑣事。今回と、関連があるのか無いのか」
西澤「──お。そろそろ職員会議再開ですよ。行きますか」

二人は、会議室へと向かっていく。

京極(そういえば。花見の席に生垣君を見てないな……)

791 :名無しのオプ:03/04/21 00:03
お。新章突入か。
ピクニック編で残った謎の処理に期待。
>782のぐれさんカコイイ。

792 :名無しのオプ:03/04/21 14:42
浅暮はちらりと後方を見ると、積木と日明の手をつかんで走り出した。
桜の陰からゆらりと人影が踊りだす。
日明「ちょっと? 断りもなく私に触れないでよ、いやらしい!」
浅暮「やかましいっ。いいから逃げるぞ。狙われてるんだっ」
日明「狙われてる? 一体誰に」
浅暮「俺たちの話を聞いて大喜びしていたよ。恐らく……例の犯人だ」
積木「何っ! 放してくれ」
手を振り払って積木は逆方向に走り出した。
積木「君っ、教えてくれ! 私の本を持っていないから犯行をやめたのか?
   そんなに私の本は魅力がないのか? 読んでさえくれれば他の奴らと
   遜色ない出来だということがわかるはずだっ。あいつとかあいつより…」
そのとき浅暮は、闇に紛れる『犯人』から歪んだリスペクトの感情を嗅ぎ取った。
浅暮「危ない! 相手は凶器を持っている! お前の腹を使う気だ!」
積木「え? ってことは、やっぱり僕の本……」
笑顔を浮かべた積木に衝撃が襲い掛かる。
ざくり、と刃物が肉を断つ音が闇に響いた。
日明「きゃあーーーーっ」

…………
浅暮「目覚めたか?」
積木「あれ? 無傷だ。私は一体……」
日明「浦賀君が自前の包丁で犯人に切りかかったのよ。多分、助けてくれたのね」
津村「安心するのは早い。浦賀は相手を取り逃がした。ハサミで逆襲されたんだ」
積木「あれ、お前等いつのまに」
古処「事情は聞いた。男たるもの、全力でお前達を守る」
積木「お前達って……みんなも狙われているのか?」
浅暮「連続通り魔は一般人では飽き足らず、作者本人を狙うことにしたらしい。
   お前がやられたら新堂、その次は俺だ。ははっ、復刊間に合うかな」
日明「馬鹿。笑い事じゃないわよ。みんなを集めて話し合った方がいいわ」

793 :名無しのオプ:03/04/21 19:38
宗教戦争は?アッラー!

794 :名無しのオプ:03/04/21 19:46
関田「受賞順ってことは、僕はまだまだ無事だな・・・。でも目立てない」

795 :名無しのオプ:03/04/21 22:09
秋月「ようし、ようやく僕の見せ場が来る!どうか僕の出番が巡ってくるまで
   犯人が無事つかまりませんように」
関田「でも秋月さんの前って舞城さんですよね」
北山「その前には新堂君、中島君、古処君もいるしね」
秋月「…………やっぱ無理かな」

796 :名無しのオプ:03/04/21 22:37
>795
ワロタ
確かにあのあたりは強敵が多いな。

797 :こんなん思いついてちょっと鬱:03/04/22 00:42
生徒A「舞城先輩の『九十九十九』売れてるらしいねー」
生徒B「西尾先輩のも好評らしいよ。JDCトリビュート」
生徒A「そのうち奈津川家トリビュートとか鏡家トリビュートとか始まったりして」
生徒B「確かにやりそうだよね。あはは」

二人は学内掲示板の前を通りかかった。
「古処紳士倶楽部(仮)正式名称まだまだ募集中!」
「後期クイーン病の予防接種はお早めに」
などの連絡事項に交じって、一枚のポスターが目を引いた。
イラストは辰巳先生らしい。

生徒A「こ、これは……!」

「YAKATA」トリビュート作品募集!
新たな中村青司の館を創るのは君たちだ!

生徒B「綾辻先生……」

……まさに悪夢。

798 :名無しのオプ:03/04/22 12:24
>797
予防接種(w
綾辻先生……末期だな。

799 :名無しのオプ:03/04/22 13:25
公園に戻ってきた石崎達は、日明の金切り声を聞きつけて集まった。
石崎「なんだ。お前等まだ花見やってたのか」
霧舎「た、高里さんはどこに?」
日明「それどころじゃないわよっ。私たち襲われたのよ!?」
駆け寄る日明は、石崎・霧舎・乾を順に押し退け関田に抱きつく。
日明「怖かったわ! ハサミを持った変質者が美人秘書であるこの私を……」
浅暮「狙われたのは正確に言うと積木だけどな」
乾 「えっ、まさか例の通り魔が出たの? どうして積木君が襲われるわけ?」
浅暮は自分の嗅ぎ取った犯人の意図を説明した。
石崎「おいおい。俺達が標的かよ。随分愛してくれちゃってるなあ」
乾 「うわあ、助かった。僕はもう済んだから狙われないよね?」
石崎「わからんぞ。お前の中年太りの腹を見たらムラムラするかもしれん」
関田「この場合、ハードカバーの人は災難ですね」
日明「やだ。あんな大きいの、スリムな私に入るわけないじゃない」
古処「古処紳士倶楽部(仮)たるもの、女性を危険な目に遭わせるわけにはいかない」
津村「ええ。例え我々の体を犠牲にしてでも犯人を捕獲しましょう」
霧舎「あっ、僕の前には高里さんがいる。こ、今度こそ助けなきゃ……」
積木「おいみんな、何気に私が倒されることを前提に話してないか……?」

800 :名無しのオプ:03/04/22 13:49
犯人と対峙して傷を負った浦賀は、離れた場所で高田の治療を受けていた。
カラオケの後、一人お気に入りのバーでカクテルを楽しんでいたところを
浅暮から携帯で呼び出されたのである。

高田「浦賀君が返り討ちにあうなんて、相手はよっぽどの強者なんだね」
浦賀「…………」
高田「で、顔は見たの? 男だった? それとも女? 服装は?」
浦賀「…………」
高田「まあ、この暗闇だから。見分けがつかなくても仕方ないね」
浦賀「…………」
高田「それにしても、君は運がいいね。標的からギリギリ逃れて」
浦賀「…………」
と、そこへ殊能と蘇部が通りがかる。
蘇部「あれ、どうしたの? うわっ、血だ!」
高田「君たちこそ、どうしたの。まだ帰ってなかったんだ」
殊能「蘇部君が夜桜を見たいって言うから、公園を回ってたんだ」
高田「それはまた、舞城君が聞いたら大変な……。でも丁度よかった。
   この公園は危ないよ。ハサミを持った怖い人がうろついてるからね」
高田は浅暮達から聞いた事情を説明する。
蘇部「その話なら先生に聞いてたけど、まだ事件は終わってなかったんだ。
   お腹切ったら痛いのに、積木君かわいそうだね。本も汚れちゃうし」
殊能(普通なら自分が危機を免れたことを安心するものだろうに、すぐさま
   他人を気遣うなんて、蘇部君は本当に心が優しいんだな……)
高田(もう積木さんが被害に遭うことを断言するとは、怖い人だな……)

801 :高里:03/04/22 16:16
801GETハアハア

802 :名無しのオプ:03/04/22 22:34
>>801
高里キター! と言ってみるテスト

803 :名無しのオプ:03/04/23 15:24
ワラタ

804 :名無しのオプ:03/04/23 16:53
古泉迦十による瞑想推理
今回の事件における犯人を瞑想により推理(予測)する
犯人はメフィスト学園生徒以外というと

その1.乙一
 最近、学園にやたらと巻き込まれるのを嫌悪しての犯行か
その2.笠井先生
 さらなる逆襲により巻き返しを・・・
その3.物集高音
「なぜ、俺はメフィスト学園に入れない・・・」

805 :名無しのオプ:03/04/23 18:11
霧舎「どうして彼女の姿がないんだ。まさか危ない目にあってるんじゃ!」
浅暮「いや、あいつならさっき無邪気にハァハァしてたぞ」
積木「うむ。高里なら確かに>>801にいるな」
霧舎「そっかー、ありがとー……ってメタな指示出されても行けねえよ!」

806 :名無しのオプ:03/04/23 23:04
メフィスト賞愛好家である石崎の所持している全メフィ賞受賞作が盗まれるという展開キボンヌ

807 :名無しのオプ:03/04/23 23:08
>806
それだと石崎の謎にも絡められそうだな

808 :名無しのオプ:03/04/24 01:49
蘇部「へっくしょん。えへへ、鼻水出ちゃった」
殊能「……寒いし、真っ暗になってきてるし、ここに留まるのは危ないんじゃない?」
古処「同意する。この状況は敵に有利である」
浅暮「今は奴の気配はないが、積木から目を離すわけにはいかないな」
石崎「そんじゃあみんな、ひとまず学園にでも場を移すか」
積木「み、みんな私のために済まない」
日明「仕方ないわ。あなたが突破されたら私のボディに傷がつく可能性が増すもの」

というわけで、一同は積木を取り囲むようにして学園に移動した。

809 :名無しのオプ:03/04/24 02:03
密室か……どうなることやら

810 :名無しのオプ:03/04/24 02:25
積木達は無事学園に辿り着くと、教師達に事件の報告をした。
事を重くみた教師陣は、緊急連絡網を回して生徒達を学園に召集した。
しかし幾人かの生徒は連絡がつかないままだった。

森 「ちなみに古泉君と清涼院君はさっき校舎内で騒いで遊んでましたよ(笑)」
北山「西尾君は竹さんを送ってる途中で、今Uターンしてこっち向かってるって」
霧舎「ここにも高里さんはいないのか……」
石崎「そういえば随分姿を見てない奴がいるよな。カメラマン眼鏡とか」
乾 「うわあ、カッコ悪いネーミング。それは生垣のことだよな?」
蘇部「そういえば舞城君も叫んだままどっか行っちゃったっけ」
黒田「案外、現れない生徒が犯人だったりして……」
津村「犯人は生徒ではありえないんじゃなかったか?」
氷川「常連投稿者のルサンチマンと見せかけて、実は誰かの陰謀ということも……」
日明「もう身内を疑うのは嫌だわ」
古処「うむ、疑うのは後だ。今は積木を守ることに専念するべきである」
積木「ガクガクブルブル」
浅暮「ま、こういう時は酒だな。殊能、つまみを頼む〜」

学内にいる生徒
森・清涼院(神戦争中?)・蘇部・乾・浦賀(保健室で休息中)・積木
浅暮・高田(保健室で付き添い)・霧舎・殊能(調理室で夜食作り中)
氷川・黒田・古泉(神戦争中?)・石崎・津村・北山・日明・関田

学外にいる生徒
新堂・中島(共に、自主的に見回り中)西尾・竹(竹宅付近でUターン)他、不明。

811 :名無しのオプ:03/04/24 22:00
竹さんのサイトの掲示板で、
「竹さんって西尾さんといい感じなんですか?」と聞いた人物ハケーン

812 :名無しのオプ:03/04/24 23:16
>>811ワラタ リアル竹さんの反応が気になる。。。


813 :名無しのオプ:03/04/25 12:22
>>812
BBSお休みになってます……。
あーあ。

814 :名無しのオプ:03/04/25 15:15
リアルいーたんはもろヲタ容姿らしいからねえ。

815 :名無しのオプ:03/04/25 15:28
北山「西尾君と竹さん、なかなか来ませんね」
日明「途中で喧嘩でもしたのかしら」
秋月「これで決別してくれたら、僕にもチャンスがあるかも」
乾 「ないない。……ていうかお前いつからいたんだよ!」

816 :こんなん思いついてちょっと鬱:03/04/26 02:37
霧舎「なんとかして高里さんを探さないと……はっ、そうだ!」

霧舎「氷川! 君の今度の新刊、確か石崎の名前が出てたよな?!」
氷川「え、ええ(困惑)」
霧舎「それでびっくりした石崎が、君んとこの掲示板に書き込みしたんだよな?」
氷川「ええ、『武蔵の39歳』って……メフィスト読むまで、なんのことか解りませんでしたけど」
乾「おいおい何氷川に噛みついてんだよ霧舎」
霧舎「乾、おまえ悔しいよな?! 石崎と氷川が仲良くしてて、悔しいよな?」
乾「は? なんで俺に振るんだよ!」
氷川「そうですよ、第一それと高里さんとどういう関係が」
霧舎「頼むから悔しいって言ってくれよー!」

関田「霧舎さん……まさか三角関係をネタに高里さんを呼び戻そうとしてるんじゃ……」

817 :816:03/04/26 02:39
797のまま書き込みしちゃったよ……
逝ってきまつ

818 :高里:03/04/26 03:36
三角関係……ハァハァ
氷川×石崎←乾……ハァハァ

819 :名無しのオプ:03/04/26 03:54
高里「ハァハァ……あれ? みんなどうして学校にいるの?」
霧舎「!!!」
乾 「本当に来ちゃったよ」
石崎「ナイス嗅覚だ。浅暮の後継者は高里で決まりだな」
浅暮「勝手に殺すな」

820 :名無しのオプ:03/04/26 04:10
秋月と高里が加わったが、他の生徒が来る気配は一向になかった。

森 「……この調子ではみんなが集まるまでに夜が明けてしまいますね(笑)」
関田「危険なのは積木さんだけなんだから、みんないる必要ないのでは?」
氷川「事情は承知しましたし、後は自衛の問題ですよね。帰りたい人は帰っても
   いいんじゃないですか?」
日明「そうねぇ。お肌の荒れが気になるし、お家に帰ってスキンケアしたいわ」
乾 「確かにこのまま敵を待ってても来るとは限らないし。僕はもう関係ないし」
秋月「ただ待ってるだけじゃ目立てなさそうだしな……」
蘇部「むにゃむにゃ」
殊能「蘇部君、こんな所で寝たら風邪ひくよ。帰った方がいい」
積木「ちょっ、ちょっと待ってくれ。そうやってみんなの警戒を緩め散り散りに
   なったところを狙って襲いにくるかもしれないじゃないか」
古処「安心しろ。我々が守ろう。寝袋と非常食もある」
高里「まあ……古処×積木ね!! 二人は危機を共に乗り越える内に、固い絆で
   結ばれるのね。一つの寝袋に二人で寝てしまうのねッ」
津村「あの、俺もいるんですけど……」
石崎「うーん。俺もいったん帰るかな」
積木「お、お前まで(泣)」
石崎「いや、ちょっと家で確かめておきたいことがあってな」
  (まさかとは思うが、俺のコレクションは無事だろうか……?)

821 :名無しのオプ:03/04/26 12:23
学園の前に一人の男が佇んでいた。
右手に北海道土産の紙袋を下げた男は、不安と期待の入り混じった顔で
校舎を見上げる。
男はメフィスト学園の新入生、小路幸也だった。

「ここかぁ……」

小路は学内に漂うただならぬ雰囲気を北の大地で培った鋭敏な嗅覚で感じ取る。

「今は忙しそうだな。挨拶はまたにしようっと」

長く広告代理店に勤務していた小路には、やたらに周囲に気を使う癖が染み付いていた。
彼は余計な混乱を避けるため、手にしていた紙袋を校門の脇に置きその場を立ち去る。

「落ち着いた頃に出直そう。誰かお土産に気付いてくれるといいけど」

そして学園には、紙袋一杯の生きた蟹だけが残されたのだった。

822 :名無しのオプ:03/04/26 16:02
中島「こちら、校門前自警団。不審物を発見した」
古処「今すぐ向かう。触らずに待て。爆発物かもしれん」

トランシーバーで連絡を受けた古処達はすぐさま校門へ直行した。
津村「うっ。なんだか生臭いですね」
新堂「死体の一部でも入ってるのかもしれんな」
古処「やはり犯人の仕業か。卑怯な輩め」
中島「ここでは人目がある。場所を移して中を調べよう」

そうして彼等が蟹の入った紙袋を理科室へそっと運んでいる最中、
積木は一人トイレにいた。
積木「ふう……。ガードしてもらっているのはありがたかったが、
   男二人に監視されながらじゃ出るものも出なかったんだよな。
   今のうちにやってしまうおう」
小の方であったが用心のため個室に入る。鍵を閉め、腰をかける。
ふと明かりが暗くなった気がして積木は天上を見上げた。
真っ黒の何かが個室の上から覗いている。その右手には銀色の……。
「うわあああああああああああああ」
それが積木の意識が薄れる前の最後の記憶だった。  

823 :名無しのオプ:03/04/26 16:16
積木は切り裂かれた腹から『歪んだ創世記』をはみ出させ、意識を失っていた。
尋常ではない気配を嗅ぎ取った浅暮がすぐに駆けつけたため、
積木はすぐさま治療を受けることができた。

古処「くそっ。積木よ、どうして一人でクソにいってしまったんだ」
浅暮「いや、この臭いは小の方……ってそれはどうでもいいか。
   これは俺の責任だ。酒がきれてちょっと席を立っている間に……」
津村「みんな帰ってしまってガードが手薄になっているところを
   狙いすましてやって来たんだな。俺一人でも残るべきだった……」
高田「悔やんでも仕方ないですよ。命に別状はなかったんですから」
中島「しかし蟹の陽動作戦とは、敵もなかなかやるな」
浅暮「犯人の手がかりになるかもしれんな。探偵組みを呼ぼう」
新堂「ふん、まだるっこしい推理なんて必要ない。次の標的は俺だ。
   すぐに返り討ちにしてくれるわ」

824 :名無しのオプ:03/04/26 16:20
さーて……小路を登場させなきゃいかんね
作風からするとノスタルジック野郎になるのかな

825 :名無しのオプ:03/04/26 16:27
ちなみに小路は1961年生まれなので蘇部と同い年です。
おお、例の三角関係が四角関係に発展したりするんだろうか。

826 :名無しのオプ:03/04/26 19:15
積木が今まさに切り裂かれていた頃、石崎は自宅への帰途を急いでいた。
所蔵するメフィスト賞コレクションを確認するために。

石崎(まさかとは思うが、備えあれば華麗無し……)

ツッコミ役がいない今、その呟きに反応する者はいなかった。が、

「あ、石崎さんじゃないですか」

声が聞こえた。

石崎「おまえは……、小路か! もう来てたのか」
小路「お久しぶりです」
石崎「うんうん。あのときは世話になったな」

ピクニック後、ひとり取り残されていた石崎は、
地下から現れた小路に家まで送ってもらっていたのだった。

小路「今日は正式入学の挨拶と、──これを届けに来たんです」

その手には、一本のビデオテープが握られていた。

827 :名無しのオプ:03/04/26 19:16
石崎「ん。それは?」
小路「生垣さんに頼まれていた前のピクニックの、
   編集済みマスターです。今日届けてくれ、と頼まれてまして」
石崎「そういえば積木がそんなこと言ってたような……
   まあ、生垣は今日来てないみたいだぞ。見掛けてないからな」
小路「そうなんですか…おかしいなあ」
石崎「あ、ほら。あそこにいるぞ」

石崎はいたずら心を起こし、近くにあった『生け垣』を指さす。

小路「? いませんよ?」

きょとんとする小路。騙されたことにも、洒落にも、全く気付かない。

石崎(天然か……新しいタイプだな)


828 :名無しのオプ:03/04/26 19:29
ついに小路が絡んできたな。
無自覚なトラブルメーカーになりそうな予感。
カニが……。

829 :名無しのオプ:03/04/26 22:30
霧舎はなんだか最近ストーカー化してるね
元のキャラに戻ったと言うべきか

でも自分の中では美術室のイラスト見て以来
霧舎のビジュアルは霧舎学園の棚彦なんだけど(いや実物も知ってるんだけどさ)

830 :名無しのオプ:03/04/26 22:41
漏れも1ではただのブスの801女というイメージだった高里が霧舎学園のアレに脳内変換される……鬱

831 :名無しのオプ:03/04/27 10:41
ということは、みんな霧舎学園読んでるってこと?
すごいなあ。勉強熱心だねぇ。

832 :名無しのオプ:03/04/27 11:22
医務室には、まだ意識の戻らぬ積木が横たわっている。
看病を続ける高田の傍らに高里が近づいてきた。

高田「あれ。高里さん帰ってなかったんですね」
高里「だって、積木君のことが気になって……」
霧舎「!!!」
(気になるって……彼女は積木のことが好きだったのか!?)
医務室の扉の影で立ち聞きしていた霧舎は涙目で走り去った。
高里「だって古処×積木っていう新しいカップルが誕生しようというのに、
   それを目撃しないわけにはいかないでしょ? しかも積木君がこんな
   目にあってしまったことで、二人の仲がより一層ドラマチックに……」
高田「……最後まで聞いてればよかったのに」
高里「え? 何が?」
高田「いえいえ。独り言です」

833 :名無しのオプ:03/04/27 11:47
新堂はドスを腹に刺し込んで、堂々と校内を練り歩いていた。
その背中を守るように中島が付き添っている。
校舎の周りは津村が銃器を片手に巡回し、
古処は念のため新堂の次のターゲットとなる浅暮の傍にいた。

新堂「おら出て来い、変態ハサミ野郎。いつでもきやがれってんだ。
   それとも俺の方から行ってやろうか?」
中島(さすが新堂。まったく敵を恐れていない。それどころか殺られる前に
   殺る気満々だ。数々の修羅場をくぐり抜けてきただけのことはある)
新堂「俺に怖いものなんてねえんだよ。おらどうした、変態カニ野郎!」

訂正する者がいないため、すっかりカニは犯人の仕業ということになっている。
ちなみにそのカニは殊脳によって調理中だ。彼はその為だけに学園に戻ってきた。
何故なら蘇部が「カニさんてどんな味だったけ。久しぶりに食べたいな〜」などと
言ったとか言わなかったとか。

中島「さっさと敵を始末して美味しいカニを食べたいものだな。そろそろ朝だ」
新堂「ああ、朝日がまぶしいぜ……。ん? しまった! 朝ご飯を用意せねば!」
中島「お、おい。どこへ行く、こんなときに……!!」
咄嗟のことで、中島は出遅れた。新堂は中島に構わず走り去る。

新堂「俺のプチアンジェがお腹をすかせている! 朝の散歩もしてやらなきゃ!」
そのときの新堂は、通り魔のことなど一切頭から抜け落ちていた。

834 :名無しのオプ:03/04/28 07:27
まさか、次のターゲットは・・・
急げ新堂!!!!!!

835 :名無しのオプ:03/04/28 12:36
戦いは一方的だった…。まず古泉は群れから離れたところにいる清涼院に向かう。交差する瞬間、古泉の両手がきらめき
清涼院はバラバラになる。「リュースイ…」とうめいて、なぜかバラバラになった体が消滅し、そこにはおびただしい血が残る。
清涼院の群れの周りをまわりながら、群れから外れた群れから外れた清涼院を撃破するうち、業を煮やした清涼院が何人か
群れから飛び出し古泉に襲い掛かるが。それも撃破していく。

古泉(弱すぎる…。それに何より統制が取れてなさ過ぎる。同一人物の群れだというのに…)
  (まぁ、らしいといえばらしいが…)
  (あの舞城を一度倒したというが…教団のために今まで異教徒と戦ってきた私と実戦経験が違う…。そして何より違うのは
   私にはアッラーの加護がありほかの生徒たちにはないのだ!)

断食と荒行により脂肪が削げ落ちしなやかな筋肉に覆われた古泉の肉体から繰り出される一撃は、次々と清涼院を打ち倒していく。

836 :名無しのオプ:03/04/28 12:56
気が付くとあたりには煙が立ち込めている…。群れの周りをまわりながら古泉は風上に香(大麻)を焚いていたのだった。
煙により混乱する清涼院、その隙に群れの中に飛び込み、混乱に乗じて次々と撃破していく古泉。挙句、混乱した清涼院は同士討ちをはじめ
煙が消えるころには清涼院の数は両手の指にも満たなかった。
慌てて逃げ出す清涼院。追いすがりそれを次々と処理していく古泉。

古泉(こいつのことだまだどこかで平気な顔したこいつがいるのだろうが、まあよい。これで我らムスリムの…アッラー力は思い知らせただろう…)

おもむろに武器をしまうと香炉を回収しつつ冷凍庫に帰っていく古泉。それを屋上で見ている男がいた…

森「おやおや、これからは古泉君の評価を変えねばなりませんね(笑)。しかしこの勝負は痛みわけと言うところでしょうか。」

森の視線の先、グラウンドには清涼院の血により大きく流水サインが描かれていた…



このあと810ということで

837 :名無しのオプ:03/04/28 13:27
朝、学園内は事件のことであわただしい空気に包まれていたがそこに突如古泉が現れた。

森「おや古泉君、教室に来るなんて久しぶりですね(笑)」
蘇部「ほんとだー久しぶりだねー」

珍しいものを見たというような声を上げる生徒をよそに古泉が口を開く。

古泉「新堂を探しているのだが…どこにいるかわからないか?」
高里「きゃっ。新しいカップル誕生かしら。でも意外すぎるカップルね。どういうつながりなのかしら。それに古泉君の口からアッラー以外の
   言葉を聞くなんてホント久しぶり。これも愛ゆえかしら。きゃっ」
古泉「昨日香が切れてしまってな…。あいつは良質な香を扱ってるからいつも頼んでいる。それだけだ…」

蘇部「へー。新堂君て、なんか手広くやってそうだけどお香とか扱ってたんだぁ。あろまてらぴーってのかなぁ。殊能君興味あるんじゃない?」
殊能「そうだね。珍しいハーブのお茶とか扱ってないかなぁ。蘇部くんもどう、すごく気分が落ち着くよ」

氷川(やくざの扱うハーブなんて…。歌野先生にでも知らせとこうか…


838 :名無しのオプ:03/04/28 20:20
容量500Kが限界なんだっけか?
そろそろ次スレたてないといかんかも

839 :名無しのオプ:03/04/28 20:33
神戦争の意味がワカラナイ……(´・ω・`)

840 :名無しのオプ:03/04/29 09:48
次スレたてました。スレタイ捻ってなくてスマソ。
http://book.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1051577108/l50

新スレもマターリ楽しく行きましょう。

841 :名無しのオプ:03/04/29 23:10
このスレの残りどうやって埋めようかね

842 : :03/04/30 01:23
節約梅

843 :名無しのオプ:03/05/03 21:00
うめる

844 :名無しのオプ:03/05/03 21:00
やっぱさげる

845 :名無しのオプ:03/05/07 10:09
安心しろ

846 :名無しのオプ:03/05/07 23:05
騙されるな!

847 :名無しのオプ:03/05/09 01:28
川●◇●) リューーースイ!


848 :名無しのオプ:03/05/10 21:24
わ!
こんなところに御大襲撃!

849 :名無しのオプ:03/05/13 18:02
やくざの扱うハーブ・・・

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